| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | ベータ-プロピオラクトン | ||
| 化学品の英語名称 | β−Propiolactone | ||
| 製品コード | R06-C-045-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 医薬原料,有機合成原料,繊維改質剤,殺菌剤(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成18年度(2006年度)、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
| 物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分4 | |
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分3 | |
| 急性毒性 (吸入: 蒸気) | 区分1 | ||
| 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
| 生殖細胞変異原性 | 区分1B | ||
| 発がん性 | 区分1B | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度(2006年度)、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
| 環境に対する有害性 | - | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 可燃性液体 飲み込むと有毒 吸入すると生命に危険 皮膚刺激 重篤な眼の損傷 遺伝性疾患のおそれ 発がんのおそれ 呼吸器への刺激のおそれ | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 | ||
| 応急措置 | 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 | ||
| 保管 | 換気の良い場所で保管すること。 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | ベータ-プロピオラクトン | ||
| 慣用名又は別名 | ヒドラクリロラクトン 3−ヒドロキシプロピオン酸ラクトン | ||
| 英語名 | β−Propiolactone hydracrylolactone | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C3H4O2 (72) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 57-57-8 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 5-11 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。 人工呼吸が必要なことがある。 医師に連絡すること。 以上、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 直ちに皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで少なくとも10〜20分間洗浄する。 以上、ICSC参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 以上、ICSC参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 口をすすぎ、液体を吐き出す。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 無理に吐かせないこと。 医療機関に連絡する。 以上、ICSC参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 短期ばく露の影響 本物質は、眼を重度に刺激する。 本物質は、皮膚および気道を刺激する。 長期または反復ばく露の影響 ヒトでおそらく発がん性を示す。 以上、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥消火剤、耐アルコール泡消火剤、二酸化炭素、粉末消火薬剤、 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 加熱すると圧力が上昇し、破裂や爆発の危険がある。 着火(発火)源を遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 影響を受ける周囲に警告する。 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 こぼれた液体は吸収剤(珪藻土、バーミキュライト、砂など)で吸収し、規制に従って廃棄する。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗う。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 発がん性物質および生殖細胞変異原性物質は、密閉装置でのみ使用する必要がある。 容器とパイプラインにラベルを貼る。 水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | リサイクルの方法がない場合は、それぞれの地域の規制に従って廃棄する必要がある。 有毒で可燃性の化合物に適用した収集容器に集める。 廃棄物をシンクやゴミ箱に入れたり置いたりしない。 収集容器には、内容物の説明がされているラベルを貼る。容器は換気の良い場所に保管する。それらを適切な当局に委託して処分する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | すべての部屋と備品は定期的に清掃する必要がある。 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 作業場所を清潔に保つ。 この物質は、作業に必要な量を超えて持ち込まない。 容器を開いたままにしない。 補充または移し替えには、排気口付きの漏れ防止機器を使用する。 しぶきを避ける。 ラベルの付いた容器にのみ入れる。 可燃性。 74℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質。 水と接触した場合、可燃性ガスを放出する物質。 強酸化性物質。 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質。 可燃性固体物質または脱感作物質。 化学反応が可能な物質と一緒に保存しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 衛生対策 | 飲食禁止。 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。接触した場合は患部を洗浄する。 眼に入った場合は洗い流す。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 シャワー付きの洗面所と、可能であれば、私服と作業服用の独立した収納を備えた部屋を用意する。 使用後は手を洗うこと。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 作業場は換気をする。 排出された空気は、作業エリアに戻さない。 洗濯設備を設置する。 洗眼設備を設置する。 標識を付ける。 物質を大量に取り扱う場合は、非常用シャワーを設置する。 容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所で保管すること。 鍵のかかった保管場所に保管する。 食品容器は使用しない。 容器にラベルを貼付する。 できるだけ元の容器に保管する。 推奨保管温度:-20℃ 物質は光に敏感で、光にさらされないように保管する。 湿気を避ける。 本物質はアルゴン下で保管する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 消防法、国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | 0.5 ppm | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA: 0.5 ppm、 1.5 mg/m3 | |||
| 設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、18%未満の酸素濃度、または不明な状況では使用しない。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | |||
| 手の保護具 | 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。着用する前に締まり具合を確認する。手袋は取り外す前に十分に清掃し、換気の良い場所に保管する。 適切な手袋の素材の情報はない。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて呼吸用保護具と併用して、安全眼鏡、顔面シールド、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、不浸透性の適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 液体 | ||
| 色 | 無色 | ||
| 臭い | かすかに甘い匂い | ||
| 融点/凝固点 | -33.4 ℃ (HSDB (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | 155 ℃ (NFPA (14th, 2010)) | ||
| 可燃性 | 可燃性 (HSDB (2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 下限 2.9 vol% (NFPA (14th, 2010)) | ||
| 引火点 | 70 ℃ (closed cup) (GESTIS (2024)) | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | 162 ℃ (HSDB (2024)) | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:37 vol/vol% (HSDB (2024)) 水:<50 g/L (20℃) (GESTIS (2024)) アルコール、アセトン、エーテル、クロロホルム: 可溶 (HSDB (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
| 蒸気圧 | 3 hPa (20℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.146 g/cm3 (20℃/4℃) (HSDB (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | 2.5 (Air = 1) (HSDB (2024)) | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 物質は可燃性である。 74℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 加温により、重合することがある。 火災または爆発の危険を生じる。 4員環ラクトンの存在により非常に高い化学反応性がある。 以上、GESTIS、ICSC、HSDB参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 閉じ込められて加熱されると、さまざまな物質が1,3-プロピオアセトンと激しく反応し、圧力が発生する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 発火源(火気、加熱、高温、静電気、火花など)に近づけないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 混触危険物質 | この物質は、硝酸、硫酸、2-アミノエタノール、水酸化アンモニウム、アニリン、クロロスルホン酸、塩化水素、1,2-エタン、ジアミン、エチレンイミン、アニリン、フッ化水素、水酸化ナトリウム、発煙硫酸、ピリジンと危険な反応を示す可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | ラット経口投与LD50=approx 50-100 mg/kg(HSDB(Access on May 2005))に基づき、区分3とした。 | |||
| 経皮 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義による液体。 | |||
| 吸入: 蒸気 | ラット吸入LC50(30分)値=approximately 250ppm(4時間換算値約88.4ppm)(ACGIH(7th, 2001))およびLC50(6時間)値=approximately 25ppm(4時間換算値約30.6ppm)(ACGIH(7th, 2001))に基づき、区分1とした。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | データなし。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ヒト暴露例でskin burns(blistering of the skin, hair loss, and scarring)がみられたとの記述(HSDB(Access on May 2005))、皮膚を刺激するとの記述(ICSC(J)(1997)およびSITTIG(4th, 2002))、およびマウスで刺激性(紅斑〜瘢痕)が認められている(ACGIH(7th, 2001))ことから、区分2とした。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ACGIH(7th, 2001)のウサギで不可逆性の角膜混濁がみられたとの記述、ならびにICSC(J)(1997)およびSITTIG(4th, 2002)の眼に対して腐食性(permanent corneal opacification)を示すとの記述から、区分1とした。 | |||
| 呼吸器感作性 | データなし。 | |||
| 皮膚感作性 | データなし。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | ほ乳類精細胞を用いる小核試験で陽性の結果がある(IARC 71(1999))ことから、区分1Bとした。 | |||
| 発がん性 | 【分類根拠】 ヒトの発がんに関して、本物質ばく露との関連が明らかな情報はない。実験動物では、 (1) 〜 (4) より、2種以上の動物に対し本物質との接触部位に悪性腫瘍の発生増加が認められていることから、区分1Bとした。なお、情報源の情報を精査し、分類結果を変更した (2024年度) 。 【根拠データ】 (1) ラット (雌) を用いた長期経口投与試験 (10 mg/週/匹、487日間) において前胃に扁平上皮癌 (3/5例) を認めたとの報告 (Van Duuren et al. (1966)(IARC 4 (1974)より引用))、並びにラット (雄、ばく露群:50匹/群、対照群:150匹) を用いた生涯吸入ばく露 (10 ppm、6時間/日×5日/週) による発がん性試験において、鼻腔がんが480日後に約60%、試験終了時に100%の発生率で認められた (Snyder et al. (1986)(IARC 71 (1999)より引用)) との報告がある (IARC 4 (1974)、IARC 71 (1999)、AICIS IMAP (2015)) 。 (2) マウスを用いた経皮ばく露試験 (2.5%溶液又は100 mg、1〜5回/週、35週間〜生涯ばく露) が数多く実施されており、適用部位皮膚に乳頭腫、悪性腫瘍 (扁平上皮がん) の発生増加が報告されている (Roe & Glendenning (1956)、Palrnes et al. (1962)(IARC 4 (1974) より引用))(同上、ACGIH 7th. (2001)) 。 (3) ハムスターを用いた経皮ばく露試験 (2.5%溶液、2回/週、32〜100週間) において、適用部位皮膚に乳頭腫、悪性腫瘍 (メラノーマ、扁平上皮がん) がみられた ( Parish & Searle (1966b)(IARC 4 (1974) より引用))。 (4) モルモットを用いた経皮ばく露試験 (2.5又は5%溶液、2回/週、数ヵ月間) において、角化棘細胞腫、悪性腫瘍 (メラノーマ) がみられた (Parish & Searle (1966a)(IARC 4 (1974) より引用))。 【参考データ等】 (4) 国内外の評価機関による発がん性分類では、IARCでグループ2B (IARC 71 (1999)) 、NTPでR (NTP RoC 15th. (2021)) 、ACGIHでA3 (ACGIH 7th. (2001)) 、EUでCarc. 1B (CLP分類 (Accessed May 2024)) 、DFGでCategory 2 (MAK(DFG)(2004)) に分類されている。 | |||
| 生殖毒性 | データなし。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 気道を刺激するとの記述(ICSC(J)(1997)およびSITTIG(4th, 2002))、ならびに気道を刺激する可能性を示唆する記述(HSFS(2002))から、区分3とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | データ不足のため分類できない。長期暴露により肝臓および腎臓に影響する可能性があるとの記述(HSFS(2002)およびSITTIG(4th, 2002))はあるが、具体的な症例の報告、疫学的調査結果または裏付けとなる動物実験データがないことから、肝臓および腎臓が標的臓器とは判断できなかった。 | |||
| 誤えん有害性* | データなし。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | データ不足のため分類できない。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | データ不足のため分類できない。 | ||
| 残留性・分解性 | 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 生態蓄積性 | 情報なし | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | - | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 2810 | |||
| 品名(国連輸送名) | その他の毒物、有機物、液体、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 6.1 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | T | |||
| 海洋汚染物質 | 該当しない | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 消防法の規定に従う | |||
| 特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 153 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 特定化学物質第2類物質(施行令別表第3第2号・特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2号) 特定化学物質第2類物質、特定第2類物質(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2、3号) 特定化学物質特別管理物質(特定化学物質障害予防規則第38条の4) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【523 ベータプロピオラクトン】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 【1873 ベータプロピオラクトン】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【523 ベータプロピオラクトン】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 【1873 ベータプロピオラクトン】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 特殊健康診断対象物質・現行取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第1項) 【3 ベータプロピオラクトン】 特殊健康診断対象物質・過去取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第2項) 【20 ベータプロピオラクトン】 作業環境評価基準(法第65条の2第1項) 【26 ベータプロピオラクトン】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 消防法 | 第4類 引火性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) 【第三石油類非水溶性液体】 | |||
| 海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1) 【(383) ベータプロピオラクトン】 | |||
| 船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||