1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | N,N-ジメチルニトロソアミン(N,N-Dimethylnitrosoamine) | ||
製品コード | H26-B-050(製品コードなし) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 潤滑油添加剤 安定剤、酸化・老化防止剤、各種添加物等その他、柔軟剤 |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | ||
GHS改訂4版を使用 | |||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分4 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分2 | |
急性毒性 (吸入:蒸気) | 区分1 | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分2 | ||
生殖細胞変異原性 | 区分1B | ||
発がん性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (肝臓)、 区分3 (気道刺激性) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (肝臓) | ||
分類実施日 | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | ||
環境に対する有害性 | 分類できない |
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
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絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 可燃性液体 飲み込むと生命に危険 皮膚刺激 強い眼刺激 吸入すると生命に危険 呼吸器への刺激のおそれ 遺伝性疾患のおそれ 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 肝臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。−【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用しても良い | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 口をすすぐこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | N,N-ジメチルニトロソアミン(N,N-Dimethylnitrosoamine) | ||
別名 | N-ニトロソジメチルアミン(N-Nitrosodimethylamine) N-ニトロソ-N-メチルメタンアミン N-ニトロソ-N,N-ジメチルアミン | ||
濃度又は濃度範囲 | データなし | ||
分子式 (分子量) | C2H6N2O (74.08) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 62-75-9 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-195 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (2)-195 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 医師の手当、診断を受けること。 気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 皮膚を速やかに洗浄すること。 水と石鹸で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 医師の手当、診断を受けること。 気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。 医師の手当、診断を受けること。 気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 医師の手当、診断を受けること。 気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入 : 咽頭痛、咳、吐き気、嘔吐、頭痛、脱力感。 皮膚 : 発赤、痛み。 眼 : 発赤、痛み。 経口 : 胃痙攣。その他の症状については「吸入」参照。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 小火災:二酸化炭素、粉末消火剤、散水 大火災:散水、噴霧水、通常の泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 可燃性物質:燃えるが、容易に発火しない。 加熱により容器が爆発するおそれがある。 火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 引火点が極めて低い:散水以外の消火剤で消火の効果がない大きな火災の場合には散水する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 風上に留まる。 低地から離れる。 密閉された場所に立入る前に換気する。 適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ漏れを止める。 回収、中和: 少量の場合、乾燥土、砂や不活性吸収物質で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する 二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に使用説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。 火気注意。 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。 接触、吸入又は飲み込まないこと。 眼との接触を避けること。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 炎及び熱表面から離して保管すること。 冷所、換気の良い場所で保管すること。 酸化剤から離して保管する。 施錠して保管すること。 容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。 技術的対策: 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。 保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。 保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。 保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2014年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2014年版) | TLV-TWA (- ppm)(L) TLV-STEL (- ppm) どのばく露経路でも、できる限り低濃度になるよう注意深くコントロールする。 | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 気中濃度を推奨された許容濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気、その他の設備対策を使用する。 高熱工程でミスト、ガスが発生するときは、空気汚染物質を許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸用保護具を着用すること。 ばく露の可能性のあるときは、送気マスク、空気呼吸器、又は酸素呼吸器を着用する。 この物質を扱う時はいつも適切な陽圧空気供給式呼吸器を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型) | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な顔面用の保護具を着用すること。 必要に応じて適切な保護衣、保護面を使用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 油状液体: ICSC(2001) | ||
色 | 黄色: Merck(13th,2001) | ||
臭い | 情報なし | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -50℃(推定)(融点) :ATSDR(1989) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 151-153℃: GESTIS(2014) | ||
引火点 | 61℃: GESTIS(2014) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 非該当 | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 360 Pa (20℃) :ICSC(2001) | ||
蒸気密度 | 2.56: HSDB(2005) | ||
比重(相対密度) | 1.01(d4-10): Chapman(Ver14.1, 2006) | ||
溶解度 | 水: 1*10^(6)mg/L(測定)(24℃): SRC(2006) たいていの有機溶媒・脂肪族炭化水素:可溶:HSDB(2005) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | logKow=-0.57 :HSDB(2005) | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 加熱すると分解し、有毒なヒューム(窒素酸化物)を生じる。 | ||
危険有害反応可能性 | 強酸化剤、強還元剤、強塩基と反応する。 | ||
避けるべき条件 | 加熱 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤、強還元剤、強塩基 | ||
危険有害な分解生成物 | 燃焼生成ガス:一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値として、27-41 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))、23 mg/kg (妊娠雌)、40 mg/kg (ATSDR (1989))、23-40 mg/kg (CEPA (2001)、CICAD 38 (2002))、26 mg/kg、37 mg/kg (環境省リスク評価第10巻 (2012)) との報告に基づき、区分2とした。 | ||
経皮 | データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | ラットのLC50値 (4時間) として、78 ppm (240 mg/m3) との報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、CICAD 38 (2002)、ACGIH (7th, 2001)、CEPA (2001)) に基づき、区分1とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (3,554 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 本物質は皮膚に対して刺激性を持つ (環境省リスク評価第10巻 (2012)、HSDB (Access on July 2014)) との記載から区分2とした。List 3の情報の削除及び新たな情報の追加により区分を変更した。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 本物質は眼に対して刺激性を持つ (環境省リスク評価第10巻 (2012)、HSDB (Access on July 2014)) との記載から区分2とした。細区分に足る情報が得られなかったことから、区分を変更した。 | ||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | In vivoでは、マウス生殖細胞の小核試験、マウスの骨髄細胞及び肝細胞の小核試験、ハムスター胎児線維芽細胞の染色体異常試験及び小核試験、マウスの姉妹染色分体交換試験、マウスの遺伝子突然変異試験、マウス、ラットの不定期DNA合成試験、DNA切断試験、DNAメチル化試験でいずれも陽性 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、ATSDR (1989)、CICAD (2002))、マウス、ラットの優性致死試験では陰性である (環境省リスク評価第10巻 (2012))。また、ヒトの肝臓DNAでアルキル化が認められている (ATSDR (1989))。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、ヒトの培養細胞及び哺乳類培養細胞を用いる姉妹染色分体交換試験でいずれも陽性である。以上より、区分1Bとした。 | ||
発がん性 | IARCで2A (IARC Evaluations (IARC, Access on September 2014))、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2001))、EPAでB2 (IRIS (1991))、NTPでR (NTP (2011))、EUでCarc. Cat. 2 (EU (Access on September 2014)) に分類されている。この分類から、ACGIHは2、それ以外の分類はすべて1Bに相当する。以上より、ガイダンスに従いIARCの分類等を優先し区分1Bとした。 | ||
生殖毒性 | マウスを用いた経口経路 (飲水) での生殖発生毒性試験において、0.02 mg/kg/dayの用量で受胎に要した平均日数の増加、死産の胎児と2 日以内に死亡した新生児を合わせた児の死亡率の増加、離乳時の性比で雄の割合の増加 (2倍) が報告されている。母動物に関する情報はない (環境省リスク評価第10巻 (2012)、CICAD 38 (2002)、ATSDR (1989))。妊娠ラットを用いた経口経路 (混餌) での発生毒性試験において5 mg/kg/dayの用量で胎児死亡、胎児の肝臓の病変 (門脈周囲、肝静脈周囲のプラズマ細胞や好酸球、マクロファージ、好中球、リンパ球が集積) が報告されている (環境省リスク評価第10巻 (2012)、CICAD 38 (2002))。なお、CICAD 38 (2002) では、「これらの試験で催奇形性は報告されていないが、実験計画や実験結果に関する情報が不十分で、対照群が不足しており、母体毒性データが足りないため、調査報告の解釈は困難である」としている。したがって、区分2とした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ヒトにおいては、複数の報告があり、気道を刺激し、肝臓に影響を及ぼす。本物質の吸入ばく露で、咽頭痛、咳、吐き気、下痢、嘔吐、頭痛、脱力感、黄疸、腹水、肝機能障害、肝腫大、脾腫大、腹部膨隆、経口摂取では、悪心、嘔吐、急性肝疾患、出血、低血小板数、胃痙攣、胃腸管の出血、肝障害、脳出血が報告されている (環境省リスク評価第10巻 (2012)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1989)、CEPA (2001)、CICAD 38 (2002)、PATTY (6th, 2012))。 実験動物では、肝毒性が最も重要な影響である。吸入ばく露では、ラット、マウスに肝臓の出血性壊死が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1989)、CEPA (2001)、CICAD 38 (2002))。経口投与では、肝毒性があり、ラットの 20及び8 mg/kgで腹水や黄疸を伴い24時間以内に出血を伴う肝細胞中心性壊死、出血性腹水、マウス、モルモットでは20-40 mg/kgで重篤な肝臓壊死が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1989)、CEPA (2001)、PATTY (6th, 2012))。また、経路は不明ながら、短時間ばく露で精巣精上皮壊死の報告がある (CICAD 38 (2002)、CEPA (2001))。実験動物の肝臓への影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲であった。精巣精上皮壊死については、詳細不明のため区分の対象とはしなかった。 以上より、区分1 (肝臓)、区分3 (気道刺激性) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ヒトで本物質の過剰摂取により、複数の死亡例が生じ、2例は急性中毒死であったが、少なくとも1例は2年にわたって4回以上経口摂取後に死亡した症例であり、全例とも肝不全をきたし、肝硬変を生じた症例もみられた (ACGIH (7th, 2001)、CICAD 38 (2002)、環境省リスク評価第10巻 (2012)) との記述があり、肝臓がヒトの主要標的臓器であると考えられた。 実験動物でも、1 mg/kg/dayを30日間強制経口投与したラット、モルモット、サル、ネコで肝実質細胞の小葉中心性壊死が認められた。また、ラットに12週間混餌投与した試験で区分1の用量 (約3.8 mg/kg/day) で肝細胞の広範な壊死がみられ、ラットの長期投与試験 (96週間混餌、及び生涯飲水投与) では、1 mg/kg/day未満の極低用量で肝臓に結節性過形成を生じたと報告されている (CICAD 38 (2002)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。 以上より、区分1 (肝臓) に分類した。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(ヨコエビ科)の96時間LC50=280-445mg/L(CICAD38、2002)から、区分外とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 難水溶性でなく(水溶解度=1.00×106mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2810 | |||
国連品名 | TOXIC LIQUID, ORGANIC, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | I | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規制に従う。 | |||
特別安全対策 | 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。 危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。 危険物の運搬中危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 153 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) 危険物・引火性の物 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
航空法 | 毒物類・毒物 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |