1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | メチレンビスチオシアネート (Methylenebisthiocyanate) | ||
製品コード | 23A5172 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 工業用、パルプ、製紙用殺菌剤 木材用防腐剤 | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用 | |||
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用 | ||||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | ||
急性毒性(吸入:粉じん及びミスト) | 区分1 | |||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 | 区分1 | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分2(全身毒性) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1(血液系) | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、環境有害性については12項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 | |||
吸入すると生命に危険 | ||||
皮膚刺激 | ||||
重篤な眼の損傷 | ||||
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | ||||
臓器の障害のおそれ(全身毒性) | ||||
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(血液系) | ||||
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | ||||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||||
環境への放出を避けること。 | ||||
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
呼吸用保護具を着用すること。 | ||||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
直ちに医師に連絡すること。 | ||||
特別な処置が緊急に必要である。(このラベルの…を見よ。) | ||||
皮膚に付着した場合:多量の水と石けんで洗うこと。 | ||||
皮膚刺激又は発しんが生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | ||||
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||||
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||||
直ちに医師に連絡すること。 | ||||
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 | ||||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | ||||
口をすすぐこと。 | ||||
ばく露したとき:医師に連絡すること。 | ||||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
漏出物を回収すること。 | ||||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
施錠して保管すること。 | ||||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
他の危険有害性 | 粉塵の発生を避ける。微粉末の場合は粉塵爆発の危険性も考えられるので、多量の取り扱いに注意する。 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | メチレンビスチオシアネート | ||
別名 | メチレンジチオシアネート、プロキセルMB、ナルフロックN206、Methylene dithiocyanate、Proxel MB、Nalfloc N-206 | ||
濃度又は濃度範囲 | >99.0% | ||
分子式 (分子量) | C3H2N2S2 (130.19) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 6317-18-6 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-1693 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (2)-1693 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし。 | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が緊急に必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 | ||
皮膚に付着した場合:多量の水と石けんで洗うこと。 | |||
ばく露したとき:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
気分が悪いとき、皮膚刺激又は発しんが生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | |||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医師に連れて行く。 | ||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。吐かせる(意識がある場合のみ!)。安静。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状 | 吸入 :データなし。 | ||
皮膚 :眼、皮膚を刺激する。発赤、痛み。 | |||
反復または長期の接触により、皮膚が感作されることがある。 | |||
眼 :眼、皮膚を刺激する。発赤、痛み。 | |||
経口摂取 :データなし。 | |||
全経路:この物質の人の健康への影響に関するデータが不十分なので、最大の注意を払う必要がある。 | |||
応急措置をする者の保護 | データなし。 | ||
医師に対する特別注意事項 | この物質の人の健康への影響に関するデータが不十分なので、最大の注意を払う必要がある。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし。 | ||
特有の危険有害性 | 当該製品は分子中にN,Sを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。 | ||
当該製品は分子中にN,Sを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系、硫黄酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 | |||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 | ||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
関係者以外は安全な場所に退去させる。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
漏出物を回収すること。 | |||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる;湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 | ||
粉末の場合は、電気掃除機(真空クリーナー)、ほうきなどを使用して回収する。 | |||
粉塵が飛散しないようにして取り除く。 | |||
微粉末の場合は、機器類を防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 粉塵の拡散を防ぐ!作業環境管理を厳密に! | ||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
局所排気または呼吸用保護具。 | |||
安全ゴーグル、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用。 | |||
20℃ではほとんど気化しない;しかし、浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。 | |||
この物質の人の健康への影響に関するデータが不十分なので、最大の注意を払う必要がある。 | |||
衛生対策 | 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
食品や飼料から離しておく。 | |||
容器包装材料 | データなし。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2010年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2011年版) | 未設定 | ||
設備対策 | 蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 呼吸器用保護具を着用すること。 | ||
特別個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
安全ゴーグル、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
安全ゴーグル、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用。 | |||
特別個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣 | |||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 結晶または粉末(GESTIS (Access on Nov. 2011)) | ||
色 | 白色〜黄色味(GESTIS (Access on Nov. 2011)) | ||
臭い | 硫黄のような臭い(ERA RED (1997)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし。 | ||
pH | データなし。 | ||
融点・凝固点 | 102℃(CRC (91st, 2010)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし。 | ||
引火点 | データなし。 | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし。 | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし。 | ||
蒸気圧 | 0.00197 mmHg(25℃)(SRC Phys Prop (Access on Nov. 2011)) | ||
蒸気密度 | データなし。 | ||
比重(相対密度) | 0.82g/cm3(ERA RED (1997)) | ||
溶解度 | 水:27200mg/L (25℃, EST)(SRC Phys Prop (Access on Nov. 2011)) | ||
有機溶剤に可溶。(NTP TOX 32(1993)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | 0.62 (EST)(SRC Phys Prop (Access on Nov. 2011)) | ||
自然発火温度 | データなし。 | ||
分解温度 | データなし。 | ||
粘度(粘性率) | データなし。 | ||
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 強酸と反応し、中毒の危険をもたらす。(ICSC(J) (2000)) | ||
安定性 | 加熱すると分解し、有毒なフューム(窒素酸化物、イオウ酸化物)を生じる。(ICSC(J) (2000)) | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると分解し、有毒なフューム(窒素酸化物、イオウ酸化物)を生じる。(ICSC(J) (2000)) | ||
避けるべき条件 | 熱、強酸。(ICSC(J) (2000)) | ||
混触危険物質 | 強酸。(ICSC(J) (2000)) | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物、イオウ酸化物。(ICSC(J) (2000)) | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値として3件のデータ[55 mg/kg bw(NTP TOX 32(1993))、84.9 mg/kg(雄)、68.3 mg/kg(雌)(EPA RED (1997)]は全て区分3に該当する。なお、EU分類はT; R25(EC-JRC(ESIS) (Access on Nov. 2011))である。GHS分類:区分3 | ||
経皮 | ラットのLD50値は >2000 mg/kg(EPA RED (1997))である。GHS分類:区分外(国連分類基準の区分5または区分外) | ||
吸入:ガス | GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:粉じん及びミスト | ラットLC50値は0.0077 mg/L/4h(EPA RED (1997))である。GHS分類:区分1 | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | ウサギを用いた皮膚刺激性試験(Draize method)において、皮膚一次刺激指数(PII)は2≦PII≦5で、中等度〜重度の刺激物(a moderate to severe dermal irritant)との評価結果(EPA RED (1997))に基づき、区分2に該当する。なお、EU分類はC;R34(EC-JRC(ESIS) (Access on Nov. 2011))である。GHS分類:区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギ6匹に50 mgを適用直後から全動物が不穏状態となり、10分経過後に重度の発赤(壊死)、中等度の浮腫および多量の分泌物を伴う重度の刺激症状を呈した。適用1時間後に6匹全例が一律に示した反応から腐食性物質と判定された(HSDB (2010))ことにより区分1に該当する。GHS分類:区分1 | ||
呼吸器感作性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚感作性 | 本物質を含む抗菌剤Cytox3522の5%溶液のモルモットを用いたマキシマイゼーション試験において、本物質0.1%溶液による惹起処置で陽性率100%(20/20)を示し、強い感作性があるとの報告(NTP TOX 32(1993))から、区分1に該当する。なお、EU分類ではR43(EC-JRC(ESIS) (Access on Nov. 2011))である。GHS分類:区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | マウスに経口投与後の末梢血および腹腔内投与後の骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、いずれも陰性の報告(NTP DB (Access on Nov. 2011)、EPA RED (1997))に基づき区分外に該当する。なお、in vitro試験としては、エームス試験で陰性(NTP DB (1986)、EPA RED (1997))、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性(EPA RED (1997))、マウスリンフォーマ試験で陽性の結果(EPA RED (1997))がそれぞれ報告されている。GHS分類:区分外 | ||
発がん性 | EPAの発がん性評価でグループDに分類されている(EPA RED (1997))ことから「分類できない」。なお、マウスを用いた78週の強制経口投与試験において雄の肺胞腺腫が有意に増加したとの報告、ラットを用いた2年間の強制経口投与試験において、雄に副腎の褐色細胞腫(良性腫瘍と悪性腫瘍の合計)の発生増加が認められた(ただし、統計学的に有意な増加ではない)との報告がある(EPA RED (1997))。GHS分類:分類できない | ||
生殖毒性 | ラットに経口投与による二世代生殖試験において、呼吸困難、立毛、腹部膨満の症状、および高用量群では死亡例が発生したが、交尾期間、性周期、受胎率、妊娠率などの生殖指標、および生存出生仔数、授乳期間中の仔の生存率などの仔の発生指標に悪影響は認められなかった(EPA RED (1997))。一方、ラットおよびウサギの器官形成期または妊娠期間中に経口投与した発生毒性試験において、ラットでは母動物の体重および摂餌量の僅かな低下、ウサギでは高用量の母動物に呼吸困難、運動失調、活動低下、正向反射の消失、振戦などの症状、および死亡例が認められたが、両動物種とも妊娠率、黄体数、着床数、着床前後の胚損失率などの指標に影響はなく、催奇形性を示す所見も得られなかった(EPA RED (1997))。以上より、親動物の性機能・生殖能に対する悪影響および仔の発生に及ぼす悪影響のいずれも見出されなかったことから区分外に該当する。GHS分類:区分外 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ラットの急性経口毒性試験(用量:50.1、63.1、79.4、 100、126、158 mg/kg)において、食欲と活動の低下、脱力と虚脱の増強が投与後14日間の観察期間で認められ、死亡は50 mg/kg以上の投与群で、投与後1〜24時間で発生した(HSDB (2010))。また、ウサギの急性経皮毒性試験(用量:158、251、398、631、1000 mg/kg)では、食欲と活動の低下、進行性脱力、虚脱が投与後14日間で観察され、死亡は398 mg/kg以上の投与群で発生した(HSDB (2010))。両経路とも得られたデータから標的臓器の特定は困難であり、また、経口、経皮両経路共に用量はガイダンス値区分1相当であるが、詳細不明であることから区分2(全身毒性)とした。GHS分類:区分2(全身毒性) | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ラットの13週間経口投与試験(0、1、2、4、8、および16 mg/kg /day)において、雄4 mg/kg以上及び雌の8 mg/kg以上の投与群で、赤血球数、ヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値の減少により裏付けられた貧血の所見が得られており(NTP DB C61916(1995))、イヌの52週間経口投与試験(0, 0.5, 2.0 or 5.0 mg/kg/day)では、5 mg/kg/day群で赤血球数、ヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値が僅かながら低値を示した(EPA RED (1997))。これらの影響は用量的にガイダンス値区分1に相当することから、区分1(血液系)に該当する。なお、ラットの13週間経口投与試験では主に扁平上皮粘膜過形成と角質増殖から成る前胃への影響が認められているが、当該物質は強い刺激性物質であり、気道の変化は強制経口投与の手技による被験物質との接触と考察していることから、胃と気道の所見は分類に採用しなかった。GHS分類:区分1(血液系) | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類 (ミシッドシュリンプ) での96時間LC50 = 0.036 mg/L (U.S. EPA: RED, 1996; AQUIRE, 2012) であることから、区分1とした。GHS分類:区分1 | ||
水生環境有害性(長期間) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0% (既存点検, 1995))、甲殻類(オオミジンコ)のNOEC = 5.8 ppb(U.S. EPA: RED, 1996)から、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0% (既存点検, 1995))、甲殻類 (ミシッドシュリンプ) の96時間LC50 = 0.036 mg/L、魚類の96時間LC50 = 0.089 mg/L (ともに、U.S. EPA: RED, 1996; AQUIRE, 2012) であることから、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。GHS分類:区分1 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない | ||
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 2928 | |||
国連品名 | その他の毒物(有機物)(固体)(腐食性のもの) | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | 8 | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 154 | |||
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
航空法 | 毒物類・毒物 | |||
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |