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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
2−(N−ドデシル−N,N−ジメチルアンモニオ)アセタート
作成日 2008年10月6日
改訂日 2016年3月31日
改訂日 2019年3月15日
改訂日 2024年3月29日
化学品の名称2−(N−ドデシル−N,N−ジメチルアンモニオ)アセタート
化学品の英語名称[Dodecan-1-yl(dimethyl)ammonio]acetate
製品コードR05-C-072-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限繊維仕上げ剤,化粧品・シャンプー原料,消毒剤 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版 (Ver2.1))を使用  ※一部、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
皮膚感作性区分1
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分2 (消化管)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分2 (腎臓、膀胱)
分類実施日
(環境有害性)
H28.3.31、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分1
水生環境有害性 長期(慢性)区分3
GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性環境
注意喚起語警告
危険有害性情報飲み込むと有害
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
消化管の障害のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による腎臓、膀胱の障害のおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響によって水生生物に有害
注意書き
 安全対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
 応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
漏出物を回収すること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名2−(N−ドデシル−N,N−ジメチルアンモニオ)アセタート
慣用名又は別名ジメチルドデシルベタイン
ドデシルジメチルアンモニオアセタート
[ドデカン−1−イル(ジメチル)アンモニオ]アセタート
英語名[Dodecan-1-yl(dimethyl)ammonio]acetate
2-(N-dodecyl-N,N-dimethylammonio)acetate
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C16H33NO2 (271)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号683-10-3
官報公示整理番号(化審法)2-1291, 2-2709
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合医師に連絡すること。
以上、GHS分類結果参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣類を脱がせる。皮膚に付着した部分を多量の水/石けんで洗うこと。皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
以上、GHS分類結果参照。
眼に入った場合医師に連絡すること。
以上、GHS分類結果参照。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。
以上、GHS分類結果参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤情報なし
使ってはならない消火剤情報なし
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス;窒素酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置保護具を着用する。
環境に対する注意事項化学品を扱う場合の一般的な注意として、周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
危険でなければ漏れを止める。
少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。
大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
二次災害の防止策付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
以上、GHS分類結果参照。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策蒸気またはミストを吸入しないこと。
取扱い後は手をよく洗うこと。汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
以上、GHS分類結果参照。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること。
以上、GHS分類結果参照。
安全な容器包装材料国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度-
濃度基準値
八時間濃度基準値-
短時間濃度基準値-
許容濃度等
日本産衛学会(2023年版)-
ACGIH(2023年版)-
設備対策情報なし
保護具
呼吸用保護具必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。
防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。
−防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
−濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する
注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
−作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する
−酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。
手の保護具適切な不浸透性の保護手袋を着用する。
保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体〜固体
無色〜淡黄色
臭い特徴的な臭い
融点/凝固点-43.8〜-28.2 ℃(ECHA(2023))
沸点、初留点及び沸騰範囲155〜176 ℃(ECHA(2023))
可燃性データなし
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点データなし
自然発火点データなし
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 464 g/L(25℃)(ECHA(2023))
n-オクタノール/水分配係数log Pow: -0.070(ECHA(2023))
蒸気圧1679.6 Pa(21.1℃)(ECHA(2023))
密度及び/又は相対密度1.159 (20℃)(ECHA(2023))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件情報なし
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値 (OECD TG 423) として、300〜2,000 mg/kgとの報告 (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2015)) に基づき、区分4とした。
経皮データ不足のため分類できない。
吸入: ガスGHSの定義における固体である。
吸入: 蒸気GHSの定義における固体である。
吸入: 粉じん及びミストデータ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性データ不足のため分類できない。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性データ不足のため分類できない。
呼吸器感作性データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)h-CLAT法試験(OECD TG 442E、GLP)において、CD54のRFIが200%の閾値を、CD86のRFIが150%の閾値を超え、かつ細胞生存率は双方とも50%以上であった(区分1相当の知見)との報告がある(REACH登録情報(Accessed Nov. 2023))。
(2)KeratinoSens TM法試験(OECD TG 442D、GLP)において、EC1.5 = 9.09μg/mlであり、区分1相当の結果が得られたとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Nov. 2023))。
生殖細胞変異原性データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である (厚労省 既存化学物質毒性データベース (Accessed October 2015))。
発がん性データ不足のため分類できない。
生殖毒性ラットを用いた反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物に一般毒性影響 (死亡 (雌2/12例)、腎臓・膀胱の組織傷害 (60 mg/kg/day以上)、前胃の組織傷害など) が明らかな300 mg/kg/dayで、母親動物に妊娠期間の延長、出産児数の減少がみられたが、死亡例のうち1例は妊娠末期に、他の1例は分娩途中に死亡し、周産期における死亡、難産はいずれも母親動物への重篤な一般毒性影響によるもので、結果として妊娠期間の延長、産児数減少を生じたと考察されており (厚労省既存化学物質毒性データベース (Accessed October 2015))、本物質投与に関連した特異的な生殖影響ではないと考えられた。すなわち、当該試験からは本物質投与に関連した生殖発生影響は検出されなかったが、スクリーニング試験のため、この結果のみで区分に該当しないとはできず、他に利用可能なデータはない。よって、本項はデータ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)ヒトのデータはない。実験動物では、ラットの経口投与 (2,000 mg/kg、区分2相当) で自発運動低下、不整呼吸、消化管障害 (胃及び小腸の膨満、腺胃粘膜赤色化、赤色透明な腹水貯留) の報告がある (厚労省 既存化学物質毒性データベース (Accessed October 2015))。
以上より、本物質は消化管障害が認められることから、区分2 (消化管) とした。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)ヒトに関する情報はない。
実験動物では、ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、区分2の範囲である60 mg/kg/day (90日換算:雄で28 mg/kg/day) で腎臓の尿細管上皮の壊死及び腎盂上皮の過形成、膀胱の粘膜上皮過形成が認められた (厚労省 既存化学物質毒性データベース (Accessed October 2015))。
したがって、区分2 (腎臓、膀胱) とした。
誤えん有害性*データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)魚類(メダカ)96時間LC50 = 0.88 mg/L(環境省生態影響試験, 2004)であることから、区分1とした。
水生環境有害性 長期(慢性)慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(28日でのO2 consumption/BOD分解度=96%、TOC removal分解度=98%、HPLC分解度=100%(経済産業公報, 2004)及び28日でのBOD (NH3)分解度=96%、HPLC分解度=100%(経済産業公報, 2004))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC (繁殖) = 0.29 mg/L(環境省生態影響試験, 2005)であることから、区分3となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 0.88 mg/L(環境省生態影響試験, 2004)であるが、急速分解性があり、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow= 0.47(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分に該当しないとなる。
以上の結果を比較し、区分3とした。
残留性・分解性化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号3082
品名(国連輸送名)環境有害性物質(液体)、n.o.s.
国連分類9
副次危険-
容器等級V
海洋汚染物質該当
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*171
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和8年4月1日以降)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和8年4月1日以降)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(令和8年4月1日以降)
皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2)
作業場内表示義務(法第101条の4)(令和8年4月1日以降)
化審法優先評価化学物質(法第2条第5項)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
毒物及び劇物取締法-
船舶安全法有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
・厚生労働省「皮膚障害防止用保護具の選定マニュアル第1版」
修正履歴
R6.3.29:
・危険有害性の分類について物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。
・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。