1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | アニリン | ||
化学品の英語名称 | Aniline | ||
製品コード | R03-C-010-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 医薬・染料中間体、香料、試薬/ウレタン中間体合成原料、染料・ゴム製造用薬品・医薬・農薬合成原料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分4 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
急性毒性(経皮) | 区分3 | ||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 | ||
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(血液系、神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(血液系、神経系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 引火性液体 飲み込んだ場合や吸入した場合は有害 皮膚に接触すると有毒 吸入すると生命に危険 強い眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 血液系、神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、神経系の障害 長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 | ||
応急措置 | 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 口をすすぐこと。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | アニリン | ||
慣用名又は別名 | アミノベンゼン フェニルアミン ベンゼンアミン | ||
英語名 | Aniline Aminobenzene Phenylamine Benzenamine | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C6H7N (93.13) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 62-53-3 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-105 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:紫色(チアノーゼ)の唇、爪および皮膚。頭痛。めまい。吐き気。嘔吐。脱力感。息苦しさ。痙攣。 皮膚: 吸収されやすい。発赤。他の症状については、「吸入」参照。 眼:充血。痛み。角膜損傷。 経口摂取:「吸入」参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 紫色(チアノーゼ)の唇、爪および皮膚を起こした場合は、100%酸素での処置が必要な場合があるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。 この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。 メチレンブルー等の解毒剤を用いた特別な処置は、妊娠中の女性およびG6PD(グルコース6リン酸脱水素酵素)欠乏者には使えないため、これらの者はあらゆる接触を避けること。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水 大火災:粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消火剤、散水 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 可燃性。 火災の場合、有害物質(窒素酸化物、一酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。 消火水をせき止め、後で廃棄する。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 容器内に水を入れてはいけない。 消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。 安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。 火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。 密閉型防護服を着用する。 防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 適切な呼吸器用保護具を着用する。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 耐薬品用保護衣を着用する(火災の危険性がない時)。 すべての着火源をすぐ近くから取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 適切な防護衣を着けていないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。 流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。 必要により、風下に適切な隔離距離をとる。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 この物質を環境中に放出してはならない。 漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ、漏れを止める。 排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。 乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。 容器内に水をいれてはいけない。 漏れた液を、密閉式の容器に集める。 地域規則に従って保管・処理する。 | ||
二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 酸化剤との接触禁止。 ミストの発生を防ぐ。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。 容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 強酸化剤、強酸および食品や飼料から離しておく。 消火により生じる流出物を収容するための用意。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 許容濃度: 1 ppm、3.8 mg/m3(皮) | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 2 ppm(Skin) | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を着用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した有機ガス用吸収缶を使用する -作業者が粉塵に暴露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 不浸透性手袋の使用を検討すること。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色〜淡黄色。空気または光に曝露すると茶色になる。 | ||
臭い | 特異臭、アミン臭 | ||
融点/凝固点 | -6 ℃(ICSC(2014)、GESTIS(2022)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 184 ℃(ICSC(2014)、GESTIS(2022)、危険物災害等支援システム(2022)) | ||
可燃性 | 可燃性(ICSC(2014)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 1.2〜11.0 vol%(空気中)(ICSC(2014)) 1.3〜11 %(危険物災害等支援システム(2022)) | ||
引火点 | 76 ℃ (Closed cup)(ICSC(2014)、GESTIS(2022)) 70 ℃(Closed cup)(危険物災害等支援システム(2022)) | ||
自然発火点 | 630 ℃(ICSC(2014)、GESTIS(2022)) 615 ℃(危険物災害等支援システム(2022)) | ||
分解温度 | ≧190 ℃(ICSC(2014)) ca.190 ℃(GESTIS(2022)) | ||
pH | ca. 8.8(GESTIS(2022)) | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 3.4 g/100 ml(20℃)(ICSC(2014)) 水: 36 g/l(20℃)(GESTIS(2022)) アルコール、エーテル、ベンゼンに可溶(危険物災害等支援システム(2022)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 0.94(ICSC(2014)) Log Kow: 0.9(GESTIS(2022)) | ||
蒸気圧 | 40 Pa(20℃)(ICSC(2014)) 68.1 Pa(20℃)(GESTIS(2022)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.02 g/cm3(20℃)(GESTIS(2022)、ICSC(2014)) | ||
相対ガス密度 | 3.2 (空気=1)(ICSC(2014)) 3.22 (同じ温度と圧力での乾燥空気に対する密度の比率)(GESTIS(2022)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 可燃性。190℃以上で分解する。 窒素酸化物、アンモニアの有毒で腐食性のフュームや引火性の蒸気を生じる。 強酸および強酸化剤と反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 銅および銅合金を侵す。 76℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 | ||
避けるべき条件 | 熱、空気 | ||
混触危険物質 | 強酸、強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物、アンモニア |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | ラットのLD50値として、250 mg/kg (HSDB (Access on June 2016))、440 mg/kg (環境省リスク評価第1巻 (2002)、IARC 27 (1982)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、 DFGOT vol.26 (2010))、442 mg/kg (EU-RAR (2004)、DFGOT vol.26 (2010))、780 mg/kg (EU-RAR (2004)、DFGOT vol.26 (2010))、930 mg/kg (EU-RAR (2004)、DFGOT vol.26 (2010))、440〜1,072 mg/kg (CEPA (1994)) との6件の報告がある。1件が区分3に、5件が区分4に該当することから、件数の最も多い区分4とした。 | |||
経皮 | ラットのLD50値として、670 mg/kg (DFGOT vol.26 (2010))、1,400 mg/kg (HSDB (Access on June 2016)) の2件の報告があり、1件は区分3に、1件は区分4に該当する。 ウサギのLD50値として、820 mg/kg (環境省リスク評価第1巻 (2002)、EU-RAR (2004)、DFGOT vol.26 (2010))、840 mg/kg (IARC 27 (1982))、1,540 mg/kg (EU-RAR (2004)、DFGOT vol.26 (2010)) の3件の報告があり、2件が区分3に、1件が区分4に該当する。 件数の最も多い区分3とした。 | |||
吸入: ガス | GHSの定義における液体である。 | |||
吸入: 蒸気 | ラットのLC50値 (4時間) として、250 ppm (換算値:0.95 mg/L) (EU-RAR (2004)、IARC 27 (1982)、PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分2とした。 なお、LC50が飽和蒸気圧濃度 (405.94 ppm (1.55 mg/L)) の90%より低い濃度であるため、ミストを含まないものとして ppm を単位とする基準値を適用した。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | ラットのLC50値 (4時間) として、478 ppm (換算値:1.82 mg/L) (EU-RAR (2004))、479 ppm (換算値:1.82 mg/L) (DFGOT vol.26 (2010))、2,100 mg/m3 (換算値:551.3 ppm (2.10 mg/L)) (CEPA (1994))、839 ppm (換算値:3.19 mg/L) (DFGOT vol.26 (2010)、EU-RAR (2004)) の4件の報告に基づき、区分4とした。 なお、LC50が飽和蒸気圧濃度 (405.94 ppm (1.55 mg/L)) より高い濃度であるため、ミストとして mg/L を単位とする基準値を適用した。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギの皮膚刺激性試験において紅斑が3日以上観察されたが浮腫の発生はなかった (EU-RAR (2004))、また、ウサギの皮膚にごく軽度の紅斑が見られたが8日以内に回復したこと (EU-RAR (2004)) から、区分に該当しない (国連分類基準の区分3) とした。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギに適用したドレイズ試験で重度の角膜混濁、重度の結膜発赤および浮腫が観察され、適用8日以内では回復せず8日目にはパンヌス形成が確認されたこと (EU-RAR (2004))、ウサギ6匹に適用後3日以内の角膜、虹彩、結膜の平均スコアが約52/110であったこと (EU-RAR (2004))、また、ウサギに適用した別のドレイズ試験では角膜混濁は適用後2日以内に回復し、結膜刺激は2日以内に最大に達したが観察期間の4日以内には回復しなかったこと (EU-RAR (2004)) がそれぞれ報告されている。以上を総合すると、ウサギの眼に重度の刺激性を示し、角膜、虹彩、結膜の平均スコアが52 (最大110に対し) であり、かつ7日以内に回復しなかった知見があることから、区分2Aとした。 | |||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 日本産業衛生学会は皮膚感作性第1群を勧告し (産衛誌 55 (2013))、モルモットを用いた皮膚感作性試験のSingle Injection Adjuvant Test (SIAT) では陽性率50%、Magnusson Kligman testでは陽性率10%であった (EU-RAR (2004)) ことから、区分1とした。 | |||
生殖細胞変異原性 | 本物質の分類には塩酸アニリン (CAS番号 142-04-1) のデータを含む。In vivoでは、ラットの腹腔内投与による優性致死試験で陰性及び不明確な結果の報告、マウスの腹腔内投与、経口投与、ラットの経口投与による骨髄細胞小核試験で陽性、陰性の結果、マウスの混餌投与による末梢血の小核試験で陽性、マウスの腹腔内投与による骨髄細胞染色体異常試験で陰性、ラットの経口投与による骨髄細胞染色体異常試験で陽性、陰性の結果、マウスの腹腔内投与による骨髄細胞姉妹染色分体交換試験で陽性、マウス又はラットの腹腔内投与による肝臓、腎臓、脾臓等を用いるDNA鎖切断試験、コメットアッセイで陽性、陰性の結果が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2004)、CEPA (1994)、DFGOT vol. 26 (2010)、IRIS (1990)、NTP DB (Access on June 2016))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、マウスリンフォーマ試験の多くで陽性、哺乳類培養細胞の小核試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験の多くで陽性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2004)、IRIS (1990)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 26 (2010)、CEPA (1994)、NTP DB (Access on June 2016))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)〜(6)より、区分1Bとした。旧分類からIARCの分類が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。 【根拠データ】 (1)国外の分類機関による既存分類として、IARCでは(2)〜(6)のデータを踏まえて従来のグループ3(IARC (1987))からグループ2Aに変更した(IARC 127 (2021))。 (2)塩酸アニリン(CAS番号 142-04-1)を被験物質としたラットへの2年間混餌投与による発がん性試験において、3,000〜6,000 ppmで雄に脾臓や体腔内臓器の線維肉腫又は肉腫(非特定)及び血管肉腫の発生増加がみられた。また、雄に副腎の褐色細胞腫、雌に脾臓や体腔内臓器の線維肉腫又は肉腫(非特定)の増加傾向がみられたとの報告がある(IARC 127 (2021)、NITE初期リスク評価書 (2007)、AICIS IMAP (2013)、EU RAR (2004)、IRIS (1990)、NTP TR130 (1978))。 (3)塩酸アニリンを被験物質としたラットへの2年間混餌投与による発がん性試験において、10〜100 mg/kg/dayで雄に脾臓(間質性肉腫、血管肉腫)、精巣鞘膜中皮腫(30 mg/kg/dayのみ)の発生増加がみられた。なお、雌では腫瘍の発生増加がみられなかったとの報告がある(IARC 127 (2021)、NITE初期リスク評価書 (2007)、AICIS IMAP (2013)、EU RAR (2004)、IRIS (1990))。 (4)塩酸アニリンを被験物質としたマウスへの2年間混餌投与による発がん性試験において、6,000〜12,000 ppmで腫瘍の発生増加はみられなかったとの報告がある(IARC 127 (2021)、NITE初期リスク評価書 (2007)、AICIS IMAP (2013)、EU RAR (2004)、IRIS (1990)、NTP TR130 (1978))。 (5)本物質は生体内ではその塩酸塩との間でpH依存性の酸-塩基平衡が成立する。したがって、発がん性の分類は本物質と塩酸アニリンの双方に適用できる(IARC 127 (2021))。 (6)IARCは本物質とその塩酸塩の発がん性に関して、ヒトの証拠は不十分であるが、実験動物での証拠は十分であり、さらに機序的にヒトに対して発がん性のある芳香族アミンのクラスに属することから、グループ2Aとした(IARC 127 (2021))。 【参考データ等】 (7)本物質は機序的に、芳香族アミンのクラスに属し、このクラスの複数の物質(4-アミノビフェニル(p-フェニルアニリン)、2-ナフチルアミン、o-トルイジン(o-メチルアニリン)等)はグループ1(ヒトに対して発がん性がある)に分類されている(IARC 127 (2021))。 (8)本物質のヒトの発がん性に疫学研究として、コホート研究や症例対照研究で膀胱がんの誘発を懸念する報告はあるが、いずれも本物質単独ばく露ではなく、o-トルイジン等、他の膀胱がん誘発物質との共ばく露下における研究報告に限られる(IARC 127 (2021)、DFG MAK (2018)、NITE初期リスク評価書 (2007)、EU RAR (2004)、IRIS (1990))。 | |||
生殖毒性 | ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物についても本物質自体のデータはないが、塩酸アニリン (CAS番号 142-04-1) を用いた試験結果が本物質の分類に利用可能と考えられる。すなわち、塩酸アニリンを妊娠ラットに強制経口投与した発生毒性試験において、母動物にメトヘモグロビン血症がみられる用量で、胎児に肝臓相対重量の増加、平均赤血球容積 (MCV) の増加が、また出生児には生後0日にMCVの増加、生後2日に雌の体重減少がみられた (厚生労働省アニリン有害性評価書 (Access on August 2016)、EU-RAR (2004))。また、塩酸アニリンをラットに皮下投与した試験でも、母動物にメトヘモグロビン血症 (25〜42%メトヘモグロビン)、胎児に口蓋裂、心臓及び肋骨の奇形がみられ、母動物毒性による二次的影響といえ (厚生労働省アニリン有害性評価書 (Access on August 2016))、無視できない発生影響と考えられる。以上、塩酸アニリンを用いた実験動物での発生影響に基づき、塩酸アニリンの生殖毒性の分類結果を区分2としたことから、本項も区分2とした。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 本物質の急性中毒はメトヘモグロビン形成に因るものであり、チアノーゼ、意識障害、呼吸困難、痙攣などを引き起こし死に至る可能性があると述べられている (ACGIH (7th, 2001)、EU-RAR (2004)、NITE初期リスク評価書 (2007))。実際にヒトで誤飲や自殺企図による摂取、あるいは職業ばく露により、めまい、昏睡、錯乱、蒼白、チアノーゼ、呼吸困難などの症状が報告されており、その症状は総ヘモグロビン中に占めるメトヘモグロビンの量に依存すると記述されている (EU-RAR (2004)、NITE初期リスク評価書 (2007))。以上より区分1 (血液系、神経系) とした。なお、実験動物でもラットの急性経口または吸入ばく露で振戦、チアノーゼ、虚脱など (EU-RAR (2004))、ネコの急性経口ばく露で喘ぎやチアノーゼなどの症状とメトヘモグロビン生成 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2004)) が報告されている。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ヒトにおいて、アニリン製造工場従業員の多くにチアノーゼのほか、頭痛、めまい、嚥下困難、悪心、嘔吐、胸部及び腹部の痛み又は痙攣、脱力、動悸、不整呼吸、瞳孔収縮 (光に対する反応性あり)、体温異常、呼気及び汗のアニリン臭、暗色尿がみられ、重症時には肺浮腫、尿及び便の失禁がみられている (NITE初期リスク評価書 (2007))。 実験動物では、経口経路、吸入経路とも複数の試験が実施されており、いずれの経路においても区分1の範囲で血液系への影響 (メトヘモグロビン血症、溶血) とそれに関連する二次的影響が認められている。 以上のように主に血液系と神経系に影響が認められた。 したがって、区分1 (血液系、神経系) とした。 | |||
誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on May 2016) に収載された数値データ (粘性率: 4.35 mPa・s (20℃)、密度 (比重): 1.0217 (20/20℃)) より、動粘性率は4.26 mm2/sec (20/20℃) と算出される。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(ミジンコ)48時間EC50 = 0.1 mg/L(CEPA, 1994、EU-RAR, 2004)であることから、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急速分解性があり(BODによる分解度:85%(既存点検, 1993))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC (繁殖) = 0.004 mg/L(ECETOC TR91, 2003、NITE初期リスク評価書, 2007、環境省リスク評価第1巻, 2002)から、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1547 | |||
品名(国連輸送名) | アニリン | |||
国連分類 | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | U | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 153 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化審法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(法第2条別表第2) | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1) 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示) | |||
船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |