| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | O−2,6−ジクロロ−p−トリル=O,O−ジメチル=ホスホロチオアート(別名トルクロホスメチル) | ||
| 化学品の英語名称 | O-2,6-Dichloro-p-tolyl O,O-dimethyl phosphorothioate | ||
| 製品コード | R06-S66-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺菌剤)(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和2年度(2020年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 皮膚感作性 | 区分1B | |
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分2(神経系) | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(血液系、神経系) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 令和3年度(2021年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 警告 | ||
| 危険有害性情報 | アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 神経系の障害のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、神経系の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | O−2,6−ジクロロ−p−トリル=O,O−ジメチル=ホスホロチオアート | ||
| 慣用名又は別名 | トルクロホスメチル | ||
| 英語名 | O-2,6-Dichloro-p-tolyl O,O-dimethyl phosphorothioate | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C9H11Cl2O3PS (301.13) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 57018-04-9 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | - | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | 4-(9)-127 | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 一般的な注意として、粉末状物質の場合は、ある条件下では粉じん爆発を起こす可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 粉じんを発生させないようにする。 | ||
| 接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | (吸入性粉じん) 2 mg/m3 (総粉じん) 8 mg/m3 (第3種粉じん) | |||
| ACGIH (2024年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | |||
| 手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、不浸透性の保護手袋を着用する。 厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」参照のこと。 | |||
| 眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて不浸透性の保護衣、保護エプロン等を着用する。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 無色 | ||
| 臭い | データなし | ||
| 融点/凝固点 | 79 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
| 可燃性 | データなし | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | > 100 ℃ (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:0.708 mg/L (20℃) (GESTIS (2024)) キシレン、アセトン、シクロヘキサノン、クロロホルム: よく溶ける (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow:4.56 (GESTIS (2024)) | ||
| 蒸気圧 | 4.30×10-4 mmHg (25℃) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | |||
|---|---|---|---|
| 急性毒性 | |||
| 経口 | (1)〜(3)の3件の試験結果より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020)) (2)ラット(雌)のLD50:> 5,000 mg/kg(GLP)(CLH Report (2018)) (3)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(CLH Report (2018)) | ||
| 経皮 | (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020)) (2)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402、GLP)(CLH Report (2018)) (3)ウサギのLD50:> 2,000 mg/kg(CLH Report (2018)) | ||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | ||
| 吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 吸入: 粉じん及びミスト | (1)、(2)より、区分4上限の毒性情報が不明であり、分類できない。 【参考データ等】 (1)ラットのLC50(4時間):> 3.32 mg/L(GLP)(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020)) (2)ラットのLC50(4時間):> 2.07 mg/L(GLP)(CLH Report (2018)) | ||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、閉塞、4時間適用、72時間観察)において、1時間後に全例で紅斑及び浮腫がみられたが、影響はすべて72時間以内に完全に回復した(紅斑・痂皮スコア:0.7/0.3/0.7、浮腫スコア:0.3/0/0.3)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、4時間適用、7日観察)において、全例で皮膚刺激性反応はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0/0/0/0、浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018)、JMPR (1994))。 (3)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、全例で皮膚刺激性反応はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0/0/0/0、浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018))。 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、96時間観察)において、全例で結膜の刺激性反応がみられたが、96時間以内に完全に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:1/0.3/0.3、結膜浮腫スコア:1.3/0/0)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018))。 (2)ウサギ(n=8)を用いた眼刺激性試験において、洗眼群5例、非洗眼群3例ともに刺激性反応はみられなかったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018)、JMPR (1994))。 (3)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験において、1時間後に全例で結膜の刺激性反応がみられたが、48時間以内に完全に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0/0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0/0/0/0、結膜発赤スコア:0/0.3/0/0/0/0、結膜浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018))。 | ||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 皮膚感作性 | (1)〜(3)より、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:5%溶液)において、感作率は35%(7/20例)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018))。 (2)モルモットを用いた皮膚感作性試験(Landsteiner-Draize 法、Buehler 法及びMaximization 法)が実施され、Landsteiner-Draize 法及びBuehler 法では陰性であったが、Maximization 法では中等度の陽性であった(食安委 農薬評価書 (2019))。 (3)本物質は皮膚感作性物質である(EFSA (2017))。 | ||
| 生殖細胞変異原性 | (1)〜(6)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた優性致死試験(OECD TG478)において陰性の報告がある(CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Dec. 2020))。 (2)マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(単回腹腔内投与)において陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Dec. 2020))。 (3)小核試験(OECD TG474、GLP、単回経口投与)において陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018))。 (4)細菌復帰突然変異試験において陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Dec. 2020))。 (5)ほ乳類培養細胞(チャイニーズハムスター肺由来 V79細胞)を用いた遺伝子突然変異試験において陰性の報告がある(CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Dec. 2020))。 (6)ほ乳類培養細胞(CHO-K1)を用いた染色体異常試験(OECD TG 473)において陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Dec. 2020))。 | ||
| 発がん性 | 国内外の分類機関による既存分類結果はないが、(1)、(2)より区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットの28/30ヵ月間慢性毒性/発がん性併合試験(混餌投与)において、1,000 ppm(雄/雌:41.6/48.6 mg/kg/day)までの用量で検体投与により発生頻度が増加した腫瘍性病変はなく、発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Dec. 2020))。 (2)マウスの2年間慢性毒性/発がん性併合試験(混餌投与)においても、1,000 ppm(雄/雌:134/137 mg/kg/day)までの用量で検体投与により発生頻度が増加した腫瘍性病変はなく、発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Dec. 2020))。 | ||
| 生殖毒性 | (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による三世代生殖毒性試験において、繁殖能に対する影響は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Oct. 2020))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠6〜15日)において、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS INCHEM (Accessed Oct. 2020))。 (3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠6〜18日)において、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018) 、IPCS INCHEM (Accessed Oct. 2020))。 【参考データ等】 (4)ラットを用いた混餌投与による一世代生殖毒性試験において、親動物に一般毒性影響がみられない低用量で児動物に体重低下、体重増加抑制がみられたが、児動物の方が親動物より多く摂餌したことによるもので児動物の方が親動物より感受性が高いことによる影響ではないと考えられた。また、食安委評価書では、親動物の例数が雌雄各10匹/群と少ないため、参考データとして扱われている(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018))。 | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | (1)、(2)より、区分2の用量範囲で四肢又は全身性の運動失調、歩行失調、自発運動の減少がみられることから区分2(神経系)とした。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた単回経口投与試験において、自発運動低下、四肢又は全身性の運動失調、呼吸深大及び呼吸困難、歩行失調がみられ、死亡例は雄で1,500 mg/kg、雌で2,000 mg/kgであったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019))。 (2)ラットを用いた単回経口投与による急性神経毒性試験(OECD TG 424、GLP)において、700 mg/kg(区分2の範囲)以上で投与当日(第0日)に自発運動の減少がみられたが、第4及び7日には回復したとの報告がある(CLH Report (2018))。 【参考データ等】 (3)ラットを用いた単回経皮投与試験において、5,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)で症状及び死亡例はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018))。 (4)ラットを用いた単回吸入(粉じん)ばく露試験(4時間、GLP)において、3.32 mg/L(区分2の範囲)で閉眼、異常姿勢及び呼吸異常がみられたが死亡例はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018))。 (5)ラットを用いた単回吸入(粉じん)ばく露試験(4時間、GLP)において、2.07 mg/L(区分2の範囲)で呼吸異常を生じたが、3日以内に回復し、剖検でも肉眼的異常はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018))。 | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | (1)、(3)より、区分2の用量範囲で血液系影響がみられ、また、(2)、(4)より、ChE活性阻害による神経系影響が示唆され、いずれも区分2の用量範囲であることから、区分2(血液系、神経系)とした。 【根拠データ】 (1)イヌを用いた混餌投与による6ヵ月間反復経口投与試験において、2,000 ppm(69.9 mg/kg/day(雄)、62.9 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)でRBC及びHb減少・ALP増加・Alb減少・肝絶対及び比重量増加、雄に、甲状腺絶対及び比重量増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020))。 (2)マウスを用いた混餌投与による9ヵ月間反復経口投与試験において、100 ppm(12.2 mg/kg/day(雄)、13.8 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で赤血球ChE活性阻害(雄)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020))。 (3)イヌを用いた混餌投与による1年間慢性毒性試験において、2,000 ppm(58.7 mg/kg/day(雄)、61.9 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で血液影響(RBC、Ht及びHb減少・PLT増加)及び肝臓影響(肝絶対及び比重量増加・肝細胞肥大(び漫性及び小葉中心性)・肝細胞内均質物質増加・肝細胞色素沈着、雄に、ALT増加)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020))。 (4)マウスを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、250 ppm(32.2 mg/kg/day(雄)、34.1 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で赤血球ChE活性阻害(20%以上)、雌に、脳ChE活性阻害(20%以上)がみられ、1,000 ppm(134 mg/kg/day(雄)、137 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で雄に、脳ChE活性阻害(20%以上)・Glu増加・包皮腺膿瘍、雌に、下垂体絶対及び比重量増加・胸腺及び卵巣(右)絶対及び比重量減少・舌線維化及び膣萎縮がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020))。 【参考データ等】 (5)ラットを用いた混餌投与による13週間反復経口投与試験において、10,000 ppm(653 mg/kg/day(雄)、696 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)で肝臓影響(肝絶対及び比重量増加・肝細胞肥大)、雌に、赤血球コリンステラーゼ(ChE)活性阻害(20%以上)及び血液影響(Hb及びMCH減少・白血球数(WBC)及びリンパ球数増加)等がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020))。 (6)ラットを用いた混餌投与による13週間神経毒性試験において、10,000 ppm(736 mg/kg/day(雄)、763 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で神経毒性はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018))。 (7)ラットを用いた混餌投与による6ヵ月間反復経口投与試験において、3,000 ppm(166 mg/kg/day(雄)、186 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)で肝臓影響(肝絶対及び比重量増加・肝卵円形細胞増殖(雌))がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2018)、IPCS PIM (Accessed Dec. 2020))。 | ||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
|---|---|---|---|---|
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(ミシッドシュリンプ)(海水)96時間LC50 = 0.377 mg/L(EU CLP CLH, 2018)であることから、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 急速分解性がなく(BIOWIN)、魚類(ニジマス)の97日間NOEC = 0.012 mg/L(EU CLP CLH, 2018)から、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | 情報なし | ||
| 生態蓄積性 | 情報なし | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 3077 | |||
| 品名(国連輸送名) | 環境有害物質、固体、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 9 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | III | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
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| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【192 O−(2,6−ジクロロ−パラ−トリル)=O,O−ジメチル=ホスホロチオアート(別名トルクロホスメチル)】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 水道法 | 水質基準(平15省令101号) 【38 塩化物イオン】 | |||
| 船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
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| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||