1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品等の名称 | N,N-ジメチルホルムアミド | ||
製品コード | H30-C-044-MHLW | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | ウレタン系合成皮革,分析化学用・有機合成用溶剤/溶剤[ウレタン系合成皮革用, スパンデックス繊維用分析化学用 (溶媒,ホルミル化試薬),染料中間体・農薬・医薬合成用,各種ポリマー用(アクリロニトリル型重合体,ウレタン樹脂等), 特殊インキ,繊維製品プリント用(リンタングステン酸と化合したローダミンやビクトリアブルーなどの色素を溶かす)],触媒(セルロースのアセチル化),ガス吸収剤 (ブタジエン,アセチレン,エチレン,プロピレン,亜硫酸,硫化水素,青酸,三フッ化ホウ素,無水硫酸) |
2.危険有害性の要約 | ||||
---|---|---|---|---|
GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分2B | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
発がん性 | 区分1B | |||
生殖毒性 | 区分1B | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(肝臓)、区分2(呼吸器) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(肝臓) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | - | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 吸入すると有毒 皮膚刺激 眼刺激 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 肝臓の障害 呼吸器の障害のおそれ 長期にわたる又は反復ばく露による肝臓の障害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 火災を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 取扱い後は...よく洗うこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
応急措置 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 火災の場合:消火するために...を使用すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医師に連絡すること。 特別な処置が必要である (このラベルの...を見よ)。注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣服を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当を受けること。 ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | N,N−ジメチルホルムアミド | ||
別名 | ジメチルホルムアミド ホルミルジメチルアミン ホルミンジメチルアミン DMF Dimethylformamide DMF DMFA Formamide, N,N-dimethyl- Formyldimethylamine N-formyldimethylamine | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C3H7NO (73.09) | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 68-12-2 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-680 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | - |
4.応急措置 | 「2.危険有害性の要約」における応急措置も確認すること。 | ||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 医師に連絡すること。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 皮膚を流水またはシャワーで洗うこと。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | データなし | ||
応急措置をする者の保護 | データなし | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。 消火後再び発火するおそれがある。 火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器が熱に晒されているときは、移さない。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | ||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 情報なし | ||
環境に対する注意事項 | 情報なし | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に使用説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 眼に入れないこと。 皮膚との接触を避けること。 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
接触回避 | 情報なし | ||
衛生対策 | 情報なし | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 情報なし | ||
安全な容器包装材料 | データなし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 10 ppm | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2019年度版) | 許容濃度: 10 ppm、30 mg/m3、経皮吸収 | ||
ACGIH(2019年度版) | TLV-TWA: 5 ppm、Skin | ||
設備対策 | 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 情報なし | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色〜黄色 | ||
臭い | データなし | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 6.7 | ||
融点・凝固点 | -61℃:HSDB(2005) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 153℃:HSDB(2005) | ||
引火点 | 58℃(密閉式):NFPA(13th,2002) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 2.2 〜 15.2vol%(100℃):HSDB(2005) | ||
蒸気圧 | 3.87mmHg(25℃) [換算値 515Pa(25℃)]:HSDB(2005) | ||
蒸気密度 | 2.52(空気=1) 計算値 | ||
比重(相対密度) | 0.9445(25℃/4℃):Merck(13th,2001) | ||
溶解度 | 水、ほとんどの一般的な有機溶媒と混和する。:Merck(13th,2001) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | logPow=-1.01(測定値):SRC:KowWin(2005) | ||
自然発火温度 | 445℃:HSDB(2005) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 酸化剤、硝酸塩、ハロゲン化炭化水素と激しく反応する。 ある種のプラスチックやゴムを侵す。 | ||
避けるべき条件 | データなし | ||
混触危険物質 | 酸化剤、硝酸塩、ハロゲン化炭化水素 | ||
危険有害な分解生成物 | データなし |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | ラットを用いた試験の LD50値が 3,000 mg/kg, 3,920 mg/kg, 4,000 mg/kg, 4,320 mg/kg, 3,200 mg/kg, 7,170 mg/kg(EHC 114(1991))より、区分外(国連分類では区分5)とした。 | ||
経皮 | ラットを用いた試験の LD50=3,500 mg/kg(環境省リスク評価第1巻(2002))、5,000 mg/kg, 11,140 mg/kg, 11,000 mg/kg(EHC 114(1991)), より区分外(国連分類では区分5)とした。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は推定されず、分類対象外とした。 | ||
吸入:蒸気 | マウスを用いた試験のLC50値が9400mg/m3/2時間(換算値4.7mg/L 4時間、この値は飽和蒸気圧の90%より低く蒸気と判断される)である(HSDB, 2005)ことから区分3とした。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データなし。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(6)より、本物質は刺激性を有するとの複数の証拠があることから、区分2とした。なお、新たな情報源を用いて旧区分を変更した。 【根拠データ】 (1)本物質をヒトがばく露することによる皮膚刺激性と発疹の症状を示す情報が複数あり、軽微から中等度の皮膚刺激性を示すとの報告がある(ACGIH(2018)、CICAD(2001))。 (2)本物質と偶発的接触(体の約20%)した52歳男性は、肌を洗浄後、再び着衣し、車で帰宅したところ、45分後の症状として皮膚の炎症と充血が報告されている(PATTY(6th、2012)、厚労省有害性評価書(2017))。 (3)仕事中本物質に偶発的にばく露した21歳及び28歳の男性は、手と前腕の紅斑性発疹が生じたとの報告がある((厚労省有害性評価書(2017))。 (4)マウスの皮膚に本物質500 mg/kg体重を適用したところ、2〜3時間後に一過性の刺激性がみられ、2,500及び5,000 mg/kg体重では軽度の刺激性がみられたとの報告がある(EHC(1991)、NITE初期リスク評価書(2005)、厚労省有害性評価書(2017))。 (5)ラットの皮膚に本物質94, 472, 944 mg/kg体重を適用したところ、944 mg/kg体重で皮膚刺激性を示したとの報告がある(PATTY(6th、2012))。 (6)ウサギの皮膚に本物質100, 200, 400 mg/kg体重を適用したところ、400 mg/kg体重で皮膚刺激性を示したとの報告がある(PATTY(6th、2012))。 (7)本物質は、健康障害を防止するための指針に係る通達の中で、「皮膚、目、粘膜を強く刺激する物質」とされている(厚生労働省労働基準局長 基発第0614001号、平成28年3月31日基発0331第26号により廃止)。 【参考データ等】 (8)本物質は、平成8年労働省告示第33号(平成25年厚生労働省告示第316号により改正)において、労働基準法施行規則別表第一の二第四号1の厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)に「ジメチルホルムアミド」として指定されており、本物質にさらされる業務による、特定の症状又は障害を主たる症状又は障害とする疾病(頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状、皮膚障害、前眼部障害、気道障害、肝障害又は胃腸障害)が、業務上の疾病として定められている。 (9)本物質は、平成15年厚生労働省労働基準局長通知基発第0811001号において、労働安全衛生規則第593条に規定する有害物で保護眼鏡等の眼障害防止用保護具を備えなければならないもののうち「ジメチルホルムアミド」として指定されている。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、本物質は刺激性を有すると考えられる。GLP試験(1)の証拠の重みを踏まえて区分2Bとした。なお、新たな情報源を用いて旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験(GLP準拠、n=6)で本物質原液を適用したところ、1、4時間後に上眼瞼及び下眼瞼の内側に大きな水疱が見られたが、24時間後には縮小し、48時間後には回復したとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験(n=3)において、本物質原液、10%、50%溶液(0.9%NaCl)を適用したところ、1時間後に結膜浮腫及び紅斑が見られたが、6日後には回復したとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。 (3)ウサギの眼刺激性試験において、結膜嚢に本物質水溶液(25%)0.1mLを適用したところ影響はみられなかったが、50%水溶液で軽度の刺激性が、75%水溶液及び原液では重篤な刺激性が見られたとの報告がある(EHC(1991)、厚労省有害性評価書(2017))。 (4)ウサギの眼刺激性試験において、本物質0.1mLを適用したところ、中等度の角膜傷害と結膜の充血がみられ、2〜3日後で顕著になり、14日後には軽度の結膜充血と重篤な傷害、軽度の表面歪み及び下層の血管新生を伴った中等度の角膜傷害がみられたとの報告がある(EHC(1991)、厚労省有害性評価書(2017))。 (5)本物質は、健康障害を防止するための指針に係る通達の中で、「皮膚、目、粘膜を強く刺激する物質」とされている(厚生労働省労働基準局長 基発第0614001号、平成28年3月31日基発0331第26号により廃止)。 | ||
呼吸器感作性 | データなし。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、感作性陰性を示す複数の証拠はあるが、感作性の有無を判断する十分な情報が得られず、分類できないとした。 【参考データ等】 (1)マウスを用いたLLNA試験(OECD TG406、n=6)で本物質溶液(アセトン/オリーブ油(4:1 v/v))を適用したところ、感作性を示す明らかな兆候は見られなかったとの報告がある(SIAR(2001)、ACGIH(2018)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。 (2)マウスを用いたLLNA試験で本物質を適用したところ、対照群と処置群で差は見られなかったとの報告がある(CICAD(2001)、ACGIH(2018))。 (3)モルモットを用いたMaximization試験で本物質を適用したところ、感作性を示さなかったとの報告がある(EHC(1991)、SIAR(2001)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。 | ||
生殖細胞変異原性 | CERI・NITE有害性評価書 No.8(2005)の記述から、経世代変異原性試験で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験がなく、体細胞in vivo変異原性試験で陽性の結果があり、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験がないことによる。 | ||
発がん性 | 吸入によるがん原性試験の結果、ラットの雌雄に肝臓の肝細胞腺腫と肝細胞癌の発生増加が認められ、マウスの雌雄に肝臓の肝細胞腺腫、肝細胞癌の発生増加が最低用量の200 ppmから、さらにマウスの雄に特に悪性度の高い肝芽腫が認められ、ラット、マウスの雌雄とも明らかな癌原性が示された(厚生労働省委託癌原性試験,2000)。肝臓腫瘍の発生に種差、性差がなく悪性度も高い腫瘍が発生している。この結果に基づき厚生労働省より「N,N-ジメチルホルムアミドによる労働者の健康障害を防止するための指針」(厚労省指針, 2005)が出されている。以上より区分1Bとした。 なお、日本産業衛生学会(1991)は第2群B、IARC 71(1999)がグループ3、ACGIH-TLV(2001)がA4に分類しているが、これらの評価にはこの試験結果は含まれていない。 | ||
生殖毒性 | CERI・NITE有害性評価書 No.8(2005)から、親動物に一般毒性影響のみられない濃度で、次世代に奇形(口蓋裂、外脳症、水頭症、蝶形骨欠損、癒合肋骨、尾欠損)などがみられていることによる。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ヒトについては「摂食障害、嘔吐、腹部、腰部、大腿部の痛みがみられ、症状が消えた後でも肝臓で線維化、組織球の集簇」(CERI・NITE有害性評価書No.8(2005))の記述があり、実験動物では「肺胞壁の肥厚」(CERI・NITE有害性評価書No.8(2005))等の記述があることから、肝臓、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より分類は区分1(肝臓)、区分2(呼吸器)とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ヒトについては「肝機能障害」、「アルコール不耐性の兆候が見られた.」(IRIS(1990))、「肝障害の増加ASTまたはALTの上昇」、「限局性肝細胞壊死、滑面小胞体の微小胞の脂肪変性」の記述があり、実験動物では「小葉中心性の肝細胞肥大」(NTP TOX22(1992))、「急性肝細胞傷害を示唆する」、「SGPT 及び SGOT 活性の上昇、幼若動物の肝臓に病理組織学的な変化」(IRIS(1990))、「100 ppm 以上: ALP 活性上昇200 ppm 以上: ALT 活性上昇」、「200 ppm 以上: 肝臓の単細胞壊死」(CERI・NITE有害性評価書No.8(2005))等の記述がある。なお実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より分類は区分1(肝臓)とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | - | ||
水生環境有害性(長期間) | - | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2265 | |||
国連品名 | N,N-DIMETHYLFORMAMIDE | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | 該当しない | |||
容器等級 | III | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 129 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emergency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 有機溶剤(第二種有機溶剤等) 名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物(法第57条、施行令第17条別表第3第1号並びに施行令第18条及び第18条の2別表第9) 健康障害防止指針公表物質(法第28条第3項) 作業環境評価基準(法第65条) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) | |||
化審法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
消防法 | 危険物、第4類、第2石油類 | |||
大気汚染防止法 | 揮発性有機化合物(法第2条第4項) 有害大気汚染物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |