1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ジアセチル (Diacetyl) | ||
製品コード | R01-B-003 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 有機合成中間体、香料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分2 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性 (吸入: 蒸気) | 区分3 | |
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
発がん性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (呼吸器) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (呼吸器) | ||
分類実施日 (環境有害性) | H27年度、政府向けGHS分類ガイダンス (平成25年度改訂版(Ver.1.1)) (R1年度、分類実施中) | ||
環境に対する有害性 | - | 分類できない | |
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 引火性の高い液体及び蒸気 皮膚刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 重篤な眼の損傷 吸入すると有毒 発がんのおそれの疑い 呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡すること。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水又はシャワーで洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注)”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | ジアセチル | ||
別名 | ビアセチル | ||
ジメチルグリオキサール | |||
2,3−ブタンジオン | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C4H6O2 (86.09) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 431-03-8 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-563 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水又はシャワーで洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: 咳、嗜眠、吐き気、頭痛、咽頭痛 皮膚: 発赤 眼: 充血、痛み、熱 経口摂取: 咽頭痛 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 不可逆性閉塞性肺疾患が、様々な職場で本物質にばく露した労働者の間で報告されている。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 粉末消火薬剤、アルコール耐性泡消火薬剤、水噴霧、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
特有の危険有害性 | 引火性が高い。 蒸気/空気の混合気体は、爆発性である。 | ||
特有の消火方法 | 火災時: 水を噴霧して容器類を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 個人用保護具: 空気中濃度に応じた有機ガス及び蒸気用フィルター付マスク すべての発火源を取り除く。 漏れた液を、ふた付きの容器に集める。 残留液を、砂又は不活性吸収剤に吸収させる。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 耐火設備で保管する。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法、国連危険物輸送勧告で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | |||
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH (2019年版) | TLV-TWA: 0.01 ppm、0.04 mg/m3 TLV-STEL: 0.02 ppm、0.07 mg/m3 | ||
設備対策 | 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄剤のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 黄色 | ||
臭い | 不快なバター臭 | ||
融点/凝固点 | -2.4℃ (ICSC (2009)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 88℃ (ICSC (2009)) | ||
可燃性 | 引火性液体 (HSDB (Access on November 2019)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 2.4〜13 vol% (ICSC (2009)) | ||
引火点 | 6℃ (c.c.) (ICSC (2014)) | ||
自然発火点 | 365℃ (ICSC (2009)) | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 20 g/100 mL (25℃) (ICSC (2009)) 主要な有機溶媒に易溶 (HSDB (Access on November 2019)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = -1.34 (ICSC (2009)) | ||
蒸気圧 | 56.8 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2019)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.1 (ICSC (2009)) | ||
相対ガス密度 | 3 (空気 = 1) (ICSC (2009)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱により分解し、刺激性のヒュームを生成する。 強酸、強塩基、酸化剤と激しく反応する。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸、強塩基、酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 刺激性のヒューム |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1) がガイダンスの区分4、(2)、(3) が区分外 (国連分類基準の区分5) に相当することから、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 1,580 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、JECFA FAS42 (1999)) (2) ラット(雄) のLD50: 3,400 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、JECFA FAS42 (1999)、NTP TR593 (2018)) (3) ラット(雌) のLD50: 3,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、JECFA FAS42 (1999)、NTP TR593 (2018)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 5,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 (1) ではLC50値が2,250 ppmと5,200 ppmの間と推定されていることと、(2)では本物質に吸入ばく露した作業者に気道への損傷がみられたことから、区分3とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (74,742.7 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。情報の更新により、区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 2,250、5,200、23,900 ppmの本物質の蒸気を4時間吸入ばく露した試験で、5,200 ppm以上の群で全ての動物が死亡しており、LC50値は2,250 ppmと5,200 ppmの間にあると推定されている (EU SCOEL SUM 149 (2014))。 (2) 本物質に吸入ばく露した作業者が気道を損傷することが判明したため、本物質は無視できない毒性の可能性がある有害物質として登録された (GESTIS (Access on May 2019))。 【参考データ等】 (3) ラットに99.3 ppmを6時間ばく露 (4時間換算値: 122 ppm) した結果、無影響であった (PATTY (6th, 2012))。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1) のヒトでの症例から区分2とした。 【根拠データ】 (1) ポップコーン工場で本物質を主成分とするバター風味香料の蒸気にばく露された労働者が眼、皮膚、鼻に刺激を示したとの記載がある (EU SCOEL SUM 149 (2014))。 【参考データ等】 (2) 本物質をウサギの皮膚に適用した試験で、中等度〜強度の刺激性を示すとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質をウサギの眼に適用した試験で、刺激性を示し、21日以内に回復しなかったとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。 (2) 本物質の原液0.1 mLをウサギの眼に適用した試験で、粘膜及び角膜に強度の刺激を示し、腐食性物質と判断された (GESTIS (Access on May 2019))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1) に細区分に使用されるEC3の値が報告されているが、前者はOECD TG 429の使用推奨系統のマウスが使用されておらず、後者はOECD TG 429承認以前の報告のため、細区分は行わず、区分1とした。 【根拠データ】 (1) マウス局所リンパ節試験 (LLNA) で陽性を示し、EC3値が1.9% (Anderson et al., Toxicol. Sci., 97, 355, 2007)、又は11.3% (Roberts et al., Contact Dermat., 41, 14, 1999) と報告されている (PATTY (6th, 2012)) 。 【参考データ等】 (2) ワセリン中に本物質を2%含有する軟膏を使用して、各回2日間×5回適用し10〜14日後に同じ軟膏で誘発したヒトマキシマイゼーション試験で全て陰性であった。 また、本物質にばく露されていない被験者に対するパッチテストで接触性皮膚炎患者102人中2人は陽性反応を示した (GESTIS (Access on May 2019))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、in vivoのラットを用いた不定期DNA合成試験の陽性結果は腺胃粘膜炎症が生じた用量での知見であり、明確に陽性と判断できないため、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) In vivoでは、ラットの胃における不定期DNA合成試験で陽性の報告が1件あった (PATTY (6th, 2012)) が、EU SCOEL SUM 149 (2014) によると、これは腺胃粘膜炎症が生じた用量での知見である。また、腹腔内投与によるマウス骨髄小核試験や吸入ばく露によるマウス、ラットの末梢血小核試験を含め、小核試験陰性の報告が4件あった (NTP TR593 (2018)、PATTY (6th, 2012))。 (2) In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果、マウスリンフォーマ試験及び哺乳動物細胞の姉妹染色分体交換試験で陽性の結果であった (NTP TR593 (2018)、ACGIH (7th, 2012)、JECFA FAS42 (1999)、PATTY (6th, 2012))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、実験動物2種で、低頻度ではあるが標的臓器の鼻腔に腫瘍発生がみられたことから、区分2とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験 (12.5、25、50 ppm) において、50 ppmの雄で鼻腔の扁平上皮がん (3/50) 及び扁平上皮乳頭腫 (1/50)、雌で鼻腔の扁平上皮がん (3/50) がみられた。これより、雌雄ラットともに本物質の発がん性に関してある程度の証拠 (some evidence) があると結論した (NTP TR593 (2018))。 (2) マウスを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験 (12.5、25、50 ppm) において、雄では腫瘍の発生は認められず、雌の50 ppmで鼻腔腺がん (2/50) が認められた。これより、雄マウスには発がん性の証拠なし、雌マウスには発がん性の曖昧な証拠 (equivocal evidence) があると結論された (NTP TR593 (2018))。 【参考データ等】 (3) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHがA4と分類している (ACGIH (7th, 2012))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1) より催奇形性は認められていないが、性機能、生殖能に関する情報がなく、データ不足のため分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 雌ラットの妊娠6〜15日、雌マウスの妊娠6〜15日、雌ハムスターの妊娠6〜10日に本物質の90%溶液を強制経口投与した催奇形性試験において、いずれの種でも母動物毒性は認められず、胎児の奇形もみられなかった (PATTY (6th, 2012)、JECFA FAS42 (1999)、HSDB (Access on May 2019)) 。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1) より、区分1 (呼吸器) とした。(2) のヒトのばく露例で呼吸器への影響を示す報告があるが、症例1例のみで、本物質の含量が不明な混合物へのばく露であるため、分類根拠としなかった。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた6時間単回吸入ばく露試験において、99 ppm (0.35 mg/L、4時間換算値: 0.43 mg/L) でわずかな壊死性化膿性鼻炎、198 ppm (0.70 mg/L、4時間換算値: 0.86 mg/L) で、鼻腔の好中球性炎症を伴う中程度の壊死性化膿性鼻炎、295 ppm (1.04 mg/L、4時間換算値:1.27 mg/L) で、鼻腔上皮細胞及び気管支上皮細胞の好中球性炎症を伴う壊死 (壊死性化膿性気管支炎及び鼻炎を含む) との報告がある (PATTY (6th, 2012)、EU SCOEL SUM 149 (2014))。これらの影響がみられた濃度は区分1に相当する。 【参考データ等】 (2) 香料生産のために、本物質を含む高温の混合物を数時間取り扱った36才男性が、眼の痛みと発赤、結膜分泌物を生じ、9ヵ月後にも気道疾病を示唆する努力呼気流量の低下を示した (EU SCOEL SUM 149 (2014))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1) より、ヒトで呼吸器に対する影響がみられ、(2)〜(4) より、実験動物において区分1の範囲で呼吸器への影響がみられていることから、区分1 (呼吸器) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質を香料として使用した電子レンジ用ポップコーンの調理作業者で細気管支閉塞症に似た症例が報告され、ポップコーン製造工場で混合作業を行う作業者でも同様の症例が報告されている。また、ポップコーン製造に使用されるバター香料にばく露された食品製造作業者で喘息がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2012)、PATTY (6th, 2012))。 (2) ラットに6.25〜100 ppmを14週間吸入ばく露 (6時間/日、5日/週) した試験において、25 ppm (ガイダンス値換算: 0.07 mg/L、区分1の範囲) 以上で鼻における呼吸上皮の扁平上皮化生、嗅上皮の変性、50 ppm (ガイダンス値換算: 0.14 mg/L、区分1の範囲) で鼻における化膿性炎症、呼吸上皮の過形成、嗅上皮の呼吸上皮化生、リンパ組織の過形成等、喉頭における呼吸上皮の扁平上皮化生、100 ppm (ガイダンス値換算: 0.27 mg/L、区分2の範囲) で好中球数増加、鼻における呼吸上皮壊死、嗅上皮壊死等、喉頭における扁平上皮過形成等、気管における上皮壊死等、肺における気管支上皮過形成等がみられた (NTP TR593 (2018))。 (3) マウスに6.25〜100 ppmを14週間吸入ばく露 (6時間/日、5日/週) した試験において、25 ppm (ガイダンス値換算: 0.07 mg/L、区分1の範囲) 以上の各投与群で上記 (3) のラットの試験と同様に呼吸器の非腫瘍性病変がみられたほか、50 ppm (ガイダンス値換算: 0.14 mg/L、区分1の範囲) で好中球数増加がみられた (NTP TR593 (2018))。 | |||
(4) マウスに25〜100 ppmを12週間吸入ばく露 (6時間/日、5日/週) した結果、25 ppm以上 (ガイダンス値換算: 0.06 mg/L、区分1の範囲) で気管支周囲のリンパ球性炎症、鼻及び嗅上皮の萎縮・化生が、50 ppm (ガイダンス値換算: 0.12 mg/L、区分1の範囲) 以上でLDH活性増加が、100 ppm (ガイダンス値換算: 0.23 mg/L、区分2の範囲) で体重減少、呼吸数減少及び分時呼吸量の減少、中等度の化膿性鼻炎、鼻及び嗅上皮の慢性活動性炎症、上皮の潰瘍、壊死、萎縮、化生、小気道及び細気管支に及ぶ気管支の萎縮、剥離、変性、気管支周囲のリンパ球性炎症がみられた (ACGIH (7th, 2012)、PATTY (6th, 2012))。 | ||||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | データなし | ||
水生環境有害性 (長期間) | データなし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2346 | |||
国連品名 | BUTANEDIONE | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | II | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 127 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)【4の3 その他の引火点0℃以上30℃未満のもの】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【482の2 2,3−ブタンジオン】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【482の2 2,3−ブタンジオン】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)【2 第一石油類非水溶性液体】 | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【5 第一石油類非水溶性液体】 | |||
航空法 | 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2346 ブタジオン】 | |||
船舶安全法 | 引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2346 ブタンジオン】 | |||
港則法 | その他の危険物・引火性液体類(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【2ロ ブタンジオン】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |