1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 3-(1-メチル-2-ピロリジニル)ピリジン (別名: ニコチン) (Nicotine) | ||
製品コード | R02-B-101 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 医薬、殺虫剤 (失効農薬) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分1 | |
急性毒性 (経皮) | 区分1 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分2 追加区分: 授乳に対する又は授乳を介した影響 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系、心血管系、消化管) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると生命に危険 皮膚刺激 重篤な眼の損傷 遺伝性疾患のおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 授乳中の子に害を及ぼすおそれ 神経系、心血管系、消化管の障害 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 3-(1-メチル-2-ピロリジニル)ピリジン | ||
別名 | ニコチン | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C10H14N2 (162.23) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 54-11-5 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 9-990 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 8-(1)-675 ( 8-(1)-1010 ) | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 汚染された衣服を脱がせる。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: 灼熱感、吐き気、嘔吐、痙攣、腹痛、下痢、頭痛、発汗、脱力感、めまい、錯乱。 皮膚: 吸収される可能性あり!発赤、灼熱感、 「吸入」参照。 眼: 痛み、充血。 経口摂取: 「吸入」参照。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、耐アルコール性泡消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 可燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 95℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 | ||
特有の消火方法 | 水を噴霧して容器類を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。 (ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 下水に流してはならない。 漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める。 残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。 地域規則に従って保管処理する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 裸火禁止。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 水生生物に対して強い毒性がある。 通常の使用法と異なる状況での環境中への放出を避ける。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 消火により生じる流出物を収容するための用意 強酸化剤および食品や飼料から離しておく 乾燥 床面に沿って換気 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 未設定 | |||
ACGIH (2020年版) | TLV-TWA: 0.5 mg/m3 (Skin) | |||
設備対策 | 95℃以上では、密閉系および換気。 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。 (ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグル、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。(ICSCには、漏洩物処理時に(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 特徴的な臭気 | ||
融点/凝固点 | -80℃ (ICSC (1997)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 246℃ (NFPA (14th, 2010)) | ||
可燃性 | 可燃性 (ICSC (1997)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 0.7〜4 vol% (空気中) (NFPA (14th, 2010)) | ||
引火点 | 101℃ (c.c.) (NFPA (14th, 2010)) | ||
自然発火点 | 244℃ (NFPA (14th, 2010)) | ||
分解温度 | 247℃ (ICSC (1997)) | ||
pH | 10.2 (20℃、8.1 g/L) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
動粘性率 | 38.61 DYNES/CM = 0.03861 N/M (20℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
溶解度 | 水: 混和する (ICSC (1997)) アルコール、クロロホルム、エーテル、ケロセンに易溶 (HSDB (Access on June 2020)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 1.2 (ICSC (1997)) | ||
蒸気圧 | 0.038 mmHg (25℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.0097 g/cm3 (MAK (DFG) (2014)) | ||
相対ガス密度 | 5.6 (空気=1) (ICSC (1997)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると、分解する。 窒素酸化物および?酸化炭素などの有毒なフュームを生じる。 強酸化剤と激しく反応する。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物および?酸化炭素などの有毒なフューム |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 ヒトでの経口摂取による致死量は30〜60 mg (CLH Report (2015))、50〜60 mg (ACGIH (7th, 2001)) または約60 mg (MAK (DFG) (2014)) と概算されると記述があり、ヒトの経口致死量は1 mg/kgを下回ると判断されることから、区分1とした。 【根拠データ】 (1) ヒトの概算致死量: 30〜60 mg (CLH Report (2015)) (2) ヒトの概算致死量: 50〜60 mg (ACGIH (7th, 2001)) (3) ヒトの概算致死量: 約60 mg (MAK (DFG) (2014)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(5) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 50 mg/kg (EU CLP CLH (2015)、MAK (DFG) (2014)、GESTIS (Access on June 2020)、HSDB (Access on June 2020)) (2) ウサギのLD50: 140 mg/kg (EU CLP CLH (2015)) (3) ラットのLD50: 140 mg/kg (CLH Report (2015)、MAK (DFG) (2014)、HSDB (Access on June 2020)) (4) ラットのLD50: 150 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020)) (5) ラットのLD50: > 360 mg/kg (CLH Report (2015)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。(1) のデータがあるが、タバコを20分間ばく露した試験結果から算出した値であるため、参考データとした。 なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (50 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 【参考データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): > 0.114 mg/L (> 17 ppm) (EU CLP CLH (2015)) (2) 本物質の蒸気圧: 0.038 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 50 ppm) | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分2とした。新しいデータ (1)〜(3) が得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質は局所刺激性を有する (Patty (6th, 2012))。 (2) 本物質は皮膚刺激性を有する (GESTIS (Access on June 2020))。 (3) 本物質のウサギを用いOECD TG 402に準拠した急性経皮投与毒性試験において、軽度〜重度の紅斑がみられ、腐食性はないが刺激性を有すると結論されている (REACH登録情報 (Access on September 2020))。 【参考データ等】 (4) 本物質を含むパッチ (禁煙補助薬) により、一部のボランティアに紅斑がみられたと報告されている (MAK (DFG) (2014))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分1とした。新しいデータ (1)〜(4) が得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質のOECD TG 405に準拠した眼刺激性試験において、結膜発赤及び浮腫、虹彩炎、角膜混濁がみられ、結膜の炎症及び角膜混濁は適用21日後まで持続し、腐食性物質と結論されている (REACH登録情報 (Access on September 2020))。 (2) 本物質は前眼部の炎症と縮瞳を引き起こす (Patty (6th, 2012))。 (3) 本物質との接触は眼の痛み、顕著な結膜炎、角膜の炎症及び部分的な混濁を引き起す (GESTIS (Access on June 2020))。 (4) OECD TG 492に準拠し、再生ヒト角膜上皮 (EpiOcular ?) を用いたin vitro眼刺激性試験において、平均細胞生存率は3.1%であり、区分1或いは2相当と推察された (REACH登録情報 (Access on September 2020))。 【参考データ等】 (5) OECD TG 437に準拠し、ウシ角膜を用いたin vitro眼損傷性試験 (BCOP) において、平均刺激性スコア (IVIS) は29.518であり、区分1は否定された (REACH登録情報 (Access on September 2020))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) においてSI値は3を上回らず、陰性と判定された (REACH登録情報 (Access on September 2020))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。新たに得られたデータをもとに分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウスの優性致死試験において陰性を示したが、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陽性の報告がある (MAK (DFG) (2014)、Patty (6th, 2012))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験において陰性の報告があるが、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験において陽性、陰性の報告がある (同上)。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分2とした。また、(5) より「授乳に対する又は授乳を介した影響」を追加した。なお、再検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた吸入ばく露による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少、肝臓の肝細胞壊死、水腫様変性、ストレスによる副腎皮質肥大、胸腺萎縮及び子宮萎縮) がみられる用量で、生殖影響はみられていないが不規則な性周期、児動物の体重低値がみられている (REACH登録情報 (Access on October 2020))。 (2) 雌マウス、ラット及びウサギの器官形成期に皮下投与した試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量でマウス、ラットでは胎児に未骨化がみられたがウサギでは胎児に影響がみられていない (Patty (6th, 2012))。 (3) 雌ラットの妊娠4〜20日に6 mg/kg/dayを皮下投与した結果、母動物に体重増加抑制、児動物に体重減少び脳の未発達がみられた (ACGIH (7th, 2001))。 (4) 雌ラットの交配6週間前から妊娠期間中に6 mg/kg/dayを投与し、生後12時間で対照群の雌で交差飼育した新生児において、雌雄で副腎重量減少、雄で出生児体重減少、胎児/腹減少、活動の低下がみられている (MAK (DFG) (2014))。 (5) ラットでの妊娠・授乳期間に投与した試験では、母乳の分泌が著しく減少したため、大部分の出生児が死亡した (Patty (6th, 2012))。 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分1 (神経系、心血管系、消化管) とした。なお、標的臓器を再検討し、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 急性ニコチン中毒の一種である緑色タバコ病の多数の症例が、タバコの葉を収穫中に労働者が吸収したニコチンへの皮膚ばく露後に報告された。この疾患はわずか数時間後に起こることがあり、短期間みられる。吐き気、嘔吐、脱力、めまい、血圧や心拍数の変化が特徴である (MAK (DFG) (2014))。 (2) 本物質78 mgの経皮パッチを12名の男性ボランティアの腕、胸及び背中に交互に24時間以内適用した結果、心拍数と収縮期血圧は4時間後に有意に増加した (MAK (DFG) (2014))。 (3) 致死的な職業性中毒は比較的まれである。しかし、嘔吐と下痢を主症状とする軽度の症例は、化学加工業者や殺虫剤散布業者では珍しくない。本物質の急性中毒で死亡した患者の剖検では、心臓右側の著明な拡張、軽度の肺水腫、出血性胃炎、大部分の内臓の急性受動性うっ血、脳浮腫、著明な腎充血が認められた (ACGIH (7th, 2001))。 (4) 本物質は心拍数と血圧に影響を与え、低用量では刺激作用が支配的である。さらに、消化管及び中枢神経系に作用する。毒性用量では、中枢刺激に続いて抑制、例えば呼吸の中枢抑制が起こる。約60 mgはヒトに致死的であり呼吸麻痺により数分後に死亡する (MAK (DFG) (2014))。 (5) 本物質は、多くのニューロンに存在するいわゆるニコチン受容体に結合する。そこで、用量に依存して、心血管系、中枢神経系及び消化管に異なる反応を誘導する。ニコチンは血液脳関門を容易に通過できる (MAK (DFG) (2014))。 (6) 本物質の職業ばく露のTLV-TWA 0.5 mg/m3が推奨される。この値は、吐き気、嘔吐、下痢、出血性胃炎等の消化管障害、血圧及び心拍数の増加等の心血管作用、頭痛、めまい、抑うつ、呼吸、高血圧、発汗、流涎等の中枢神経系への有害作用の可能性を最小限に抑えることを目的としている (ACGIH (7th, 2001))。 |
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1) ラットのエアロゾル鼻部吸入ばく露試験 (雄: 最大35日間、雌: 約70日間) では、10 μg/Lで肝細胞の壊死や水腫性変性がみられたとの報告が1件のみある (REACH登録情報 (Access on October 2020))。 (2) 本物質の慢性的な消費は中毒や依存をもたらす可能性がある (HSDB (Access on June 2020))。 (3) ウサギに致死量に近い用量を80日間投与したところ、網膜神経節細胞の変性に起因する散瞳と光に対する瞳孔の反応不良が生じたとの報告がある (HSDB (Access on June 2020))。 | |||
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誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | データ不足のため分類できない。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | データ不足のため分類できない。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1654 | |||
国連品名 | NICOTINE | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | - | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 毒物及び劇物取締法、消防法、道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 毒物及び劇物取締法、消防法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 151 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【413 ニコチン】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【413 ニコチン】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(法第2条別表第1)【19 ニコチン】 毒物(指定令第1条)【20 ニコチンを含有する製剤】 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第三石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)【5 第三石油類水溶性液体】 | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 ニコチン】 | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】1654 ニコチン】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】1654 ニコチン】 | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【2チ ニコチン】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |