1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル=イソシアネート (3-Isocyanatomethyl-3,5,5-trimethylcyclohexyl isocyanate) | ||
製品コード | 23B5523 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 粉体塗料・水性塗料原料;ポリウレタン原料,ポリウレタン塗料・接着剤・表面処理剤原料 | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用 | |||
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用 | ||||
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:粉じん及びミスト) | 区分1 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | |||
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 | 区分2A | |||
呼吸器感作性 | 区分1 | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1(呼吸器系) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1(呼吸器系) | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分3 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分3 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、環境有害性については12項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 吸入すると生命に危険 | |||
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 | ||||
強い眼刺激 | ||||
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ | ||||
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | ||||
臓器の障害(呼吸器系) | ||||
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(呼吸器系) | ||||
長期継続的影響により水生生物に有害 | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | ||||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||||
環境への放出を避けること。 | ||||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
呼吸用保護具を着用すること。 | ||||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
直ちに医師に連絡すること。 | ||||
特別な処置が緊急に必要である。(このラベルの…を見よ。) | ||||
皮膚(又は髪)に付着した場合:汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | ||||
皮膚刺激又は発しんが生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | ||||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 | ||||
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||||
眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | ||||
直ちに医師に連絡すること。 | ||||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | ||||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
施錠して保管すること。 | ||||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル=イソシアネート | ||
別名 | イソホロンジイソシアネート、5-イソシアナート-1-(イソシアナートメチル)-1.3.3-トリメチルシクロヘキサン (Isophorone Diisocyanate、5-Isocyanato-1-(isocyanatomethyl)-1,3,3-trimethylcyclohexane) | ||
濃度又は濃度範囲 | 99-100% (w/w) | ||
分子式 (分子量) | C12H18N2O2 (222.29) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 4098-71-9 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (3)-2492 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (3)-2492 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | < 200 ppm 加水分解性塩素 < 400 ppm 全塩素 | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が緊急に必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
皮膚刺激又は発しんが生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
コップ1、2杯の水を飲ませる。 | |||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状 | 吸入 : 咳、咽頭痛、灼熱感。エーロゾルは気道を刺激する。反復または長期の吸入により、喘息を引き起こすことがある。 | ||
皮膚 : 発赤、痛み、重度の皮膚熱傷。皮膚に対して腐食性を示し、反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 | |||
眼 : 発赤、痛み。眼を重度に刺激する。 | |||
経口摂取 : 咽頭痛、灼熱感、腹痛。 | |||
応急措置をする者の保護 | データなし。 | ||
医師に対する特別注意事項 | データなし。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状水 | ||
特有の危険有害性 | 当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。 | ||
当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、シアン化水素や窒素酸化物系のガスなどの有毒で腐食性のフュームが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 | |||
可燃性。加熱すると、破裂の危険を伴う圧力上昇が起こる。 | |||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 | ||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
関係者以外は安全な場所に退去させる。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスク・自給式呼吸器付化学保護衣など)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | この物質を環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。大量の水で洗い流す。 | ||
多量の場合、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなどに回収する。 | |||
水と触れさせてはならない。乾燥砂などを用い、又は真空で吸い取るなどして、できるだけ完全に空容器に回収する。 | |||
漏れた液をふた付きの容器に集める。 | |||
残留液を希アンモニア水で処理する。 | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
あらゆる接触を避ける! | |||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
顔面シールド眼用保護具と呼吸用保護具の併用。 | |||
火気厳禁 | |||
密閉系。 | |||
20℃噴霧した際に、気化して空気が汚染されてやや急速に有害濃度に達することがある。 | |||
この物質により喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと。 | |||
許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。 | |||
衛生対策 | 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
火気厳禁 | |||
塩基、酸、アルコール類、アミン類、アミド類、フェノール類、メルカプタン類から離しておく。 | |||
涼しい場所。 | |||
乾燥。 | |||
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | |||
容器包装材料 | データなし。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2010年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2011年版) | TWA:0.005ppm 0.045mg/m3 | ||
STEL:- | |||
設備対策 | 蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 呼吸器用保護具(自給式呼吸器付化学保護衣)を着用すること。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
顔面シールド眼用保護具と呼吸用保護具の併用。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護手袋、保護衣(自給式呼吸器付化学保護衣)を着用すること。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 (IMDG (2010)) | ||
色 | 無色または黄色味を帯びている (IMDG (2010)) | ||
臭い | 鋭い、刺すようなにおい (ホンメル (1996)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし。 | ||
pH | データなし。 | ||
融点・凝固点 | -60℃ (HSDB (2009)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 158℃ (1.3kPa) (Ullmanns(E)(6th,2003)) | ||
引火点 | 155℃ (CC)(ICSC (2008)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし。 | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | 0.7〜4.5 vol%(空気中) (ICSC(J) (2008)) | ||
蒸気圧 | 0.0003Torr(20℃) (HSDB (2009)) | ||
蒸気密度 | 1.0 (20℃, 空気=1) (ICSC(J) (2008)) | ||
比重(相対密度) | 1.056 (HSDB (2009)) | ||
溶解度 | 水:15 mg/l 、反応する (ICSC(J) (2008)) | ||
エステル、ケトン、エーテル、芳香族及び脂肪族炭化水素と完全に混和する。 (HSDB (2009)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | log pow: 4.75 (計算値) (ICSC(J) (2008)) | ||
自然発火温度 | 430℃ (ICSC (2008)) | ||
分解温度 | データなし。 | ||
粘度(粘性率) | データなし。 | ||
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 可燃性。 | ||
燃焼すると分解し、シアン化水素や窒素酸化物を含む有毒で腐食性のフュームを生じる。酸、アルコール、アミン、塩基、アミド、フェノール、メルカプタンと激しく反応し、中毒、火災や爆発の危険をもたらす。プラスチックやゴムを侵す。 | |||
安定性 | 強熱されると空気と有毒な爆発性混合気を生成し爆発性となる。 | ||
加熱すると、破裂の危険を伴う圧力上昇が起こる。 | |||
加温、強塩基や金属化合物の影響下で重合することがある。 | |||
危険有害反応可能性 | 水、アルコール類、酸、塩基、アミン類、アミド類、メルカプタン類と激しく反応し、発熱と有毒なガスを生成する。 | ||
強塩基、金属酸化物の存在下で加温すると重合することがある。 | |||
避けるべき条件 | 加熱。 | ||
混触危険物質 | 水、アルコール類、酸、塩基、アミン類、アミド類、メルカプタン類. | ||
危険有害な分解生成物 | 加熱分解により窒素酸化物、一酸化炭素、ニ酸化炭素、イソシアン化水素を生じる。 | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値[4814 mg/kg、5490 mg/kg、>2645 mg/kg(以上SIDS (2006))、4825 mg/kg(環境省リスク評価第3巻 (2004))]。GHS分類:区分外(国連GHS分類基準:区分5または区分外)。 | ||
経皮 | ラットのLD50値は >7000 mg/kg [OECD TG 402](SIDS (2006))。GHS分類:区分外。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:粉じん及びミスト | ラットのLC50値(ミスト)は0.04 mg/L/4hおよび0.031 mg/L/4h [OECD TG 403; GLP](SIDS (2006))。GHS分類:区分1。 | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | ウサギの皮膚に試験物質原液0.5 mLを4時間の閉塞(または半閉塞)適用した3件の試験(いずれもOECD TG 404)において、皮膚一次刺激指数(PDII)はそれぞれ6.87、4.5および3.71であり、いずれも腐食性あり(corrosive)との評価(SIDS (2006))。GHS分類:区分1。なお、EU分類はR36/37/38(EC-JRC (ESIS) (Access on Sept. 2011))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギの眼に試験物質原液0.1 mLを適用した試験(OECD TG 405)で、腐食性あり(corrosive)との結果(SIDS (2006))であったが、刺激指数(AOIに相当)は36.4(/110)であることから、刺激指数に基づき区分2Aとした。なお、別のウサギの試験(OECD TG 405)で、刺激指数(AOIに相当)9.96(/110)で刺激性なし。(not irritating)との報告もあるが、この試験では1時間および24時間後に眼に滲出液が観察され、適用10日後に眼周囲の脱毛と眼瞼の肥厚に関連する痂皮形成が全例に認められたが、これら所見はスコアに反映されていないと述べられている(SIDS (2006))。その結果を踏まえ、SIDS(2006)では本物質の総合評価として眼に対して強い刺激性ありと結論付けている(SIDS (2006))。GHS分類:区分2A | ||
呼吸器感作性 | ヒトで職業ばく露により重度の喘息を発症し、気管支吸入試験で本物質に対して反応を示し、呼吸器過敏症となった症例が報告されている(環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIDS (2006))。また、本物質は呼吸器感作性物質として、日本職業・環境アレルギー学会(ALGY学会(感)物質リスト)、ドイツ学術振興会(DFG)(MAK/BAT (2010))、米国産業衛生専門家会議(ACGIH (2001))でそれぞれリストアップされ、さらにEUではR42/43(EC-JRC (ESIS) (Access on Sept. 2011))に分類されている。GHS分類:区分1。 | ||
皮膚感作性 | モルモットのマキシマイゼーション法による2件の試験(OECD TG 406)において、各試験の陽性率は75%(15/20)および95%(19/20)でいずれも感作性あり(sensitizing)との結果(SIDS (2006))、さらにモルモットを用いたビューラー法による試験においても陽性率はそれぞれ75%(15/20)および95%(19/20)でいずれも感作性あり(sensitizing)(SIDS (2006))。一方、ヒトでもばく露後に皮膚の異常が見られ、パッチテストで本物質に陽性反応を示した複数の事例(環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIDS (2006))が報告あり。GHS分類:区分1。 | ||
生殖細胞変異原性 | マウスの吸入投与による赤血球を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性結果(SIDS (2006))。GHS分類:区分外。なお、in vitro試験においては、エームス試験で陰性(SIDS (2006)、NTP DB Study ID 225422 (1982))、チャイニーズハムスターの卵巣細胞を用いた染色体異常試験で陽性の結果(SIDS (2006))の報告あり。 | ||
発がん性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
生殖毒性 | ラットを用い妊娠6〜19日に吸入ばく露による発生毒性試験において、高用量群で体重増加抑制と摂餌量低下、気道に対する影響など母動物の一般毒性が観察され、一方、発生毒性としては同用量で仔の体重低下、精巣下降遅延、骨化遅延が認められたのみで、催奇形性を含むその他の影響は見出されなかった(SIDS (2006))。子の発生に対する悪影響はないが、性機能および生殖能に及ぼす影響については不明であり、データ不十分のためGHS分類はできない。GHS分類:分類できない | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ラットに吸入ばく露(ミスト)により、0.020 mg/L/4h以上で呼吸窮迫症状(頻呼吸、徐呼吸、喘鳴)が見られ、0.533 mg/L/4hで10匹中6匹が死亡した。死亡例の剖検では肺に軽度の虚脱と局所性の褪色が散発的に見られ、鼻周囲に赤味がかった痂皮形成、鼻粘膜に赤色化、胸腔に液体の貯留、肺に虚脱気味の肺気腫が観察された(SIDS (2006))。また、マウスに吸入ばく露(ミスト)により0.005 mg/L/6h(4時間換算:0.0075 mg/L)以上で徐呼吸、努力呼吸、喘鳴が見られた(SIDS (2006))。以上の所見はガイダンス値範囲区分1に相当する濃度で認められている。GHS分類:区分1(呼吸器系)。なお、ヒトボランティアに1〜5分間ばく露した試験の0.00137 mg/Lの濃度で気道への強い刺激性が報告されている(環境省リスク評価第3巻 (2004)。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ラットにおける4週間吸入曝露試験(蒸気)において、1.37 mg/m3/4h(6時間換算および90日換算:0.31 mg/m3/6h/day)の濃度で肺水腫が認められた(環境省リスク評価第3巻 (2004))。また、ラットに4週間吸入ばく露(蒸気)した別の試験(OECD TG 412; GLP)では、4 mg/m3/6h(90日換算:約1.3mg/m3/6h)で気道の刺激に加え、咽頭、気管および肺に影響が見られ、肺と気管については4週間の回復期間内に治癒したが、鼻腔、咽頭および喉頭の病変は一部の動物で軽微または軽度ながら持続した(SIDS (2006))。以上の所見はガイダンス値範囲区分1に相当する用量で認められている。GHS分類:区分1(呼吸器系)。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50 = 83.7 mg/L(IUCLID, 2000)から、区分3とした。GHS分類:区分3 | ||
水生環境有害性(長期間) | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(2週間の分解度試験において試験液中で変化し、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(難分解性(既存点検, 2000))及びその中間体(3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミンあるいは3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアナート)を生成(既存点検, 2002))、急性毒性区分3であることから、区分3とした。GHS分類:区分3 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない | ||
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 2290 | |||
国連品名 | イソホロンジイソシアネート | |||
国連危険有害性クラス | 6 | |||
容器等級 | III | |||
海洋汚染物質 | 該当しない。 | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 有害液体物質(X類物質) | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 156 | |||
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
航空法 | 毒物類・毒物 | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(X類物質) | |||
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |