1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | エタノール(Ethanol) | ||
製品コード | H25-B-007(21B3016) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 多くのエチルアルコールは希釈してアルコール飲料、実験室用溶剤、変性アルコール、医薬品(消毒剤、ローション、トニック、コロン類)製造、香粧品工業、有機合成化学工業の溶剤、ガソリンのオクタン価向上剤、医薬品助剤(溶剤) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分2 | ||
健康に対する有害性 | 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分2B | ||
発がん性 | 区分1A | |||
生殖毒性 | 区分1A | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1(肝臓)、区分2(中枢神経系) | |||
分類実施日 | 急性毒性:H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 | |||
慢性毒性:H18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10)を使用 | ||||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分外 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分外 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性の高い液体及び蒸気 眼刺激 呼吸器への刺激のおそれ 眠気又はめまいのおそれ 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系の障害のおそれ | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | エタノール | ||
別名 | エチルアルコール、(Ethyl alcohol)、エタン‐1‐オール、(Ethane-1-ol) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C2H6O(46.069) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 64-17-5 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-202 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 既存 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。 皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳、頭痛、疲労感、し眠。 皮膚:皮膚の乾燥。 眼:発赤、痛み、灼熱感。 経口摂取 : 灼熱感、頭痛、錯乱、めまい、意識喪失。 最も重要な兆候及び症状: | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、対アルコール性泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水 | ||
特有の危険有害性 | 加熱により容器が爆発するおそれがある。 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。 消火後再び発火するおそれがある。 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器が熱に晒されているときは、移さない。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | ||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 密閉された場所に立入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 回収・中和:不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 封じ込め及び浄化方法・機材:危険でなければ漏れを止める。 二次災害防止策:すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 局所排気・全体換気:『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 取扱い後はよく手を洗うこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 皮膚と接触しないこと。 眼に入れないこと。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 技術的対策:消防法の規制に従う。 保管条件:容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から離して保管すること。−禁煙。 | ||
安全な容器包装材料 | 情報なし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2013年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2013年版) | TLV-STEL 1000ppm | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色透明 | ||
臭い | 刺激臭 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -114.14 ℃:HSDB(2013) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 78.5℃ :Merck (14th, 2006) | ||
引火点 | 13℃ (密閉式) : Merck (14th, 2006) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 情報なし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 3.3〜19%: ICSC(2000) | ||
蒸気圧 | 59.3mmHg(25℃) : HSDB (2013) | ||
蒸気密度 | 1.59 (Air=1) : HSDB (2013) | ||
比重(相対密度) | 0.789 (20℃/4℃) : Merck (14th, 2006) | ||
溶解度 | 水と混和 : ICSC(2000) 殆どの有機溶剤と混和 : HSDB(2013) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = -0.31 :HSDB(2013) | ||
自然発火温度 | 363℃:ICSC(2000) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 1.074 mPa.s at 20 ℃:HSDB(2013) |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。 | ||
化学的安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。 | ||
危険有害反応可能性 | 次亜塩素酸カルシウム、酸化銀、アンモニアと徐々に反応し、火災や爆発の危険をもたらす。硝酸、硝酸銀、硝酸第二水銀、過塩素酸マグネシウムなどの酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 次亜塩素酸カルシウム、酸化銀、アンモニア、硝酸、硝酸銀、硝酸第二水銀、過塩素酸マグネシウムなどの酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値=6,200 mg/kg、11,500 mg/kg、17,800 mg/kg、13,700 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、15,010 mg/kg、7,000-11,000 mg/kg (SIDS (2005)) はすべて区分外に該当している。 | ||
経皮 | ウサギのLDLo= 20,000 mg/kg (SIDS (2005)) に基づき区分外とした。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | ラットのLC50=63,000 ppmV (DFGOT vol.12 (1999))、66,280 ppmV (124.7 mg/L) (SIDS (2005)) のいずれも区分外に該当する。なお、被験物質の濃度は飽和蒸気圧濃度、78,026 ppmV (147.1 mg/L) の90% [70,223 ppmV (132.4 mg/L)]より低い値であることから、ppmV を単位とする基準値を用いた。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | ウサギに4時間ばく露した試験 (OECD TG 404) において、適用1および24時間後の紅斑の平均スコアが1.0、その他の時点では紅斑及び浮腫の平均スコアは全て0.0であり、「刺激性なし」の評価SIDS (2005) に基づき、区分外とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギを用いた2つのDraize試験 (OECD TG 405) において、中等度の刺激性と評価されている (SIDS (2005))。このうち、1つの試験では、所見として角膜混濁、虹彩炎、結膜発赤、結膜浮腫がみられ、第1日の平均スコアが角膜混濁で1以上、結膜発赤で2以上であり、かつほとんどの所見が7日以内に回復した (ECETOC TR 48 (2) (1998)) ことから、区分2Bに分類した。 | ||
呼吸器感作性 | 呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。なお、アルコールによる気管支喘息症状の誘発は血中アルデヒド濃度の増加と関係があると考えられている。一方、軽度の喘息患者2人がエタノールの吸入誘発試験で重度の気管支収縮を起こしたことが報告されている (DFGOT vol.12 vol.12 (1999)) が、その反応がアレルギー由来であることを示すものではないとも述べられている (DFGOT vol.12 vol.12 (1999))。 | ||
皮膚感作性 | 皮膚感作性:ヒトでは、アルコールに対するアレルギー反応による接触皮膚炎等の症例報告がある (DFGOT vol.12 vol.12 (1999)) との記述があるが、「ヒトでは他の一級または二級アルコールとの交叉反応性がみられる場合があること、動物試験で有意の皮膚感作性はみられないことにより、エタノールに皮膚感作性ありとする十分なデータがない」 (SIDS (2005)、DFGOT vol.12 vol.12 (1999)) の記述に基づきデータ不足のため分類できないとした。 | ||
生殖細胞変異原性 | in vivo、in vitroの陰性結果あるいは陰性評価がされており、分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できないため、「分類できない」とした。すなわち、マウスおよびラットを用いた経口投与 (マウスの場合はさらに腹腔内投与) による優性致死試験において陽性結果 (SIDS (2005)、IARC (2010)、DFGOT vol.12 (1999)、PATTY (6th, 2012)) があるものの、試験条件の不十分性や試験結果の誤りなどが認められ信頼性は低い又は信頼性なしと評価している (SIDS (2005)、DFGOT vol.12 (1999))。また、ラット、マウスの骨髄小核試験で陰性、ラット骨髄及び末梢血リンパ球の染色体異常試験で陰性 (SIDS (2005)、PATTY (6th, 2012)、IARC (2010)、DFGOT vol.12 (1999))、チャイニーズハムスターの骨髄染色体異常試験で陰性 (SIDS (2005)) である。また、マウス精子細胞の小核試験、精母細胞の染色体異常試験、ラット精原細胞の染色体異常試験、チャイニーズハムスター精原細胞の染色体異常試験 (異数性) で陰性である (IARC (2010)、DFGOT vol.12 (1999))。なお、陽性の報告として、ラット、マウスの姉妹染色分体交換試験がある (DFGOT vol.12 (1999)、PATTY (6th, 2012))が、SIDS (2005) などでは評価されていない。in vitro変異原性試験として、エームス試験、哺乳類培養細胞を用いるマウスリンフォーマ試験及び小核試験はすべて陰性と評価されており (PATTY (6th, 2012)、IARC (2010)、DFGOT vol.12 (1999)、SIDS (2005)、NTP DB (Access on June 2013))、in vitro染色体異常試験でもCHO細胞を用いた試験1件の陽性結果を除き他はすべて陰性であった (SIDS (2005)、PATTY (6th, 2012)、IARC (2010))。なお、この染色体異常の陽性結果は著しく高い用量で生じており、高浸透圧のような非特異的影響に起因した染色体傷害の可能性があると記載 (SIDS (2005)) されている。 | ||
発がん性 | エタノールはACGIHでA3に分類されている (ACGIH (7th, 2012))。また、IARC (2010) では、アルコール飲料の発がん性について多くの疫学データから十分な証拠があることなどから、アルコール飲料に含まれるエタノールの摂取により、エタノール及び主代謝物であるアセトアルデヒドが食道などに悪性腫瘍を誘発することが明らかにされているため、区分1Aに分類する。 | ||
生殖毒性 | ヒトでは出生前にエタノール摂取すると新生児に胎児性アルコール症候群と称される先天性の奇形を生じることが知られている。奇形には小頭症、短い眼瞼裂、関節、四肢及び心臓の異常、発達期における行動及び認知機能障害が含まれる(PATTY (6th, 2012))。これらはヒトに対するエタノールの生殖毒性を示す確かな証拠と考えられるため、区分1Aとした。なお、胎児性アルコール症候群は妊娠期に大量かつ慢性的にアルコールを飲んだアルコール依存症の女性と関連している。産業的な経口、経皮、吸入ばく露による胎児性アルコール症候群の報告はない。また、動物実験でも妊娠ラットに経口投与した試験で奇形の発生がみられている。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ヒトの吸入ばく露により眼及び気道への刺激症状が報告されている (PATTY (6th, 2012))。血中エタノール濃度の上昇に伴い、軽度の中毒(筋協調運動低下、気分、性格、行動の変化から中等度の中毒(視覚障害、感覚麻痺、反応時間遅延、言語障害)、さらに重度の中毒症状 (嘔吐、嗜眠、低体温、低血糖、呼吸抑制など) を生じる。さらに、呼吸または循環不全により、あるいは咽頭反射が欠如した場合には胃内容物吸引の結果として死に至ると記述されている (PATTY (6th, 2012))。ヒトに加えて実験動物でも中枢神経系の抑制症状がみられている (SIDS (2005))。以上より、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ヒトでのアルコールの長期大量摂取はほとんど全ての臓器に悪影響を及ぼすが、最も強い影響を与える標的臓器は肝臓であり、障害は脂肪変性に始まり、壊死と線維化の段階を経て肝硬変に進行する (DFGOT vol.12 (1999)) との記載に基づき区分1 (肝臓) とした。また、アルコール乱用及び依存症患者の治療として、米国FDAは3種類の治療薬を承認しているとの記述がある (HSDB (Access on June 2013)) ことから、区分2 (中枢神経系) とした。なお、動物実験では有害影響の発現はさほど顕著ではなく、ラットの90日間反復経口投与試験において、ガイダンス値範囲をかなり上回る高用量で肝臓への影響として脂肪変性が報告されている (SIDS (2005)、 PATTY (6th, 2012))。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 魚類(ファットヘッドミノー)での96時間LC50 > 100mg/L(SIDS, 2005)、甲殻類 (ネコゼミジンコ) での48時間LC50 = 5012mg/L(SIDS, 2005)、藻類(クロレラ)での96時間EC50 = 1000mg/L(SIDS, 2005)であることから、区分外とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 難水溶性でなく(水溶解度=1.00×106mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1170 | |||
国連品名 | ETHANOL | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | ||||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 127 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 危険物・引火性の物 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
消防法 | 第4類引火性液体、アルコール類 | |||
大気汚染防止法 | 揮発性有機化合物 | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質 | |||
航空法 | 引火性液体 | |||
船舶安全法 | 引火性液体類 | |||
港則法 | その他の危険物・引火性液体類 | |||
道路法 | 車両の通行の制限 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |