1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | チオグリコール酸アンモニウム | ||
化学品の英語名称 | Ammonium mercaptoacetate | ||
製品コード | R04-A-002-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | パーマネントウェーブ用剤,羊毛染色整理剤,塩ビ安定剤,防錆剤,金属表面処理剤 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | |
皮膚感作性 | 区分1A | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(全身毒性) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(血液系、肝臓) | ||
分類実施日 (環境有害性) | - | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 全身の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、肝臓の障害のおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 | ||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | チオグリコール酸アンモニウム | ||
慣用名又は別名 | アンモニウム=2−スルファニルアセタート | ||
英語名 | Ammonium mercaptoacetate Ammonium 2-sulfanylacetate | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C2H4O2S.H3N (109.15) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 5421-46-5 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 1-391、2-1355 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動する。静かな場所に横たえ、低体温症から保護する。呼吸困難や刺激が現れたら、できるだけ早くグルココルチコイド吸入スプレーを繰り返し深呼吸させ、呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を流水と石鹸で十分に洗浄する。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、流水で20〜30分間洗浄する。医師の診察/手当てを受けること。 以上、PubChem参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。意識がある場合は、コップ1杯の水(約200ml)を飲ませる。嘔吐があるときは、誤嚥を防ぐために、頭を低くして、うつ伏せにさせる。無理に吐かせない。直ちに医師に連絡し、現場で診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 眼:時間/濃度に依存する刺激、濃度の上昇に伴い、角膜損傷の可能性 皮膚: 溶液による刺激 (約 10 % 未満の濃度ではほとんどない)、ほぼ持続しないアレルギー性皮膚反応、長期や繰り返しの後では、広範な接触吸収毒性効果もあり得る 吸入:喘息患者の場合、低濃度でも呼吸困難、咳、持続的な咽頭炎の可能性がある。一般には軽微な刺激の可能性が高く、濃縮状態での吸入後は、肺の損傷が除外できない。 摂取:濃度/用量に依存する刺激->びらん、胃腸の不調、吸収-毒性効果 吸収:チオグリコール酸のデータに基づく、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、低血圧、リズムと呼吸への影響、酸-塩基バランスの乱れの可能性、高用量による明確な中枢神経系への影響と実質臓器損傷の可能性 以上、GESTIS参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 不燃性。周辺の火災に応じた適切な消火剤を使用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス(一酸化窒素)、硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性は低い。非常に多量に水、排水、下水、または地中に入った場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | こぼれた液体を吸収剤(漏出したアルカリの吸収剤と中和剤)で吸収し、規則に従って廃棄する。その後、換気し、漏出した場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 容器を開けたままにしない。飛沫がかからないようにする。必要量以上を作業場に持ち込まない。 以上、GESTIS参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管するか、権限のある者のみが管理する。金属製の容器は使用しない。容器を密閉し、換気の良い場所に保管する。空気に敏感なので、空気/酸素は避ける。 以上、GESTIS参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | 未設定 | |||
設備対策 | 作業場所には適切な局所排気装置等を設置する。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。多量の物質を取り扱う場合は、緊急用シャワーが必要である。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出、ばく露限界値を超える場合)には、呼吸保護具を着用する。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”は、物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 -作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて適切な保護衣または化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体(GHS判定) | ||
色 | 無色〜淡いピンク | ||
臭い | 強烈なスカンクのような不快臭 | ||
融点/凝固点 | データなし | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | ≒100 ℃(GESTIS(2022)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | 7.0-7.2(HSDB in PubChem(2022)) | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: (可溶)(GESTIS(2022)) 水: (混和性)(HSDB in PubChem(2022)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: -2.85(推定値)(HSDB in PubChem(2022)) | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.205 (20℃)(HSDB in PubChem(2022)) 1.23 g/cm3(GESTIS(2022)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 火災の場合、有害物質が放出される可能性があります。亜硝酸ガス(一酸化窒素)、硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素 | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 強酸化剤、硝酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムを含む製剤、有機過酸化物 | ||
危険有害な分解生成物 | 亜硝酸ガス(一酸化窒素)、硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分3とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50(純度71%):25〜200 mg/kgの間(25 mg/kgで0/10例、200 mg/kgで全例死亡、100%換算:17.75〜142 mg/kg)(OECD TG 401、GLP)(SIAR (2009)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) (2)ラットのLD50(純度71%):50〜200 mg/kgの間(50 mg/kgで0/6例、200 mg/kgで全例死亡、100%換算:35.5〜142 mg/kg)(OECD TG 423、GLP)(SIAR (2009)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) 【参考データ等】 (3)本物質は、非常に吸湿性が高く酸化しやすいため、71%水溶液として製造されている。(SIAR (2009)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分を特定できず、分類できない。 【参考データ等】 (1)ラットのLD50(純度71%):> 2,000 mg/kg(100%換算値:1,420 mg/kg)(OECD TG 402、GLP)(SIAR (2009)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) (2)ウサギのLD50(純度71%):> 200 mg/kg(100%換算値:142 mg/kg)(SIAR (2009)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)本物質71%溶液について、ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、6日間観察)において、2例で軽微な紅斑がみられたが、みられた影響は6日以内に回復した(紅斑・痂皮スコア:1/0/0、浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 【参考データ等】 (2)本物質71%溶液について、ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、24時間適用)において、6例中3例が試験中に死亡した。生存例3例の無傷皮膚における24/72h後の紅斑・痂皮スコアの平均は3.0、3.0、3.0であり、浮腫スコアの平均は2.5、3.0、2.5であったとの報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (3)ヒトの皮膚刺激性及び感作性について、本物質の14.4〜18%溶液を用いた多数の研究(上腕又は背中の皮膚に対する反復侵襲パッチテスト)と本物質を4.4%含有した整髪製品を用いた研究が報告されている。これらの試験では誘導期の最初数回の適用で皮膚反応のために、多くの人が試験から脱落した。皮膚反応のほとんどは軽微であったが、視認可能な発赤又は紅斑(スコア(4段階):0〜1)であった。一方、軽度の紅斑(スコア:1/4)又は中等度の紅斑(スコア:2/4)の症例もみられた(SIAR (2009))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)本物質71%溶液について、ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、全例で軽度の結膜影響がみられたが、みられた影響は72時間以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:0.7/1/1、結膜浮腫スコア:0.7/0.7/0.7)との報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (2)本物質71%溶液について、ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(7日間観察)において、全例で結膜発赤がみられたが、7日以内に回復した(24/48/72h後の角膜混濁スコアの平均:0、虹彩炎スコアの平均:0、結膜発赤スコアの平均:2.6、結膜浮腫スコアの平均:0)との報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 | |||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)マウス(n=5/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は2.7(0.5%)7.0(8%)、全例死亡のため測定不能(20%)であり、EC3値は0.65%と算出されたとの報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 【参考データ等】 (2)メルカプト酢酸の塩、特に本物質を含む製品を用いて作業する理容師で多くの皮膚感作症例が報告されている(AICIS IMAP (2014))。 (3)ヒトの皮膚刺激性及び感作性について、本物質の14.4〜18%溶液を用いた多数の研究(上腕又は背中の皮膚に対する反復侵襲パッチテスト)と本物質を4.4%含有した整髪製品を用いた研究が報告されている。誘導期及び誘発期を完了した被験者のうち、いずれかの期間に皮膚反応を生じた割合は9〜47%であり、4試験のうちアレルギー性接触皮膚炎様の2症例が発生したとの報告がある(AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vitroでは、本物質(71%水溶液)について、細菌を用いた復帰突然変異試験(OECD TG471、GLP)、及びマウスリンパ腫L5178Y細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性の結果であった(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014))。 (2)In vivoでは、チオグリコール酸ナトリウム(CAS番号 367-51-1:純度99.4%)について、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(単回経口投与、最大250 mg/kg)では陰性の結果であった(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014))。 (3)チオグリコール酸(CAS番号 68-11-1)の80.2%水溶液(pH 4)について、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(2日間経皮投与、雄:最大1,000 mg/kg、雌:同500 mg/kg)では、雌雄とも最高用量まで小核誘発の増加は認められず、陰性と判断された(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014))。 【参考データ等】 (4)チオグリコール酸ナトリウム(純度99%)について、マウスの末梢血を用いた小核試験(13週間経皮投与、最大360 mg/kg)では、雄は陰性であったが、雌は最高投与群で小核を有する正染性赤血球の比率の有意な増加がみられ陽性と判断された。なお、チオグリコール酸はin vitroで染色体異常を誘発せず、チオグリコール酸ナトリウムは最大耐用量まで経皮および経口経路で急性投与した場合、染色体異常誘発性の証拠を示さなかったため、この結果は疑わしいと報告されている。(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)チオグリコール酸ナトリウム(CAS番号 367-51-1)について、マウスを用いた経皮投与による発がん性試験において、投与群(1.0 %(6.6 mg/kg/day)、2.0%(13.3 mg/kg/day))、対照群ともに様々な臓器に腫瘍発生がみられたが、投与群と対照群との間で腫瘍発生頻度に有意な差はみられなかった。表皮の腫瘍はみられなかったと報告されている(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)より、本物質はナトリウム塩のデータを使用して分類を行った。(2)、(3)より、ナトリウム塩を用いた経口投与による生殖毒性試験では、雌親動物に約24〜40%の高死亡率が生じた高用量群で二次的影響として生殖発生影響がみられたものの、中用量群では親動物、児動物ともに明瞭な毒性影響はみられなかった。(4)〜(6)より、本物質又はナトリウム塩を用いた経口及び経皮投与による発生毒性試験では、母動物の致死用量でも胎児には無影響か軽微な影響に限られた。以上より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)本物質を含むメルカプト酸の塩は溶液中で解離し、メルカプト酢酸アニオンと毒性の低い金属カチオン(カルシウム、アンモニウム、カリウム、ストロンチウム、ナトリウム)を生成するとの報告がある(AICIS IMAP (2014))。 (2)チオグリコール酸ナトリウム(CAS番号 367-51-1)について、ラットを用いた強制経口投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG416、10〜40 mg/kg/day)において、最高用量(40 mg/kg/day)ではF0親動物に著しい一般毒性影響として、死亡(雌:4/25例)、肝門脈域の空胞化(雄:2/25例、雌:6/25例)、血中脂肪酸濃度の低下(雌)がみられたが、生殖能には有害影響はみられなかったとの報告がある。同群のF1及びF2児動物には親動物毒性の二次的影響とみられる生存率低下がみられた以外に発生影響はみられなかったとの報告がある。なお、母毒性のNOAELは20mg/kg/day、生殖毒性のNOAELは20mg/kg/dayとされたとの報告がある(AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。 (3)チオグリコール酸ナトリウム(CAS番号 367-51-1:純度98.9%)について、ラットを用いた強制経口投与による生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP、20〜80 mg/kg/day)では、中用量(40 mg/kg/day)以上で親動物に流涎がみられ、死亡例が中用量で雌1/12例に、高用量(80 mg/kg/day)で雄2/12例、雌5/12例にみられたとの報告がある。生殖発生影響として、妊娠期間の延長、着床数・産児数の減少、黄体数の低値傾向、全胚吸収雌(1例)、精嚢相対重量低値が高用量群でみられたとの報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。 (4)本物質(71%水溶液)について、ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、3〜75 mg/kg bw/d)において、最高用量(75 mg/kg/day)で母動物毒性(死亡2/25例、営巣行動増加)がみられたが、胎児に発生影響はみられなかったとの報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。 (5)チオグリコール酸ナトリウムについて、ラットを用いた経皮投与による発生毒性試験(OECD TG414、6時間/日、50〜200 mg/kg bw/d)において、母動物で局所影響以外に死亡(1/25例)及び体重増加抑制がみられた高用量(200 mg/kg/day)で、胎児に低体重がみられたのみであったとの報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。 (6)チオグリコール酸ナトリウムについて、ウサギを用いた経皮投与による発生毒性試験(OECD TG414、6時間/日、10〜65 mg/kg bw/d)において、最高用量(65 mg/kg/day)まで母動物に局所影響(紅斑)のみがみられ、胎児にも影響はみられなかったとの報告がある(SIAR (2009)、AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)より、経口経路において区分1の用量範囲で標的臓器を特定できない影響がみられることから、区分1(全身毒性)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた2つの単回経口投与試験(純度71%)において、200 mg/kg(区分1の範囲)で全例が死亡し、死亡前に活動性低下、握力・四肢・体幹の緊張低下、呼吸数低下、呼吸困難等がみられ、剖検で消化管刺激の所見、肺気腫等がみられたとの報告がある(SIAR & SIDS Dossier (2009)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 【参考データ等】 (2)ラットを用いた単回経皮投与試験(純度71%)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で死亡例も症状発現もみられなかったとの報告がある(SIAR & SIDS Dossier (2009)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (3)チオグリコール酸(CASRN:68-11-1)を被験物質とした、ラットを用いた単回吸入ばく露試験において、LC50(蒸気、4時間)は1.98 mg/L(雄)、1.09 mg/L(雌)であり、症状として不規則・努力呼吸、被毛粗剛、運動性低下、後肢の振戦・麻痺がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2014)、SIAR (2009))。 (4)急性または反復投与毒性試験で観察された死亡及び全身毒性は、主にミトコンドリアにおける脂肪酸のβ酸化阻害によって生じた結果であると結論付けている (SIAR (2009))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 本項は、チオグリコール酸ナトリウム(CASRN:367-51-1)のデータに基づき分類した。(1)、(2)より、区分2の用量範囲で血液系、肝臓への影響がみられることから区分2(血液系、肝臓)とした。 【根拠データ】 (1)チオグリコール酸ナトリウム(46.1%水溶液)を被験物質とした、ラットを用いた強制経口投与による13週間反復経口投与試験(OECD TG 408、GLP)において、60 mg/kg/day(区分2の範囲)で血液系(総白血球数・リンパ球・白血球各分画の減少、赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットの減少、PTの増加、脾臓及び肝臓における髄外造血)及び肝臓(AST・ALT・脂肪酸の増加、小葉構造明瞭化、門脈周囲肝細胞の微細空胞化(中性脂質包含)、単細胞壊死等)、心筋(変性性心筋症(雌1例))、腎臓(血中尿素の増加、クレアチニン増加(雄のみ)、近位尿細管空胞化(雌のみ))への影響がみられたとの報告がある(SIAR & SIDS Dossier (2009)、AICIS IMAP (2014))。 (2)チオグリコール酸ナトリウム(46.1%水溶液)を被験物質とした、ラットを用いた強制経口投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG 416、GLP、交配前10週間投与)において、40 mg/kg/day(区分2の範囲)で肝細胞の微細空胞化(雄2/25例、雌6/25例)、尿素の減少(雄)、脂肪酸の減少(雌)がみられ、肝臓の微細空胞化を生じた妊娠雌6例中の4例が死亡、残り2例も切迫と殺されたとの報告がある(AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 【参考データ等】 (3)チオグリコール酸ナトリウム(純度99%)を被験物質とした、ラットとマウスを用いた13週間反復経皮投与試験(5日/週)において、ラットでは11.25 mg/kg/day(区分2の範囲)以上、マウスでは22.5 mg/kg/day(区分2の範囲)以上で適用部位皮膚の傷害(表皮・皮脂腺の過形成、錯角化症、過角化、炎症)がみられた。その他、肝臓、腎臓等に臓器重量変化がみられたが病理組織学的に変化は認められず、標的臓器は投与部位皮膚のみと判断されたとの報告がある(SIAR & SIDS Dossier (2009)、AICIS IMAP (2014))。 | |||
誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | - | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | - | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2810 | |||
品名(国連輸送名) | その他の毒物(液体)(有機物)、n.o.s | |||
国連分類 | クラス6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 該当しない | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条) | |||
船舶安全法 | 腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・腐食性物質(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |