1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ニトログリセリン (Nitroglycerin) | ||
製品コード | 24B6512 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | ダイナマイトの基材、狭心症の薬。液体のままニトログリセリンが工場外にでることはなく、工場内でダイナマイトに変えられる。また無煙火薬の主剤とする | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | 平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 爆発物 | 不安定爆発物 | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響 | ||||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1(心血管系、血液、神経系) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1(心血管系) | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分2 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分2 | |||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | |||
<環境分類実施日に関する情報> | ||||
水生環境有害性 (急性):H18.3.23、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 水生環境有害性 (長期間):H18.3.23、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 | ||||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 不安定爆発物 | |||
飲み込むと有害 | ||||
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | ||||
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い | ||||
授乳中の子に害を及ぼすおそれ | ||||
臓器の障害(心血管系、血液、神経系) | ||||
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(心血管系) | ||||
水生生物に毒性 | ||||
長期継続的影響によって水生生物に毒性 | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | ||||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||||
妊娠中、授乳期中は接触を避けること。 | ||||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||||
環境への放出を避けること。 | ||||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/…で洗うこと。 | |||
汚染された衣服を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||||
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。 | ||||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | ||||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | ||||
火災の場合に爆発する危険性あり。 | ||||
炎が爆発物に届いたら消火活動をしないこと。 | ||||
区域より退避させること。 | ||||
漏出物を回収すること。 | ||||
保管 | 法令・規則に従って保管すること。 | |||
施錠して保管すること。 | ||||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
他の危険有害性 | ||||
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | ニトログリセリン | ||
別名 | 硝酸グリセロール、三硝酸グリセリン、1,2,3-プロパントリオールトリニトラート、Glyceryl trinitrate、Glyceryl trinitrate、1,2,3-Propanetriol trinitrate | ||
濃度又は濃度範囲 | 工業的純品。 振動または摩擦によっても爆発するため、そのままの形での輸送は禁止されている。 40質量%以上の不揮発性かつ水に溶けない鈍感剤で鈍性化したもの。 | ||
分子式 (分子量) | C3H5N3O9(227.09) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 55-63-0 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-1574 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (2)-1574 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 40質量%以上の不揮発性かつ水に溶けない鈍感剤で鈍性化したもの。 | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気、安静。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けんで洗うこと。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
汚染された衣服を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
吐かせる(意識がある場合のみ!)。水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 | |||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入 : 頭痛、顔面紅潮、めまい | ||
皮膚 :吸収される可能性あり! 頭痛、顔面紅潮、めまい | |||
眼 : 発赤、痛み | |||
経口摂取 : 顔面紅潮、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、ショック/虚脱 | |||
短期暴露の影響:眼を刺激する。心血管系に影響を与え、血圧低下を生じることがある。医学的な経過観察が必要である。 | |||
長期または反復暴露の影響:反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。反復して暴露すると著しい耐性が生じる。暴露を短期間中止すると、突然死することがある。 | |||
アルコール飲料の使用により有害作用が増大する。 | |||
添加された安定剤や抑制剤がこの物質の毒性に影響を与える可能性があるので、専門家に相談する。 | |||
応急措置をする者の保護 | データなし。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、泡消火薬剤、乾燥砂、粉末消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし。 | ||
特有の危険有害性 | 当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。 | ||
当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 | |||
火災の場合に爆発する危険性あり。 | |||
当該製品は着火後爆発の危険性があるため、直ちに避難する。 | |||
鎮火後再燃の危険がある。十分散水冷却し、監視を続ける。 | |||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 | ||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
爆発する危険性あり。 | |||
炎が爆発物に届いたら消火活動をしないこと。 | |||
区域より退避させること。 | |||
水を噴霧して容器類を冷却する。安全な場所から消火作業を行う。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
漏出物を回収すること。 | |||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険区域から立ち退く! | ||
専門家に相談する! | |||
すべての発火源を取り除く。 | |||
個人用保護具: 自給式呼吸器付完全保護衣 | |||
下水に流してはならない。 | |||
この物質を環境中に放出してはならない。 | |||
漏れた液やこぼれた液を密閉式の容器に出来る限り集める。 | |||
残留液を砂または不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。 | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
散水して湿った状態を保つ。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | ||
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
妊娠中、授乳期中は接触を避けること。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
裸火禁止、火花禁止、禁煙 | |||
高温面との接触禁止 | |||
密閉系、換気、防爆型電気および照明設備。防爆用工具を使用する。摩擦や衝撃を与えない。 | |||
作業環境管理を厳密に! | |||
換気、局所排気、または呼吸用保護具。 | |||
顔面シールド、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用 | |||
加熱すると、激しく燃焼または爆発することがある。衝撃、摩擦、または振動を加えると、爆発的に分解することがある。燃焼すると、窒素酸化物を含む有毒なフュームを生成する。オゾンと反応し、爆発の危険をもたらす。 | |||
20℃で気化したとき、空気は汚染されても有害濃度に達しないか、達してもきわめて遅い;しかし噴霧もしくは拡散すると、かなり急速に有害濃度に達する。 | |||
閉ざされた場所で燃焼すると、爆轟することがある。 | |||
アルコール飲料の使用により有害作用が増大する。 | |||
添加された安定剤や抑制剤がこの物質の毒性に影響を与える可能性があるので、専門家に相談する。 | |||
火気厳禁、衝撃注意 | |||
接触回避 | 少量の酸があると分解する。 | ||
オゾンと混合すると爆発する。 | |||
塩素酸ナトリウム、過酸化水素、酸類との混触で発火、爆発危険がある。(但しUN0144 ニトログリセリン、アルコール溶液で1〜12%のもの) | |||
有機溶剤との混触で発火、爆発危険がある。(但しUN0144 ニトログリセリン、アルコール溶液で1〜12%のもの) | |||
衛生対策 | 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。 | ||
…に保管すること。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
安定化した状態でのみ貯蔵。 | |||
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | |||
耐火設備(条件)。 | |||
密封。 | |||
食品や飼料から離しておく。 | |||
火気厳禁、衝撃注意 | |||
光や熱から保護する。 | |||
25℃以下の室温で保存する。冷蔵しないこと。 | |||
安全な容器包装材料 | データなし。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2012年度版) | 最大0.05 ppm 最大0.46mg/m3 | ||
ACGIH(2012年版) | TWA: 0.05ppm STEL: - | ||
設備対策 | 蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
耐火設備(条件)。 | |||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて、適切な呼吸用保護具を着用すること。 | ||
自給式呼吸器付完全保護衣 | |||
顔面シールド、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用 | |||
手の保護具 | 保護手袋、保護衣を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
顔面シールド、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
自給式呼吸器付完全保護衣 | |||
顔面シールド、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用 | |||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体(Merck (14th, 2006) ) | ||
色 | 無色〜黄色(ICSC(J) (2005)) | ||
臭い | データなし。 | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし。 | ||
pH | データなし。 | ||
融点・凝固点 | 不安定体: 2.8 安定体:13.5℃(Merck (14th, 2006)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 125℃ (2mmHg)(HSDB (2005)) | ||
引火点 | データなし。 | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし。 | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし。 | ||
蒸気圧 | 0.03Pa (20℃)(ICSC(J) (2005)) | ||
蒸気密度 | 7.8 (air=1)(ICSC(J) (2005)) | ||
比重(相対密度) | 1.6009(15℃/4℃)(Merck (14th, 2006)) | ||
溶解度 | 水:1.3g/kg(CRC (91st, 2010)) | ||
エーテル、アセトン、氷酢酸、酢酸エチル、ベンゼン、ニトロベンゼン、ピリジン、クロロホルム、臭化エチレン、ジクロロエチレンに混和。(Merck (14th, 2006)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | 1.62(ICSC(J) (2005)) | ||
自然発火温度 | 270℃(UN0143(減感剤入り))(ICSC(J) (2005)) | ||
分解温度 | 50-60℃(分解開始)(Merck (14th, 2006)) | ||
145℃以上で激しく分解し、215-218℃で爆発する。強い紫外線照射により、100℃で爆発する。(Bretherick (7th, 2007)) | |||
粘度(粘性率) | 36cP(HSDB (2005)) | ||
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 加熱すると、激しく燃焼または爆発することがある。 | ||
化学的安定性 | 衝撃、摩擦、または振動を加えると、爆発的に分解することがある。 | ||
爆発力は強大である。少量の酸があると分解する。 | |||
50-60℃で分解開始し、100℃で蒸発し、135℃で黄色い亜硝酸蒸気を放出する。218℃で爆発する。 | |||
衝撃に対して敏感である。凍結したニトログリセリンは液体のものよりもやや鈍感になるが、半解凍や部分解凍されたものは鋭敏になる。 | |||
危険有害反応可能性 | 多くの化学物質と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | ||
オゾンと反応し、爆発の危険をもたらす。 | |||
強い紫外線照射により、100℃で爆発する。 | |||
避けるべき条件 | 加熱、衝撃、摩擦、振動、紫外線。 | ||
冷蔵しないこと。 | |||
混触危険物質 | 多くの化学物質、酸、塩基。 | ||
塩素酸ナトリウム、過酸化水素、酸類との混触で発火、爆発危険がある。(但しUN0144 ニトログリセリン、アルコール溶液で1〜12%のもの) | |||
有機溶剤との混触で発火、爆発危険がある。(但しUN0144 ニトログリセリン、アルコール溶液で1〜12%のもの) | |||
危険有害な分解生成物 | 燃焼すると、窒素酸化物を含む有毒なフュームを生成する。 | ||
135℃で黄色い亜硝酸蒸気を放出する。 | |||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットLD50値として3件[685 mg/kg(USEPA/HPV (2002); List1相当)、822〜884 mg/kg(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008)、105 mg/kg(環境省リスク評価 第7巻 (2009))]の報告の中、1件が区分3、2件が区分4に該当することから、該当数の多い区分4とした。GHS分類:区分4 | ||
経皮 | ラットLD50値 は >9560 mg/kg(OECD TG402、GLP準拠)(USEPA/HPV (2002))に基づき、区分外とした。GHS分類:区分外 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:粉じん及びミスト | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | ウサギ6匹の皮膚に本物質原液0.5 mLを24時間適用した試験(16CFR 1500.41(FHSA)、GLP準拠)で、パッチ除去24時間後にわずかな紅斑と浮腫が見られたが、7日後に消失し、皮膚一次刺激指数は0.9で、軽度の刺激性(mild irritation)との評価結果(USEPA/HPV (2002))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。なお、ヒトでは、ボランティア24人にニトログリセリンの31、80 mgを24時間貼付し、ほぼ全員に貼付部位の紅斑が観察されたが、数時間で消退した(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))との報告がある。 GHS分類:区分外 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギ(6匹)の結膜嚢に本物質原液0.1 mLを適用した試験(16CFR 1500.42(FHSA)、GLP準拠)で、非洗浄眼における唯一の影響は適用1時間後に3匹中2匹の結膜に排出物が観察されたことで、その他の観察時点では全例が正常であり、本物質は眼刺激物ではないと結論されている(USEPA/HPV (2002))ことから、区分外とした。GHS分類:区分外 | ||
呼吸器感作性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚感作性 | モルモットのマキシマイゼーション試験において陽性率は40%(4/10)と中等度の感作性を示し、ヒトでも繰り返しの接触により少数のヒトに皮膚感作性を引き起こす可能性が高い(USEPA/HPV (2002))と記述されている。さらに、本物質はContact Dermatitis (Frosch)に感作性物質として掲載されている(Contact Dermatitis (5th, 2011))。以上の知見により、区分1とした。なお、ヒトではボランティア28人に惹起処置を含めたパッチテストにより皮膚感作性は認められなかった(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))との結果、また、アレルギー性接触皮膚炎を有する4人のダイナマイト作業者にニトログリセリンのパッチテストにより陽性の結果を示した(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))疫学調査の報告などがある。GHS分類:区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | ラットに13週間混餌投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)で陰性(USEPA/HPV (2002))、ラットに5または13週間混餌投与による末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験および2年間混餌投与による骨髄または腎臓細胞を用いた染色体異常試験(いずれの体細胞 in vivo変異原性試験)で陰性(USEPA/HPV (2002))の結果により区分外とした。なお、in vitro試験としては、エームス試験において陰性(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))、チャイニーズハムスターの卵巣細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性(USEPA/HPV (2002))が報告されている。GHS分類:区分外 | ||
発がん性 | ラットの2年間混餌投与試験において、24ヵ月後に1.0%群(363〜434 mg/kg bw/day)で肝細胞がん/腺腫が高頻度に観察された(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))。また、別の試験では約8週齢のラットに本物質500 mg/kg/day相当用量を76週間(84週齢まで)混餌投与により、32週齢から肝細胞腺腫が出現、78週齢から肝細胞がんが出現、84週齢では肝細胞腺腫及び高分化型肝細胞がんの出現頻度は共に50〜75%であり、肝細胞がんの発生は本物質の長期食餌経由によるものであることが示された(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))と報告されている。一方、マウスを用いた試験では、飲水投与(0、10、40、330 mg/L)による18ヶ月間の発がん性試験で、雌で下垂体腺腫のわずかな増加が見られたが、2年間の混餌による試験では腫瘍の増加は認めらなかった(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))。以上から、ラットでは腫瘍の発生が認められているものの、上記の2年間混餌投与試験は使用した動物数も少なく(各用量38匹)、他の試験も特殊な試験であり、またマウスでは腫瘍の発生に関して明確でないことから、専門家判断により「分類できない」とした。GHS分類:分類できない | ||
生殖毒性 | ラットに混餌投与による3世代生殖試験(US FDA Guidelines)において、高用量群(混餌濃度1%)では親動物(F0世代)の体重に有意な減少が見られ、高用量群の第二世代第一産仔(F1a)で性比を除く同腹仔の指標が全て低下し、高用量群の第二世代第二産仔(F1b)および第三世代第一産仔(F2a)でほとんどの指標がある程度の低下を示し、第三世代第一産仔(F2a)の雄が重度の不妊につながる精子形成不全を起こした(USEPA/HPV (2002))。さらに、ラットの器官形成期に混餌投与した発生毒性試験(US FDA Guidelines)では、横隔膜ヘルニアが母動物が体重低下を示した高用量群でのみ発生し、試験物質に起因するされている(USEPA/HPV (2002))ことから、区分2とした。また、本物質は冠動脈拡張剤として使用されている医薬品でもあり、授乳婦に投与する場合には授乳を中止させる(動物試験で授乳中への移行が報告されている)との記載(医療用医薬品集 (2010))により、「追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響」とした。GHS分類:区分2、追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 本物質は血管拡張作有し、医薬品の冠動脈拡張剤として使用されており(医療用医薬品集 (2010))、大量ばく露で吐き気、嘔吐、血圧低下と抑うつが、ときに錯乱、せん妄、メトヘモグロビン血症、チアノーゼが起きる(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))。また、皮膚吸収もあり、速やかに吸収されて、動脈および静脈血管に対する強い拡張作用を示し、本物質を経皮的あるいは蒸気のばく露により、頭痛、血圧低下などの症状が現れる(産業医学28巻3号 (1986))。事例報告として、47歳女性が意図的に本物質24 mgを飲み、15分以内にけいれんを起こし、数時間チェーンストークス呼吸 (120 回呼吸/分) が続き、収縮期血圧は上昇し、明らかな頻脈を示したが、抗けいれん薬の投与や呼吸装置の装着などにより、その後完全に回復した(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))。以上より、本物質によるヒトへの影響は、血管拡張作用とに伴う頭痛、血圧低下やチアノーゼの症状、メトヘモグロビン血症、抑うつ、せん妄、錯乱等から区分1(心血管系、血液、神経系)とした。GHS分類:区分1(心血管系、血液、神経系) | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 本物質は血管拡張作用を有し、冠動脈拡張剤として医薬品に使用されている(医療用医薬品集 (2010))。本物質には耐性と習慣性があり、継続した投与を中止すると離脱反応により心血管疾患のリスクは高まり、「月曜日の狭心症 Monday morning angina」と呼ばれる症状が発現することがある(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))。一方、疫学調査として、米国の弾薬施設で働く男性作業者について本物質ばく露と心血管疾患による死亡との関連を調査した結果、虚血性心疾患による死亡は、年齢とばく露に関連しており、特に45歳以下の高頻度ばく露群では非ばく露対照群の約 3倍であった(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))。また、純粋なニトログリセリンの取り扱い作業者で急死や狭心症の発作報告があり、本物質とニトログリコールを原料とするダイナマイト製造作業者の疫学調査では、心・脳血管疾患の死亡率増加が認められる(産業医学28巻3号 (1986))。さらに、ダイナマイト作業の前歴を持つ者は、そうでない居住者と比べ心疾患による死亡の発生頻度が高いことを示すスウェーデンの報告(ACGHI (7th, 2001))もある。以上の報告はいずれも本物質のばく露による心血管障害の増加を示しており、区分1(心血管系)とした。なお、動物試験で反復投与により、メトヘモグロビンの産生、肝臓や腎臓における組織学的変化などが報告されている(化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0, 139 (2008))が、ガイダンス値範囲を超える高用量の所見、または軽微な影響であり、分類の根拠としなかった。GHS分類:区分1(心血管系) | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 魚類(ブルーギル)の96時間LC50=1.38mg/L(CERIハザードデータ集 (2002)) から、区分2とした。 | ||
水生生物の毒性(区分2)(H18.3.23、H24年度の分類は実施中) | |||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow = 1.62(PHYSPROP Database (2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分2とした。 | ||
長期的影響により水生生物に毒性(区分2)(H18.3.23、H24年度の分類は実施中) | |||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 143 | |||
国連品名 | ニトログリセリン(鈍性化されたもの)(40質量%以上の不揮発性かつ水に溶けない鈍感剤で鈍性化したものに限る。) | |||
国連危険有害性クラス | 1.1D | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法・火薬類取締法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 112 | |||
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 危険物・爆発性の物 | |||
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | ||||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質 | |||
火薬類取締法 | 火薬類 | |||
消防法 | 第5類自己反応性物質、硝酸エステル類 | |||
船舶安全法 | 輸送禁止 | |||
航空法 | 輸送禁止 | |||
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、 新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。 また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |