1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | ギ酸コバルト(K) (Cobalt diformate) | ||
製品コード | H28-A-039 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 触媒 (NITE CHRIP) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H29.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | − | |||
健康に対する有害性 | 呼吸器感作性 | 区分1A | ||
皮膚感作性 | 区分1A | |||
発がん性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分1B | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分2 (中枢神経系、消化管)、区分3 (気道刺激性) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、甲状腺、血液系)、区分2 (生殖器 (男性)) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 分類未実施 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 分類未実施 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 中枢神経系、消化管の障害のおそれ 呼吸器への刺激のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、呼吸器、心血管系、甲状腺、血液系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による生殖器 (男性) の障害のおそれ | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。−【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用しても良い。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡することと。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | ギ酸コバルト(K) | ||
別名 | ギ酸コバルト ギ酸第一コバルト | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C2H2CoO4 | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 544-18-3 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-671 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | データなし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 周辺の状況や火災の状況に応じて水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
特有の危険有害性 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 取扱いや保管場所の近傍での飲食の禁止。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 粉じんを発生させないようにする。 | ||
接触回避 | 情報なし | ||
衛生対策 | 情報なし | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 0.02 mg/m3 (コバルトとして) (コバルト及びその無機化合物) | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2016年度版) | 0.05 mg/m3 (コバルト及びコバルト化合物として) | ||
ACGIH(2016年版) | 未設定 | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 赤色 (HSDB (2016)) | ||
臭い | データなし | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | 175℃(分解) (Gangolli (1995)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし | ||
蒸気圧 | 0.0256 mmHg (25℃) [換算値 3.41 Pa (25℃)] (SRC (2016)) | ||
蒸気密度 | データなし | ||
比重(相対密度) | 2.13 (4 mmHg, 22℃) (gangolli (1995)) | ||
溶解度 | 水:1,000 g/L (25℃) (EST) (SRC (2016)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log P = -1.67 (EST) (SRC (2016)) | ||
自然発火温度 | 酢酸コバルト(K)が、不燃性である (HSDB (2016)) ことから、本物質も不燃性と考えられる。 | ||
分解温度 | 175℃ (HSDB (2016)) | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ギ酸コバルト(K) 二水和物については、ヒトにおいて皮膚刺激性ありとの報告があるが (HSDB (Access on July 2016))、詳細が不明なため採用しなかった。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ギ酸コバルト(K) 二水和物については、ヒトにおいて眼刺激性ありとの報告があるが (HSDB (Access on July 2016))、詳細が不明なため採用しなかった。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 区分1A 日本産業衛生学会・許容濃度勧告では、コバルト及びその化合物として、気道感作性物質第1群に掲載されている (産衛学会勧告 (2015)) ことから、区分1Aとした。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 区分1A 日本産業衛生学会・許容濃度勧告では、コバルト及びその化合物として、皮膚感作性物質第1群に掲載されている (産衛学会勧告 (2015)) ことから、区分1Aとした。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 分類できない 本物質のデータはない。In vivoでは、可溶性コバルト化合物(K) の塩化コバルトを用いたマウス骨髄細胞の小核試験、染色体異常試験で陽性の報告がある (ATSDR (2004)、CICAD 69 (2009)、環境省リスク評価書 (2013)) ものの、これらのデータは信頼性や妥当性が十分ではない。また、作業者ばく露では、末梢血の有意な小核及びDNA傷害は検出されていないとの報告がある (SIAP (2014))。In vitroでは、可溶性コバルト化合物(K)は、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の報告、哺乳類培養細胞の小核試験、染色体異常試験、遺伝子突然変異試験で陽性である (ATSDR (2004)、CICAD (2009)、環境省リスク評価書第11巻 (2013)、IARC 52 (1991)) が、上記のin vivo小核試験の報告の中で、分離したマウス骨髄細胞を用いて行ったin vitro 小核試験ではS9の有無にかかわらず陰性であった。SIAP (2014) では、可溶性コバルトは変異原性 (突然変異) を細菌、細胞に示さないが、in vitroでは染色体損傷を示し、これは活性酸素種 (ROS) によるものと推察され、Weight of evidenceによれば、in vivo染色体損傷試験での陰性知見およびヒト職業暴露での陰性知見から、in vivoでは保護作用が機能するとしている。以上より、可溶性コバルト化合物はin vivoでの影響はなく、分類できないとした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分2 本物質自体の試験データはないが、コバルト及びコバルト化合物に対し、IARCがグループ2B (IARC 52 (1991)) に、ACGIHがA3 (ACGIH (7th, 2001)) に、日本産業衛生学会が第2群B (許容濃度の勧告 (2015)) に、NTPがR (NTP RoC (14th, 2016)) にそれぞれ分類している。したがって、本項は区分2とした。なお、EUは本物質をCarc 1B に分類し、SVHC指定した (ECHA (2011))。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 区分1B 本物質自体の生殖影響に関する情報はないが、可溶性コバルト化合物の情報が利用可能と考えられる、すなわち、雄ラットに塩化コバルト六水和物を混餌投与 (265 ppm: 20 mg Co/kg/day) した試験では、35日間投与後に精巣に中等度から重度のうっ血がみられ、70日間投与後には精巣の胚上皮及びセルトリ細胞における退行性ないし壊死性の変性に加えて、精原細胞や精母細胞、精子細胞への著しい影響が認められた (環境省リスク評価書第11巻 (2013))。また、塩化コバルトを雄マウスに12週間飲水投与後に無処置雌と交配させた試験では、200 mg/L 以上で、精巣上体精子数の減少及び生存胎児数の減少、400 mg/L 以上で妊娠動物数の減少 (雄の受胎能低下)、精巣重量の減少、精巣精子数の減少及び精子形成能の低下がみられ、精巣の組織検査ではライディッヒ細胞の肥大、うっ血した血管、精原細胞の変性、精細管及び間質組織の壊死などが認められた (環境省リスク評価書第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。さらに、硫酸コバルトを妊娠雌ラットに強制経口投与 (妊娠1〜21日) した試験では、母動物毒性発現量 (100 mg/kg/dayで肝臓・副腎・脾臓相対重量の減少) より低い50 mg/kg/dayから、胎児に奇形発生 (頭蓋、脊柱、腎盂、尿細管、卵巣、精巣の奇形) が報告され、妊娠マウスへの経口投与 (妊娠6〜15日) でも 50 mg/kg/day で、胎児の眼瞼、腎臓、頭蓋、脊椎に奇形発生がみられたと報告されている (環境省リスク評価書第11巻 (2013))。 以上、可溶性コバルト化合物では経口経路で雄生殖器官への有害性影響とそれによる受胎能の低下、並びに母動物毒性のない用量で催奇形性を示すことが報告されている。本物質も可溶性コバルト化合物であり、同様の生殖発生毒性を生じる可能性が十分にあると考えられ、本項は区分1Bとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分2 (中枢神経系、消化管)、区分3 (気道刺激性) 本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露の情報はない。 本物質は水に可溶との記載がある (CICAD 69 (2006))。可溶性コバルト塩である塩化コバルト(K) (CAS番号 7646-79-9) は、ラットの単回経口投与試験において区分1相当の用量で、自発運動低下、筋緊張低下、呼吸数減少、胃腸管への影響が報告されており (ATSDR (2004))、GHS分類では区分1 (中枢神経系、消化管) として分類されている (平成27年度)。また、塩化コバルト(K)及び、他の可溶性コバルト塩である硫酸コバルト(K)、硝酸コバルト(K)、酢酸コバルト(K)は、ラットの急性経口投与試験で、投与の最高用量 (区分2相当の用量)で鎮静、下痢、死亡前の振戦と痙攣、体温低下、心拍数増加及び立毛を惹起したが、主要臓器には肉眼的な変化はみられず、ほとんどの影響は72時間後には消失したとの記載がある (SIAP (2014))。更に塩化コバルト(K)、硫酸コバルト(K)、硝酸コバルト(K)、酢酸コバルト(K)は気道を刺激するとの記載がある (環境省リスク評価第11巻 (2013))。 以上の情報を総合すると、本物質も他の可溶性コバルト塩と同様に中枢神経系と消化管への影響に加えて気道刺激性を示すことが考えられる。したがって区分2 (中枢神経系、消化管)、区分3 (気道刺激性) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、甲状腺、血液系)、区分2 (生殖器 (男性)) 本物質の水溶解度として水に可溶 (CICAD 69 (2006))、水にすぐ溶ける (HSDB (Access on July 2016))との記載がある。 本物質についてヒト及び実験動物において関連する情報はない。 可溶性コバルトの情報として、ヒトにおいて、貧血の治療用に塩化コバルト又は硫酸コバルトを投与した際の過剰障害として、神経系 (食欲不振、吐き気、耳鳴り、難聴、神経障害)、甲状腺 (甲状腺腫、甲状腺へのヨウ素の取り込み阻害) への影響、ボランティアに塩化コバルトを経口投与した結果、赤血球系の造血亢進がみられた他、自覚症状として頭痛、腹部不快感の主訴が多かったとの報告がある (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。また、かつてビールの泡の安定化目的で、硫酸コバルトが添加されており、多量にコバルトを含むビールの大量消費者に心筋症による死亡例が報告され、コバルトの心筋障害作用が懸念され (CICAD 69 (2006)、ACGIH (7th, 2001))、コバルトの添加制限を行うことにより、心筋症の発生とそれによる死亡例は消失したとされる (環境省リスク評価第11巻 (2013))。以上より、ヒトでの本物質を含む可溶性コバルト化合物の反復ばく露による標的臓器として、神経系、心血管系、甲状腺、血液系が挙げられる。 | ||
実験動物ではラットに塩化コバルトを7ヵ月間強制経口投与した試験において、0.5 mg Co/kg/day以上の用量で、赤血球数及びヘモグロビン量の増加が認められている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。また、塩化コバルトの六水和物をラットに8週間強制経口投与した試験でも血液影響がみられている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。この他、硫酸コバルト七水和物のラット、又はマウスを用いた13週間、又は2年間吸入ばく露試験において、ラット、マウスともに0.3 mg/m3 (コバルトとして0.11 mg/m3) の低濃度から、呼吸器に炎症性組織変化がみられ、ラット13週間ばく露では、加えて血液影響 (多血症、血小板数減少、網状赤血球数増加) もみられている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。この他、雄マウスに塩化コバルトを200〜800 ppmの濃度で12週間飲水投与した試験で、400〜800 ppm (47〜93 mg/kg/day、コバルトとして21〜42 mg/kg/day) (90日間換算値:コバルトとして19.6〜39.2 mg/kg/day) で精巣重量減少、精巣上体精子数の減少、精子形成能の低下、精細管及び間質組織の変性がみられたとの報告がある (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。以上より、実験動物での可溶性コバルト化合物の標的臓器は呼吸器、血液系、精巣と考えられ、精巣は区分2、他は区分1の用量範囲での影響であった。 以上、ヒト及び実験動物での可溶性コバルト化合物の反復ばく露影響に関する情報に基づき、本項は区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、甲状腺、血液系)、区分2 (生殖器 (男性)) とした。 | |||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 分類未実施 | ||
水生環境有害性(長期間) | 分類未実施 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、または地方公共団体が廃棄物処理を行っている場合はそこに委託して処理する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 該当しない | |||
国連品名 | 該当しない | |||
国連危険有害性クラス | 該当しない | |||
副次危険 | 該当しない | |||
容器等級 | 該当しない | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 該当しない |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |