1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品等の名称 | イソシアン酸メチル (Methyl Isocyanate) | ||
製品コード | H27-B-040 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 医薬・農薬中間体 (化学工業日報社) |
2.危険有害性の要約 | ||||
---|---|---|---|---|
GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H28.03.18、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分2 | ||
自己反応性化学品 | タイプG | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | ||
急性毒性(経皮) | 区分3 | |||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | |||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | |||
呼吸器感作性 | 区分1 | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分1B | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (呼吸器) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性の高い液体及び蒸気 飲み込むと有毒 皮膚に接触すると有毒 皮膚刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 重篤な眼の損傷 吸入すると生命に危険 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 呼吸器の障害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 口をすすぐこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | データなし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | イソシアン酸メチル | ||
別名 | データなし | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C2H3NO (57.052) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 624-83-9 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | データなし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 2-7-18 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | データなし | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 小火災: 二酸化炭素、粉末消火剤、散水、耐アルコール性泡消火剤 大火災: 散水、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。 加熱により容器が爆発するおそれがある。 火災によって刺激性、毒性又は腐食性のガスを発生するおそれがある。 引火性の高い液体及び蒸気 | ||
特有の消火方法 | 散水によって逆に火災が広がるおそれがある場合には、上記に示す消火剤のうち、散水以外の適切な消火剤を利用すること。 引火点が極めて低い: 消火の効果がないおそれがある場合は散水する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 作業者は適切な保護具( 「8 . ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。 風上に留まる。 低地から離れる。 密閉された場所に入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。 少量の場合、吸収したものを集めるとき、清潔な帯電防止工具を用いる。 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。 大量の場合、散水は、蒸気濃度を低下させる。しかし、密閉された場所では燃焼を抑えることが出来ないおそれがある。 危険でなければ漏れを止める。 漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。 蒸気抑制泡は蒸発濃度を低下させるために用いる。 すべての発火源を速やかに取除く (近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8 .ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 「8 .ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気・全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。 使用前に取扱説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。 接触、吸入又は飲み込まないこと。 眼、皮膚又は衣類に付けないこと。 ヒュームを吸入しないこと。 ミストを吸入しないこと。 蒸気を吸入しないこと。 スプレーを吸入しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||
接触回避 | 「1 0 . 安定性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。- 禁煙。 冷所、換気の良い場所で保管すること。 酸化剤から離して保管する。 容器は直射日光や火気を避けること。 容器を密閉して保管すること。 施錠して保管すること。 容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2015年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2015年版) | TLV-TWA: 0.02 ppm (0.047 mg/m3) TLV-STEL: 0.06 ppm (0.14 mg/m3) (メチルイソシアネート) | ||
設備対策 | 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。 この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 完全密閉系及び完全密閉装置でのみ取り扱うこと 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。 気中濃度を推奨された管理濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気その他の設備対策を使用する。 密閉された装置、局所排気装置又は管理濃度以下に保つためのその他の設備を使用しなければ取扱ってはならない。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 呼吸用保護具を着用すること。 ばく露の可能性のあるときは、送気マスク、空気呼吸器、又は酸素呼吸器を着用する。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 二トリルゴム及び塩ビは適切な保護材料ではない。ネオプレンが推奨される。 飛沫を浴びる可能性のある時は、全身の化学用保護衣( 耐酸スーツ等) を着用する。 | ||
眼の保護具 | 眼の保護具を着用すること。 化学飛沫用のゴーグル及び適切な顔面保護具を着用すること。 安全眼鏡を着用すること。撥ね飛び又は噴霧によって眼及び顔面接触が起こりうる時は、包括的な化学スプラッシュゴーグル、及び顔面シールドを着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 顔面用の保護具を着用すること。 しぶきの可能性がある場合は、全面耐薬品性防護服( 例えば、酸スーツ) 及びブーツが必要である。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 (ICSC (2003)) | ||
臭い | 鋭く不快なにおい(ACGIH(7th, 2001)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -80℃(融点) (ICSC (2003)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 39℃ (ICSC (2003)) | ||
引火点 | -7℃(密閉式) (ICSC (2003)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 下限:5.3 vol%、上限:26 vol% (ICSC (2003)) | ||
蒸気圧 | 54 kPa (20℃) (ICSC (2003)) | ||
蒸気密度 | 1.42 (HSDB (2015)) | ||
比重(相対密度) | 0.96 (ICSC (2003)) | ||
溶解度 | 水:10 g/100 mL (15℃) (HSDB (2015)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 0.79 (推定値) (HSDB (2015)) | ||
自然発火温度 | 535℃ (ICSC (2003)) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 引火性の高い液体。 蒸気と空気の混合物は爆発性を有する。 水に可溶。加水分解する。 純物質は重合する。 加熱、金属の影響下、触媒作用により、分解する。 水と接触すると分解する。 酸、塩基に接触すると、有毒な気体を生じる。 ある種のプラスチック、ゴム、被膜剤を侵す。 | ||
化学的安定性 | データなし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱により分解する。 加熱により爆発を生じる危険性がある。 水、酸、酸化剤、アンモニア、アミン類、アルコールと激しく反応する。 ステンレス鋼、ニッケル、又はガラス、セラミックス以外の物質の使用には危険を伴う。 様々な形質のプラスチック、ゴム及び被覆材を侵す。 酸、塩基との接触で急速に分解し、シアン化水素、窒素酸化物、一酸化炭素の有毒なガスを生じる。 加熱、金属の存在下、触媒により重合する。 ポリマーからのモノマー蒸気の拡散と重合により、排気や他の作業場での爆発を生じる危険がある。 合成物質性容器や鉄製の容器は腐食される。 アルミニウムやステンレス鋼は容器として耐久性がある。 | ||
避けるべき条件 | データなし | ||
混触危険物質 | ポリエチレンを分解し、フルオロカーボン樹脂以外のエラストマーを侵す。 粉末に対し、鉄、鋼、亜鉛、スズ、銅又はこれらの合金を使用してはならない。 | ||
危険有害な分解生成物 | 加熱による分解で、窒素ガス、シアン化水素を生じる。 酸、塩基との接触で急速に分解し、シアン化水素、窒素酸化物、一酸化炭素の有毒なガスを生じる。 加熱による分解で、窒素酸化物及びシアン化水素の有毒なヒュームを生じる。 |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分3 ラットのLD50値として、27〜180 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、71 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) との2件の報告がある。1件が区分3に該当し、もう1件は区分を特定できないので、区分3とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分3 ウサギのLD50値として、0.12〜0.41 mL/kg (115-394 mg/kg) (PATTY (6th, 2012))、0.22 mL/kg (211 mg/kg) (ACGIH (7th, 2001)) との2件の報告がある。1件が区分3に、もう1件は区分を特定できないので、区分3とした。旧分類根拠となっているLD50値の単位はmg/kgではなく、mL/kgであったので、修正して区分を見直した。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 区分1 ラットのLC50値 (6時間) として、6.1 ppm (4時間換算値:7.5 ppm) との報告 (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分1とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (457,895 ppm) より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 ウサギの耳介に本物質を30分間適用した結果、紅斑や浮腫がみられ、壊死がみられたとの記載がある (HSDB (Access on August 2015))。また、本物質はヒトの皮膚に刺激性を有するとの記載がある (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on August 2015))。以上より区分2とした。なお、本物質は、EU CLP分類において「Skin. Irrit. 2 H315」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分1 本物質はヒトの眼に非可逆的な損傷を与えるとの記載や (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on August 2015))、眼に強度の刺激性を有するとの記載がある (HSDB (Access on August 2015))。また、ボランティアに本物質 (1.75-5 ppm) をばく露した結果、眼刺激性がみられたとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。以上、非可逆的な損傷との記載から、区分1とした。なお、本物質は、EU CLP分類において「Eye Dam. 1 H318」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 区分1 本物質のばく露により喘息が引き起こされるとの記載が複数ある (HSDB (Access on August 2015)) ことから区分1とした。なお、本物質は、EU CLP分類において「Resp. Sens. 1 H334」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 区分1 モルモットを用いた皮内感作試験で、全ての供試動物 (16匹) に免疫反応がみられたとの報告や (ACGIH (2001))、ヒトにおいても感作性を引き起こすとの記載がある (HSDB (Access on August 2015)) ことから区分1とした。なお、本物質は、EU CLP分類において「Skin sens. 1 H317」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 In vivoでは、ヒト疫学事例で、本物質ガスにばく露されたヒトの末梢血リンパ球で染色体異常発生頻度が高かったという2例の報告がある (HSDB 2005))。吸入ばく露による雌雄マウス骨髄細胞、末梢血赤血球の小核試験で陰性の結果 (NTP DB (Access on August 2015))、並びに高用量でのみ弱いが有意な小核の増加が認められた (NTP DB (Access on August 2015))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (ACGIH (7th, 2001)、NTP DB (Access on August 2015)、PATTY (6th, 2012))。以上より、in vivoの体細胞変異原性陽性結果があることから、区分2とした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 分類できない ラット又はマウスを用いた本物質の吸入経路による2年間発がん性試験において、雄ラットのみで副腎髄質の褐色細胞腫、及び膵臓腺房細胞の腺腫の発生頻度に僅かな増加がみられたのみで、雌ラット及び雌雄マウスには腫瘍発生の増加はみられなかった (HSDB (Access on August 2015))。米国EPAはヒトで利用可能な情報がないこと、また実験動物での上記の結果を基に、グループDに分類した (EPA Technology and Transfer Network Air Toxic Website (Access on August 2015)) が、他の機関による分類結果はない。以上より、本項は分類できないとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 区分1B インドの工場での事故により本物質にばく露された可能性がある付近住民の妊婦を対象とした聞き取り調査の結果、死産、自然流産の増加、並びに出産後の新生児死亡率の増加が報告されている (EPA Technology and Transfer Network Air Toxic Website (Access on August 2015)、HSDB (Access on August 2015))。実験動物でも妊娠マウスに単回 (妊娠8日)、又は4日間 (妊娠14〜17日) 吸入ばく露した試験で、母動物毒性の有無に関わらず、胎児に体重の低値、又は死亡率の軽度増加など胎児毒性がみられたとの記述がある (EPA Technology and Transfer Network Air Toxic Website (Access on August 2015)、HSDB (Access on August 2015))。以上より、疫学調査の事例は事故による1件のみであるが、結果は動物実験である程度裏づけられたものと考えられ、本項は区分1Bとした。 なお、EU CLP分類では、Repr. 2 とされている (ECHA CL Inventory (Access on August 2015))。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (呼吸器) 本物質は、ヒトにおいて吸入ばく露で気道刺激性、胸部痛、咳、努力呼吸、嘔吐、呼吸困難、肺水腫、経口ばく露で腹痛の報告がある (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on August 2015))。 実験動物では、ラットの吸入、6.1 ppm (0.014 mg/L) (区分1相当用量) で、流涙、活動低下、呼吸困難、口呼吸、ばく露後2週目には症状は緩和されたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。 以上より、本物質は気道刺激性、呼吸器への影響があり、区分1 (呼吸器) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | GHS分類: 分類できない データがなく分類できない。 | ||
水生環境有害性(長期間) | GHS分類: 分類できない データがなく分類できない。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 スプレー缶を廃棄する場合は、自治体により廃棄方法が異なるので該当する自治体の規定に従うこと。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2480 | |||
国連品名 | METHYLISOCYANATE | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | 3 | |||
容器等級 | J | |||
海洋汚染物質 | 該当しない。 | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 155 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 危険物・引火性の物 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類 | |||
航空法 | 輸送禁止 | |||
道路法 | 車両の通行の制限 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
外国為替及び外国貿易管理法 | 輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」 輸出貿易管理令別表第1の16の項 輸出貿易管理令別表第2 | |||
特定廃棄物輸出入規制法 (バーゼル法) | 廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |