| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | アセチルサリチル酸 | ||
| 化学品の英語名称 | Acetylsalicilic acid | ||
| 製品コード | R06-C-042-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 医薬(鎮痛剤,解熱剤,抗リウマチ剤)(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成26年度(2014年度)、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
| 呼吸器感作性 | 区分1 | ||
| 生殖毒性 | 区分1B、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分 | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系、胃、肝臓、肺、感覚器(聴覚)) | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (血液系、中枢神経系、胃、肝臓、腎臓、肺、感覚器(聴覚)) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度(2006年度)、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
| 環境に対する有害性 | - | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと有害 強い眼刺激 吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 授乳中の子に害を及ぼすおそれ 中枢神経系、胃、肝臓、肺、感覚器(聴覚)の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、中枢神経系、胃、肝臓、腎臓、肺、感覚器(聴覚)の障害 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 | ||
| 応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | |||
| 化学名又は一般名 | アセチルサリチル酸 | ||
| 慣用名又は別名 | アスピリン 2−アセトキシ安息香酸 | ||
| 英語名 | Acetylsalicilic acid | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C9H8O4 (180) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 50-78-2 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 3-1652 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。医師に連絡すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで洗い流したのち、水と石けん(鹸)で丁寧に洗浄する。 可能であれば温水を使用すること。 広範囲にわたる濡れ/刺激の場合: ポリエチレングリコール400との交互のすすぎを推奨する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 眼に入った場合 | まぶたを大きく広げて流水で少なくとも10分間、患部を洗眼する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 意識がある場合は、コップ1〜2杯の水を飲ませる。 無理に吐かせないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性: 本物質は、眼、皮膚および気道を刺激する。 大量に経口摂取すると、血液および中枢神経系に影響を与えることがある。 消化管出血、血液凝固障害、基本代謝機能の障害、内臓の障害。 慢性: ヒトの生殖に毒性影響を及ぼす可能性があることが示されている。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥消火剤、泡消火剤、二酸化炭素 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 着火(発火)源を遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 個人用保護具:空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク。 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | その後、周囲を換気し、こぼれた場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 容器とパイプラインにラベルを貼ること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の物質の収集: 固体有機残留物の容器に収集します。 収集容器にはラベルを貼ること。容器は換気の良い場所に保管すること。 こぼれた物質を密閉式容器内に収集する。 湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管・処理する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する 粉じんの形成を避けること。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集する必要がある。 爆発の危険性が高い場所には、テスト済みの産業用掃除機または吸引システムを使用すること。 掃除中に粉じんを起こさないこと。 清掃にブロワーを使用しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 容器を開けたままにしないこと。 補充、移し替え、または開放使用のためには、十分な換気を確保する必要がある。 こぼさない。 ラベルの付いた容器にのみ注入すること。 粉じんが舞い上がるのを避けること。 密閉系、粉じん防爆型電気設備および照明。 粉じんの堆積を防ぐ。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質 ガス。 自然発火性物質 水と接触した可燃性ガスを放出する物質 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質 危険な化学反応が起こりうる物質と一緒に保管しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 衛生対策 | 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 使用後は手を洗うこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 容器にはラベルを貼付すること。 できるだけ元の容器に保管すること。 容器を密閉すること。 容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所で保管すること。 本物質は吸湿性のため、湿気から保護すること。 以上、GESTIS参照。 以上、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | 5 mg/m3 | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA: 0.3 mg/m3(Skin; RSEN) | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 作業エリアの換気を良好に保つこと。 作業場での洗浄設備を設置する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」参照のこと。 耐性のある保護手袋の使用を推奨する。 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。 ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、FKM、およびポリ塩化ビニルは、未溶解の固形物から保護するための手袋材料として適している。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、不浸透性の適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 白色 | ||
| 臭い | 無臭 | ||
| 融点/凝固点 | 135 ℃ (HSDB in PubChem (2024)) 134〜136 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | 140 ℃ 分解 (ICSC(1998)) | ||
| 可燃性 | 可燃性 (ICSC(1998)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | 250 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | 3.5 (20℃、2.5 g/L) (GESTIS (2024)) | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:4.6 g/L (25℃) (GESTIS (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow:1.19 (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 蒸気圧 | 0.004 Pa (25℃) (ICSC(1998)) 0.0000252 mmHg (25℃, 推定値) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.35 g/cm3 (20℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 物質は可燃性である。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 可燃性物質。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 可燃性。 空気中で粒子が細かく拡散して、爆発性の混合気体を生じる。 発火源(火気、加熱、高温、静電気、火花など)に近づけないこと。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | ラットのLD50値として、1,500 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分4とした。 なお、ヒトでの潜在的致死量として、> 500 mg/kg (成人)、480 mg/kg (子供) との報告がある (IPCS, PIM 006 (1991))。 | |||
| 経皮 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体である。 | |||
| 吸入: 蒸気 | GHSの定義における固体である。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギを用いた皮膚刺激性試験においてわずかな刺激性を示した (IUCLID (2000)) との報告が2件あることから区分に該当しない (国連分類基準の区分3) とした。なお、詳細不明ではあるがヒトの皮膚に対して刺激性を示すとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、IUCLID (2000))。ガイダンスの改訂に伴い区分を変更した。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギを用いた眼刺激性試験において、中等度の刺激性及び軽度の刺激性を示すとの報告がある (IUCLID (2000))。以上の結果から区分2Aとした。なお、詳細不明ではあるがヒトの眼に対して刺激性を示すとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、IUCLID (2000))。 | |||
| 呼吸器感作性 | 【分類根拠】 (1)より区分1とした。 【根拠データ】 (1)本物質はヒトの呼吸器及び全身に対するアレルゲンとして知られ、アスピリン喘息として知られるアナフィラキシー症状を生じる可能性がある (ACGIH (2024))。 【参考データ等】 (2)ACGIHでは、本物質に対してRSEN(呼吸器感作性)の注記を付している (ACGIH (2024))。 | |||
| 皮膚感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | データ不足のため分類できない。in vivoのデータはなく、in vitroでは細菌を用いる復帰突然変異試験で陰性である (HSDB (Access on June 2014)、IUCLID (2000)、NTP DB (Access on June 2014))。 | |||
| 発がん性 | 国際機関等による発がん分類はない。その他、発がん性に関するデータはない。 以上より、データ不足のため「分類できない」とした。 | |||
| 生殖毒性 | IPCS, PIM 006 (1991) には、胚の培養系では、単回投与のサリチル酸の血漿中濃度付近で奇形がみられること、ラットはサリチル酸の催奇形性影響に対して感受性が高く、一方、ヒト及びヒト以外の霊長類は抵抗性があると考えられていることが記載されている。また、サリチル酸塩中毒が経胎盤、経乳汁で生じる可能性があることが記載されている。 HSDB (Access on June 2014) には、実験動物においては、妊娠初期の投与で様々な奇形 (顔面裂、中枢神経系及び眼の欠損、内臓及び骨格奇形) を引き起こすが、ヒトの対照試験では奇形はみられていない。妊娠の最終週に長期間、高用量のサリチル酸の処置は妊娠期間の延長、出生後の胎児、新生児の出血のリスクの増加を引き起こす場合があり、理論的には妊娠末期の定常的な使用は胎児の動脈管の早期の閉鎖、収縮を引き起こすおそれがある。治療量での出生児体重の減少、死産の増加は報告されていない。サリチル酸はFDAの妊娠カテゴリーC (動物の生殖試験では胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいは、ヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。注意が必要であるが投薬のベネフィットがリスクを上回る可能性はある) に分類されている。 上記のとおり、実験動物において催奇形性を示すが、ヒトにおいては治療量での発生毒性の報告がないことから、区分1Bに分類する。また、乳汁移行の可能性が報告されていることから、「追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響」とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ヒトへの経口経路による主な影響は、耳鳴り、聴力損失、痙攣、昏睡、混乱、せん妄、昏迷、振戦、脳浮腫など中枢神経毒性、肝毒性、肺浮腫が報告されている。その他、嘔吐、上腹部不快感、胃腸の出血、頻呼吸あるいは過呼吸、発汗、血管拡張などが報告されている (HSDB (Access on June 2014)、IPCS, PIM 006 (1991))。アスピリンの臨床知見から胃粘膜刺激性が知られており、嘔吐、心窩部不快感、潰瘍、吐血や下血、潜失血の報告がある (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on June 2014)、IPCS, PIM 006 (1991))。以上より、主な標的臓器は中枢神経系、胃、肝臓、肺、感覚器 (聴覚) と考えられ、区分1 (中枢神経系、胃、肝臓、肺、感覚器 (聴覚)) とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 本物質 (アスピリン) の内服により、血小板凝集阻害の機序による出血傾向 (凝固時間の延長) を生じ、治療のための常用量 (600 mg) を5日以上服用すると血液凝固異常をきたす (ACGIH (7th, 2001)) との記述より、区分1 (血液系) とした。また、情報源の信頼性ランクとしてはList 1相当と判断した IPCS, PIM 006 (1991) には、慢性サリチル酸塩中毒症として、成人では神経症状、吐き気、嘔吐、胃出血 (急性症状としては稀で、典型的な慢性中毒症状)、高齢者では呼吸不全、肺浮腫が高頻度にみられ、その他、過呼吸、脱水症、重度の中枢神経症状も多発するとの記述、さらに、標的器官は細胞代謝を受ける全組織であるが、特に、肝臓 (肝機能障害)、腎臓 (急性腎不全)、肺、内耳神経であるとの記述がある。したがって、区分1 (中枢神経系、胃、肝臓、腎臓、肺、感覚器 (聴覚)) を追加することとした。なお、旧分類 (List外の情報源による分類) とは情報源が異なるため、分類結果が変わった。 | |||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50>100mg/L(IUCLID、2000)から、区分に該当しないとした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 難水溶性でなく(水溶解度=4600mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分に該当しないとした。 | ||
| 残留性・分解性 | 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 生態蓄積性 | - | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | - | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 該当しない | |||
| 品名(国連輸送名) | 該当しない | |||
| 国連分類 | 該当しない | |||
| 副次危険 | 該当しない | |||
| 容器等級 | 該当しない | |||
| 海洋汚染物質 | 該当しない | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 該当しない | |||
| 航空規制情報 | 該当しない | |||
| 陸上規制情報 | ||||
| 特別な安全上の対策 | ||||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | - | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【12 アセチルサリチル酸(別名アスピリン)】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 【44 アセチルサリチル酸(別名アスピリン)】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【12 アセチルサリチル酸(別名アスピリン)】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)【44 アセチルサリチル酸(別名アスピリン)】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) 濃度基準値設定物質(安衛則第577条の2第2項)【アセチルサリチル酸(別名アスピリン)】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||