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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
ナトリウム=1−オキソ−1λ(5)−ピリジン−2−チオラート
作成日 2022年03月15日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称ナトリウム=1−オキソ−1λ(5)−ピリジン−2−チオラート
化学品の英語名称2-Mercaptopyridine-N-oxide, sodium salt
製品コードR03-S-005-MHLW
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限防菌・防カビ・防藻剤 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
急性毒性(経皮)区分4
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)区分3
皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2
皮膚感作性区分1
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分1(神経系)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1(神経系)
分類実施日
(環境有害性)
ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分1
水生環境有害性 長期(慢性)区分2
GHSラベル要素
絵表示どくろ健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合は有害
皮膚刺激
強い眼刺激
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
神経系の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響により水生生物に毒性
注意書き
 安全対策粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
口をすすぐこと。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
漏出物を回収すること。
 保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名ナトリウム=1−オキソ−1λ(5)−ピリジン−2−チオラート
慣用名又は別名2−メルカプトピリジン−N−オキサイドナトリウム塩
ソジウムピリチオン
英語名2-Mercaptopyridine-N-oxide, sodium salt
Sodium pyrithione
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C5H4NNaOS (149.14613)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号3811-73-2
官報公示整理番号(化審法)9-1473
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
皮膚に付着した場合多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
気分が悪いときは医師に連絡すること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災:粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消火剤、散水
使ってはならない消火剤棒状注水
火災時の特有の危険有害性可燃性。
火災の場合、有害物質(窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素、金属酸化物ヒューム)が放出される可能性がある。
特有の消火方法安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。
消火水をせき止め、後で廃棄する。
消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。
容器内に水を入れてはいけない。
消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。
安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。
火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。
密閉型防護服を着用する。
防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置適切な呼吸器用保護具を着用する。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
製造者により特に推奨された耐薬品用保護衣を着用する(火災の危険性がない時)。
すべての着火源をすぐ近くから取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
適切な防護衣を着けていないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。
必要により、風下に適切な隔離距離をとる。
環境に対する注意事項環境汚染を引き起こすおそれがある。
漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材危険でなければ、漏れを止める。
排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。
乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。
容器内に水をいれてはいけない。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
安全な容器包装材料情報なし

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度等
日本産衛学会(2021年版)未設定
ACGIH(2022年版)未設定
設備対策取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
作業場では全体換気を行う。
設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。
保護具
呼吸用保護具作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
-防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色
臭い悪臭
融点/凝固点加熱分解する(GESTIS(2022))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性可燃性(GESTIS(2022))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点データなし
自然発火点データなし
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 646.6 g/l(20℃)(GESTIS(2022))
n-オクタノール/水分配係数Log Kow: -0.24(GESTIS(2022))
蒸気圧データなし
密度及び/又は相対密度データなし
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性可燃性。吸湿性。加熱分解する。
避けるべき条件情報なし
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1)〜(5)より、区分4とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:1000〜2000 mg/kg(DFG MAK (2019))
(2)ラット(雌)のLD50:1208 mg/kg(DFG MAK (2019)、NICNAS IMAP (2017))
(3)ラットのLD50:660〜900 mg/kg(NICNAS IMAP (2017))
(4)ラットのLD50:980〜1120 mg/kg(NICNAS IMAP (2017))
(5)ラットのLD50:1500 mg/kg(NICNAS IMAP (2017))
経皮【分類根拠】
(1)、(2)より、ラットでは区分に該当しない。(3)より、ウサギでは区分4に該当する。よって有害性の高い区分を採用し、区分4とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:> 2000 mg/kg(NICNAS IMAP (2017))
(2)ラットのLD50:2500 mg/kg(NICNAS IMAP (2017))
(3)ウサギのLD50:1800 mg/kg(NICNAS IMAP (2017))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
(1)より、区分3とした。なお、分類にはOECD TG403(GLP準拠)に従って実施された試験である(1)を優先して採用した。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間)(OECD TG403、GLP):0.5〜1.0 mg/Lの間(EU CLH提案文書(2019))

【参考データ等】
(2)ラット(雄)のLC50(4時間):1.3 mg/L((NICNAS IMAP (2017)、DFG MAK (2019))
(3)ラット(雌)のLC50(4時間):0.8 mg/L((NICNAS IMAP (2017)、DFG MAK (2019))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2とした。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、14日観察)において、重度の浮腫がみられた(紅斑・痂皮スコア:0/3.3/2.3、浮腫スコア:0/4/1)との報告がある(CLH report (2019)、DFG MAK (2019)、NICNAS IMAP (2017)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(2)健常人ボランティアに対して本物質1〜2%水溶液を頬、首、手の背面に1滴滴下したところ、10〜60%の被験者に回復性の刺激反応(熱感、紅斑)がみられたとの報告がある(NICNAS IMAP (2017))。

【参考データ等】
(3)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、軽微な皮膚刺激がみられた(紅斑・痂皮スコア:1/1/1、浮腫スコア:0.3/0.3/0.3)との報告がある(CLH report (2019)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(4)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、4時間適用、72時間観察)において、軽微な皮膚刺激がみられた(紅斑・痂皮スコア:0.7/0.7/0/0.3/0.7/1.7、浮腫スコア:0/0/0/0/0.3/0.7)との報告がある(CLH report (2019))。
(5)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、4時間適用、72時間観察)において、軽微な皮膚刺激がみられた(紅斑・痂皮スコア:0/0.3/0.3、浮腫スコア:0/0/0.3)との報告がある(CLH report (2019))。
(6)In vitro 皮膚刺激性試験(OECD TG 439、GLP)において細胞生存率R=114%との報告がある(CLH report (2019))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)より、区分2とした。なお、(2)〜(7)は区分に該当しないことを示唆しているが、(1)の他(2)(3)でも死亡例が報告されており、労働者保護の観点から区分2を付与することとした。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、14日観察)において、2日目に3例が死亡した。回復性の虹彩炎及び回復性の結膜刺激が6例全例にみられた(角膜混濁スコア:-/0/0/0/0/0、虹彩炎スコア:-/0/0/1/0/0、結膜発赤スコア:-/2/3/2/1.7/2、結膜浮腫スコア:-/0/0.3/1/0.3/0.7)との報告がある(CLH report (2019)、NICNAS IMAP (2017))。

【参考データ等】
(2)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(EPA OPP 81-4)において、4例が24時間以内に死亡した。角膜混濁は1時間後以降全例にみられず、生存例では試験期間中を通してみられなかった。虹彩炎は1時間後に4/6例でみられたが(平均スコア:1)、24時間後まで影響がみられた生存1例ではその後回復した。結膜病変は雄では72時間後まで(発赤及び浮腫の24/48/72hの各平均スコア:1.67)、雌では24時間後まで(24/48/72hの平均スコア:1)みられた。生存例では、眼刺激影響は7日後には消失していたとの報告がある(CLH report (2019)、NICNAS IMAP (2017))。
(3)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、2日目に2例が死亡した。回復性の角膜混濁が1例、回復性の虹彩炎が2例に、また回復性のある結膜刺激が全例にみられた(角膜混濁スコア:0/0.3/0/0/0/0、虹彩炎スコア:1/0/0/1/0/0、結膜発赤スコア:2/0/0/1/0/0.3、結膜浮腫スコア:1/0/0/0/0/0)との報告がある(CLH report (2019)、NICNAS IMAP (2017))。
(4)サル(n=3)を用いた眼刺激性試験(EPA OPP 81-4、GLP、7日観察)において、結膜刺激が2例にみられたが、7日以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:1/1.3/0、結膜浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(CLH report (2019)、NICNAS IMAP (2017))。
(5)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、7日観察)において、結膜刺激が3例にみられたが、7日以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:1.7/1.7/1.7、結膜浮腫スコア:1/0.7/0.3)との報告がある(CLH report (2019))。
(6)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、7日観察)において、結膜刺激が3例にみられたが、2日以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0/、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:0/0.3/0.3、結膜浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(CLH report (2019))。
(7)In vitro 眼刺激性試験(OECD TG 437)において、in vitro 刺激性スコア(IVIS)=0.8との報告がある(CLH report (2019))。
(8)EU CLHでは(1)を根拠に区分2が提案されている(CLH repot (2019))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1とした。なお、(2)は区分1Aを支持し、(1)は区分1Bを支持するが、(2)は細胞操作中のエラーにより最高用量(25%)のSI値を欠損していることから、現状得られているデータでは細区分のための情報は十分ではないと判断した。

【根拠データ】
(1)マウス(n=5)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は1.0(5%)、1.8(10%)、2.5(15%)、7.2(25%)、EC3値は16%と算出されたとの報告がある(CLH Report (2019))。
(2)マウス(n=4)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429相当、GLP)において、刺激指数(SI値)は1.6(0.25%)、4.6(2.5%)、EC3値は1.3%と算出されたとの報告がある(CLH Report (2019))。

【参考データ等】
(3)手又は前腕に皮膚炎のある金属工業労働者230名に対する本物質1%溶液を用いたパッチテストにおいて、感作反応はみられなかったとの報告がある(DFG MAK (1998)、NICNAS IMAP (2017))。
(4)冶金工業で10年間作業をしていた女性作業者1名に対する本物質0.3%溶液を用いたパッチテストにおいて、48、72、96時間後に明らかな陽性反応が認められたが、同じ溶液を用いてボランティア(10名)に対してパッチテストを行ったところ、感作反応はみられなかったとの報告がある(DFG MAK (1998)、NICNAS IMAP (2017))。
(5)健康成人男子100名に対する本物質1%溶液を用いたパッチテスト(上腕部、閉塞、24時間適用、30日間で15回塗布)で感作を誘導し、2週間後に惹起(0.5%溶液、閉塞、24時間)させたところ、パッチ除去後24、48時間後に感作反応はみられなかったとの報告がある(DFG MAK (1998)、NICNAS IMAP (2017))。
(6)過去に本物質を含む金属加工油に接触し手に皮膚炎を発症している作業者115名に対する本物質0.1%溶液を用いたパッチテスト(閉塞、48時間適用)において、48及び96時間後に感作反応はみられなかったとの報告がある(DFG MAK (1998)、NICNAS IMAP (2017))。
(7)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(皮内投与:5%溶液)において、経皮適用による感作誘導期に適用後4例が死亡した。惹起終了後24及び48時間後の陽性率はいずれも0%(試験群0/16例 vs 対照群1/10例(極軽度の紅斑)) であったとの報告がある(DFG MAK (1998))。
(8)モルモットを用いたMaximisation試験において、皮膚刺激性のみられる用量レベルまで感作性はみられなかったとの報告がある(EPA Pesticide RED (1995))。
(9)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406)において、感作誘導期に軽度から重度の紅斑がみられた。惹起後24及び48時間後の陽性率はそれぞれ20%(2/10例)及び30%(3/10例)であった。との報告がある(CLH Report (2019)、DFG MAK (1998)、NICNAS IMAP (2017))。
(10)EU CLHでは、(2)から区分1Aが示唆されるが、低いEC3値を支持する情報が十分ではないため、区分1が提案されている(CLH Report (2019))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)〜(5)のデータから、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) マウス骨髄小核試験(単回強制経口投与および単回腹腔内投与)においてそれぞれ陰性の報告がある(NICNAS IMAP(2017))。
(2)細菌を用いた復帰突然変異試験において陰性の報告がある(NICNAS IMAP(2017))。
(3)ほ乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験において陰性の報告がある(NICNAS IMAP(2017))。
(4)ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験において陽性の報告がある(NICNAS IMAP(2017))。
(5) In vitroのラット初代肝細胞を用いたUDS試験において陰性の報告がある(NICNAS IMAP(2017))。
発がん性【分類結果】
(1)〜(3)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)SDラットの104週間強制経口投与慢性毒性/がん原性併合試験(OECD TG 453, GLP)で、1.5 mg/kg以上:全身毒性(骨格筋の消耗、坐骨神経・網膜の萎縮、脊髄の変性)の最高投与群まで、投与に関連した腫瘍性変化なしとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、NICNAS IMAP(2017)、DFG MAK(2019))。
(2)SDラットの104週間強制経口投与慢性毒性/がん原性併合試験(OECD TG 453, GLP)で、1.4 mg/kg以上:全身毒性(骨格筋及び神経の変性など)の最高投与群まで、投与に関連した腫瘍性変化なしとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、NICNAS IMAP(2017)、DFG MAK(2019))。
(3)CD-1マウスの80週間経皮発がん性試験(OECD TG 451, GLP)で、40 mg/kgの投与で表皮の過形成の頻度増加がみられ最高投与群まで、投与に関連した腫瘍性変化なしとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、NICNAS IMAP(2017)、DFG MAK(2019))。

【参考データ等】
(4)EU CLPでは区分に該当しない。
生殖毒性【分類根拠】
(1)〜(4)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)(純度40.8%)ラットを用いた強制経口投与による二世代生殖毒性試験(交配10週間前から試験終了前日まで)において、1.4 mg/kg/day以上でF0、F1親動物に子宮重量増加、腎臓重量増加(雌)、F2児動物には出生児体重の減少、停留精巣がみられたとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、NICNAS IMAP (2017)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。なお、F0親動物の生殖能力低下については、精子パラメータへの影響がみられていないことから、毒性学的な関連性は評価できないとの報告がある(DFG MAK (2019))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による二世代生殖毒性試験(交配前11週間及び分娩後25日まで)において、3.5 mg/kgでF0親動物に体重増加抑制、後肢の筋肉萎縮、交尾成立までの時間の増加と交尾及び妊娠成立動物数の減少、F1児動物に児動物数の減少傾向(非有意)、発育指標の遅延傾向(非有意)、体重増加抑制、後肢の筋肉萎縮がみられたとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、NICNAS IMAP (2017))。
(3)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠6〜19日)において、4 mg/kg/dayで親動物に体重減少、摂餌量減少、自発運動低下、衰弱及び子宮重量減少がみられたが、児動物には軽微な影響(胎児体重の低値及び骨化遅延)のみがみられたとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、NICNAS IMAP (2017))。
(4)ウサギを用いた経皮投与による発生毒性試験(妊娠6〜19日)において、5 mg/kg/dayで発生毒性がみられなかったとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、NICNAS IMAP (2017))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)、(3)より、振戦、後肢機能障害がみられており、区分1(神経系)とした。(1)〜(3)の一部症状(嗜眠、流涎、瞳孔拡張など)もこれを支持する所見と考えた。また、(3)はLC50値より区分1の範囲と考えられるため、区分1(神経系)とした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた複数の単回経口投与試験において、運動失調、円背姿勢、嗜眠、振戦、流涎、流涙、下痢、筋緊張度の変化、立毛及び努力呼吸の非致死影響がみられたとの報告がある(NICNAS IMAP(2017))。
(2)ラットを用いた複数の単回経皮ばく露試験において、嗜眠、鼻から分泌物、鼓張、下痢、眼瞼下垂、瞳孔拡張の非致死影響がみられたとの報告がある(NICNAS IMAP (2017))。
(3)ラットを用いた複数の単回吸入ばく露試験(粉塵)において、流涎、顔面・腹部・生殖器周囲の汚染、後肢の機能障害 (Hindlimb impairment)、衰弱、嗜眠、立毛、色素涙、眼瞼下垂、振戦、異常歩行及び黄斑紅斑の非致死影響が見られ、雌のLC50(4時間)は0.5〜1.0 mg/Lであったとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、DFG MAK (2019))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)、(2)、(4)、(5)より、ラットでは経口、経皮、吸入の各経路で区分1の用量から神経毒性とそれによる筋肉萎縮が認められたことから、区分1(神経系)とした。なお、(2)、(3)でみられている軽度の血液影響は標的臓器として採用しなかった。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による90日間経口投与試験において、2 mg/kg/day以上(区分1の範囲)で後肢の上部筋の萎縮が、8 mg/kg/day(区分1の範囲)では後肢の運動失調から麻痺を生じた例がみられたため切迫屠殺された。この試験で生じた後肢の骨格筋萎縮は神経原性萎縮(neurogenic atrophy)と考えられ、神経毒性の生じないNOELは0.5 mg/kg/dayと報告されている(NICNAS IMAP (2017)、EPA Pesticide RED (1995))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による2年間経口投与試験において、0.5 mg/kg/day以上(区分1の範囲)で血液影響(赤血球数・Hb・Ht減少)とCPK増加が、1.5 mg/kg/day以上(区分1の範囲)で雄に後肢の筋肉萎縮が、3.5 mg/kg/day以上(区分1の範囲)で後肢の筋肉萎縮、脊髄の神経線維の萎縮、雌雄に後肢の脆弱、坐骨神経の変性、網膜萎縮等がみられたとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、DFG MAK (2019)、NICNAS IMAP (2017))。
(3)カニクイザルを用いて52週間強制経口投与した試験において、血液影響として5 mg/kg/day以上(区分1の範囲)で赤血球数減少が、25 mg/kg/day(区分2の範囲)で雌雄にHb・Ht減少がみられたが、神経・骨格筋への影響は雄の150 mg/kg/day、雌の75 mg/kg/dayまでの用量で認められなかったとの報告がある(EU CLH提案文書(2019)、DFG MAK (2019))。
(4)ラットを用いて90日間経皮投与(6時間/日)した試験において、50 mg/kg/day群(区分2の範囲)(雌では15 mg/kg/day以上(区分1の範囲)の群)で肉眼的に筋肉の減少がみられ、病理組織検査で後肢の上部筋肉及び皮下の筋層の萎縮が50 mg/kg/day群で顕著に、15 mg/kg/day群でもより軽度に認められた。50 mg/kg/day群の雌では坐骨神経の変性が神経幹内の一本一本の神経線維にまで及んでいたとの報告がある(NICNAS IMAP (2017))。
(5)ラットを用いて90日間吸入ばく露(6時間/日、5日/週)した試験において、高用量群は3.8 mg/m3(0.004 mg/L)で暴露を開始し、6週間後に8.1 mg/m3(0.008 mg/L)に増加させた結果、雄には有害影響はみられなかった、雌には体重増加抑制、後肢の機能障害及び筋肉の変性がみられたとの報告がある(NICNAS IMAP (2017))。

【参考データ等】
(6)本物質の製造に2〜13年間従事した作業者男性9人に毒性症状がみられないとの報告がある(NICNAS IMAP (2017))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)魚類(ゼブラフィッシュ)96時間LC50 = 0.00767 mg/L(EU CLP CLH, 2019)であることから、区分1とした。
水生環境有害性 長期(慢性)慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(二酸化炭素生成量による分解度:73%(CLH Report, 2019))、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOEC = 0.033 mg/L(REACH登録情報, 2021)から、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(ゼブラフィッシュ)の96時間LC50 = 0.00767 mg/L(EU CLP CLH, 2019)であるが、急速分解性があり(二酸化炭素生成量による分解度:73%(CLH Report, 2019))、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow = 0.002(REACH登録情報, 2021))ことから区分に該当しないとなる。
以上の結果を比較し、区分2とした。
残留性・分解性化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号3077
品名(国連輸送名)環境に有害な物質、固体、n.o.s.
国連分類9
副次危険-
容器等級-
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策該当しない
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*171
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法該当しない
化審法優先評価化学物質(法第2条第5項)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(令和5年度分以降の対象)
毒物及び劇物取締法該当しない

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」