1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 亜硝酸イソブチル (Isobutyl nitrite) | ||
製品コード | H27-B-029 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 芳香剤添加物 (NITE調査) カルボキシメチルセルロース原料、農薬・医薬原料 (SRI:CHEMICAL ECONOMICS HANDBOOK) 可塑剤・医薬原料 (化学工業日報社) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H27.10.31、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分2 | ||
自己反応性化学品 | タイプG | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
発がん性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (免疫系)、区分2 (呼吸器、血液系) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス (H22.7版) を使用 GHS改訂4版を使用 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性の高い液体及び蒸気 飲み込むと有害 吸入すると有毒 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれの疑い 中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による免疫系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器、血液系の障害のおそれ | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である。(このラベルの・・・を見よ) 口をすすぐこと。 医師に連絡すること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | データなし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 亜硝酸イソブチル | ||
別名 | 亜硝酸2-メチルプロピル (Nitrous acid 2-methylpropyl) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C4H9NO2 (103.12) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 542-56-3 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | データなし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 2-7-1 2-7-7 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 人工呼吸が必要なことがある。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐ。水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入 : 咽頭痛、頭痛、めまい、紫色(チアノーゼ)の唇や爪、紫色(チアノーゼ)の皮膚、吐き気、錯乱、痙攣、意識喪失。症状は遅れて現われることがある。 皮膚 :データなし。 眼 :データなし。 経口摂取 :咽頭痛、頭痛、めまい、紫色(チアノーゼ)の唇や爪、紫色(チアノーゼ)の皮膚、吐き気、錯乱、痙攣、意識喪失。症状は遅れて現われることがある。 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 暴露の程度によっては、定期検診を勧める。 |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂 | ||
使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
特有の危険有害性 | 当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム (又はガス) を放出する。 当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素のほか、窒素酸化物系のガス等の有毒ガスが含まれるので消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 引火性が高い。 蒸気/空気の混合気体は爆発性である。 | ||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 関係者以外は安全な場所に退去させる。 消火するために粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂を使用すること。 水を噴霧して容器類を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。 多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 必要に応じた換気を確保する。 | ||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。大量の水で洗い流す。 多量の場合、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなどに回収する。 漏れた液を密閉式の容器に集める。 危険区域から立ち退く! 専門家に相談する! 換気。 すべての発火源を取り除く。 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 漏出物の上をむやみに歩かない。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 火気厳禁 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること、アースをとること。 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 充填、取り出し、取り扱い時に圧縮空気を使用してはならない。 あらゆる接触を避ける! 粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 取扱後は手などをよく洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 換気、局所排気、または呼吸用保護具。 引火性が高い。火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 蒸気/空気の混合気体は爆発性である。 20℃で気化すると、空気が汚染されてきわめて急速に有害濃度に達することがある。 | ||
接触回避 | 酸、酸化剤 | ||
衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 火気厳禁 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 酸から離しておく。 | ||
安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2015年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2015年版) | TLV-STEL: C 1 ppm (4.2 mg/m3) (IFV) (亜硝酸イソブチル) | ||
設備対策 | 蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 容器を接地すること、アースをとること。 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 耐火設備 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 (HSDB (2015)) | ||
臭い | データなし | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | 0℃ (ACGIH (2003)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 66℃〜67℃ (760 torr) (ACGIH (2003)) | ||
引火点 | -21℃〜-23℃ (ACGIH (2003)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 1.2〜26.9 vol%(空気中) (ICSC (2006)) | ||
蒸気圧 | 1.3 kPa (20℃) (ICSC (2006)) | ||
蒸気密度 | 3.56 (空気 = 1) (ICSC (2006)) | ||
比重(相対密度) | 0.87 (22℃/4℃) (Merck (15th, 2013)) | ||
溶解度 | 水: 可溶 (< 1 mg/mL) (19℃) (ACGIH (2003)) アセトン: 可溶 (> 100 mg/mL) (19℃) ジメチルスルホキシド: > 100 mg/mL 95%エタノール: > 100 mg/mL アルコール及びエーテル: 混和する (ACGIH(2003)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
自然発火温度 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 引火性の高い液体。 水より軽い。 | ||
化学的安定性 | 水中で分解する。 揮発性が高い。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱時に爆発を生じる危険性がある。 酸化物と危険な反応を生じる。 水及び酸と共存できない。 加熱時に窒素酸化物の有毒なヒュームを生じる。 空気と爆発性混合気体を生じる。 | ||
避けるべき条件 | 加熱 | ||
混触危険物質 | 酸、酸化物 | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分4 ラットのLD50値として、410 mg/kg (ACGIH (7th, 2003)) に基づき、区分4とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 区分3 ラットのLC50値 (4時間) として、777 ppmとの報告 (ACGIH (7th, 2003)、NTP TR 448 (1996)) に基づき、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (12,833 ppm) より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 In vivoでは、マウスの末梢血赤血球を用いる小核試験で雌雄ともに陽性の結果 (NTP TR448 (1996)、ACGIH (7th, 2003))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陽性である (ACGIH (7th, 2003)、NTP TR448 (1996)、NTP DB (2015))。以上より、区分2とした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分2 ヒトでの発がん性情報はない。実験動物では、ラット又はマウスを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験において、ラット、マウスの雌雄ともに高用量2群 (75、150 ppm) で肺胞/細気管支の腺腫、又はがんを合わせた発生頻度の増加が認められた (NTP TR448 (1996)、ACGIH (7th, 2003))。また、C57BL6雌マウスにPYB6腫瘍細胞を注射後 (部位の記載なし) に、本物質を900 ppmで最長16日間吸入ばく露し、腫瘍の成長を調べた実験で、腫瘍発生率は対照群の21%に対し75%と3倍に増加し、腫瘍成長速度も同4倍に増加するなど、本物質が腫瘍成長を促進することが証明された (ACGIH (7th, 2003)) との記述がある。国際機関による発がん性分類結果としては、ACGIHがA3に (ACGIH (7th, 2003))、EUがCLP分類でCarc. 1B に (ECHA CL Inventory (2015)) 分類している。以上、本物質による発がん性の証拠に関して、実験動物では確かな証拠があるが、ヒトへの種間外挿の妥当性について、現時点では不明であるため、ACGIHを優先し区分2とした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系) 本物質はヒトの狭心症の治療に使用されることがある (ACGIH (7th, 2003))。本物質は鼻腔刺激性がある (ACGIH (7th, 2003))。ヒトの中毒例では、室内防臭剤として使用された本物質の経口摂取で気管気管支炎、メトヘモグロビン血症を発症し死亡した事例がある。また、吸入ばく露では、肺水腫、気管気管支炎、メトヘモグロビン血症の報告がある (以上、ACGIH (7th, 2003)、NTP TR448 (1996)、HSDB (2015))。 実験動物では、マウスの184 mg/kgの経口投与 (区分1に相当する用量) で、協調運動失調、伸筋剛性 (extensor rigidity)、攣縮、四肢蒼白、衰弱、呼吸困難、重度のメトヘモグロビン血症による無酸素症で死亡、本物質投与前にメチレンブルー投与により、死亡率が減少したとの報告、ラットの777 ppm (3.28 mg/L) 吸入ばく露 (区分1に相当する用量) で協調運動失調、伸筋剛性 (extensor rigidity)、攣縮、痙攣、四肢蒼白、衰弱、呼吸困難、チアノーゼ、重度のメトヘモグロビン血症による呼吸器不全、低血圧と血管拡張による心血管障害、マウスの175〜1,000 ppm (0.74〜4.22 mg/L) 吸入ばく露 (区分1に相当する用量) で自発運動量 (motor performance) の低下、マウスの900 ppm (3.80 mg/L) (区分1に相当する用量) で赤血球、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値低下で示される一過性の貧血の報告がある (ACGIH (7th, 2003)、NTP TR448 (1996)、HSDB (2015))。 実験動物への本物質によるその他の影響として、血液細胞機能への影響、血液細胞破壊、脾臓細胞減少 (spleen cellularity)、T細胞反応性低下、免疫能力低下 (compromise of immunocompetence) の報告があり、本物質の急性毒性は、心血管系、造血系であるとの記載がある (ACGIH (7th, 2003))。 以上より、本物質は中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系に影響を及ぼすことから、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系) とした。 新たな情報を加え旧分類を見直した。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (免疫系)、区分2 (呼吸器、血液系) 実験動物では、ラットを用いた13週間吸入毒性試験において75 ppm (ガイダンス値換算: 0.23 mg/L) 以上でメトヘモグロビン血症、貧血、脾臓のヘモジデリン沈着、150 ppm (ガイダンス値換算: 0.46 mg/L) 以上で気管上皮の過形成、鼻粘膜の過形成、マウスを用いた13週間吸入毒性試験において75 ppm (ガイダンス値換算: 0.23 mg/L) 以上で細気管支上皮の過形成、脾臓の髄外造血、脾臓のヘモジデリン沈着、150 ppm (ガイダンス値換算: 0.46 mg/L) 以上でメトヘモグロビン血症、300 ppm (ガイダンス値換算: 0.98 mg/L) で貧血、鼻粘膜の過形成がみられた (NTP TR448 (1996))。マウスを用いた14日間吸入毒性試験において900 ppm (ガイダンス値換算: 0.078 mg/L) で白血球数減少、赤血球数増加、顆粒球単球コロニー形成細胞 (CFU-GM)の減少がみられ、白血球数減少、赤血球数増加はばく露終了後1週間以内に回復性が認められた。しかし顆粒球単球コロニー形成細胞の減少はばく露終了後1週間での回復性はみられていない (ACGIH (7th, 2003))。以上のように、ラット、マウスともメトヘモグロビン血症、貧血と関連した所見、呼吸器系に対する刺激性の所見が区分2の範囲でみられ、免疫系への影響が区分1の範囲でみられた。 したがって、区分1 (免疫系)、区分2 (呼吸器、血液系) とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | GHS分類: 分類できない データがなく分類できない。 | ||
水生環境有害性(長期間) | GHS分類: 分類できない データがなく分類できない。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、または地方公共団体が廃棄物処理を行っている場合はそこに委託して処理する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2351 | |||
国連品名 | BUTYLNITRITES | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 129 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
水道法 | 有害物質 | |||
道路法 | 車両の通行の制限 | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物 | |||
水質汚濁防止法 | 有害物質 | |||
外国為替及び外国貿易管理法 | 輸出貿易管理令別表第2 輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」 | |||
特定廃棄物輸出入規制法 (バーゼル法) | 廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |