安全データシート
1,3‐ジクロロプロペン
作成日 2002年12月26日
改訂日 2012年3月30日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称1,3‐ジクロロプロペン、(1,3-Dichloropropene)
製品コード22B4513
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限農薬他
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性引火性液体 区分3
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分3
 急性毒性(経皮)区分3
 急性毒性(吸入:蒸気)区分3
 皮膚腐食性・刺激性区分2
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性区分2A
 皮膚感作性区分1
 生殖細胞変異原性区分2
 発がん性区分2
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分1(神経系、肺)
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)区分2(胃、上気道、膀胱)
環境に対する有害性水生環境急性有害性 区分1
 水生環境慢性有害性 区分1
 注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
ラベル要素
絵表示又はシンボル炎どくろ健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報引火性液体および蒸気
 飲み込むと有毒
 皮膚に接触すると有毒
 吸入すると有毒
 皮膚刺激
 強い眼刺激
 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
 遺伝性疾患のおそれの疑い
 発がんのおそれの疑い
 神経系臓器、肺の障害
 長期にわたるまたは反復ばく露による胃、上気道、膀胱の障害のおそれ
 水生生物に非常に強い毒性
 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 【安全対策】
 使用前に取扱説明書を入手すること。
 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
 容器を密閉しておくこと。
 容器を接地すること、アースをとること。
 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。
 火花を発生させない工具を使用すること。
 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 取扱い後は手をよく洗うこと。
 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
 取扱後は眼をよく洗うこと。
 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
 適切な保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。
 適切な個人用保護具を使用すること。
 環境への放出を避けること。
 【応急措置 】
 皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
 火災の場合:適切な消火方法をとること。
 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
 口をすすぐこと。
 皮膚に付着した場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
 直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 吸入した場合、医師に連絡すること。
 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。
 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
 皮膚刺激または発疹が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
 ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
 ばく露した場合:医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 ばく露した場合:医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 漏出物を回収すること。
 【保管】
 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
 施錠して保管すること。
 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名1,3‐ジクロロプロペン
別名D‐D、 (D-D)
分子式 (分子量)C3H4Cl2(110.98)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号542-75-6〈ラセミ体〉、10061-02-6〈トランス体〉、10061-01-5〈シス体〉
官報公示整理番号(化審法・安衛法)(2)-125
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合多量の水と石鹸で優しく洗うこと。
 気分が悪い時は医師に連絡すること。
 皮膚刺激または発疹が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合直ちに医師に連絡すること。
 口をすすぐこと。
予想される急性症状及び遅発性症状吸入 : 咳、咽頭痛、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、意識喪失
 皮膚 : 吸収される可能性がある。 発赤、痛み 他の症状については「吸入」参照。
 眼 : 発赤、痛み
 経口摂取 : 息苦しさ 他の症状については「吸入」参照。
最も重要な兆候及び症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項データなし
 

5.火災時の措置
消火剤泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤データなし。
特有の危険有害性引火性の高い液体および蒸気。
 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
 静電気で引火するおそれがある。
 加熱により容器が爆発するおそれがある。
 消火後再び発火するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 容器が熱に晒されているときは、移動しない。
 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置全ての着火源を取り除く。
 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項環境に放出しないこと。
回収・中和不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。
封じ込め及び浄化方法・機材危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策消防法の規制に従う。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
 容器を密閉しておくこと。
 容器を接地すること、アースをとること。
 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。
 火花を発生させない工具を使用すること。
 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 取扱い後は手をよく洗うこと。
 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
 適切な個人用保護具を使用すること。
接触回避10項に示す混触危険物質との接触を回避する。
保管
技術的対策消防法の規制に従う。
保管条件換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
 施錠して保管すること。
 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
容器包装材料データなし。
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会未設定
ACGIHTWA 1ppm (2010年版)
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体
無色〜琥珀色、淡黄褐色
臭い刺激臭、クロロホルム様臭
pHデータなし
融点・凝固点融点 <-50 ℃ : HSDB (2009) /凝固点 シス体:-85 ℃、トランス体:<-25 ℃ : 農薬登録申請資料 (1997)
沸点、初留点及び沸騰範囲シス体:104.3 ℃、トランス体:112 ℃ : Lide (88th, 2008)
引火点25 ℃ : ICSC(J) (2004)
自然発火温度データなし
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲5.3〜14.5 vol% (空気中) : ICSC(J) (2004)
蒸気圧34 mmHg (25 ℃) : HSDB (2009)、3.7 kPa; (E)-isomer 2.3 kPa; (Z)-isomer 3.5 kPa (all at 20℃) bar : PM (13th, 2003)
蒸気密度3.8 (空気=1) : ICSC(J) (2004)
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)シス体:1.224、トランス体:1.217 (20 ℃) : Lide (88th, 2008) (シス体:1.224 g/cm3 (20 ℃)、トランス体:1.217 g/cm3 (20 ℃) : 農薬登録申請資料 (1997))
溶解度2800 mg/L : HSDB (2009)、2 g/L (20 ℃); (E)-isomer 2.32 g/L (25 ℃), (Z)-isomer 2.18 g/L (25 ℃) : PM (13th, 2003)
 ヘプタン[シス>610、トランス>607 g/kg]、キシレン[シス>551、トランス>551 g/kg]、アセトン[シス>589、トランス>597 g/kg] : 農薬登録申請資料 (1997)
オクタノール・水分配係数1.82 : HSDB (2009)、logP = 1.82 (20 ℃); (E)-isomer logP = 2.03; (Z)-isomer logP = 2.06 (両方とも 25 ℃) : PM (13th, 2003)
分解温度データなし
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性この蒸気は空気より重く、地面あるいは床に沿って移動することがある;遠距離引火の可能性がある。燃焼すると分解し、有毒で腐食性のヒューム(塩化水素など)を生じる。酸化剤、金属と反応する。
避けるべき条件燃焼
混触危険物質酸化剤、金属
危険有害な分解生成物有毒で腐食性のヒューム(塩化水素など)
 

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットLD50値: 300, 224, 713, 470, 121, 150, 519, 304, 325, 85, 117, 78, 127, 130, 110-250, 57, 560, 510 mg/kg (雌雄含む)(農薬登録申請資料(1997)、ACGIH (2005)、ATSDR (2008)、IARC 41 (1986)、EHC 146 (1993))。(GHS分類:区分3)
経皮ウサギLD50値: 333, 504 mg/kg (農薬登録申請資料(1997)、IARC 41 (1986))、ラットLD50値: 1000, 1300-2000, 423, 1575, 1090 mg/kg (PATTY (5th, 2001)、EHC 146 (1993))。(GHS分類:区分3)
吸入吸入(ガス):GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)
 吸入(蒸気):ラットLC50値: 855-1035, 904, 1000, 727, 595-676, 670, 744, 1075, 1190 ppm/4h (雌雄含む)(農薬登録申請資料(1997)、IARC 41 (1986)、EHC 146 (1993))。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(44737 ppm)の90%より低いので、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、気体の区分基準値を適用した。(GHS分類:区分3)
 吸入(ミスト):データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚腐食性・刺激性ウサギに0.5 mLを4時間の閉塞適用した試験で、軽度〜中等度の紅斑および中等度〜重度の浮腫が観察され、14日後も一部の動物では症状が残った(EHC 146 (1993))。ウサギに4時間の半閉塞適用した試験で明瞭な紅斑と中等度の浮腫が認められたが、14日以内に完全に回復した(EHC 146 (1993))。ウサギに0.5 mLを4時間適用し、紅斑と軽度の浮腫を生じたが21日以内に完全に回復した(EHC 146 (1993))。なお、EU分類ではXi; R36/37/38である。(GHS分類:区分2)
眼に対する重篤な損傷・刺激性ウサギの結膜嚢に0.1 mLを滴下した試験で、軽度〜顕著な発赤、軽度〜中等度の浮腫、虹彩の赤みと分泌物、1例では角膜に軽度の刺激性が見られたが、14日以内に全て回復した(EHC 146 (1993))。ウサギを用いた別の試験では、中等度〜重度の結膜刺激、角膜の軽微な変化、浮腫、および虹彩の反応が見られたが、14日以内に回復した(EHC 146 (1993))。(GHS分類:区分2A)
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
 皮膚感作性:モルモットを用いた皮膚感作性試験において、アジュバントを用いない場合(Buehler Test)の陽性率は2度の試験でそれぞれ25%(5/20)と90%(9/10)、アジュバントを用いる場合(Maximization test)の陽性率は2度の試験でそれぞれ100%(20/20)と80%(16/20)であり(EHC 146 (1993))、いずれも陽性の判定基準を超えている。また、ヒトでは殺虫剤製造施設の工程管理者が水疱性皮膚炎を発症、パッチテストで陽性反応を示し、恐らく当該物質95%を含む殺虫剤に感作されたものと結論されている(ACGIH (2005))。(GHS分類:区分1)
生殖細胞変異原性体細胞in vivo変異原性試験としてマウスに経口投与後の骨髄細胞を用いた小核試験(IARC 71 (1999))およびマウスに腹腔内投与後の骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性(NTP DB (Access on Jun. 2009))。ラットに吸入ばく露による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)で陰性(ACGIH (2005))、マウスに経口または腹腔内投与による骨髄を用いた別の小核試験で陰性(IARC 71 (1999))、ラットに経口または腹腔内投与による肝臓、腎臓などを用いたDNA損傷試験で陽性(IARC 71 (1999))。in vitroの試験では、エームス試験で陽性、染色体異常試験で陰性または陽性(NTP DB (Access on Jun. 2009)、安衛法変異原データ集(1996))、マウスリンパ腫試験で陽性(NTP DB (Access on Jun. 2009))。また遺伝毒性試験の陽性知見からEFSA(およびEU)ではMuta. Cat.3; R68が提案されたが、議論の結果、不純物や安定化剤の影響の可能性により承認されなかった(食品安全委員会 食品安全関係情報(2009))。(GHS分類:区分2)
発がん性主要機関の発がん性評価として、IARCではグループ2B(IARC 71 (1999))、ACGIHではA3(ACGIH (2005))、EPAではB2(IRIS (2003))に分類されている。なお、ラットまたはマウスに2年間経口投与した試験において前胃扁平上皮の乳頭腫または癌腫の発生率の増加が見られ、さらに、ラットで肝臓腫瘍の発生率の増加、マウスで肺胞/細気管支の腫瘍および膀胱の移行上皮細胞癌の発生率が増加(NTP TR 269 (1985)、IRIS (2003))。(GHS分類:区分2)
生殖毒性ラットの2世代に亘り吸入ばく露した試験で、親動物の毒性として体重減少と鼻粘膜の病理組織学的変化が現れたが、生殖および新生仔の成長または生存に対する悪影響は観察されなかった(EHC 146 (1993))。また、妊娠ラットおよび妊娠ウサギの器官形成期に吸入ばく露した試験において、両動物種とも母動物の一般毒性として体重増加抑制が観察されたが、着床、吸収、同腹仔数などの生殖指標への悪影響はなく、催奇形性および胎児毒性の証拠は見出されなかった(EHC 146 (1993))。(GHS分類:区分外)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)ヒトでの情報として、低濃度の吸入ばく露は中枢神経系の抑制を起こし(EHC 146 (1993))、事故による高用量の中毒は急性神経症状を引き起こす(ACGIH (2005))。ラットを用いた急性経口毒性試験(LD50: 110〜250 mg/kg)で、し眠、円背位、運動失調、振戦の症状があり(IUCLID (2000))、経皮投与(LD50: 800〜2000 mg/kg)でも、し眠、円背位、運動失調に加え、正向反射の消失を示した(EHC 146 (1993)、IUCLID (2000))。これらのラットの急性毒性試験では神経系症状のほか、経口、経皮および吸入の3経路において呼吸数減少が認められ、生存例の剖検所見として経口および経皮投与で肺のうっ血、吸入投与で肺の蒼白と腫脹(EHC 146 (1993)、IUCLID (2000))。(GHS分類:区分1(神経系、肺))
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)ラットに13週間反復経口投与した試験において、15 mg/kg/day以上で前胃の基底膜近位で基底細胞の過形成と単核細胞の隆起が認められ(ACGIH (2005))、2年間投与で25または50 mg/kg/dayで、非腫瘍性病変として前胃の基底細胞または上皮の過形成が認められた(NTP TR 269 (1985))。ヒトの情報として健康状態良好な1人の農夫が30日間にわたり本物質の土壌処理の間、ホースから漏れた少量のばく露により、耳、鼻粘膜、咽頭に疼痛が現れ、入院検査により外耳の痛み、充血、鼻粘膜の表在性潰瘍および咽頭の炎症が明らかとなった(EHC 146 (1993))。ラットおよびマウスに13週間吸入(蒸気)ばく露した試験において、両動物種とも409 mg/m3以上で嗅上皮の変性と気道上皮の過形成が観察された(EHC 146 (1993))。また、マウスの13週間吸入試験では同用量で膀胱の移行上皮の過形成も認められ、この膀胱の所見は2年間吸入ばく露試験においても報告され(IARC 71 (1999))、吸入による主要標的組織は鼻粘膜と膀胱であるとの記載(EHC 146 (1993))がある。なお、2年間の経口投与後に前胃では扁平上皮の乳頭腫または癌腫、膀胱では移行上皮細胞癌の発生率が増加(NTP TR 269 (1985))。(GHS分類:区分2(胃、上気道、膀胱))
吸引性呼吸器有害性データなし。(GHS分類:分類できない)
 

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性有害性)甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=0.09mg/L(EHC 146, 1993, 他)である。(GHS分類:区分1)
水生環境有害性(長期間有害性)急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BODによる分解度:3%(既存点検, 1992))。(GHS分類:区分1)
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。
 国連番号2047
 品名ジクロロプロペン
 Proper Shipping NameDICHLOROPROPENES
 クラス3
 副次危険データなし
 PGV
 海洋汚染物質非該当
 MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるバラ積み輸送される液体物質X類
国際規制 海上規制情報IMOの規定に従う。
 航空規制情報ICAO・IATAの規定に従う。
国内規制陸上規制情報消防法の規定に従う。
 海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
 航空規制情報航空法の規定に従う。
特別安全対策 移送時にイエローカードの保持が必要。
  食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
  輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
  重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号 129
 

15.適用法令
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)
化審法第2種監視化学物質(法第2条第5項)(政令番号:2監-381)
大気汚染防止法揮発性有機化合物 法第2条第4項 (平成14年度VOC排出に関する調査報告) 
水質汚濁防止法有害物質(法第2条、令第2条、排水基準を定める省令第1条)
海洋汚染防止法有害液体物質(X類物質)(施行令別表第1)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-179)(旧政令番号:1-137 )
消防法第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
船舶安全法引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。