| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | メチルヒドラジン | ||
| 化学品の英語名称 | Methylhydrazine | ||
| 製品コード | R06-C-046-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 農薬・医薬中間体,高分子添加剤,写真薬(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成18年度(2006年度)、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
| 物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分1 | |
| 自己反応性化学品 | タイプG | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分2 | |
| 急性毒性 (経皮) | 区分2 | ||
| 急性毒性 (吸入: 蒸気) | 区分1 | ||
| 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
| 発がん性 | 区分1B | ||
| 生殖毒性 | 区分2 | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(血液、神経系) | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(血液、肝臓、腎臓、呼吸器、副腎) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成26年度(2014年度)、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 極めて引火性の高い液体及び蒸気 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると生命に危険 吸入すると生命に危険 皮膚刺激 強い眼刺激 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 血液、神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液、肝臓、腎臓、呼吸器、副腎の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 環境への放出を避けること。 涼しいところに置くこと。 | ||
| 応急措置 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | メチルヒドラジン | ||
| 慣用名又は別名 | モノメチルヒドラジン | ||
| 英語名 | Methylhydrazine | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | CH6N2 (46) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 60-34-4 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 2-2385 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 気道/呼吸器疾患の刺激が発生した場合:できるだけ早く、グルココルチコイド吸入スプレーを吸入する。 呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。 呼吸が止まっている場合は、呼吸補助具(蘇生バッグなど)や口鼻蘇生法で人工呼吸を行う。口対口蘇生法は緊急事態の場合にのみ行う。 医師に連絡すること。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 直ちに皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで少なくとも10〜20分間洗浄する。 汚染された衣類は密閉式の容器に入れる。 皮膚刺激または発しん(疹)が生じた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 流水で10分間、患部の眼を広く広げたまぶたですすぐ。 眼の刺激が続く場合は医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 意識がある場合は、コップ1〜2杯の水を飲ませる。 口をすすぎ、液体を吐き出す。 無理に吐かせないこと。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性:粘膜や皮膚の腐食による刺激、中枢神経系、肝臓、血液の損傷。許容濃度をはるかに超えてばく露すると、死を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 慢性:粘膜への刺激、血液や肝臓の損傷、ヒト人で発がん性を示す可能性がある。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥消火剤、粉末消火薬剤、耐アルコール泡消火剤、二酸化炭素 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス、一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 加熱すると圧力が上昇し、破裂や爆発の危険がある。 着火(発火)源を遮断する。 バックファイアに注意する。 流出水が排水システムに入らないようにする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | すべての点火源を遮断する。 影響を受ける周囲に警告する。 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 こぼれた液体は吸収剤(珪藻土、バーミキュライト、砂など)で吸収し、規制に従って廃棄する。 火花が発生しないツールを使用する。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗う。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 発がん性物質および生殖細胞変異原性物質は、密閉装置でのみ使用する必要がある。 容器とパイプラインにラベルを貼る。 水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | リサイクルの方法がない場合は、それぞれの地域の規制に従って廃棄する必要がある。 廃棄物を流し台やゴミ箱に入れたり置いたりしない。 有毒で可燃性の化合物の収集容器に集める。 収集容器には、内容物の説明がされているラベルを貼る。容器は換気の良い場所に保管する。それらを適切な当局に委託して処分する。 危険区域から立ち退く。 この物質を環境中に放出してはならない。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 毎日掃除する。 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する 静電気放電に対する予防措置を講じること。 帯電できるすべての部品をアース(接地)する。 蒸気と空気の混合物は爆発性である。 発火源(電気機器、裸火、熱源、火花など)から距離を置く。 禁煙。 作業エリアでの溶接はしない。 空の容器には注意する。発火した場合、爆発の可能性がある。 火花の原因となる工具は使用しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 作業場を清潔で乾燥した状態に保つように注意する。 この物質は、作業に必要な量を超えて持ち込まない。 容器を開いたままにしない。 補充または移し替えには、排気口付きの漏れ防止機器を使用する。 圧縮空気と一緒に輸送したり、圧縮空気を使用して輸送したりしない。 しぶきを避ける。 ラベルの付いた容器にのみ入れる。 裸火禁止、火花禁止、禁煙。 強酸化剤との接触禁止。 高温面との接触禁止。 密閉系、換気、防爆型電気設備および照明設備。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質。 自然発火性物質。 水と接触した場合、可燃性ガスを放出する物質。 強酸化性物質。 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質。 急性毒性物質。 有毒または慢性的に作用する物質。 可燃性固体。 化学反応が可能な物質と一緒に保存しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 衛生対策 | 飲食禁止。 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。接触した場合は患部を洗浄する。 眼に入った場合は洗い流す。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 シャワー付きの洗面所と、可能であれば、私服と作業服用の独立した収納を備えた部屋を用意する。 使用後は手を洗うこと。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 鍵のかかった保管場所に保管する。 食品容器は使用しない。 容器にラベルを貼付する。 できるだけ元の容器に保管する。 壊れやすい容器は、2リットルまでの含有量のみを使用する。 容器は、涼しく乾燥した換気の良い場所で密閉して保管する。 発火源や熱源から離して保管する。 小さな容器は、収集浴槽付きのキャビネットに保管する。 十分に大きな収集室(くぼみ、壁、または安定した自立型の壁)を設置する。 本物質は空気に敏感なため、空気/酸素を避ける。 本物質は吸湿性のため、湿気を避ける。 内容物は不活性ガスの下に保管する。 決められた場所以外では保管はしないこと。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 消防法、国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA: 0.01 ppm、 0.019 mg/m3(Skin) | |||
| 設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 作業エリアは、可能であれば物理的に分離する必要がある。 作業場は換気をする。 排出された空気は、作業エリアに戻してはならない。 床に排水口を作らない。 洗浄設備を設置する。 洗眼設備を設置する。 標識を付ける。 物質を大量に取り扱う場合は、非常用シャワーを設置する。 耐火設備。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、酸素濃度が18%未満の濃度、または不明な状況では使用しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」参照のこと。 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。着用する前に締まり具合を確認する。手袋は取り外す前に十分に清掃し、換気の良い場所に保管する。 布製または革製の手袋は不適切である。 次の材料の保護手袋は、4時間以上連続して着用しない(透過時間>= 4時間): ブチルゴム ブチル(0,5 mm) 以下の材料は、劣化、重度の膨潤または低透過時間のために保護手袋には適していない: 天然ゴム/天然ラテックス NR、ポリクロロプレン CR、ニトリルゴム/ニトリルラテックス NBR、フッ素樹脂 FKM、ポリ塩化ビニル PVC 記載されている時間は、22°Cでの測定と一定の接触によって示唆されている。温められた物質や体温などによる温度の上昇や、膨張による有効層厚の弱化により、浸透時間が大幅に短縮される可能性がある。層の厚さが1.5倍に増減すると、浸透時間が2倍/半減する。このデータは純物質にのみ適用される。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、不浸透性の適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 液体 | ||
| 色 | 無色 | ||
| 臭い | アンモニア臭 | ||
| 融点/凝固点 | -52.4 ℃ (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | 88 ℃ (NFPA (14th, 2010)) | ||
| 可燃性 | 可燃性(高引火性) (GESTIS (2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 2.5〜92 vol% (NFPA (14th, 2010)) | ||
| 引火点 | -8 ℃ (closed cup) (NFPA (14th, 2010)) | ||
| 自然発火点 | 194 ℃ (NFPA (14th, 2010)) | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | 0.775 cP (25℃、粘度) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 溶解度 | 水:> 10 % (HSDB in PubChem (2024)) エタノール、エチルエーテル:> 10 % (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow:-1.05 (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 蒸気圧 | 49.6 hPa (20℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 0.874 g/cm3 (25℃) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | 1.6 (Air = 1) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 物質は可燃性である。 電気器具は、腐食のリスクが高いため、定期的に点検する。 危険な爆発性雰囲気の形成の可能性は、リスク評価で評価する必要がある。リスク評価の結果によっては、形成防止、発火防止、建設的防爆に従った対策が必要になる場合がある。 引火性が高い。 多くの反応により、火災や爆発を生じることがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 蒸気/空気の混合気体は、爆発性である。 酸化剤または金属酸化物と接触すると、火災および爆発の危険性がある。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 熱分解する。 細かく分散した物質は、空気中で自己発火する。 加熱すると 金属酸化物と接触すると爆発することがある。 空気および土、アスベスト、木材、布などの多孔性物質に触れると、自然発火することがある。 加熱により分解する 窒素酸化物などの、有毒で腐食性のガスを生じる。 本物質は、強還元剤である。 酸化剤と激しく反応する。火災の危険を生じる。本物質は、中程度の強塩基である。強酸と激しく反応する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 発火源(火気、加熱、高温、静電気、火花など)に近づけないこと。 | ||
| 混触危険物質 | 接触して爆発の危険性: 鉛、酸化鉄、酸化銅、マンガン 反応の危険性: フッ素、強力な酸化剤、硝酸、過酸化水素、三フッ化塩素、多孔質材料、二酸化窒素 過酸化水素又は硝酸と接触する場合、自然発火が起こる。 以上、GESTIS、ホンメル参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス、一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | ラットLD50値:32mg/kg(PATTY 4th, 1994)に基づき、区分2とした。 | |||
| 経皮 | ラットLD50値:183mg/kgおよびウサギLD50値:93mg/kg(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)に基づき、小さい方のウサギの値を採用し区分2とした。 | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義による液体である。 | |||
| 吸入: 蒸気 | ラットLC50(4時間)値:74ppmおよび78ppm(換算値0.14mg/Lおよび0.15mg/L)(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)に基づき、蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気と判断し、ppm濃度基準値から区分1とした。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | データなし。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ACGIH(7th, 2004)、PATTY(4th, 1994)のイヌの皮膚に適用した試験において暴露期間は不明であるが紅斑および浮腫が認められたとの記述、ならびにPATTY(4th, 1994)のヒトで皮膚に重度の損傷がみられる可能性があるとの記述から、区分2とした。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | PATTY(4th, 1994)のヒトで眼に重度の損傷がみられる可能性があるとの記述から、区分2Aとした。 | |||
| 呼吸器感作性 | データなし。 | |||
| 皮膚感作性 | DFGでShに分類されているが、ヒトで皮膚接触により過敏症を誘発する旨の証拠がないことから、判定基準に適応せず、データ不足のため分類できないとした。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | 生殖細胞を用いるin vivo経世代変異原性試験であるマウスを用いた優性致死試験で陰性の結果がある(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994))ことから区分に該当しないとした。 | |||
| 発がん性 | 【分類根拠】 ヒトの発がん性に関する情報はない。実験動物では、 (1) より、動物2種で悪性腫瘍の発生増加がみられたことから、区分1Bとした。なお、情報源の情報を精査し、分類結果を変更した (2024年度) 。 【根拠データ】 (1) マウスとハムスターを用いた経口 (飲水) 投与による発がん性試験 (飲水中濃度:0、0.01%、生涯投与) において、マウスの試験では肺腺腫が雌雄に、悪性リンパ腫の発生率増加が雌に認められ、対照群に比べて投与群は生存期間の短縮 (生存率が50%に達した時期 (雄/雌) :30週/45週 vs 対照群 80週/100週) が認められた。ハムスターの試験では、投与群の雌雄に肝臓の悪性組織球腫及び盲腸の腫瘍 (ポリープ状腺腫/腺腫/腺癌) の発生が認められ、同様に生存期間の短縮が認められた (RAC Opinion (2015)、AICIS IMAP (2014)、ACGIH (7th, 2001)、NITE有害性評価書 (2006)) 。 (2) ラット、ハムスター、マウス及びイヌを用いた1年間吸入ばく露 (蒸気:ラット、ハムスターでは最高5 ppm、マウス、イヌでは最高2 ppm:6時間/日、5日/週) により発がん性を検討した試験において、ハムスターでは鼻腔のポリープ/腺腫の発生増加が、マウスでは鼻腔の腺腫/腺腫状ポリープと肺腺腫の発生増加が認められた。一方、ラットとイヌでは腫瘍誘発の証拠は認められなかった。イヌは雌雄各4匹と例数が少なく、投与期間 (1年間) も寿命から考えて明らかに短い (同上) 。 【参考データ等】 (3) マウスを用いた8週間強制経口投与又は8週間腹腔内投与による試験では、一部の例に白血病、肺腺腫がみられたが、発生頻度に対照群と差はなかった。8週間のばく露期間は腫瘍誘発には明らかに短い (RAC Opinion (2015)) 。 (4) 国内外の評価機関による発がん性分類では、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2001)) 、EUでCategory 1B (CLP分類 (Accessed May 2024)) 、DFGで Category 2 (List of MAK and BAT values (2024)) に分類されている。 | |||
| 生殖毒性 | 親動物の一般毒性に関する記述はないが、HSDB(2005)のマウスおよびウサギを用いた妊娠期間に経口投与した試験において胎児奇形が認められたとの記述から、区分2とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | PATTY(4th, 1994)のヒト吸入暴露例において血液への影響が認められたとの記述、ならびにラットを用いた経口投与試験において痙攣が区分1のガイダンス値範囲で認められたとの記述、濃度は不明であるがマウスを用いた吸入暴露試験において神経系への影響が認められたとの記述から、区分1(血液、神経系)とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ACGIH(7th, 2001)のラット、マウス、イヌ、ハムスターまたはサルに長期吸入暴露した試験において血液、肝臓、腎臓、呼吸器または副腎への影響が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述から、区分1(血液、肝臓、腎臓、呼吸器、副腎)とした。 | |||
| 誤えん有害性* | データなし。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata) の72時間ErC50 = 0.28 mg/L (環境省生態影響試験, 2009) から区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0% (既存点検, 1992))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)での72時間NOEC=0.042 mg/Lである(環境省生態影響試験, 2009)ことから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0% (既存点検, 1992))、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 0.38 mg/L(環境省生態影響試験, 2009)であることから、区分1となる。 以上の結果より、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 1244 | |||
| 品名(国連輸送名) | メチルヒドラジン | |||
| 国連分類 | 6.1 | |||
| 副次危険 | 3, 8 | |||
| 容器等級 | T | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 消防法の規定に従う | |||
| 特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 131 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【587 メチルヒドラジン】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 【2098 メチルヒドラジン】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【587 メチルヒドラジン】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 【2098 メチルヒドラジン】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) 【271 メチルヒドラジン】 危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号) 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 【メチルヒドラジン】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 消防法 | 第5類 自己反応性物質(法第2条第7項危険物別表第1・第5類) 【ヒドラジンの誘導体】 | |||
| 海洋汚染防止法 | 危険物(施行令別表第1の4) | |||
| 船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 輸送禁止(施行規則第194条) | |||
| 港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
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| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||