化学品の名称 | シフェノトリン | ||
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化学品の英語名称 | Cyano(3-phenoxyphenyl)methyl 2,2-dimethyl-3-(2-methylprop-1-en-1-yl)cyclopropanecarboxylate | ||
製品コード | R05-B-027-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 殺虫剤 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | − | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(神経系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | H19.3.30、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | シフェノトリン | ||
慣用名又は別名 | シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル=2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロパ−1−エン−1−イル)シクロプロパンカルボキシラート | ||
英語名 | Cyano(3-phenoxyphenyl)methyl 2,2-dimethyl-3-(2-methylprop-1-en-1-yl)cyclopropanecarboxylate | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C24H25NO3 (375) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 39515-40-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-3863 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 4-(7)-1375 | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 気分が悪い時は、医師の診察/手当てを受けること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
眼に入った場合 | 情報なし | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。気分が悪い時は医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 皮膚:浮腫の可能性。 眼:痛み、流涙、充血。 経口摂取:上腹部痛、吐き気、嘔吐、頭痛、めまい、食欲不振、疲労感、胸部圧迫感、目のかすみ、知覚異常、動悸、粗い筋収縮、意識障害。重度の場合はけいれんや意識喪失。 以上、PubChem参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消火薬剤。 以上、PubChem参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、PubChem参照。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具を着用する。 以上、PubChem参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | ||
二次災害の防止策 | 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 以上、日化協発行ガイドライン参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管すること。 以上、GHS分類結果、PubChem参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法、毒劇法及び国際輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | - | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2023年版) | - | |||
ACGIH(2023年版) | - | |||
設備対策 | 情報なし | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 -作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 必要に応じて保護手袋を着用する。 以上、PubChem参照。 | |||
眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、顔面保護シールドを着用する。 以上、PubChem参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて化学防護服を着用する。 以上、PubChem参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 | ||
色 | 黄色 | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | データなし | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 154 ℃(Chapman (1995)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 808.8 cP(30℃)(Merck (2013)、HSDB in PubChem (2023)) | ||
溶解度 | 水: 0.01 mg/L(25℃)(HSDB in PubChem (2023)) ヘキサン: 4.84 g/100g(20℃)(HSDB in PubChem (2023)) メタノール: 9.27 g/100g(20℃)(HSDB in PubChem (2023)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 6.29(HSDB in PubChem (2023)) | ||
蒸気圧 | 0.0000009 mmHg(20℃)(HSDB in PubChem (2023)) 0.00000311 mmHg(30℃)(Merck (2013)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.083 (25/25℃)(Merck (2013)、HSDB in PubChem (2023)) 1.08 (25/4℃)(Chapman (1995)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 情報なし | ||
避けるべき条件 | 火気、加熱、高温、静電気、爆発性混合気の形成。 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:1,080 mg/kg(食安委 動物医薬品評価書 (2023)) (2)ラット(雌)のLD50:1,250 mg/kg(食安委 動物医薬品評価書 (2023)) 【参考データ等】 (3)本物質は有機シアン化合物及びこれを含有する製剤として劇物に指定されている(毒物および劇物取締法) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50(コーン油):> 2,000 mg/kg(食安委 動物医薬品評価書 (2023)) (2)ラット(雌)のLD50(コーン油):> 2,000 mg/kg(食安委 動物医薬品評価書 (2023)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、新たな情報に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【参考データ等】 (1)d-T80-シフェノトリンのラットのLC50 :> 1.85 mg/L(食安委 動物医薬品評価書 (2023)) (2)d-T80-シフェノトリンは、d・d-T-シフェノトリン(本物質)の主成分である(1R) -トランス-S体を、異性体成分比としてd・d-T-シフェノトリンのおよそ半分程度、またd・d-T-シフェノトリンと同様の複数の異性体を含有している。さらに、本物質(d・d-T-シフェノトリン)とd-T80-シフェノトリンは吸収、分布、排泄に差異がなく、生物学的同等性が証明されている(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(24時間適用、7日観察)において、皮膚刺激反応がみられなかったとの報告がある(食安委 動物用医薬品評価書 (2023))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、皮膚刺激性はみられないとの報告がある(ECHA BPC Opinion (2017))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=9)を用いた眼刺激性試験において、投与1時間後に一過性の結膜潮紅がみられたとの報告がある(食安委 動物用医薬品評価書 (2023))。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質はウサギの眼に軽微な刺激性を示すとの報告がある(ECHA BPC(2017))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)モルモットを用いた試験において皮膚反応はみられなかったとの報告がある(食安委 動物用医薬品評価書 (2023))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 本物質自体の試験データは存在しないが、(1)、(2)より、区分に該当しないとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)本物質を構成する異性体混合物であるd-T80シフェノトリンについて、in vivoではマウスの骨髄細胞を用いた小核試験(単回腹腔内投与、最大800 mg/kg)で陰性の報告がある(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (2)d-T80シフェノトリンについて、in vitroでは細菌を用いた復帰突然変異試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陰性(S9+/-)の報告がある(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、d-T80-シフェノトリンの発がん性は陰性と判断される。(3)より、本物質とd-T80-シフェノトリンは生物学的に同様の性質を有すると示唆され、データはないが、本物質も発がん性を示さないと考えられることから、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)d-T80-シフェノトリンのマウスを用いた104週間混餌投与試験では、300 ppm以上の雄に腎臓の絶対・相対重量の低値、300 ppm以上の雄及び1,000 ppmの雌に腸間膜リンパ節のリンパ濾胞の過形成が認められたが、被験物質投与に関連すると考えられる腫瘍性病変は認められなかった(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (2)d-T80-シフェノトリンのラットを用いた104週間混餌投与による慢性毒性・発がん性併合試験では、最高用量の1,000 ppmで雌に体重増加抑制(78週目まで)と摂餌量の軽度低値がみられただけで、雌雄とも病理組織学的検査では1,000 ppmまで非腫瘍性病変も腫瘍性病変も認められなかった(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (3)d-T80-シフェノトリンは、d・d-T-シフェノトリン(本物質)の主成分である(1R) -トランス-S体を、異性体成分比としてd・d-T-シフェノトリンのおよそ半分程度、またd・d-T-シフェノトリンと同様の複数の異性体を含有している。さらに、本物質(d・d-T-シフェノトリン)とd-T80-シフェノトリンは吸収、分布、排泄に差異がなく、生物学的同等性が証明されている(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 【参考データ等】 (4)国内外の評価機関による既存分類では、EPAでNL(Not Likely to be Carcinogenic to Humans)の分類がある(EPA OPP Annual Cancer Report (2022))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、d-T80-シフェノトリンは生殖毒性を示さないと考えられる。(6)より、本物質とd-T80-シフェノトリンは生物学的に同様の性質を有すると示唆されることから、データはないが本物質も生殖毒性を示さないと考えられ、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)d-T80-シフェノトリンのラットを用いた混餌投与(100〜1,000 ppm)による二世代生殖毒性試験において、F0及びF1親動物に一般毒性影響(F0、F1雌:体重増加抑制、F1雌雄:死亡(各1/24例))がみられる最高用量の1,000 ppmまで、F0及びF1親動物の生殖能、F1及びF2児動物の発生・発育に有害影響は認められなかった(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (2)d-T80-シフェノトリンの雌雄ラットを用いた皮下投与による妊娠前及び妊娠初期投与試験(雄:交前53日前〜交配期間終了まで、雌:交配18日前〜妊娠7日まで)では、雌雄親動物に著しい全身毒性(死亡:雄9/22例、雌1/22例、雌雄:刺激に対する過敏反応、痙攣、体重増加抑制、摂餌量低値など)がみられる最高用量の500 mg/kg/dayまで、親動物の受胎能、母動物の帝王切開所見、及び胎児に異常は認められなかった(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (3)d-T80-シフェノトリンの妊娠ラットを用いた皮下投与による器官形成期投与試験(妊娠7〜17日)では、P母動物に著しい全身毒性(死亡2例、体重増加抑制、臓器重量変動)がみられた最高用量の500 mg/kg/dayで、F1児動物に生後4日生存率の軽度低下(94.7% vs 対照群98.7%)がみられた。成育後のF1親動物には500 mg/kg/dayまで一般毒性/生殖毒性影響は検出されず、F2児動物の生後4日までの生存、成長への有害影響も認められなかった(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (4)d-T80-シフェノトリンの妊娠ラットを用いた皮下投与による周産期及び授乳期投与試験(妊娠17〜分娩後21日(離乳)まで)では、最高用量の500 mg/kg/dayでP母動物の1/25例に一過性の全身痙攣、F1児動物の生後4日生存率の低下(82.6% vs 対照群96.6%)及び生後21日の離乳率の低下(81.7% vs 対照群96.9%)が認められた。しかし、F1親動物には500 mg/kg/dayまで全身毒性、生殖毒性とも認められず、F2児動物の発生及び生後4日までの生存、成長への有害影響はみられなかった(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (5)d-T80-シフェノトリンの妊娠ウサギを用いた皮下投与による器官形成期投与試験(妊娠6〜18日)において、母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量の低値)がみられた125 mg/kg/dayで、胎児に外表異常がみられたが、再現性を検討した2つ目の同様の器官形成期投与試験で外表異常はみられず、母動物毒性(体重増加抑制)の発現用量(125 mg/kg/day)まで発生影響は生じないと結論された(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (6)d-T80-シフェノトリンは、d・d-T-シフェノトリン(本物質)の主成分である(1R) -トランス-S体を、異性体成分比としてd・d-T-シフェノトリンのおよそ半分程度、またd・d-T-シフェノトリンと同様の複数の異性体を含有している。さらに、本物質(d・d-T-シフェノトリン)とd-T80-シフェノトリンは吸収、分布、排泄に差異がなく、生物学的同等性が証明されている(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)より、区分1(神経系)とした。なお、新たな情報に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた急性神経毒性試験において、100 mg/kg(区分1の範囲)で振戦、FOB観察における神経症状(立ち上がり行動減少、運動障害、歩様異常、刺激(接触・テールピンチ・嗅覚)に対する反応性消失、異常驚愕反応など)、平坦姿勢(雌)がみられたとの報告がある(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 【参考データ等】 (2)マウスを用いた単回経口投与試験において、LD50は雄で140 mg/kg、雌で110 mg/kgとされており、投与量は不明であるが神経症状(自発運動減少、振戦、失調性歩行、呼吸不規則、流涎等)がみられたとの報告がある(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、d-T80-シフェノトリンは区分1の用量から神経毒性症状がみられる。(3)より本物質とd-T80-シフェノトリンは生物学的に同様の性質を有すると示唆されることから、データはないが本物質も神経毒性を示すと考えられ、区分1(神経系)とした。新たな情報源を利用し分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)d-T80-シフェノトリンのイヌを用いた4週間カプセル経口投与試験では、10 mg/kg/day(90日換算:3.1 mg/kg/day)以上で神経症状(雌雄:散瞳、各種反射低下、雄:流涎、振戦、雌:運動失調、眼瞼痙攣など)がみられ、100 mg/kg/day(同31.1 mg/kg/day)以上で雌雄に切迫殺、振戦、嘔吐、強直歩様、眼瞼痙攣などがみられた(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (2)d-T80-シフェノトリンのイヌを用いた13週間カプセル経口投与試験では、10 mg/kg/day以上の雌雄に嘔吐、30 mg/kg/dayで振戦、口腔粘膜/結膜の蒼白化/赤色化が認められた。また、同物質のイヌを用いた52週間慢性経口(カプセル)投与試験でも10 mg/kg/day以上で雌に口腔粘膜の赤色化、嘔吐、30 mg/kg/day以上で雌雄に振戦、自発運動減少、口腔粘膜、結膜の赤色化又は蒼白化等、60 mg/kg/dayで痙攣、起立不能、下痢、流涎等が認められた(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (3)d-T80-シフェノトリンは、d・d-T-シフェノトリン(本物質)の主成分である(1R) -トランス-S体を、異性体成分比としてd・d-T-シフェノトリンのおよそ半分程度、またd・d-T-シフェノトリンと同様の複数の異性体を含有している。さらに、本物質(d・d-T-シフェノトリン)とd-T80-シフェノトリンは吸収、分布、排泄に差異がなく、生物学的同等性が証明されている(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 【参考データ等】 (4)本物質(d・d-T-シフェノトリン)のラットを用いた5週間混餌投与試験では、1,000 ppm(雄/雌:106.6/118.4 mg/kg/day、90日換算:41.5/46.0 mg/kg/day:区分2)で、体重増加抑制又は抑制傾向とともに雌雄に振戦がみられた。同時に試験されたd-T80-シフェノトリンの2,000 ppm群で雌雄とも体重増抑制と振戦がみられた。本物質(d・d-T-シフェノトリン)の1,000 ppm(90日換算用量(雄/雌):41.5/46.0 mg/kg/day:区分2)と2倍量(2,000 ppm)のd-T80-シフェノトリンでみられた影響(振戦、体重増加抑制)は質的に同等と本書では述べられている。(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (5)d-T80-シフェノトリンのラットを用いた13週間混餌投与試験では、区分2範囲の1,000 ppm(雄/雌:68.3/87.9 mg/kg/day)以上で雌雄に過敏、振戦、立毛など、2,000 ppmでは後肢外側変位、流涎、尾の異常(潰瘍、壊死、蜂巣炎、出血等)がみられ、死亡例が多発した(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 (6)d-T80-シフェノトリンのマウスを用いた13週間混餌投与試験では、区分2超の1,000 ppm(雄/雌:172.6/223.9 mg/kg/day)以上で過敏(雌雄)、尾の痙攣(雌)、2,000 ppmでは尾の痙攣・振戦(雄)がみられ、雌雄に死亡例が発生した(食安委 動物医薬品評価書 (2023))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 魚類(ニジマス)の96時間LC50=0.34ppb(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=6.62(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3082 | |||
品名(国連輸送名) | 環境有害物質(液体)、n.o.s. | |||
国連分類 | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和8年4月1日以降) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和8年4月1日以降) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(令和8年4月1日以降) 作業場内表示義務(法第101条の4)(令和8年4月1日以降) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条) | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 | ||||
修正履歴 | ||||
R6.3.29: ・危険有害性の分類について物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。 ・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。 |