1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | O-3-クロロ-4-メチルクマリン-7-イル O,O-ジエチルホスホロチオアート (O-3-Chloro-4-methylcoumarin-7-yl O,O-diethyl phosphorothioate) | ||
製品コード | H27-B-014 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 殺虫剤 (NITE調査) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H27.10.31、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分2 | ||
急性毒性(経皮) | 区分3 | |||
急性毒性 (吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系) | |||
分類実施日 (環境有害性) | H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス (H20.9.5版) を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると有毒 眼刺激 吸入すると生命に危険 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が緊急に必要である。(このラベルの・・・を見よ) 特別な処置が必要である。(このラベルの・・・を見よ) 口をすすぐこと。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | データなし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | O-3-クロロ-4-メチルクマリン-7-イル O,O-ジエチルホスホロチオアート | ||
別名 | O-3-クロロ-4-メチル-2-オキソ-2H‐クロメン‐イル O,O‐ジエチル ホスホロチオアート、クマホス (Coumaphos) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C14H16ClO5PS (362.77) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 56-72-4 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 9-554 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | データなし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石鹸で洗うこと。 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 汚染された衣類をすべて脱ぐこと。 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: 痙攣、めまい、発汗、息苦しさ、吐き気、意識喪失、縮瞳、筋痙攣、流涎。(症状は遅れて現われることがある。) 皮膚: 吸収される可能性あり。 経口摂取: 胃痙攣、下痢、嘔吐。 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水 | ||
特有の危険有害性 | 熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。 激しく加熱すると燃焼する。 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 密閉された場所に立入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。 封じ込め及び浄化方法・機材 水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。 二次災害の防止策 すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 保護手袋/保護衣/保護めがね/保護面を着用すること。 (換気が不十分な場合)呼吸用保護具を着用すること。 粉塵の拡散を防ぐ。 あらゆる接触を避ける。 青少年や小児へのばく露を避ける。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 粉じんを発生させないようにする。 | ||
接触回避 | データなし | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 食品や飼料から離しておく。 配水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。高温、多湿を避け室温で保管する。 | ||
安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2015年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2015年版) | TLV-TWA: 0.05 mg/m3 (IFV) (クマホス) | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 (HSDB (2015)) | ||
臭い | かすかな硫黄臭 (HSDB (2015)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 0.2 ppm (HSDB (2015)) | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | 91℃ (ICSC (2013)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | > 200 ℃ (GESTIS (2015)) | ||
引火点 | データなし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | 可燃性ではあるが、容易には着火しない(HSDB (2015)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし | ||
蒸気圧 | 0.013 mPa (20℃) (HSDB (2015)) | ||
蒸気密度 | データなし | ||
比重(相対密度) | 1.474 g/cm3 (CRC Handbook of Chemistry and Physics (96th, 2015)) | ||
溶解度 | 水: 不溶 (ICSC (2013)) アセトン (20℃) : 23.82 g/100 mL フタル酸ジエチル (20℃) : 21.50 g/100 mL キシレン: 0.9 g/100 mL オクタノール: 0.13 g/100 mL ヘキサン: 0.07 g/100 mL (HSDB (2015)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | logPow = 4.13 (ICSC(2013)) | ||
自然発火温度 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 不燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性の場合がある。 | ||
化学的安定性 | データなし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱時に塩化水素、リン酸化物及び硫黄酸化物が生じる。 火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
避けるべき条件 | 加熱 | ||
混触危険物質 | データなし | ||
危険有害な分解生成物 | 加熱時に塩化水素、リン酸化物及び硫黄酸化物が生じる。 火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分2 ラットのLD50値として、41 mg/kg (雄)、16 mg/kg (雌) (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2006))、37 mg/kg (雌)、139 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2006))、> 240 mg/kg (雄)、17 mg/kg (雌) (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006)) との6件の報告がある。最も多くのデータ (4件) が該当する区分2とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分3 ラットのLD50値として、860 mg/kg (ACGIH (7th, 2006))、> 2,400 mg/kg (雄、雌) (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006))、ウサギのLD50値として、500 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)) との3件の報告がある。最も多くのデータ (2件) が該当する区分3とした。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 区分2 ラットのLC50値 (1時間) として、1.081 mg/L (雄) (4時間換算値:0.27 mg/L)、0.341 mg/L (雌) (4時間換算値: 0.085 mg/L) との報告 (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006)) に基づき、区分2とした。なお、固体であるため、ミスト・ダストの基準値を適用した。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分外 ウサギを用いた皮膚刺激性において刺激性なしとの報告がある (EPA Pesticide (2006))。また、本物質は皮膚に対して刺激性はないとの記載がある (ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分外とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分2B ウサギを用いた眼刺激性試験において軽度の刺激性がみられたが7日以内に回復したとの報告がある (EPA Pesticide (2006))。また、本物質は眼に対して軽度の刺激性を示すとの記載がある (ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分2Bとした。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた皮膚感作性試験で感作性はみられなかったとの報告があるが (EPA Pesticide (2006))、試験法等詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータとした。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 分類できない ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、経口投与によるマウスの骨髄細胞を用いる小核試験で陰性 (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (2015))。 | ||
発がん性 | GHS分類: 分類できない ヒト発がん性に関する既存分類ではACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2006))、EPAでNLに分類されている (EPA Pesticide (2006))。実験動物による試験成績としては、ラット及びマウスを用いた経口経路 (混餌) による2年間発がん性試験の結果、いずれの投与群にも腫瘍発生頻度の増加は示されなかったものの、高用量群 (20 ppm) ではラットの雌で体重増加抑制がみられた以外に、ラット、マウスともに有意な毒性所見はみられていない (NTP TR96 (1979)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。ただし、他のラットを用いた混餌投与による2年間投与試験では、飼料中濃度が雌で5 ppm 以上、雄で 25 ppm で血漿、及び赤血球中のコリンエステラーゼ活性の低下がみられた (ACGIH (7th, 2006)) との記述もあり、NTPによる発がん性試験の用量設定は妥当なものと考えられた。以上、旧分類以後に改訂された分類ガイダンスに従い、EPAの分類結果からは区分外相当となるが、ACGIHの分類結果を優先し、分類できないとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 分類できない ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物ではラットを用いた経口経路 (混餌) での2世代生殖毒性試験において、血漿、及び赤血球内のコリンエステラーゼ活性の低下が親動物に認められたが、性機能、生殖能に対する有害影響は認められなかった (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。また、妊娠ラット、又は妊娠ウサギの器官形成期に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物にはラットで振戦、ウサギで死亡、流産がみられたが、ラット、ウサギともに胎児に発生影響はみられなかった (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上、実験動物を用いた既存の試験結果からは重大な生殖発生毒性を懸念すべき証拠はないが、本物質が神経系を標的とする物質であることから、神経発達毒性試験など生後の発達影響について十分な評価が行われておらず、本項はデータ不足のため分類できないとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 本物質の毒性作用は有機リン中毒の特徴である。第一に、血漿及び赤血球のアセチルコリンエステラーゼ阻害が生じる。コリンエステラーゼ阻害の毒性症状は、急速に発症するが、回復性を有する神経筋刺激による症状である (以上、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。また、本物質のばく露によるヒトの臨床症状として、ムスカリン様作用 (副交感神経影響)、ニコチン様作用 (交感神経、運動機能への影響)、中枢神経系影響によるものであり、頭痛、脱力感、めまい、視力障害、精神障害、呼吸困難、麻痺、痙攣、昏睡がみられている。ヒト症例報告によれば、本物質の急性毒性は汚染食品の非意図的、又は意図的経口摂取や吸入ばく露による事故に起因し発生するとの報告がある (HSDB (2015))。 ヒト事例では、本物質の摂食による全6例の中毒が報告されている。これらはいずれも有機リン系の毒性症状であり、摂食から1時間後に、悪心、嘔吐、腹痛、2時間後に、コリンエステラーゼ阻害による毒性症状 (発汗、排尿、縮瞳、気管支漏、過剰流涎)、3時間後に1名死亡したが、他の患者は治療により回復した。その他の事例では、視力障害も見られたが、治療により回復した (以上、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。 実験動物では、ニワトリの100 mg/kg経口投与で、全例に著しい急性毒性が現れ1〜8日以内に死亡し、遅発性神経毒性は認められなかったが、50〜500 mg/kg経皮適用 (区分1相当の用量) では遅発性神経毒性がみられ、協調運動失調、麻痺、死亡の報告がある (以上、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。 以上より、本物質は神経系への影響があり、区分1 (神経系) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 ヒトに関する情報はない。 実験動物では、ラットを用いた13週間及び2年間混餌投与毒性試験で0.25〜1.2 mg/kg/day、イヌを用いた1年間混餌投与毒性試験において0.775 mg/kg/dayで血漿中及び赤血球中コリンエステラーゼ活性の抑制がみられたが脳中コリンエステラーゼ感性の抑制はみられていない。ラットを用いた21日間反復経皮投与毒性試験において血漿中及び赤血球中コリンエステラーゼ活性の抑制が2 mg/kg/day (90日換算: 0.47 mg/kg/day) 未満、脳中コリンエステラーゼ活性の抑制が20 mg/kg/day (90日換算: 4.7 mg/kg/day) 、コリン作動性影響 (筋の線維束性攣縮、振戦) が20 mg/kg/day (90日換算: 4.7 mg/kg/day) でみられた (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006))。以上のように、赤血球中及び脳中コリンエステラーゼ活性の抑制、コリン作動性影響が区分1の範囲でみられた。 したがって、区分1 (神経系) とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | GHS分類: 区分1 甲殻類 (オオミジンコ) の48h-LC50 = 0.001 mg/Lである (HSDB (2003))ことから、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | GHS分類: 区分1 急性毒性区分1であり、急速分解性がない (推定値: SRC: BioWin V4.10)と推定されることから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、または地方公共団体が廃棄物処理を行っている場合はそこに委託して処理する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3027 | |||
国連品名 | COUMARINDERIVATIVEPESTICIDE,SOLID,TOXIC | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | J | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 151 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
航空法 | 毒物類・毒物 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P | |||
外国為替及び外国貿易管理法 | 輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」 輸出貿易管理令別表第2 | |||
特定廃棄物輸出入規制法 (バーゼル法) | 廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |