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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
1,3-ジオキソラン
作成日 2003年5月6日
改訂日 2006年7月28日
改訂日 2018年3月16日
改訂日 2024年3月29日
化学品の名称1,3-ジオキソラン
化学品の英語名称1,3-Dioxolane
製品コードR05-C-029-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限リチウム電池・コンデンサー溶媒,エンジニアリングプラスチック原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H30.3.30、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
物理化学的危険性引火性液体区分2
健康に対する有害性眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1
生殖毒性区分2
分類実施日
(環境有害性)
H30.3.30、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示炎腐食性健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報引火性の高い液体及び蒸気
重篤な眼の損傷
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
注意書き
 安全対策熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する措置を講ずること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
 応急措置皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
 保管換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名1,3−ジオキソラン
慣用名又は別名
英語名1,3-Dioxolane
1,3-Dioxorane
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C3H6O2 (74)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号646-06-0
官報公示整理番号(化審法)5-500
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。できるだけ早く、グルココルチコイド吸入用スプレーで繰り返し深呼吸させる。呼吸が止まっている場合は、口鼻蘇生法を行う。それが不可能な場合は、口対口蘇生法を行う。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を流水で少なくとも10〜20分間洗浄する。
以上、GESTIS参照。
眼に入った場合できるだけ早く、流水で10分間洗浄する。できればコンタクトレンズを外す。その後も洗浄を続けること。直ちに医師の診察/手当てを受ける。それまで生理食塩水または水で洗浄を続けること。
以上、GHS分類結果、GESTIS参照。
飲み込んだ場合口をすすぐ。意識があればコップ1〜2杯の水を飲ませる。食用油、ひまし油、牛乳またはアルコールは使用しない。嘔吐させないこと。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:道の炎症、蒸気の大量または長期吸入による肺水腫。
皮膚:軽度の刺激。
眼:刺激、顕著な損傷 (角膜の混濁、壊死) 。
経口摂取:刺激、粘膜の損傷。
吸収:神経組織または神経筋の機能障害、頭痛、意識喪失、眠気、調整障害。
以上、GESTIS参照。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素。大規模火災には耐アルコール泡消火薬剤、水噴霧。
以上、GESTIS参照。
使ってはならない消火剤棒状注水
以上、GESTIS参照。
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。
以上、GESTIS参照。
特有の消火方法周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。バックファイヤーに注意する。防爆機器を使用する。
以上、GESTIS参照。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置保護具を着用する。
以上、GESTIS参照。
環境に対する注意事項水域に対する危険性は低い。非常に多量に水、排水、下水、または地中に入った場合は、自治体に連絡する。
以上、GESTIS参照。
封じ込め及び浄化の方法及び機材 すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
危険でなければ漏れを止める。
少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。
大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
二次災害の防止策付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
容器を開けたままにしない。飛沫を避ける。接触を避ける。補給または移送には排気装置付きの漏れ防止装置を使用すること。圧縮空気で輸送してはならない。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
以上、GHS分類結果、GESTIS、日化協発行ガイドライン参照。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GESTIS参照。
保管
安全な保管条件施錠して保管する。容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所で保管すること。
以上、GHS分類結果、GESTIS参照。
安全な容器包装材料消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度-
濃度基準値
八時間濃度基準値-
短時間濃度基準値-
許容濃度等
日本産衛学会(2023年版)-
ACGIH(2023年版)TLV-TWA: 20 ppm
設備対策作業場所には適切な換気設備を設置する。排出された空気は作業場所に戻さない。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付けること。多量の物質を取り扱う場合は、緊急用シャワーが必要である。
以上、GESTIS参照。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。
防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。
-防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
-濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する
注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
-作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。
手の保護具適切な不浸透性の保護手袋を着用する。
保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。
眼の保護具サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。
以上、GESTIS参照。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣または化学防護服を着用する。耐火性/帯電防止性のある保護衣を着用する。
以上、GESTIS参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体
無色
臭いマイルドなエーテル様臭
融点/凝固点-26 ℃(GESTIS(2023))
沸点、初留点及び沸騰範囲74 ℃(GESTIS(2023))
可燃性高引火性(GESTIS(2023))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界2,3〜30.5 vol.%(空気中)(GESTIS(2023))
引火点-5 ℃ (密閉式)(GESTIS(2023))
自然発火点245 ℃ (GESTIS(2023))
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: (混和)(GESTIS(2023))
n-オクタノール/水分配係数データなし
蒸気圧114 hPa(20℃)(GESTIS(2023))
密度及び/又は相対密度1.06 g/cm3(20℃)(GESTIS(2023))
相対ガス密度2,55 (空気=1)(GESTIS(2023))
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性酸化剤、酸素含有量の高い化合物と激しく反応する可能性がある。
危険有害反応可能性空気(→過酸化物の形成)、蒸留、過塩素酸リチウムとの接触により爆発の危険性がある。
避けるべき条件火気、加熱、高温、静電気、爆発性混合気の形成。
混触危険物質酸化剤
危険有害な分解生成物過酸化物

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値として、5,200 mg/kg (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、HSDB in PubChem (Accessed June 2017))、5,800 mg/kg (HSDB in PubChem (Accessed June 2017)) との報告に基づき、区分に該当しない。旧分類が用いたRTECS (2004) のデータはList 3の資料の情報であるため使用しなかった。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。
経皮ウサギのLD50値として、8,480 mg/kg (HSDB in PubChem (Accessed June 2017))、15,000 mg/kg (HSDB in PubChem (Accessed June 2017)) との報告に基づき、区分に該当しない。
吸入: ガスGHSの定義における液体である。
吸入: 蒸気ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、22,574 ppm (ACGIH (7th, 2002))、28,710 ppm (ACGIH (7th, 2002))、68.4 mg/L (22,572 ppm) (HSDB in PubChem (Accessed June 2017))、87 mg/L (28,710 ppm) (HSDB in PubChem (Accessed June 2017) ) との報告に基づき、区分に該当しない。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (104,264 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入: 粉じん及びミストデータ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性ヒトにおいて皮膚を刺激するとの記述 (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011))、及びウサギを用いた皮膚刺激性試験において、無傷及び有傷の皮膚で軽度の紅斑及び浮腫を生じるとの報告 (ACGIH (7th, 2002)) から、区分に該当しない (国連分類基準の区分3) 。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)In vitro 眼刺激性試験(OECD TG 437、GLP)において、in vitro刺激性スコア(IVIS)=115.7(>55で区分1)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2023))。

【参考データ等】
(2)本物質は眼を重度に刺激する(MOE 初期評価 (2011) 暫定的有害性評価)。
(3)ウサギを用いた眼刺激性試験において、結膜発赤、角膜潰瘍、角膜混濁、虹彩炎、浮腫がみられたとの報告がある(ACGIH (7th, 2001))。
呼吸器感作性データ不足のため分類できない。
 
皮膚感作性ウサギを用いた皮膚感作性試験において、繰り返し皮膚にばく露させたところ刺激性は見られたがアレルギー性皮膚炎は見られなかったとの記載 (ACGIH (7th, 2002)) があるが、1件のみであり実験条件や結果の詳細が不明であるため、分類できないとした。情報源を見直し、分類結果を変更した。
生殖細胞変異原性In vivoでは、ラットの優性致死試験、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験 (GLP試験) で陰性 (HSDB in PubChem (Accessed June 2017))、陽性の報告 (1例) (ACGIH (7th, 2002)) がある。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験でいずれも陰性である (ACGIH (7th, 2002)、HSDB in PubChem (Accessed June 2017))。以上より、GLPで実施されたin vivoマウス小核試験で陰性結果が得られていることから、小核試験結果は陰性と判断し、ガイダンスに従い分類できないとした。旧分類に記載されたin vivoマウス小核試験での陽性結果を見直し、小核試験結果は陰性が妥当と判断したため、区分を変更した。
発がん性データ不足のため分類できない。
生殖毒性雄ラットに580及び1,160 mg/kg/dayを交配期間中8週間経口投与、又は825 ppmで12ヵ月間吸入ばく露し、雄の授精率を検討した試験において、いずれの投与経路でも精巣精細管上皮の巣状壊死及び精子形成異常がみられたものの、授精率には影響はみられなかったとの報告 (ACGIH (7th, 2002)、HSDB in PubChem (Accessed June 2017))、並びに雄ラットに125 ppmで90日間吸入ばく露後に無処置雌と交配させ (交配期間中もばく露継続)、一方、雌ラットには交配期間中から分娩1ないし2日前まで、及び分娩後120回 (125 ppm、5日/週) ばく露後に雄と再交配させたが、出生児には離乳まで影響はみられなかったとの報告 (ACGIH (7th, 2002)、HSDB in PubChem (Accessed June 2017)) がある。また、ラットの雄には交配90日前から交配期間、雌には交配期間から離乳後10日まで、0.5%又は1%の濃度で飲水投与した生殖毒性試験では、0.5% (約500 mg/kg/day) 以上で交尾率及び分娩率の減少、死産児数の増加、及び児の生存率の低下が、1% (約1,000 mg/kg/day) で母動物に体重増加抑制がみられたとの報告 (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、HSDB in PubChem (Accessed June 2017)) がある。発生毒性試験としても、妊娠ラットに最大1,150 mg/kg/dayを妊娠8〜20日に強制経口投与した試験で、母動物に体重増加抑制がみられた1,150 mg/kg/dayで胎児に軽微な影響 (胎児体重及び頭臀長の低値、骨化遅延) がみられただけであったとの報告 (ACGIH (7th, 2002)、HSDB in PubChem (Accessed June 2017)) がある一方で、妊娠ラットに最大1,000 mg/kg/dayを妊娠6〜15日強制経口投与した試験では、母動物に500 mg/kg/day以上で体重増加抑制、胎児に1,000 mg/kg/dayで体重の低値、尾、心臓、椎骨の奇形発生率の増加がみられたとの報告 (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、HSDB in PubChem (Accessed June 2017)) がある。
以上、実験動物における生殖への影響及び発生影響に関して、陰性の報告もあるが、一方で明確に影響ありとする報告があり、本項は区分2とするのが妥当と判断した。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物ではラットの単回経口投与試験で、区分2超の2,500 mg/kgで運動失調、呼吸速度低下、運動能低下が、3,500 mg/kgで上記の症状に加えて振戦、立毛、衰弱が認められたとの報告がある (HSDB in PubChem (Accessed June 2017))。また、ラットの4時間単回吸入ばく露試験で、ばく露中及びばく露後4時間の観察期間中に呼吸異常及び神経・筋肉系の異常が、剖検では肺と肝臓の変色が認められたとの報告がある。この試験では症状がみられた用量の詳細な記載はないが、LC50値は区分2超の68.4 mg/L (22,572 ppm) と報告されていることから、影響はLC50値付近の区分2超でみられたと考えられる (ACGIH (7th, 2002)、HSDB in PubChem (Accessed June 2017))。いずれの経路でも毒性影響がみられた用量が区分2の範囲を超える量であることから、分類できないとした。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)ヒトに関する情報はない。ラットを用いた13週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分2のガイダンス値の範囲 (蒸気) を超える1,000 ppm (ガイダンス値換算: 2.19 mg/L) 以上で白血球数減少、脾臓重量減少、肝臓相対重量増加、3,000 ppm (ガイダンス値換算: 6.57 mg/L) で敏捷性の低下、肝臓の小葉中心性肝細胞の軽微な腫脹・細胞質の好酸球増多がみられ、ラットを用いた強制経口投与による14日間反復投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である250 mg/kg/day (90日換算値: 38.9 mg/kg/day) 以上で体重増加抑制、血小板数の減少、区分2のガイダンス値を超える750 mg/kg/day (90日間換算値: 116.7 mg/kg/day) 以上で肝臓相対重量増加、脾臓・胸腺相対重量減少、2,000 mg/kg/day (90日間換算値: 311.1 mg/kg/day) で死亡、腎臓相対重量増加、肝細胞肥大・空胞化、胸腺萎縮、腎臓の皮質尿細管好塩基球増加・拡張・急性腎盂炎等がみられている (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011))。
以上、区分2のガイダンス値の範囲内でみられた影響については、分類根拠としては不十分であったため、分類できないとした。
誤えん有害性*データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 6,950 mg/L、魚類(シップヘッドミノー)96時間LC50 = 10,000 mg/L(ともにEPA AQUIRE:2017, Walton,J.R.et al(1980))であることから、区分に該当しないとした。
水生環境有害性 長期(慢性)信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(難分解性、BODによる平均分解度:2%(化審法DB:2012))、急性毒性は区分に該当しないことから、区分に該当しないとした。
残留性・分解性化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号1166
品名(国連輸送名)ジオキソラン
国連分類3
副次危険-
容器等級U
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*127
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)
作業場内表示義務(法第101条の4)
皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)-
毒物及び劇物取締法-
消防法第4類 引火性液体 第一石油類 水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
大気汚染防止法有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)
船舶安全法引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)
港則法その他の危険物・引火性液体類(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」
修正履歴
R6.3.29:
・危険有害性の分類について「眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性(区分2A→区分1)」のみ見直した。
・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。