| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾール−3(2H)−オン | ||
| 化学品の英語名称 | 4,5-dichloro-2-octyl-1,2-thiazol-3-one | ||
| 製品コード | R06-S18-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 船底塗料用防汚剤(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和2年度(2020年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
| 急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分2 | ||
| 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
| 皮膚感作性 | 区分1A | ||
| 生殖毒性 | 区分1B | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(呼吸器)、区分3(麻酔作用) | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(呼吸器) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 令和3年度(2021年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと有害 吸入すると生命に危険 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 呼吸器の障害 眠気又はめまいのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾール−3(2H)−オン | ||
| 慣用名又は別名 | - | ||
| 英語名 | 4,5-dichloro-2-octyl-1,2-thiazol-3-one | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C11H17Cl2NOS (282.2) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 64359-81-5 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 5-6165 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | 8-(7)-947 | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 直ちに医師の診断を受けること | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素 以上、GESTIS参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 一般的な注意として、粉末状物質の場合は、ある条件下では粉じん爆発を起こす可能性がある。 火災の場合、亜窒素ガス(一酸化窒素)、塩化水素、硫黄酸化物が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 自給式呼吸器と密閉性の高い特殊スーツを着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 より安全な取り扱いに関するアドバイス 作業場を清潔に保つ。 作業場には、作業を進めるために必要な量を超える量の物質を持ち込まない。 容器を開いたままにしない。 補充または移送には、排気機能付きの漏れ防止装置を使用する。 こぼさない。 ラベルの付いた容器にのみ充填する。 物質を取り扱う際は、いかなる接触も避ける。 壊れやすい容器で輸送する場合は、適切な外部容器を使用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 すべての部屋と機器は定期的に清掃する。 必要に応じて、清掃中に保護具を使用する。 粉じんの発生を避ける。避けられない粉塵の発生は、定期的に収集する。 容器または密閉空間でのメンテナンスやその他の作業は、書面による許可を得た後にのみ行う。 皮膚との接触を避ける。接触した場合は、皮膚を洗浄する。 眼との接触を避ける。接触した場合は、患部を洗い流す。 粉じんの吸入を避ける。 衣服との接触を避ける。汚染された衣服は交換し、慎重に洗浄する。 休憩前には、着替えが必要になる場合がある。 シャワー付きの洗面所を用意し、可能であれば普段着と作業着を別々に保管できる部屋を用意する。 休憩前と作業の終わりには、皮膚を石鹸と水で洗うこと 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 食品容器は使用しない。 容器にラベルを付ける。 できる限り元の容器に保管する。 壊れにくい容器を使用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | - | |||
| 設備対策 | 作業エリアは、可能であれば物理的に分離する。 作業エリアには十分な換気設備を設置する。 床には床排水溝があってはならない。 洗浄設備及び洗眼設備を設置し、明確な標識をつける。 密閉された装置のみを使用する。 容器とパイプラインにラベルを付ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 フィルター装置の使用限度を超える濃度、酸素濃度が 18% 未満、または状況が不明な場合は使用しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」参照のこと。 保護手袋を使用すること。手袋の素材は、物質に対して十分な不浸透性と耐性が必要である。着用前に締め付け具合を確認する。手袋は外す前によく洗浄し、換気の良い場所に保管する。 繊維や革の手袋は適していない。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 化学安全ゴーグルを着用する。 保護シールドを着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | リスクに応じて、十分に長いエプロンとブーツ、または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | データなし | ||
| 臭い | データなし | ||
| 融点/凝固点 | 40〜46 ℃ (GESTIS(2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
| 可燃性 | 可燃性 (GESTIS(2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:ほとんど溶けない (GESTIS(2024)) 水:14 ppm 25℃ (HSDB in PubChem(2024)) 有機溶剤: 混和 (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 5.325 (GESTIS(2024)) log Kow: 2.8 4.5の報告もある (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 蒸気圧 | 7.4×10-6 mmHg 25℃ (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 感染性、放射性、爆発性物質、発火性物質。 水と接触すると可燃性ガスを発生する物質。 強酸化性物質。 硝酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムを含む製剤。 有機過酸化物および自己反応性物質。 危険な化学反応を起こす可能性のある物質と一緒に保管しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | |||
|---|---|---|---|
| 急性毒性 | |||
| 経口 | (1)〜(3)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:1,636 mg/s(OECD TG 401)(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018)) (2)ラットのLD50:500〜2,000 mg/sの間(OECD TG 423)(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018)) (3)マウスのLD50:567 mg/s(OECD TG 401)(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018)) | ||
| 経皮 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402)(ECHA RAC Opinion (2018))、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018)) 【参考データ】 (2)ウサギのLD50:> 652 mg/kg(OECD TG 402、純度:32.6%(媒体:キシレン))(ECHA RAC Opinion (2018)) | ||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | ||
| 吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 吸入: 粉じん及びミスト | (1)、(2)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):0.26 mg/L(雄:0.21 mg/L、雌:0.34 mg/L、OECD TG 403)(ECHA RAC Opinion (2018)) (2)ラットのLC50(4時間):0.164 mg/L(OECD TG 403)(ECHA RAC Opinion (2018)) | ||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | (1)〜(4)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)34名に対するヒト反復侵襲パッチテスト(HRIPT)において、16名で本物質0.025%溶液を適用した誘導期に極めて軽度から中程度の刺激反応がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 (2)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、4時間適用、14日観察)において、全例で14日間を通して軽度から重度の紅斑・浮腫がみられ、影響は非可逆的であった。本物質を4時間適用した後には皮膚の全層崩壊が予想された(紅斑・痂皮スコア:3.3/2/1.7、浮腫スコア:2.7/2/2)(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (3)ウサギ(n=1)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、4時間適用、14日観察)において24/48/72hの紅斑の平均スコアは4.0、24/48/72hの浮腫の平均スコアは3.3であった。48時間以内に腐食性を示唆する皮膚影響(陥凹痂皮)がみられ、14日後には腐食性の所見(潰瘍/びらん)が認められた。皮膚反応は腐食性であると考えられた(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (4)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、4時間適用、14日観察)において1時間後に中程度から重度の紅斑・浮腫が見られた。24/48/72hの紅斑の平均スコアは4.0、24/48/72hの浮腫の平均スコアは3.9であった。14日後に浮腫はみられなかったが、軽度から重度の紅斑、痂皮、毛の成長がない領域、白色化した領域がみられ、6例中5例では瘢痕形成が認められた。皮膚反応は腐食性であると考えられた(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | (1)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)皮膚腐食性/刺激性で区分1である。 | ||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 皮膚感作性 | (1)〜(5)より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)34名に対するパッチテストにおいて、0.025%及び0.035%溶液0.2mLを3週間で計9回適用して誘導させ、2週間後に0.01%、0.025%溶液、0.035%溶液を24時間適用して惹起させたところ、陽性率は0.025%溶液:12%(3/34名)、0.035%溶液:41%(14/34名)であった。6か月後、0.035%溶液に陽性を示した8名に対して0.025%溶液を24時間閉塞適用して再惹起させたところ、3名が陽性を示したとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、ACIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (2)繊維加工工場において、仕上げ剤中の殺生物剤として本物質30%溶液(キシレン)が新たに配合されたところ、約3週間後には労働者19名のうち8名で皮膚の露出した領域に掻痒性赤色発疹がみられた。このうちの6名に対して本物質0.06%を含む仕上げ剤を上腕部(2×2cm2)に直接塗布したところ、副腎皮質ホルモンを2日前に経口摂取した1名を除く5名で強い陽性反応がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (3)マウス(n=4/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429)において、刺激指数(SI値)は0.8(0.005%)、1.1(0.01%)、11.6(0.1%)、25.7(0.25%)、27.0(0.5%)、EC3値は0.03%と算出されたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (4)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、皮内投与:5%溶液)において、惹起24、48時間後の陽性率は、60%(12/20例)、45%(9/20例)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (5)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、皮内投与:0.01%、0.02%、0.03%溶液)において、惹起24、48時間後の陽性率は、0.01%溶液を投与した場合:75%(12/20例)、45%(9/20例)、0.02%溶液を投与した場合:いずれも95%(19/20例)、0.03%溶液を投与した場合:いずれも100%(20/20例)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 | ||
| 生殖細胞変異原性 | (1)〜(6)より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)マウスの骨髄を用いた小核試験(OECD TG 474)において陰性の報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 (2)マウスの骨髄を用いた染色体異常試験(OECD TG 475)において陰性の報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 (3)ラットの肝臓を用いた不定期DNA合成(UDS)試験(OECD TG 486)において陰性の報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 (4)細菌復帰突然変異試験(OECD TG 471)陰性の報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 (5)In vitro染色体異常試験(OECD TG 473)陰性の報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 (6)遺伝子突然変異試験(OECD TG 476)陰性の報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 | ||
| 発がん性 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 生殖毒性 | (1)〜(4)より、区分1Bとした。なお、(4)の児動物にみられた眼病変は親動物の一般毒性発現用量での影響であるが、網膜異常は不可逆的な著しい機能障害と考えられるため、影響の重大性を考慮した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG416、GLP、交配前10週間及び親の屠殺まで)において、F0親動物に一般毒性がみられなかった400 ppmで、F1児動物に脾臓重量減少、膣開口遅延、包皮分離遅延、F2児動物に胸腺重量減少がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (2)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG416、GLP、交配前10週間及び交配期間最長2週間、雌はさらに妊娠・哺育期間)において、350 ppmで親動物に最終体重の低値がみられたが、F2児動物には脾臓絶対・相対重量減少のみがみられた。また、親動物に一般毒性がみられない100 ppmではF2児動物で脳相対重量増加のみがみられた(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (3)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠6〜15日)において、発生毒性がみられなかったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 (4)ウサギを用いた混餌投与による発生毒性試験(OECD TG414、妊娠6〜28日)において、44 mg/kg/dayで親動物に死亡1例、体重増加抑制、摂餌量減少、眼に病変のある児動物の出産(3例)、児動物(3腹4胎児)に網膜の異常(網膜・脈絡膜・強膜の分類脱落)がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | (1)、(3)より、経口及び吸入経路で麻酔作用がみられ、(2)、(3)より、吸入経路で区分1の用量範囲で呼吸器への影響がみられた。よって、区分1(呼吸器)、区分3(麻酔作用)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG423)において、200 mg/kg(区分1の範囲)以上で嗜眠、腹式呼吸、鼻汁、500 mg/kg(区分2の範囲)以上でつま先立ち歩行、立毛、2000 mg/kg(区分2の範囲)で喘ぎ、流涎、下痢、肺・肝臓、腎臓・脾臓の病理学的変化がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (2)ラットを用いた単回吸入(粉塵)ばく露試験(OECD TG403、4時間)において、0.12 mg/L〜0.46 mg/L(区分1の範囲)で気道刺激性症状(喘ぎ、軽度から重度のラ音)がみられ、さらに被毛粗剛、眼と鼻口の赤色汚染、糞量減少、肛門生殖器の黄色汚染がみられた。また14日後の剖検では軽度から重度の肺葉の発赤、胃のガス充満がみられ、死亡例は本物質の刺激/腐食性による気道内の過剰分泌に起因すると推測されたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (3)ラットを用いた単回吸入(粉塵)ばく露試験(OECD TG403、4時間)において、0.143 mg/L〜0.289 mg/L(区分1の範囲)で嗜眠、振戦、腹式呼吸、喘ぎ、鼻刺激がみられ、剖検で肺の血管性/炎症性変化がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | (1)より、吸入経路で刺激性による呼吸器症状および呼吸器における組織変化が区分1の濃度範囲でみられた。よって、区分1(呼吸器)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた90日間吸入(粉塵)ばく露試験(OECD TG413、6時間/日、5日間/週、純度:32.6%(媒体:キシレン))において、0.02〜6.72 mg/m3(ガイダンス値換算:0.000014〜0.0048 mg/L/6時間、区分1の範囲)でラ音、喘ぎ及び呼吸困難がみられ、0.63〜6.72 mg/m3(ガイダンス値換算:0.00045〜0.0048 mg/L/6時間、区分1の範囲)でばく露終了時に鼻腔、喉頭及び肺の炎症・上皮の過形成及び杯細胞の過形成がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 【参考データ等】 (2)ラットを用いた強制経口投与による4週間反復経口投与試験において、100mg/kg/day(90日換算:31.1mg/kg/day、区分2の範囲)で胃及び腸粘膜上皮の過形成がみられ、消化管の所見は本物質の粘膜刺激による直接作用と考えられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (3)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験(OECD TG408)において、1,000ppm(60.7mg/kg/day(雄)、74.7mg/kg/day(雌))以上で、前胃の刺激性変化(僅かな過角化及び軽度の上皮過形成から粘膜下織の炎症と浮腫を伴うびらん/潰瘍)がみられ、本物質の粘膜刺激による直接作用と考えられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (4)イヌを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験(OECD TG409)において、〜1,500ppm(〜47.5mg/kg/day(雄)、〜45.9mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で標的臓器を特定可能な所見はみられなかったとの報告がある。なお胸腺萎縮の程度と頻度の増加(雌)は体重及び摂餌量の減少による二次的影響と考えられた(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (5)イヌを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験(OECD TG409)において、3,000〜4,500ppm(、区分2の範囲)で血清AST・ALT・GLT活性の増加(主に雄)がみられたが、肝臓に病理組織変化はみられなかったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。 (6)ラットを用いた28日間反復経皮投与試験(OECD TG410)において、3〜60 mg/kg/day(最高用量では、開始〜9日間:60mg/kg/day、10日〜22日:投与せず、23日:30 mg/kg/dayで投与)(90日換算:0.93〜18.7 mg/kg/day、区分1の範囲)で皮膚局所反応(紅斑、浮腫、傷、壊死)が用量依存的にみられ、最高用量では6/20例(雄)および8/20例が死亡したとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 (7)ウサギを用いた21日間反復経皮投与試験(純度:35%(媒体:アセトン希釈した混合キシレン))において、0.35 mg/kg/day(90日換算:0.058 mg/kg/day、区分1の範囲)で軽度の皮膚刺激、1.75 mg/kg/day(90日換算:0.29 mg/kg/day、区分1の範囲)で中程度から重度の皮膚刺激がみられたが、全身影響はみられなかったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2018))。 | ||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
|---|---|---|---|---|
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 (急性) | 本物質は藻類で独自の作用機序を持っており速効性の殺生物剤であることから24時間試験を分類に用いるとされている(EU CLP CLH, 2018)。藻類(ナビクラ属)24/96時間ErC50 = 0.0016 mg/L(EU CLP CLH, 2018)であることから、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 (長期間) | 本物質は藻類で独自の作用機序を持っており速効性の殺生物剤であることから24時間試験を分類に用いるとされている(EU CLP CLH, 2018)。急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(ナビクラ属)の24/96時間NOErC = 0.00034 mg/L(EU CLP CLH, 2018)から、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | *試験報告書なし 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 生態蓄積性 | *試験報告書なし 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 2928 | |||
| 品名(国連輸送名) | その他の毒性固体、腐食性のもの、有機物、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 6.1 | |||
| 副次危険 | 8 | |||
| 容器等級 | II | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)【5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾル−3−オン】 | |||
| 化学物質審査規制法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項)【221 4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾール−3(2H)−オン】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【184 4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾール−3(2H)−オン】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 水道法 | 水質基準(平15省令101号) 【38 塩化物イオン】 | |||
| 船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||