1.化学物質等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学物質等の名称 | シアン化カルシウム (Calcium cyanide) | ||
製品コード | 22B4510 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
メールアドレス | |||
推奨用途及び使用上の制限 | 主として燻蒸剤、また肥料、枯れ葉剤、除草剤、殺鼠剤、セメントの安定剤として、ステンレススチールの製造に利用される。 | ||
2.危険有害性の要約 | |||
---|---|---|---|
GHS分類 | |||
分類実施日 | H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用 | ||
物理化学的危険性 | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分2 | |
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 | 区分2 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | 区分1(中枢神経系、心血管系) | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | 区分1(中枢神経系、甲状腺) | ||
<環境分類実施日に関する情報> | |||
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。 | |||
ラベル要素 | |||
絵表示又はシンボル | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 | ||
強い眼刺激 | |||
中枢神経系、心血管系臓器の障害 | |||
呼吸器への刺激のおそれ | |||
長期にわたるまたは反復ばく露による中枢神経系、甲状腺臓器の障害 | |||
注意書き | |||
【安全対策】 | |||
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱後は手をよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
取扱後は眼をよく洗うこと。 | |||
適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
【応急措置】 | |||
眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
口をすすぐこと。 | |||
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
気分が悪い時は医師に連絡すること。 | |||
ばく露した場合:医師に連絡すること。 | |||
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 | |||
【保管】 | |||
換気の良いところで保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
【廃棄】 | |||
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
国・地域情報 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
化学物質 | |||
化学名又は一般名 | シアン化カルシウム | ||
別名 | カルシウムジシアニド (Calcium dicyanide)、(Cyanide of calcium)、シアノガス (Cyanogas) | ||
分子式 (分子量) | C2CaN2(92.12) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 592-01-8 | ||
官報公示整理番号(化審法・安衛法) | 化審法: 安衛法: | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
気分が悪い時は医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 水と石鹸で洗うこと。 | ||
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 | ||
口をすすぐこと。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状 | 吸入 : 胸部圧迫感、錯乱、痙攣、咳、めまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、息切れ、意識喪失、嘔吐、脱力感。皮膚の発赤。 | ||
皮膚 : 吸収される可能性がある。発赤、痛み。 他の症状については「吸入」参照。 | |||
眼 : 発赤、痛み。 | |||
経口摂取 : のど、胸の灼熱感。 他の症状については「吸入」参照。 | |||
最も重要な兆候及び症状 | データなし | ||
応急措置をする者の保護 | データなし | ||
医師に対する特別注意事項 | データなし | ||
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | データなし。 | ||
特有の危険有害性 | 不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。 | ||
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | |||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | |||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置 | 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 | ||
関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
密閉された場所に立入る前に換気する。 | |||
全ての着火源を取り除く。 | |||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
回収・中和 | 漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。 | ||
封じ込め及び浄化方法・機材 | 水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。 | ||
二次災害の防止策 | プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。 | ||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 特別に技術的対策は必要としない。 | ||
局所排気・全体換気 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||
取扱後は手をよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
接触回避 | 10項に示す混触危険物質との接触を回避する。 | ||
保管 | |||
技術的対策 | 特別に技術的対策は必要としない。 | ||
保管条件 | 換気の良いところで保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
容器包装材料 | データなし。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標) | |||
日本産衛学会 | 最大許容濃度 5mg/m3(CNとして) 経皮吸収(2010年版) | ||
ACGIH | TWA C 5mg/m3(as CN) Skin(2010年版) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 固体 | ||
色 | 無色〜白色 | ||
臭い | 特異臭、アーモンド臭 | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | 350 (分解) ℃ : NFPA (13th, 2006) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
引火点 | 不燃性 : ICSC (1998)、NFPA (13th, 2006)、Weiss (2nd, 1985) | ||
自然発火温度 | 不燃性 : ICSC (1998)、NFPA (13th, 2006)、Weiss (2nd, 1985) | ||
燃焼性(固体、ガス) | データなし | ||
爆発範囲 | 不燃性 : ICSC (1998)、NFPA (13th, 2006)、Weiss (2nd, 1985) | ||
蒸気圧 | 0.0349 mmHg (25 ℃) : SRC (Access on Jun. 2009) | ||
蒸気密度 | データなし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
比重(密度) | 1.853 (20 ℃, solid) : HSDB (2005) (1.8 g/cm3 : ICSC (1998)) | ||
溶解度 | 1*10^(+6)mg/L (25 ℃, 推定値) : SRC (Access on Jun. 2009) | ||
アルコールに溶解 : HSDB (2005) | |||
オクタノール・水分配係数 | logP = -2.41 (推定値) : SRC (Access on Jun. 2009) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度 | データなし | ||
粉じん爆発下限濃度 | データなし | ||
最小発火エネルギー | データなし | ||
体積抵抗率(導電率) | データなし | ||
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 350℃以上に加熱すると分解し、有毒なヒューム(窒素酸化物、シアン化水素など)を生じる。水、湿った空気、二酸化炭素、酸、酸性塩と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 350℃以上に加熱。 | ||
混触危険物質 | 水、湿った空気、二酸化炭素、酸、酸性塩。 | ||
危険有害な分解生成物 | 有毒なヒューム(窒素酸化物、シアン化水素など) | ||
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | ラットLD50値:39 mg/kg(産衛学会提案理由書、産業医学 43号 (2001))。(GHS分類:区分2) | ||
経皮 | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
吸入 | 吸入(ガス): | GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外) | |
吸入(蒸気): | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
吸入(粉じん): | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
皮膚腐食性・刺激性 | ヒトで皮膚の発赤および刺激性が見られる(ICSC (J) (1998))。(GHS分類:データ不足で分類できない。) | ||
眼に対する重篤な損傷・刺激性 | 本物質自体のデータはないが、シアン化合物の眼への局所影響は、中等度の結膜浮腫、流涙、羞明、刺激などを伴う結膜のうっ血である(CICADs 61 (2004))。(GHS分類:区分2) | ||
呼吸器感作性又は皮膚感作性 | 呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない) | |||
生殖細胞変異原性 | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
発がん性 | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
生殖毒性 | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | 本物質自体についてデータはないが、シアン化物の急性ばく露では、主な影響は中枢神経系と心血管系の障害である(ATSDR (2006)、CICADs 61 (2004))。シアン化物の急性症状は、頻呼吸、頭痛、めまい、弱脈、心不整脈、嘔吐、昏迷、痙攣、昏睡など(CICADs 61 (2004))。さらに、シアン化物の顕著な影響は神経系で、特に脳に現れ、高濃度の急性吸入ばく露では短時間の中枢神経系刺激の後、抑制、痙攣、昏睡、死亡に至る(ATSDR (2006))。また、シアン化物の急性吸入ばく露により、気道に刺激および損傷を与える(ACGIH (2001))。(GHS分類:区分1(中枢神経系、心血管系)、区分3(気道刺激性)) | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | 本物質自体についてデータはないが、シアン化物の慢性ばく露では、低濃度の職業ばく露により、疲労、めまい、頭痛、四肢知覚異常、失神、片側不全麻痺、片側視野欠損など中枢神経系への影響に関連する様々な症状が認められ(CICADs(J) 61 (2004)、ATSDR(2006))、長期間のばく露後では行動変化、労働者では記憶喪失、視力低下、精神運動能低下などの報告がある(ATSDR (2006))。また、シアン化物の主要代謝物であるチオシアナートは、甲状腺においてヨウ素の取り込みを抑制し、甲状腺ホルモンの低下に次いで甲状腺刺激ホルモンの増加をまねき、甲状腺に毒性を示す(ATSDR(2006)、CICADs(J) 61 (2004))。職業ばく露により甲状腺肥大、甲状腺刺激ホルモンの上昇(ATSDR(2006))、甲状腺機能障害や甲状腺腫など(CICADs(J) 61 (2004))が報告されている。(GHS分類:区分1(中枢神経系、甲状腺)) | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性有害性) | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
水生環境有害性(長期間有害性) | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない) | ||
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。 | ||||
国連番号 | 1575 | |||
品名 | シアン化カルシウム | |||
Proper Shipping Name | CALCIUM CYANIDE | |||
クラス | 6.1 | |||
副次危険 | J | |||
海洋汚染物質 | P | |||
国際規制 | 海上規制情報 | IMOの規定に従う。 | ||
航空規制情報 | ICAO・IATAの規定に従う。 | |||
国内規制 | 陸上規制情報 | 毒劇法の規定に従う。 | ||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 157 | |||
15.適用法令 | |||
---|---|---|---|
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | ||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条)(政令番号:8) | ||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示) | ||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-144)(旧政令番号:1-108) | ||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1) | ||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1) | ||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の2第4号1・昭53労告36号) | ||
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |