1.化学物質等及び会社情報 | |||
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化学物質等の名称 | 酢酸フェニル水銀、(Acetoxyphenylmercury(II)) | ||
製品コード | 21B3079 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
メールアドレス | |||
推奨用途及び使用上の制限 | 防カビ剤、殺菌剤 | ||
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 | H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 |
物理化学的危険性 | 火薬類 | 分類対象外 | |
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可燃性・引火性ガス | 分類対象外 | ||
可燃性・引火性エアゾール | 分類対象外 | ||
支燃性・酸化性ガス類 | 分類対象外 | ||
高圧ガス | 分類対象外 | ||
引火性液体 | 分類対象外 | ||
可燃性固体 | 分類できない | ||
自己反応性化学品 | 分類対象外 | ||
自然発火性液体 | 分類対象外 | ||
自然発火性固体 | 分類できない | ||
自己発熱性化学品 | 分類できない | ||
水反応可燃性化学品 | 区分外 | ||
酸化性液体 | 分類対象外 | ||
酸化性固体 | 分類できない | ||
有機過酸化物 | 分類対象外 | ||
金属腐食性物質 | 分類できない | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分2 | |
急性毒性(経皮) | 分類できない | ||
急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | ||
急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | ||
急性毒性(吸入:粉じん) | 分類できない | ||
急性毒性(吸入:ミスト) | 分類対象外 | ||
皮膚腐食性・刺激性 | 区分1 | ||
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 | 区分1 | ||
呼吸器感作性 | 分類できない | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | 分類できない | ||
発がん性 | 分類できない | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | 分類できない | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | 区分1(腎臓、神経系) | ||
吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | ||
環境に対する有害性 | |||
分類実施日 | 急性毒性:H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 | ||
慢性毒性:H18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10)を使用 | |||
水生環境急性有害性 | 区分1 | ||
水生環境慢性有害性 | 分類できない |
ラベル要素 | |||
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絵表示又はシンボル | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 | ||
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷 | |||
重篤な眼の損傷 | |||
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | |||
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い | |||
長期にわたる、または、反復ばく露により腎臓、神経系の障害 | |||
水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | |||
【安全対策】 | |||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
適切な保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
適切な個人用保護具を使用すること。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
【応急措置】 | |||
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | |||
皮膚または髪に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | |||
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
皮膚に付着した場合、眼に入った場合、飲み込んだ場合、吸入した場合は、直ちに医師に連絡すること。 | |||
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。 | |||
皮膚に付着した場合、皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
漏出物を回収すること。 | |||
【保管】 | |||
施錠して保管すること。 | |||
【廃棄】 | |||
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。 | |||
国・地域情報 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質 | |||
化学名又は一般名 | 酢酸フェニル水銀 | ||
別名 | フェニル酢酸水銀、アセトキシフェニル水銀(II)、(Acetoxyphenylmercury(II))、(アセタート‐κO)フェニル水銀、((Acetato-kappaO)phenylmercury) | ||
分子式 (分子量) | C8H8O2Hg(336.74) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 62-38-4 | ||
官報公示整理番号(化審法・安衛法) | 化審法:(9)-1255 安衛法:1-(2)-161、(1-(2)-164) | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。 皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | ||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | |||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
多量の水と石鹸で洗うこと。 | |||
眼に入った場合 | 直ちに医師に連絡すること。 | ||
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状 | 吸入:咳、頭痛、息苦しさ、息切れ、咽頭痛、灼熱感。 | ||
皮膚:発赤、皮膚熱傷、痛み、水疱。 | |||
眼:発赤、痛み、かすみ眼、重度の熱傷。 | |||
経口摂取 : 腹痛、灼熱感、下痢、吐き気、ショック/虚脱、嘔吐。 | |||
最も重要な兆候及び症状 | 腎臓に影響を与え、腎不全を生じることがある。 | ||
応急措置をする者の保護 | データなし | ||
医師に対する特別注意事項 | 腎不全の症状は数時間経過するまで現われない。ばく露の程度によっては、定期検診を勧める。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水 | ||
特有の危険有害性 | 熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。 | ||
激しく加熱すると燃焼する。 | |||
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | |||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | |||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具および緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 | ||
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 | |||
関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
密閉された場所に立入る前に換気する。 | |||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
回収・中和 | 漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。 | ||
封じ込め及び浄化方法・機材 | 水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。 | ||
二次災害の防止策 | すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 | ||
プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 | ||
局所排気・全体換気 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
飲み込まないこと。 | |||
皮膚と接触しないこと。 | |||
眼に入れないこと。 | |||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
技術的対策 | 特別に技術的対策は必要としない。 | ||
混触危険物質 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管条件 | 容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
容器包装材料 | データなし | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標) | |||
日本産衛学会 | 未設定 (2009年版) | ||
ACGIH | 0.1mg/m3(アリル水銀化合物として) (2009年版) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 | ||
色 | 白色〜黄色 | ||
臭い | データなし | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | 149℃ : Merck (13th,2001) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
引火点 | 37.8℃ (密閉式) : ICSC(2000) | ||
自然発火温度 | データなし | ||
燃焼性(固体、ガス) | データなし | ||
爆発範囲 | データなし | ||
蒸気圧 | 0.000006mmHg (20℃) : HSDB (2006) | ||
蒸気密度 | 11.6 (空気=1) : ICSC (2000) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
比重(密度) | データなし | ||
溶解度 | 水 : 0.44g/100mL (20℃) : ICSC (2000) | ||
アセトン : 48g/L(15℃)、エタノール : 17g/L (95%) (15℃)、ベンゼン15g/L (15℃)、アルコール : 1g/225mL、クロロホルム : 1g/6.8mL、エーテル : 1g/200mL : HSDB(2006) | |||
オクタノール・水分配係数 | log P =0.71 (測定値) : SRC (2006) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度 | データなし | ||
粉じん爆発下限濃度 | データなし | ||
最小発火エネルギー | データなし | ||
体積抵抗率(導電率) | データなし | ||
10.安定性及び反応性 | |||
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安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 燃焼すると分解し、有毒な蒸気(水銀や水銀酸化物)を生じる。強力な酸化剤と反応する。粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉じん爆発の可能性がある。 | ||
避けるべき条件 | 燃焼、粉末や顆粒状で空気と混合 | ||
混触危険物質 | 強力な酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 水銀、水銀酸化物 | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50=22 mg/kg (HSDB (2009)) であることから、 区分2とした。 | ||
経皮 | データなし | ||
吸入 | 吸入(ガス): | GHSの定義における固体である。 | |
吸入(蒸気): | データなし | ||
吸入(粉じん): | データなし | ||
皮膚腐食性・刺激性 | ヒトに0.1%y溶液を24時間適用したパッチテストで4+ 小水疱性の発疹を示し、一次刺激性とされている(RTECS (2008):Archives of Dermatology. 106, 129, 1972)。また、ICSC(J)(2005)において「発赤、痛み、かすみ眼、重度の深部火傷がみられる」との報告が得られ、EUではR34に分類されている(EU Annex 1 (access on May, 2009))ことから区分1とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷・刺激性 | リスト3の情報ではあるが、ICSC(J)(2005)において「発赤、痛み、かすみ眼、重度の深部火傷がみられる」との報告が得られ、ウサギを用いたStandard Draize testの結果、重度(Severe)と記載され(RTECS (2008))ていること、また、皮膚腐食性(区分1)であることから区分1とした。 | ||
呼吸器感作性又は皮膚感作性 | 呼吸器感作性:データなし | ||
皮膚感作性:モルモットを用いたビューラー試験において、陽性率は14/18 = 77.8%で陽性結果が得られている(DFGOT vol.15 (2001))ことに基づき区分1とした。なお、ヒトのパッチテストにおいて、試験物質の0.01%水溶液により2030人中29人が陽性(1.4%:うち21人が弱陽性)を示し(DFGOT vol.15 (2001))、別のヒトパッチテストでは、0.01%および0.05%水溶液による陽性率がそれぞれ1.4%および5.8%であった(DFGOT vol.15 (2001))。ドイツ学術振興会(DFG)ではShに分類されている。 | |||
生殖細胞変異原性 | 消毒薬として酢酸フェニル水銀を含んだオムツを使用したアルゼンチンの子供、38人のリンパ球で、姉妹染色分体交換が増加したが、9ヵ月後には増加は見られなくなった〔体細胞in vivo変異原性〕(DFGOT Vol.15 (2001))と報告があるが、詳細は不明である。他にin vivoの試験データがないためデータ不足により分類できない。なお、in vitroではAmes試験(in vitro変異原性試験)の陰性結果が報告されている(NTP DB (Access on, May. 2009))。 | ||
発がん性 | データ不足。なお、ラット雄を用いた103週間経口(飲水)投与試験において、腎細胞腺腫の発生頻度の増加の結果として、高用量群では対照群に比べ腫瘍発生頻度の有意な増加が報告されている(DFGOT Vol.15 (2001))。 | ||
生殖毒性 | マウスにおいて中枢神経系、眼への障害および尾の欠損、ラットとウサギにおいて多発奇形、ハムスターにおいて脳脱出を引き起こすなど、酢酸フェニル水銀は複数の動物種で強力な催奇形性物質であると明記されている(Birth Defects (3rd, 2000))。また、ハムスター、ラットおよびウサギの妊娠5〜12日に経口投与により、胎児の吸収、死亡、発達遅延を生じ、催奇形作用として頭蓋の骨化遅延、全身浮腫、血腫および開眼症が報告されている(HSDB (2009))。以上のように、多種の動物で催奇形性が示された結果があるが、List2のデータであるため区分2とした。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | ラットに単回ばく露による赤血球形態異常の誘発、血液凝固因子の阻害など血液への影響が報告されている(HSDB (2009))が、試験の方法および結果とも分類に必要な情報を欠くため分類できない。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | ラットに2年間経口ばく露により、混餌投与では酢酸フェニル水銀用量0.042 mg/kg/day以上で腎障害が発生し、0.21 mg/kg/day以上では雌雄ともに腎臓の病変が観察された(IRIS (2002))。飲料水投与の場合は0.71-7.1 mg/kg/dayの酢酸フェニル水銀用量で腎皮質の色素沈着、加齢に伴う慢性ネフローゼの頻度と重症度の増強、延いてはそれが発がんの機序に関わっているとも述べられている(DFGOT Vol.15 (2001))。これらの腎臓病変の発現用量はガイダンス値範囲区分1に相当しているので区分1(腎臓)とした。一方、ヒトでは39歳の農場労働者が6〜7シーズンにわたり酢酸フェニル水銀による種子処理をしていた後、重度の神経毒性を発現し数ヶ月以内に死亡したと報告されている(ATSDR (1999))。また本物質の燕麦種子への散布作業に従事した同じ39歳の農場労働者は大量の水銀を尿中に排泄し、その後筋萎縮側索硬化症に似た神経疾患にて死亡したと記載されている(HSDB (2009))。以上、ばく露との関連が示唆される神経障害の症例の報告に基づき区分1(神経系)とした。なお口の腫脹、歯肉の発赤と軟化と青い線状の着色、虫歯などを認めた症例報告(ATSDR (1999))があるが、これらの症状は消化器系に及ぼす重大な毒性ではないので分類の根拠にはしなかった。また呼吸器系に関しては、呼吸困難、呼吸抑制、剖検による化膿性肺炎を認めた症例が報告されているが、酢酸フェニル水銀の直接的影響であるかまたは重度の神経毒性による二次的影響であるか不明であると記載されている(ATSDR (1999))ため分類の根拠としなかった。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし | ||
12.環境影響情報 | |||
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水生環境急性有害性 | 魚類(ニジマス)での96時間LC50 = 8.6μg/L(AQUIRE, 2010)であることから、区分1とした。 | ||
水生環境慢性有害性 | データ不足のため分類できない。 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | |||
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国際規制 | |||
海上規制情報 | IMOの規定に従う。 | ||
UN No. | 1674 | ||
Proper Shipping Name. | PHENYLMERCURIC ACETATE | ||
Class | 6.1 | ||
Packing Group | K | ||
Marine Pollutant | P | ||
航空規制情報 | ICAO・IATAの規定に従う。 | ||
UN No. | 1674 | ||
Proper Shipping Name. | Phenylmercuric acetate | ||
Class | 6.1 | ||
Packing Group | K | ||
国内規制 | |||
陸上規制情報 | 毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | ||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | ||
国連番号 | 1674 | ||
品名 | 酢酸フェニル第二水銀 | ||
クラス | 6.1 | ||
容器等級 | K | ||
海洋汚染物質 | P | ||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | ||
国連番号 | 1674 | ||
品名 | 酢酸フェニル第二水銀 | ||
クラス | 6.1 | ||
等級 | 2 | ||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | ||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | |||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | |||
重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 151 | ||
15.適用法令 | |||
---|---|---|---|
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | ||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条) 水銀化合物及びこれを含有する製剤(政令番号:17) | ||
水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、令第2条、排水基準を定める省令第1条) | ||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-237) | ||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1) | ||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1) | ||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の2第4号1・昭53労告36号) | ||
16.その他の情報 | |||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 |