| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | PCB 1242(別名 アロクロール1242) | ||
| 化学品の英語名称 | PCB 1242 | ||
| 製品コード | R06-B-176-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | - | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成18年度(2006年度)、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経皮) | 区分3 | |
| 発がん性 | 区分1A | ||
| 生殖毒性 | 区分1A | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(免疫系、皮膚、肝臓) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度(2006年度)、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 皮膚に接触すると有毒 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 呼吸器への刺激のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による免疫系、皮膚、肝臓の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | PCB 1242 | ||
| 慣用名又は別名 | アロクロール1242 | ||
| 英語名 | Polychlorinated biphenyls 1242 | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | Unspecified (-) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 53469-21-9 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | - | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 周辺火災に応じて水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 取扱いや保管場所の近傍での飲食の禁止。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | ||
| 接触回避 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 取扱いや保管場所の近傍での飲食の禁止。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | 0.01 mg/m3 | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | 0.01 mg/m3 (経皮吸収) | |||
| ACGIH (2024年版) | 1mg/m3(Skin) | |||
| 設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | |||
| 手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、不浸透性の保護手袋を着用する。 | |||
| 眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて不浸透性の保護衣、保護エプロン等を着用する。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 液体 | ||
| 色 | 無色 | ||
| 臭い | ほぼ無臭 | ||
| 融点/凝固点 | データなし | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | 340〜375 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| 可燃性 | 不燃性 (GESTIS (2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | 300〜800 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:0.04〜0.4 g/L (20℃) 不溶 (GESTIS (2024)) 有機溶剤:可溶 (ACGIH (2022)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
| 蒸気圧 | 4.06×10-4 torr (25℃) (ACGIH (2022)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.44 g/cm3 (30℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | 【分類根拠】 (1)より区分に該当しない。本物質(PCB1242)のデータに基づき検討を行った結果、分類結果を変更した(2024年度)。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:4,250 mg/kg(ATSDR (2000)、MAK(DFG) (2013)、EHC 140 (1993)) | |||
| 経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、安全側の区分を採用し区分3とした。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:800〜1,300 mg/kg(産衛学会許容濃度及び生物学的許容値の提案理由 (2006)) (2)ウサギのLD50:794〜1,269 mg/kg (本物質 (アロクロール1242) 及びAroclor 1248)(MAK(DFG) (2013)) (3)ウサギのLD50:0.79〜1.27 g/kg (本物質 (アロクロール1242) 及びAroclor 1248)(EHC 140 (1993)) | |||
| 吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)の情報があるが、本物質を皮膚に直接接触させた場合の刺激性についてのデータはなく、データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)PCBs(ポリ塩化ビフェニル類)への職業ばく露後に皮膚刺激、クロルアクネ、爪と皮膚の色素沈着など皮膚病変がヒトでみられるとの報告がある(ATSDR (2000))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)の情報があるが、本物質を眼の表面に付着させた動物試験データまたはヒトの症例報告もないことから、データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)PCBsに職業的にばく露されたヒトにはマイボーム腺の過剰分泌、結膜の色素異常沈着、眼瞼の腫脹などがみられた(ATSDR (2000))。 | |||
| 呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 皮膚感作性 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)in vivoではラットの骨髄細胞又は精原細胞を用いた染色体異常試験(強制経口投与:5,000 mg/kgで単回、又は500 mg/kg/dayで4日間)、雄ラットを用いた優性致死試験(単回強制経口投与、最大2,500 mg/kg)、雄ラットの複数臓器を用いたDNA付加体試験で、いずれも陰性であった(IARC 107 (2016)、MAK (DFG) (2013)、ATSDR (2000))。 (2)in vitroではチャイニーズハムスター肺V79細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性の報告がある(同上)。 | |||
| 発がん性 | 【分類根拠】 (1)よりヒトでの調査では本物質を含むPCB混合物を取り扱う集団にがんの発生増加がみられたという報告があること、(2)より動物試験では本物質の投与により主に良性腫瘍の発生増加が認められ限定的な証拠が示されたことから、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)本物質など複数のPCB混合物にばく露された作業者に、多発性骨髄腫及び女性に大腸がんの標準化死亡比(SMR)の有意上昇がみられた、悪性黒色腫および脳・神経系のがんのSMRの有意高値がみられた、男性に胃がん及び甲状腺がんのSMRの有意上昇、女性に肝臓・胆管・胆嚢がんの有意上昇がみられた、など複数の報告がある(産衛学会発がん性物質の提案理由書 (2016)、IARC 107 (2016))。 (2)本物質(アロクロール1242)について、ラットを用いた24ヵ月間混餌投与(50、100 ppm)による発がん性試験では、雄で甲状腺(ろ胞細胞腺腫、甲状腺総腫瘍)、雌で肝臓(肝細胞腺腫、肝臓総腫瘍)に腫瘍の有意な発生頻度増加が認められたが、主に良性腫瘍の増加であった(IARC 107 (2016)、MAK (DFG) (2016))。 (3)IARCは実験動物における発がん性の証拠の強さに関して、本物質よりも塩素化度の高い市販PCB混合物(アロクロール1254)に対しては十分な証拠があるとしたのに対し、本物質で発がん性の証拠は限定的であるとした(IARC 107 (2016))。 【参考データ等】 (4)本物質はPCB-4〜PCB52までのPCB同族体を含むと報告されている(CICAD 55 (2003)) (5)本物質を含むPCB類は、労働安全衛生法第577条の2第3項の規定に基づき、がん原性物質に指定されている (厚生労働省告示第三百七十一号 )。 (5)既存分類では、IARCはPCB単体及びダイオキシン様PCB単体に対しグループ1(IARC 107 (2016))に、日本産業衛生学会はPCB類 [CAS登録番号 1336-36-3、53469-21-9(42%塩素化)、11097-69-1(54%塩素化)]に対し第1群(産衛学会発がん性物質の提案理由書 (2016))に分類した。ACGIHは54%塩素化ビフェニルに対してのみA3に分類している(ACGIH (2001))。 | |||
| 生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、本物質を含む混合物の知見ではあるがヒトの疫学調査報告においてPCBs による精子毒性、妊娠成立への悪影響、児の発育への影響が明確であり、動物においても児の発育・発達への毒性を示すデータが十分存在していることから、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)限られたデータではあるが、ヒトで不妊の原因となる可能性のある女性の月経異常や男性の精子の形態・産生への影響とPCBへのばく露との関連性が指摘されている(ATSDR (2000))。 (2)コンデンサー工場の製造工程に従事アロクロール1254、1242又はアロクロール1016に吸入及び経皮経路により出産前に1年以上ばく露を受けた女性の集団(高ばく露群)と事務所で従事した女性の集団(低ばく露群)から生まれた乳児の平均出生時体重を比較した結果、高ばく露群の出生児体重は低ばく露群のそれより小さかった(同上)。 (3)職業的にばく露した女性の一部では、アロクロール1254、1242、及び/又はアロクロール1016が平均妊娠回数に明らかな影響を及ぼすことはなかった(同上)。 (4)女性労働基準規則において、塩素化ビフエニル (別名PCB) を発散する場所における業務は、妊娠中の女性を就かせてはならない業務に指定されている (昭和六十一年労働省令第三号)。 【参考データ等】 (5)日本産業衛生学会では、ポリ塩化ビフェニル類(PCB)として生殖毒性物質第1群に分類されている(産衛学会生殖毒性物質の提案理由書 (2013))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)より区分3(気道刺激性)とした。 【根拠データ】 (1)本物質の蒸気とヒュームへのばく露は塩素ざ瘡(アクネ)、気道刺激及び肝傷害を生じるおそれがあるとの報告がある(ACGIH (2022))。 【参考データ等】 (2)本物質のラットを用いた単回経口投与試験におけるLD50は4,250 mg/kgである。致死量近傍の4,000 mg/kg投与24時間後にラットの胃や腸に病理組織学的な影響はみられなかった(ATSDR (2000)、MAK (DFG) (2013))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4)より区分1(免疫系、皮膚、肝臓)とした。 【根拠データ】 (1)本物質を用いる作業者を対象とした調査において、眼・顔・皮膚の灼熱感が訴えられ、塩素ざ瘡、手と脚部に発疹がみられた(産衛学会生物学的許容値の提案理由書 (2006)、ACGIH (2022))。 (2)主に本物質及びアロクロール1254を用いる作業者を対象とした疫学調査の結果、頭痛、疲労感、不安感等が訴えられ、皮膚所見(紅斑, 腫脹,乾燥,肥厚)および眼所見(結膜充血、瞼の色素沈着)がみられた。肝機能検査では、血中GOT(AST)の異常高値がみられた。本物質及びアロクロール1016を用いる作業者を対象とした調査においても、血清中PCB 濃度とGOT(AST)、γ- GTP、コレステロール及びトリグリセライドの間に正の相関が認められた(産衛学会生物学的許容値の提案理由書 (2006))。 (3)マウスを用いた6週間混餌投与(22 mg/kg/day:90日換算:10 mg/kg/day)、及び6ヵ月間混餌投与試験(4.9 mg/kg/day)において、前者ではヒツジ赤血球抗原(SRBC)に対するPFC反応の低下、血清IgG1、IgM及びIgAレベルの減少、サルモネラ菌のエンドトキシン誘発に対する感受性の増加、マラリア寄生虫感染に対する死亡率の増加が、後者では白血球ウイルスに対する感受性増加がみられ、本物質の免疫抑制影響が示唆された(ATSDR (2000))。 (4)塩素化ビフェニル (別名PCB) について、労働基準法施行規則35条別表第一の二第四号の規定に基づく厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定める疾病として、皮膚障害又は肝障害が記載されている (平成二十五年厚生労働省告示第三百十六号)。 | |||
| 誤えん有害性* | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50=0.008mg/L(EHC140、1993)から、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性が区分1、環境中で安定で急速分解性がなく、生物蓄積性がある(BCF=270000(EHC140、1993))ことから、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:高濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | - | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 特別管理産業廃棄物に該当する。 特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 2315 | |||
| 品名(国連輸送名) | ポリ塩化ビフェニル、液体 | |||
| 国連分類 | 9 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | II | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法に従う | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 製造許可物質(法第56条第1項、施行令第17条別表第3第1号) 【3 塩素化ビフエニル(別名PCB)】 特定化学物質第1類物質(施行令別表第3第1号・特定化学物質障害予防規則第2条第1項第1号) 【3 塩素化ビフエニル(別名PCB)】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第3)(令和7年3月31日まで) 【1の3 塩素化ビフェニル(別名PCB)】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第3)(令和7年3月31日まで) 【1の3 塩素化ビフェニル(別名PCB)】 がん原性物質(作業記録等の30年保存対象物質)(労働安全衛生規則第577条の2) 【ポリ塩化ビフェニル】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 特殊健康診断対象物質・現行取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第1項) 【3 塩素化ビフエニル(別名PCB)】 作業環境評価基準(法第65条の2第2項) 【9 塩素化ビフエニル(別名PCB)】 | |||
| 労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) 【塩素化ビフェニル(別名PCB)】 女性労働基準規則の対象物質(女性労働基準規則第2条の18・第3条) | |||
| 化学物質審査規制法 | 第一種特定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条) 【1 ポリ塩化ビフェニル】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 特定第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条) 【459 ポリ塩化ビフェニル(別名PCB)】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 水道法 | 水質基準(平15省令101号) 【38 塩化物イオン】 | |||
| 大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)【223 ポリ塩素化ビフェニル(別名:PCB、ポリ塩化ビフェニル)】 有害大気汚染物質・優先取組物質(中央環境審議会第9次答申)【12 ダイオキシン類】 | |||
| 水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条) 【8 ポリ塩化ビフェニル】 | |||
| 土壌汚染対策法 | 第3種特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条) 【25 ポリ塩化ビフェニル(別名PCB)】 | |||
| 海洋汚染防止法 | 有害液体物質(X類物質)(施行令別表第1) 【(41) 多環式芳香族化合物】 | |||
| 下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【9 ポリ塩化ビフェニル】 | |||
| 廃棄物処理法 | 特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4) | |||
| 船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| ダイオキシン類対策特別措置法 | ダイオキシン類 【3 コプラナーポリ塩化ビフェニル】 | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||