1.化学品及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品の名称 | フェニルジクロロホスフィン (Phenyldichlorophosphine) | ||
製品コード | 24A6118 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 可塑剤、ポリマー、酸化防止剤、油添加剤等の有機合成原料 | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
---|---|---|---|---|
GHS分類 | ||||
分類実施日 | 平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | |||
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 | 区分1 | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 分類実施中 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 分類実施中 | |||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 | |||
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 | ||||
呼吸器への刺激のおそれ | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | ||||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
皮膚(又は髪)に付着した場合:汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | ||||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 | ||||
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||||
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | ||||
直ちに医師に連絡すること。 | ||||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | ||||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
施錠して保管すること。 | ||||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
他の危険有害性 | ||||
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | フェニルジクロロホスフィン | ||
別名 | ホスフェニルクロリド、ベンゼンホスホラスジクロライド、フェニルホスホラスジクロライド、Phosphenyl chloride、Benzen phosphorus dichloride、Phenylphosphonous dichloride | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C6H5Cl2P(178.99) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 644-97-3 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (3)-2517 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (3)-2517 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし。 | ||
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | データなし。 | ||
応急措置をする者の保護 | データなし。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし。 | ||
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状水 | ||
特有の危険有害性 | 当該製品は分子中にP,ハロゲンを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。 | ||
当該製品は分子中にP,ハロゲンを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、リン酸化物系、ハロゲン酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 | |||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 | ||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
関係者以外は安全な場所に退去させる。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。 | ||
多量の場合、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなどに回収する。 | |||
水と触れさせてはならない。乾燥砂などを用い、又は真空で吸い取るなどして、できるだけ完全に空容器に回収する。 | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
火気厳禁 | |||
接触回避 | 湿気、水蒸気、水。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
火気厳禁 | |||
安全な容器包装材料 | この物質は大部分の金属に腐食作用を及ぼす。ステンレス鋼(316)、ニッケル、ハステロイ、ガラス、セラミックおよび合成物質は耐久性がある。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2012年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2012年版) | 未設定 | ||
設備対策 | 蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて、適切な呼吸用保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 保護手袋、保護衣を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体(CRC (91st 2010)) | ||
色 | 淡黄色(MSDS (Sigma-Aldrich) (2012)) | ||
臭い | 鋭い、刺すような酸臭.(ホンメル (1996)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし。 | ||
pH | データなし。 | ||
融点・凝固点 | -51℃(Ullmanns(E) (6th 2003)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 224℃(Ullmanns(E) (6th 2003)) | ||
引火点 | 113℃(CC)(MSDS (Sigma-Aldrich) (2012)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし。 | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし。 | ||
蒸気圧 | 0.101 (est) mmHg(25℃)(SRC PhysProp (2012)) | ||
蒸気密度 | 6.17(Gangolli (2nd, 1999)) | ||
比重(相対密度) | 1.33(20℃/4℃)(Sax (11th 2004)) | ||
溶解度 | 水:分解する。(GESTIS (1012)) | ||
ベンゼン、ニ硫化炭素に溶解。(Gangolli (2nd, 1999)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | 3.01 (estimated)(SRC PhysProp (2012)) | ||
自然発火温度 | 160℃(ホンメル (1996)) | ||
分解温度 | データなし。 | ||
粘度(粘性率) | データなし。 | ||
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 湿気、水蒸気または水と接触する場合、激しく反応して、発熱し、塩化水素(気体)ないしは白色の霧として視認できる塩酸蒸気が生じる。 | ||
この高温の液体は、リンが溶解しているので自身で自然発火する。 | |||
化学的安定性 | 情報なし。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱される場合、有毒、腐食性で爆発性のある空気との混合気が生じる。 | ||
避けるべき条件 | 情報なし。 | ||
混触危険物質 | 湿気、水蒸気、水。 | ||
危険有害な分解生成物 | 275℃ から分解が始まり、猛毒で腐食性のリン酸化物および塩化水素(気体)ないしは塩酸蒸気が生じる。塩酸蒸気は白色の霧としてて視認できる。 | ||
非常に強く加熱される場合(たとえば周辺火災または高温の表面により)または火災の場合、分解が起こり、リン酸化物および塩化水素(気体),、リン化水素ないしは塩酸蒸気からなる猛毒で腐食性の可燃性の気体と蒸気になる。 | |||
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | ラットの急性毒性試験(OECD TG 420、GLP)において、500 mg/kg投与で死亡はなく(0/10)、LD50値は >500 mg/kgであり、先に実施した用量設定の予備試験では2000 mg/kg投与で死亡(1/1)している(USEPA/HPV (2004))ことから、区分4とした。 なお、本物質は水と接触すると激しく反応し加水分解する。健康有害性に関しては分解生成物である塩化水素(CAS7647-01-0)、フェニルホスフィン(CAS:638-21-1)も参照のことGHS分類:区分4 | ||
経皮 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:粉じん及びミスト | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | ヒトで皮膚、眼および粘膜に強い刺激性があり、通常使用によるばく露で死亡または永続的傷害をもたらす可能性が高い(HSDB (2003))と記載され、さらに、皮膚および組織に対し腐食性がある(HSDB (2003))との記載もあり、区分1とした。 GHS分類:区分1 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ヒトで皮膚、眼および粘膜に強い刺激性があり、通常使用によるばく露で死亡または永続的傷害をもたらす可能性が高い(HSDB (2003))と記載され、さらに、皮膚および組織に対し腐食性がある(HSDB (2003))との記載もあり、区分1とした。 GHS分類:区分1 | ||
呼吸器感作性 | データなしGHS分類:分類できない | ||
皮膚感作性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
生殖細胞変異原性 | in vivo試験のデータがないため分類できない。なお、in vitro試験ではエームス試験において陽性の結果が報告されている(USEPA/HPV (2004))。GHS分類:分類できない | ||
発がん性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
生殖毒性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 本物質の吸入により、鼻や喉に刺激を起こし、咳や息苦しさを感じることがある。また高濃度のばく露により肺炎、肺水腫をおこすおそれもある(HSFS (2000))と記載されていることから区分3(気道刺激性)とした。なお、ラットの経口急性毒性試験(OECD TG 420、GLP)で、500 mg/kg投与により死亡および明らかな毒性症状はみられず、剖検で2匹に肺に斑点および気管に泡沫が認められ、予備試験で2000 mg/kgを投与し、死亡した1例に黒色の胃腸内容物がみられ、胃腸の出血が示唆されたことが報告されている(USEPA/HPV (2004))が、本物質は腐食性物質であるため局所影響とみなした。GHS分類:区分3(気道刺激性) | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 分類実施中 | ||
水生環境有害性(長期間) | 分類実施中 | ||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 2798 | |||
国連品名 | フェニルホスホラスジクロライド | |||
国連危険有害性クラス | 8 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | K | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 137 | |||
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
消防法 | 第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体 | |||
船舶安全法 | 腐食性物質 | |||
航空法 | 腐食性物質 | |||
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、 新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。 また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |