| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 3−ヨード−2−プロピニル=ブチルカルバマート | ||
| 化学品の英語名称 | 3-iodoprop-2-ynyl N-butylcarbamate | ||
| 製品コード | R06-S24-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 防カビ剤(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和2年度(2020年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
| 急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分3 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
| 皮膚感作性 | 区分1A | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(呼吸器) | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(呼吸器) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 令和2年度(2020年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと有害 吸入すると有毒 重篤な眼の損傷 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 3−ヨード−2−プロピニル=ブチルカルバマート | ||
| 慣用名又は別名 | - | ||
| 英語名 | 3-iodoprop-2-ynyl N-butylcarbamate | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C8H12INO2 (281.09) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 55406-53-6 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 2-3456 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | 2-(5)-170 | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 自分の身を守りながら、被害者を危険な場所から新鮮な空気のある場所に移動させる。 被害者を静かな場所に寝かせ、低体温症にならないようにする。 呼吸困難の場合は、被害者に酸素を吸入させる。 医師に連絡をする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 汚染された衣服を脱ぐ。さらに、ポリエチレングリコール 400 と水を交互に使用してすすぐ。最後に、石鹸と水で洗う。 医師に連絡をする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 まぶたを大きく広げて流水で 10 分間、眼をすすぐ。 その後、被害者を直ちに眼科医または病院に搬送する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぎ、液体を吐き出す。 水を少しずつ飲ませる。 嘔吐させない。 医師に連絡をする。 自発的に嘔吐しているときは、誤嚥を防ぐために、負傷者の頭を低くして体をうつ伏せにする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥消火粉末、耐アルコール泡消火剤、二酸化炭素 以上、GESTIS参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 一般的な注意として、粉末状物質の場合は、ある条件下では粉じん爆発を起こす可能性がある。 火災が発生した場合、危険物質が放出される可能性がある。 亜窒素ガス(一酸化窒素)、一酸化炭素および二酸化炭素、ヨウ化水素 | ||
| 特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 周囲の容器を水で冷却する。 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 発火源を遮断する。 流出物が下水道に流れ込まないようにする。 自給式呼吸器と密閉性の高い特殊スーツを着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 漏出した場所の周辺から人を退避させる。 適切な保護措置を講じた後にのみ、漏出した場所に入ることができる。 粉じんを発生させずに回収する。 その後、周囲を換気し、漏出場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 水質の危険: 水質に重大な危険がある。水、排水、下水、または地面への浸透を避ける。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 少量の物質の収集: 廃棄物を流しやゴミ箱に入れない。 固形有機残留物用の容器に収集する。 収集容器には、内容物を説明したラベルを貼付する。容器は換気の良い場所に保管する。廃棄は適切な当局に委託する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 食品容器は使用しない。 容器にラベルを付ける。 できる限り元の容器に保管する。 壊れにくい容器を使用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 作業場を清潔に保つ。 作業場に必要な量を超える物質を持ち込まない。 容器を開いたままにしないこと。 補充または移送には、排気機能付きの漏れ防止装置を使用する。 こぼさない。 ラベルの付いた容器にのみ充填する。 物質を取り扱う際は、いかなる接触も避ける。 粉じんの舞い上がりを避ける。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
| 衛生対策 | 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 すべての部屋と機器は定期的に清掃する。 必要に応じて、清掃中に保護具を使用する。 粉じんの発生を避ける。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集する必要があります。 清掃中に粉じんを巻き上げない。 清掃に送風機を使用しないこと。 汚れた機器は、清掃後にのみ他の作業エリアで使用する。 作業場では飲食禁止。 皮膚との接触を避ける。接触した場合は、皮膚を洗う。 眼との接触を避ける。接触した場合は、患部を洗い流す。 粉塵の吸入を避ける。 休憩前には、着替えが必要になる場合がある。 シャワー付きの洗面所を用意し、可能であれば、普段着と作業着を別々に保管できる部屋を用意する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | - | |||
| 設備対策 | 作業エリアは、可能であれば物理的に分離する。 作業エリアの換気を良好にする。 床排水溝を設けない。 洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、その位置を明瞭に表示する。 容器とパイプラインにラベルを付ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。着用の最大時間を考慮する。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、酸素濃度が 18% 未満、または不明な状況の場合は使用しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」参照のこと。 保護手袋を使用する。手袋の素材は、物質に対して十分な不浸透性と耐性が必要である。着用前に締め付け具合を確認する。手袋は外す前によく洗浄し、換気の良い場所に保管する。 繊維や革の手袋は適していない。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 化学安全ゴーグルを着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | リスクに応じて、適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 白色〜くすんだ色 | ||
| 臭い | 刺激的なにおい | ||
| 融点/凝固点 | 66 ℃ (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
| 可燃性 | 可燃性 (GESTIS (2020)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | > 95℃ (Closed cup) (GESTIS (2024)) | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:156 mg/L (20℃) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 2.81 (GESTIS (2024)) | ||
| 蒸気圧 | 5.25×10-5 mmHg (30℃) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.71 g/cm3 (GESTIS (2024)) 1.575 g/ml (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 感染性、放射性、爆発性物質。 強酸化性物質。 硝酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムを含む製剤。 有機過酸化物および自己反応性物質。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | (1)〜(5)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:1,100 mg/kg(AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) (2)ラット(雌)のLD50:1,795 mg/kg(AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) (3)ラット(雌)のLD50:1,100 mg/kg(EPA Pesticide RED (1997)) (4)ラットのLD50:1,500 mg/kg(EPA Pesticide RED (1997)) (5)ラットのLD50:300〜2,000 mg/kgの間(OECD TG 423)(CLH Report (2017)) | |||
| 経皮 | (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402)(CLH Report (2017)) (2)ウサギのLD50:> 2,000 mg/kg(EPA Pesticide RED (1997)、AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | (1)〜(6)より、区分3とした。なお、(7)は、EU CLH提案文書 (2011)において粒径分布が測定されていない試験かつ、非吸入性粉じんを多く含むという記載から、分類には利用しなかった。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):0.68 mg/L(粉塵)(AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) (2)ラットのLC50(4時間):0.78 mg/L (ミスト) (AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) (3)ラットのLC50(4時間):0.67 mg/L(粉塵)(EU CLH提案文書 (2011)、EPA Pesticide RED(1997)) (4)ラット(雄)のLC50(4時間):0.63 mg/L(ミスト)(EU CLH提案文書 (2011)、EPA Pesticide RED(1997)) (5)ラット(雌)のLC50(4時間):0.99 mg/L(ミスト)(EU CLH提案文書 (2011)、EPA Pesticide RED(1997)) (6)ラットのLC50(4時間):0.67 mg/L (微細および非微細粉塵)、0.88 mg/L(非微細粉塵)(EU CLH提案文書 (2011)) 【参考データ等】 (7)ラットのLC50(4時間):> 6.89 mg/L (粉塵) (EU CLH提案文書 (2011)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020)) | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、24時間後に軽度又は中程度の紅斑と軽度の浮腫がみられ、うち1例は72時間後まで軽度の紅斑が持続した(紅斑・痂皮スコア:0/0/1.3/0.3/0/0、浮腫スコア:0.3/0/0/0/0/0.6)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、半閉塞、4時間適用、9日観察)において、皮膚一次刺激指数(PDII)は2.63、24/48/72h後の紅斑スコアの平均は1.44、浮腫スコアの平均は1.06であり、影響は4日以内に完全に回復したとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 【参考データ等】 (3)本物質0.1%及び0.5%混合物(ワセリン)を用いた臨床試験において、軽度の皮膚刺激性を示したが、皮膚感作性はみられなかったとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (4)本物質0.0125%を含有する化粧品を24時間閉塞適用した皮膚一次刺激試験において、軽度の刺激性変化(紅斑のみ)がみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | (1)〜(4)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=9)を用いた眼刺激性試験(GLP、21日観察)において、非洗眼群6例で角膜の損傷(角膜上皮の脱落)がみられ、角膜混濁、結膜刺激は21日以内に完全回復しなかった(角膜混濁スコア:2.7/2.7/2.7/2/2.7/2.7、虹彩炎スコア:1.3/1/1.3/1/1/1、結膜発赤スコア:2/2/2/2/2.3/2、結膜浮腫スコア:3/3/3/3/3/3)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(GLP、14日観察)において、全例で角膜混濁及び中程度から重度の結膜刺激がみられ、14日間持続した(24/48/72h後の結膜浮腫スコアの平均は4で、これにより角膜混濁、虹彩炎、結膜発赤スコアの一部が決定できなかった)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (3)ウサギを用いた眼刺激性試験において24/48/72h後の結膜浮腫スコアの平均:1.67、虹彩炎スコアの平均:1.17、結膜発赤スコアの平均:2.17、結膜浮腫スコアの平均:4であり、7日間で回復しなかったとの報告がある(CLH Report (2011))。 (4)本物質市販品(テクニカルグレード)はウサギの眼に重度の刺激性を示し、非洗眼群では角膜混濁及び角膜の血管新生が21日後までみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 | |||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚感作性 | (1)〜(5)より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)金属加工業の労働者23名に対するパッチテスト(本物質0.5〜2.5%を含有する様々な金属加工液)において、5名で陽性反応がみられたとの報告がある(EU CLH提案文書 (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (2)26,335名に対するパッチテスト(0.2%溶液(ワセリン))において、感作率が0.8%であったとの報告がある(DFG MAK (2016))。 (3)(1)(2)の他に、複数の疫学調査で比較的高い頻度の陽性反応を示す報告がある(CLH Report (2011)、HSDB (Accessed Aug. 2020)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013)、DFG MAK (2016))。 (4)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:1%溶液)において、惹起48、72時間後の陽性率は80%(8/10例)、90%(9/10例)であったとの報告がある(CLH Report (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (5)マウスを用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429)において、EC3値は0.87%と算出されたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた2つの小核試験(末梢血赤血球における染色体異常:腹腔内投与及び強制経口投与)で、陰性の報告がある(CLH Report (2011))。 (2)細菌復帰突然変異試験(OECD TG471)で陰性の報告がある(CLH Report (2011))。 (3)ほ乳類のin vitro遺伝子突然変異試験(OECD TG476)で陰性の報告がある(CLH Report (2011))。 (4)ほ乳類のin vitro染色体異常試験(OECD TG473)で陰性(+S9)又は不確定な結果(-S9)、ラット初代肝細胞を用いたUDS試験で陰性の報告がある(CLH Report (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP)(2013))。 | |||
| 発がん性 | (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)国内外の機関による既存分類では、EPAではNL(Not Likely to be Carcinogenic to Humans)に分類された(EPA Annual Cancer Report 2018 (Accessed on July 2020):1996年分類)。 (2)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験では、80 mg/kg/dayまでの用量で発がん性の証拠は認められなかった(CLH Report (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP)(2013))。 (3)マウスを用いた混餌投与による78週間発がん性試験(混餌投与)では、最高用量の150 mg/kg/dayで雄に肝細胞腺腫の発生頻度増加(11/50)がみられた(CLH Report (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP)(2013))。 【参考データ等】 (4)EPAはマウスの肝臓腫瘍に対して、腫瘍の再評価を行った結果、雄マウスの肝臓の肝細胞腺腫とがんを組合せ発生頻度に増加はみられないこと、雌マウス及び雌雄ラットには発がん性がみられなかったこと、本物質は変異原性物質ではないことから、本物質はヒトに対して発がん性を有するとは考えられないとして、(1)の分類評価とした(EPA Pesticide RED (1997)、RAC Opinion (2012))。 (5)マウス肝臓腫瘍について、EUは試験に用いたマウスの系統(CD-1)が自然発生腫瘍の好発系統であること(対照群雄:4/50、ヒストリカルコントロール:1〜8/50例 (2〜18%))、肝臓にみられた腫瘍が良性腫瘍のみであるなどから、ヒト発がんへの外挿について生物学的に妥当性があるとは考えられないとの見解を示し、区分を付さないと結論した(ECHA RAC Opinion (2012)、CLH Report (2011)、AISIS (旧NICNAS IMAP)(2013))。 | |||
| 生殖毒性 | (1)では重篤な母体毒性がみられない用量で児動物に生存率低下などがみられたが、RACは母体毒性の影響であることや、F2児動物で同様の影響がみられなかったことを理由にして、生殖毒性について分類不要と判断した。また、(2)では、児動物に軽微な発生毒性影響がみられた一方、(3)では発生毒性影響はみられなかった。以上を総合して、重篤な母体毒性による児動物の影響かどうかは明確には判断できないため、分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG416、交配前10週間(F0)、交配前13週間(F1))において、30 mg/kg/dayで親動物に一般毒性(流涎、円背姿勢、前肢でこぐ動作(F0及びF1雌雄))、難産1例、F1児動物に生存率及び累積生存率低下、F2児動物に生後21日の体重低値(雌)がみられたとの報告がある。なお、RACは100 mg/kg/dayで児動物にみられた生存率低下などについては母体毒性の影響であること、30 mg/kg/dayでF1児動物にみられた生存率及び累積生存率低下についてはF2児動物で同様の影響がみられなかったことから、生殖毒性について分類不要と判断している(ECHA RAC Opinion (2012)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013)、DFG MAK (2016))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG 414、妊娠6〜15日)において、75r/s bw/d で流涎・攻撃性、250 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制・摂餌量減少、肝臓絶対・相対重量増加がみられたが、児動物には胎仔体重の低値(雌)、肋骨の僅かな欠陥、骨化不全又は未骨化、第5胸椎の骨化不全(骨化遅延は母動物毒性の二次的影響)のみがみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2012)、DFG MAK (2016))。 (3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG 414、妊娠6〜15日)において、発生毒性がみられなかったとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 【参考データ等】 (4)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(交配前14週間(F0)、交配前13週間(F1))において、生殖毒性がみられなかったとの報告がある。なお、本試験は本物質の餌中での安定性が十分に確認されておらず、生殖毒性の評価には不十分であると判断されている(ECHA RAC Opinion (2012)、AICIS (旧NICNAS IMAP)(2013)、EPA Pesticide RED (1997)、DFG MAK (2016))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | (1)より、呼吸器症状がみられており、症状が発現した用量が不明であるが、LC50値から区分1の範囲の影響と考え区分1(呼吸器)とした。(2)〜(5)の経口及び経皮経路のデータからは標的臓器を特定できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回吸入ばく露試験において、自発運動減少、眼閉、過剰流涙を生じ、生存例では努力呼吸、喘ぎ、分泌物増加がばく露後1週間以内にみられ、死亡動物では剖検時に肺水腫、肺気腫及び肺の発赤が認められた。LC50は粉じんばく露では約0.67 mg/L、液状エアロゾル暴露では約0.78 mg/Lとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 【参考データ等】 (2)ラットを用いた単回経口投与試験において、1000-1500 mg/kg(区分2の範囲)で軟便、尿による汚染、被毛粗剛、軽度の抑うつ、眼と鼻の周囲の赤色汚染物がみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (3)ラットを用いた単回経口投与試験において、300 mg/kg(区分1の範囲)で自発運動低下、立毛、蒼白、及び努力呼吸がみられた。LD50値が300 mg/kgと500 mg/kgの間にあると報告がある(EU CLH提案文書 (2011))。 (4)ラットを用いた単回経皮投与試験において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で処置部位皮膚に発赤、落屑及び痂皮の形成がみられたとの報告がある(EU CLH提案文書 (2011))。 (5)ウサギを用いた単回経皮投与試験において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で適用局所に紅斑及び浮腫を生じたがみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 吸入経路では、(1)より、喉頭に病理組織変化が認められたことから、区分1(呼吸器)とした。なお、(2)〜(5)より、経口経路及び経皮経路では区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた13週間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、6.7 mg/m3(90日換算:0.0048 mg/L、区分1の範囲)で喉頭の組織変化(腹側軟骨の壊死、腹側領域上皮の過形成、背腹側領域の過形成及び扁平上皮化生)がみられた。なお、同群では血漿・赤血球・脳ChE活性の低下が雄及び/又は雌にみられたが、用量相関性に乏しく、影響としての妥当性が不明確な所見とされたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013) & EU CLH提案文書 (2011)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (2)ラットを用いた強制経口による13週間経口投与試験において、雄の50 mg/kg/day以上(区分2の範囲)及び雌の125 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で、流涎、嗜眠、喘鳴、鼻出血がみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (3)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、最高用量の80 mg/kg/day(区分2の範囲)で胃の組織変化(粘膜下浮腫・炎症、アカントーシス、過角化、潰瘍、基底膜増殖等)がみられた以外に特定の臓器毒性はみられなかったとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (4)マウスを用いた混餌投与による78週間発がん性試験において、150 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で甲状腺への影響(濾胞上皮細胞起源と思われる小空胞細胞巣を伴う甲状腺肥大、濾胞の大型化)がみられたが、本所見の毒性学的意義は不明である。この他、有害影響はみられなかった報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (5)ラットを用いた91日間経皮投与試験(6時間/日、5日/週)において、最高用量の500 mg/kg/day(357 mg/kg/day、区分該当しない範囲)で皮膚刺激影響(表皮肥厚、過角化)が認められたが、全身毒性影響はみられなかったとの報告がある(EU CLH提案文書 (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 | |||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 (急性) | 藻類(デスモデスムス属)72時間EC50 = 0.053 mg/L(REACH登録情報, 2021)であることから、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 (長期間) | 急速分解性がなく(難分解性、二酸化炭素生成量による分解度:0%(EU RAC(Background Document), 2012))、藻類(デスモデスムス属)の72時間NOEC = 0.0046 mg/L(REACH登録情報, 2021)から、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | 情報なし | ||
| 生態蓄積性 | 情報なし | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 2811 | |||
| 品名(国連輸送名) | その他の毒性固体、有機物、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 6.1 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | III | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)【605 沃素及びその化合物】(令和7年3月31日まで) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)【32 沃素及びその化合物】(令和7年4月1日以降) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)【605 沃素及びその化合物】(令和7年3月31日まで) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)【32 沃素及びその化合物】(令和7年4月1日以降) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)【沃素及びその化合物】 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第二種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)【99 N−ブチルカルバミド酸=3−ヨード−2−プロピニル】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||