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安全データシート
1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2,2-ジクロロエテン (別名:p,p'-DDE)
作成日 2018年03月16日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2,2-ジクロロエテン (別名:p,p'-DDE) (p,p'-Dichlorodiphenyldichloroethylene)
製品コードH29-A-012
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限農薬DDT代謝物

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
発がん性区分1B
生殖毒性区分1B
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分2 (甲状腺、肝臓)
分類実施日
(環境有害性)
H29年度 分類実施中
環境に対する有害性分類実施中
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。
GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有害
発がんのおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による甲状腺、肝臓の障害のおそれ
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2,2-ジクロロエテン
別名p,p-DDE
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C14H8Cl4 (318.03)
化学特性 (示性式又は
構造式)
構造式
CAS番号72-55-9
官報公示整理番号
(化審法)
情報なし
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び
安定化添加物
情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
消火剤散水、粉末消火剤、耐アルコール性泡消火剤、二酸化炭素
使ってはならない消火剤棒状注水
特有の危険有害性火災時に塩化水素、一酸化炭素、二酸化炭素を放出する可能性がある。
特有の消火方法火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。
延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。
消火活動は風上から行う。
火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び
緊急措置
関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。
取扱いや保管場所の近傍での飲食の禁止。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10.安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件容器を密封し、換気の良い乾燥した冷所に保管する。
施錠して保管すること。
安全な容器包装材料国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2017年度版)(吸入性粉じん) 2 mg/m3
(総粉じん) 8 mg/m3
(第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん)
ACGIH(2017年版)PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles)
PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles)
* Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified
設備対策粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所換気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡/保護面をを着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色結晶性固体 (HSDB (2017))
臭い情報なし
臭いのしきい(閾)値情報なし
pH情報なし
融点・凝固点89℃ (HSDB (2017))
沸点、初留点及び沸騰範囲336℃ (Howard (1997))
引火点情報なし
蒸発速度(酢酸ブチル=1)情報なし
燃焼性(固体、気体)可燃性 (GESTIS (2017))
燃焼又は爆発範囲情報なし
蒸気圧6.0×10-6 mmHg [換算値 0.0008 Pa (25℃)] (HSDB (2017))
蒸気密度情報なし
比重(相対密度)情報なし
溶解度水:0.04 mg/L (25℃) (HSDB (2017))
脂肪及びほとんどの有機溶媒に可溶 (HSDB (2017))
n-オクタノール/水分配係数6.51 (HSDB (2017))
自然発火温度情報なし
分解温度情報なし
粘度(粘性率)情報なし

10.安定性及び反応性
反応性情報なし
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件混触危険物質との接触
混触危険物質強酸化剤、強塩基類
危険有害な分解生成物火災時に塩化水素、一酸化炭素、二酸化炭素を放出する可能性がある。

11.有害性情報
急性毒性
経口GHS分類: 区分4
ラットのLD50値として、880 mg/kg (ATSDR (2002)) との報告に基づき、区分4とした。
経皮GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
吸入:ガスGHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミストGHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
眼に対する重篤な損傷性又は
眼刺激性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
呼吸器感作性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。高レベルのばく露で本物質はヒトの眼に対して刺激性を示すとの記述 (ATSDR (2002)) があるが、詳細が不明であるため分類できないとした。
皮膚感作性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性、染色体異常試験で陽性、陰性の結果、姉妹染色分体交換試験で陽性である (EHC 241 (2011)、NTP DB (Access on August 2017))。
発がん性GHS分類: 区分1B
ヒトでは米国において精巣の胚細胞腫瘍754症例とDDT (ジクロロジフェニルトリクロロエタン: p,p'-DDTとo,p'-DDTを含む混合物)、DDE (ジクロロジフェニルジクロロエチレン: 本物質 (p,p'-DDE) を含む異性体混合物でDDTの推定代謝物) を含む残留性有機汚染物質の血清レベルとの関係を調査した症例対照研究において、血清中DDE レベルが0.39 μg/g脂質以上の群では血清中DDEレベルと精巣胚細胞腫瘍の発生との間に強いかつ有意な相関 (RR = 1.71; 95% CI = 1.23〜2.38) がみられたとの報告がある (EHC 241 (2011))。実験動物では本物質 (純度約95%) をラット、又はマウスに78週間混餌投与後、ラットは35週間、マウスは15週間放置後に計画屠殺した発がん性試験では、ラットに発がん性は示されなかったが、雌雄マウスに用量依存的な肝細胞がんの頻度増加がみられた (NTP TR131 (1978))。なお、EPAはこの試験において、雌ラットには甲状腺腫瘍の用量依存的な増加傾向がみられると指摘している (IRIS (1988))。また、上記試験と異なる系統のマウスに本物質 250 ppm を130週間混餌投与した試験において、雌雄ともに肝細胞がんの頻度増加がみられ、その他ハムスターに500及び1,000 ppm を128週間混餌投与した試験でも、雌雄ともに肝臓の腫瘍性結節の頻度増加が認められた (IRIS (1988))。EPAは実験動物では発がん性の証拠が十分あるとして、本物質をB2 (Probable human carcinogen) に分類した (IRIS (1988))。
以上、ヒトでのわずかな知見、複数動物種での発がん性の証拠、及び既存分類結果から区分1Bとした。なお、関連化合物であるDDTの発がん分類について、IARCは従来のグループ2Bからグループ2Aに変更すると発表している (IARC Press release No. 236 (2015))。
生殖毒性GHS分類: 区分1B
ヒトでは血清中本物質レベルと胎児死亡との関連性、血清本物質レベルと妊娠期間の減少及び矮小児の増加、本物質の周産期又は生後早期のばく露と幼児期・思春期の成長遅延などの報告があるが、否定的な報告もあり、本物質ばく露による生殖発生影響として確定的な影響はなく、男児における尿道下裂、AGD (肛門生殖突起間距離) 短縮、潜伏睾丸についても相反する報告があり結論を導けないか否定的である (EHC 241 (2011))。実験動物では妊娠ラットに経口投与 (100 mg/kg/day、妊娠14〜18日) した複数の試験で雄出生児にAGDの短縮、乳頭遺残、尿道下裂の頻度増加がみられたとの報告、及び雄ラットに離乳時から生後57日まで100 mg/kg/dayを経口投与した試験で性成熟期の遅延がみられたとの報告がある (EHC 241 (2011)、ATSDR (2002))。本物質は抗アンドロゲン作用を有し (EHC 241 (2011))、雄児動物への影響はその作用との関連性が考えられる。
以上、本物質は実験動物では周産期又は生後早期のばく露で雄児に奇形 (尿道下裂) を含む発生影響を示すことが明らかであるが、ヒトでの生殖発生影響は現時点まで明らかではない。よって、区分1Bとした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)GHS分類: 区分2 (甲状腺、肝臓)
実験動物については、ラットを用いた78週間混餌投与試験 (低用量群 (雄: 437 ppm、雌: 242 ppm)、高用量群 (雄: 839 ppm、雌: 462 ppm)) において、区分2のガイダンス値の範囲内である、雄の437 ppm (ガイダンス値換算: 21.85 mg/kg/day) 以上、雌の242 ppm (ガイダンス値換算: 12.1 mg/kg/day) 以上で死亡率の増加、甲状腺の濾胞細胞過形成、肝臓の小葉中心性壊死、脂肪化がみられたとの報告がある (NTP TR131 (1978))。
以上から、区分2 (甲状腺、肝臓) とした。
吸引性呼吸器有害性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)分類実施中
水生環境有害性(長期間)分類実施中
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号該当しない
国連品名該当しない
国連危険有害性クラス該当しない
副次危険該当しない
容器等級該当しない
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及び
IBCコードによるばら積み
輸送される液体物質
該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策イエローカード携行が望ましい。
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
法規制なし

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。