1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 塩化シアン (Cyanogen chloride) | ||
製品コード | H26-B-109(製品コード) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 軍用化学製剤の原料(毒ガス) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 高圧ガス | 液化ガス | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (吸入:ガス) | 区分1 | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | 区分1 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分1 | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、筋肉系) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、血液系) | |||
分類実施日 | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 重篤な眼の損傷 吸入すると生命に危険 中枢神経系、呼吸器、心血管系、筋肉系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系、呼吸器、血液系の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。−【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用しても良い | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 塩化シアン (Cyanogen chloride) | ||
別名 | クロロシアン (Chloro cyanogen) | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | CCIN (61.48) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 506-77-4 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 化審法(1)-123 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 化審法(1)-123 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は医師を呼ぶこと。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、すべての汚染された衣類を脱ぎ取り去ること。 皮膚を水又はシャワーで洗うこと。 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 | ||
眼に入った場合 | コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。洗浄を続けること。 水で数分間注意深く洗うこと。 直ちに医師を呼ぶこと。 | ||
飲み込んだ場合 | 速やかに口をすすぎ、医師の診断を受けること。 吐かせないこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 低濃度の場合、気道の刺激、頭痛、あえぐような呼吸、めまい、手足の機能不全、催涙。高濃度の場合、意識喪失、肺水腫、場合により痙攣と死。 遅発性症状:肺水腫。 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な保護具(青酸ガス用の防毒マスク等)を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 安静に保ち、医学的な経過観察が不可欠である。 |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | この製品自体は、燃焼しない。 大火災:散水、噴霧水、一般の泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
特有の危険有害性 | 火災によって刺激性、毒性又は腐食性のガスを発生するおそれがある。 加熱により容器が爆発するおそれがある。 破裂したボンベが飛翔するおそれがある。 消火に用いる水により、有毒で腐食性の塩酸及び青酸が生じる。 | ||
特有の消火方法 | 火災をおさえる。消火が必要であれば、注水又は水噴霧が推奨される。 容器内に水を入れてはいけない。 火災の種類に応じて適切な消火剤を用いる。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 損傷したボンベは専門家だけが取り扱う。 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 ガスが拡散するまでその区域を立入禁止とする。 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。 風上に留まる。 低地から離れる。 密閉された場所に入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ漏れを止める。 可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。 蒸発を抑え、蒸気の拡散を防ぐため散水を行う。 回収、中和: 少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、ポンプで汲み取る。 塩化第一鉄及び水酸化ナトリウム溶液又は鉄塩及び石灰乳を用いて、解毒する。 二次災害の防止策: 漏洩物又は漏洩源に直接水をかけない。 住居地域及び工業地域の住民に直ちに警告し、危険地域から避難する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 漏洩物又は漏洩源に直接水をかけない。 住居地域及び工業地域の住民に直ちに警告し、危険地域から避難する。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 容器は直射日光や火気を避け、40℃以下の温度で保管すること。 容器を密閉して換気の良いところで貯蔵すること。 施錠して貯蔵すること。 技術的対策: 容器は保安上使用開始後1年以内に、速やかに販売事業者に返却すること(高圧ガス保安協会指針)。 | ||
安全な容器包装材料 | 高圧ガス保安法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2014年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2014年版) | TLV-TWA (未設定) TLV-STEL (C 0.3 ppm) | ||
設備対策 | 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。 完全密閉系及び完全密閉装置でのみ取り扱うこと。 密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用しなければ取扱ってはならない。 気中濃度を推奨された管理濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気その他の設備対策を使用する。 この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 呼吸用保護具を着用すること。 ばく露の可能性のあるときは、送気マスク、空気呼吸器、又は酸素呼吸器を着用する。 | ||
手の保護具 | 保温用手袋を着用すること。 保護手袋を着用すること。 二トリルゴム及び塩ビは適切な保護材料ではない。ネオプレンが推奨される。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型) | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護手袋及び眼、顔面用の保護具を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 気体 :Chapman (2005)、13℃以下の温度では無色の液体。ホンメル (1991) | ||
色 | 無色: ICSC (2002) | ||
臭い | 低い濃度でも耐えられない刺激臭: ホンメル (1991) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -6.55℃: HSDB(2014) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 13℃: HSDB(2014) | ||
引火点 | 51℃: HSDB(2014) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 該当 | ||
燃焼又は爆発範囲 | 上限:23.5vol%: Matheson(2001) | ||
蒸気圧 | 1010mmHg(20℃) [換算値 134633Pa(20℃)]: Sax (11th, 2004) | ||
蒸気密度 | 1.98: Sax (11th, 2004) | ||
比重(相対密度) | 1.2 (4/12℃): Chapman (2005) | ||
溶解度 | 水:6×10^(4) mg/L (0℃) (測定値): SRC (2005) エタノール:100倍可溶 (20℃) 、エチルエーテル:50倍可溶(20℃) : ACGIH (2001) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | logPow=0.64: Gangolli (2nd, 1999) | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 重合防止剤を加えないと重合する。 | ||
危険有害反応可能性 | 湿気、水と徐々に反応して、有毒で腐食性の塩酸、青酸を生成する。 アルカリ性物質との接触、混合により、金属酸化物と金属シアン化物が生成する。 鉄塩と水と反応して発生する塩化水素又は塩酸の作用により、激しく爆発的な塩化シアヌルの三量化反応が起こる。 | ||
避けるべき条件 | 水、湿気、加熱、混触危険物質との接触回避 | ||
混触危険物質 | アルカリ性物質、鉄塩 | ||
危険有害な分解生成物 | 塩酸、青酸、塩化水素 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHSの定義におけるガスである。 | ||
経皮 | GHSの定義におけるガスである。 | ||
吸入:ガス | マウスの致死濃度 (3分間ばく露) として、約400 ppm (1.0 mg/L) (4時間ばく露換算値として、89.4 ppm) 及びヒトで48 ppm、30分間ばく露 (4時間ばく露換算値として、17 ppm) により致死との報告がある (ACGIH (7th, 2014))。これらの知見よりLC50値 (4時間) は<100 ppmと推測されるため、区分1とした。なお、致死濃度が飽和蒸気圧濃度 (19,615,005 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | ||
吸入:蒸気 | GHSの定義におけるガスである。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHSの定義におけるガスである。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 具体的な情報は無いが、本物質の蒸気は皮膚に傷害を与えるとの記載がある (HSDB (Access on September 2014))。また、本物質は危険物輸送の副次等級が8である。以上のことから区分1とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 具体的な情報ではないが、本物質の蒸気はヒトの眼に対して重度の刺激性を持つとの記載や (ACGIH (7th, 2001)) 、本物質の蒸気は皮膚に傷害を与えるとの記載がある (HSDB (Access on September 2014))。また、シアン化物は軽度の結膜浮腫、流涙、結膜充血などを引き起こすとの記載がある (CICAS 61 (2004))。以上の結果から、区分1とした。 | ||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | データ不足のため分類できない。In vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (NTP DB (Access on October 2014))。 | ||
発がん性 | データ不足のため分類できない。 | ||
生殖毒性 | データ不足のため分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 本物質は強い呼吸器刺激性を有する (ACGIH (7th, 2014)、ATSDR (2006)、PATTY (6th, 2012))。ヒトにおいて、自殺や作業者ばく露など多数の中毒事例が報告されている。これらの報告は、殆どがシアン化水素やシアン化カリウムであるが、無機シアン化合物に共通な影響が想定されており (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 61 (2004)、ACGIH (7th, 2014)、ATSDR (2006))、急性症状はばく露経路にかかわらず、頭痛、めまい、嘔吐、胃粘膜のびらん、協調運動失調、手足のしびれ、散瞳、深反射喪失、昏迷、痙攣、強直性間代痙攣、昏睡、不規則呼吸、呼吸促迫、呼吸困難、動悸、血圧低下、脈拍低下、不整脈、心肥大、出血を伴う気管内うっ血、脳浮腫、肺水腫、筋固縮、横紋筋融解、骨格筋損傷など、中枢神経系、呼吸器、心血管系、筋肉系への影響がみられている (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 61 (2004)、ATSDR (2006))。 実験動物では、ヒトと同様、本物質についての知見は少なく、無機シアン化合物の吸入、経口ばく露で、協調運動失調、呼吸困難、呼吸促迫、振戦、痙攣、昏睡、呼吸数減少、不整脈、気管支や気管からの出血性滲出液、肺水腫などが報告され(NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 61 (2004)、ACGIH (7th, 2014)、ATSDR (2006))、これらの所見はヒトでもみられている。なお、吸入ばく露での影響は区分1に相当する範囲の用量でみられた。 以上より、本物質は無機シアン化合物のデータから類推し、中枢神経系、呼吸器、心血管系、筋肉系に影響を与えると考えられ、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、筋肉系) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 本物質 (濃度不明) に8ヶ月間職業ばく露を受けたヒトで、皮膚、眼への刺激に加え、筋肉の脱力、肺のうっ血がみられた (ACGIH (7th, 2014)) との記述、並びに本物質の実験動物における毒性影響は肺水腫とシアンイオンによる細胞における代謝障害である (ACGIH (7th, 2014)) との記述があり、標的臓器として、少なくとも呼吸器が対象と考えられる。しかし、これら以外に本物質反復ばく露影響に関する知見はヒト、実験動物のいずれもない。 一方、無機シアン化合物のヒトでの反復ばく露による有害性知見としては、シアン化ナトリウムとシアン化銅を各々3%含むメッキ槽からシアンに長期ばく露された作業者の群では、頭痛、めまい、味覚及び嗅覚異常、嘔吐、努力呼吸、前胸部痛など中枢神経症状、呼吸器症状の発症頻度が対照群より高頻度に発現し、かつ、ヘモグロビン、シアノメトヘモグロビン及びリンパ球の増加も示された (CICAD 61 (2004))。シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、及びシアン化銅の製造工場でシアンにばく露された作業者の群では、対照群と比べてヘモグロビン及びリンパ球の増加傾向がみられた (CICAD 61 (2004))。以上より、ヒトでは無機シアン化合物の混合ばく露による主にシアン中毒による影響として、中枢神経系、呼吸器、血液系への影響が示唆される。 以上、本物質反復ばく露により、呼吸器系への影響が報告されており、また、無機シアン化合物の反復ばく露影響の標的臓器は中枢神経系、呼吸器、血液系が示唆されることから、分類は区分1 (中枢神経系、呼吸器、血液系) とした。 なお、関連物質の分類結果として、シアン化銅 (J) (CAS No.: 544-92-3) を参照のこと。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHSの定義によるガスである。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=0.029mg/L(ECETOC TR91、2003)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分1、水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 高圧ガスを廃棄する場合は、高圧ガス保安法一般高圧ガス保安規則に従うこと。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 高圧ガスの容器を廃棄する場合は、製造業者等専門業者に回収を依頼すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1589 | |||
国連品名 | CYANOGEN CHLORIDE, STABILIZED | |||
国連危険有害性クラス | 2.3 | |||
副次危険 | 8 | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 輸送禁止 | |||
陸上規制情報 | 毒劇法、高圧ガス保安法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 毒劇法、高圧ガス保安法の規定に従う。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 移動、転倒、衝撃、摩擦などを生じないように固定する。 火気、熱気、直射日光に触れさせない。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 鋼材部分と直接接触しないようにする。 重量物を上積みしない。 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 125 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法 | 第1種指定化学物質 | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物 | |||
化学兵器禁止法 | 第2種指定物質・毒性物質 | |||
高圧ガス保安法 | 液化ガス、毒性ガス | |||
船舶安全法 | 高圧ガス | |||
航空法 | 輸送禁止 | |||
労働基準法 | 疾病化学物質 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |