1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン (別名: ジチアノン) (Dithianon) | ||
製品コード | R02-B-072 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺菌剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
発がん性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系、呼吸器、腎臓) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2 (血液系、肝臓、腎臓) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 重篤な眼の損傷 吸入すると生命に危険 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 神経系、呼吸器、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、肝臓、腎臓の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 呼吸用保護具を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン | ||
別名 | ジチアノン | ||
5,10-ジヒドロ-5,10-ジオキソナフト[2,3-b]-1,4 -ジチイン-2,3-ジカルボニトリル | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C14H4N2O2S2 (296.32) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 3347-22-6 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 5-850 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 8-(6)-18 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 コップ1杯の水を飲ませる。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 小火災: 粉末消火剤、二酸化炭素、散水 大火災: 粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール性泡消火剤、散水 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
特有の危険有害性 | 情報なし | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 粉じんを発生させないようにする。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH (2020年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 褐色 | ||
臭い | 無臭 | ||
融点/凝固点 | 216℃ (分解を伴う) (農薬抄録 (2012)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 分解のため測定不能 (農薬抄録 (2012)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水: 0.14 mg/L (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) クロロホルム、アセトン、ベンゼン、メタノール及びジクロロメタンに可溶 (HSDB (Access on May 2020)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 2.84 (HSDB (Access on May 2020)) | ||
蒸気圧 | 2.03E-011 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.58 g/cm3 (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 分子中に窒素を含有しているため、火災等の場合は、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなど毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 分子中に窒素を含有しているため、火災等の場合は、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなど毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 雌: 約300 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)) (2) ラットのLD50: 雌: 472 mg/kg、雄: 541 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012)) (3) ラットのLD50: 雌: 492 mg/kg、雄: 528 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991)) (4) ラットのLD50: 638 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012)、GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) (5) ラットのLD50: 雌: 678 mg/kg、雄: 720 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012)) (6) ラットのLD50: 702 mg/kg (JMPR (2010)、農薬抄録 (2012)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012)、GESTIS (Access on May 2020)) (2) ラットのLD50: > 3,200 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分2とした。 なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (3.2E-010 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 雄: 0.280 mg/L、雌: 0.368 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018)) (2) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 雄: 0.31 mg/L、雌: 0.58 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012)) (3) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 0.33 mg/L (JMPR (2010)) (4) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 雄: 1.8 mg/L、雌: 2.4 mg/L (JMPR (2010)) (5) ラットのLC50 (4時間): 雄: 1.82 mg/L、雌: 2.36 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018)) (6) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 2.1 mg/L (JMPR (2010)、HSDB (Access on May 2020)) (7) 本物質の蒸気圧: 2.03E-011 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 3.2E-010 mg/L) | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 404に準拠した本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (4時間閉塞適用) で刺激性を示さない (農薬抄録 (2012))。 (2) 本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (4時間閉塞適用) で刺激性を示さない (JMPR (2010))。 (3) 本物質はウサギの皮膚に対しては刺激性を示さない (食安委 農薬評価書 (2018))。 (4) 本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (24時間閉塞適用) で刺激性を示さない (農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。 【参考データ等】 (5) 本物質は感受性の高い個人に対しては強い皮膚刺激性を示す可能性がある (HSDB (Access on May 2020))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1) より、区分1とした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜混濁、虹彩の充血、結膜の発赤及び浮腫が認められ、2/6例では反応が21日まで持続した (農薬抄録 (2012))。 【参考データ等】 (2) 本物質のウサギを用いた眼刺激性試験で、強い刺激性あるいは可逆性の刺激性を示すと報告されている (JMPR (2010))。 (3) 本物質はウサギの眼に対しては強度の刺激性を示す (食安委 農薬評価書 (2018))。 (4) ウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜混濁、虹彩の充血、結膜の発赤及び浮腫を示し、強い刺激性物質と判定された (農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。 (5) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on August 2020))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で軽度または強い感作性が認められた (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。 (2) 本物質のモルモットを用いた開放適用による皮膚感作性試験で感作性陽性と報告されている (農薬抄録 (2012))。 【参考データ等】 (3) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 1%) で、感作性あり (陽性率 15.8%) と報告されている (農薬抄録 (2012))。 (4) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で、感作性ありとする報告及び陰性とする報告がある (JMPR (2010))。 (5) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている(EU CLP分類 (Access on August 2020))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、ラットまたはマウスの経口投与による小核試験でそれぞれ陰性、ラット経口投与の染色体異常試験で陰性、ラット経口投与の不定期DNA合成試験で陰性 (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))。ラット経口投与の腎臓細胞を用いたコメットアッセイで陰性または曖昧な結果の報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果。哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陽性、遺伝子突然変異試験で陽性、陰性、あいまいな結果の報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) に基づき区分2とした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (suggestive evidence of carcinogenicity) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on August 2020):2006年分類) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雌で腎細胞腺腫の発生率の有意な増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。 (3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変の発生頻度増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2018))。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1) より、繁殖能への影響はみられていないが、(2)〜(5) より、母動物毒性用量で胎児に対する影響がみられていることから、区分2とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物毒性として体重増加抑制、摂餌量減少がみられる用量においても児動物に対する影響、繁殖能に対する影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2018))。 (2) 雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、胎児に着床後胚損失率の上昇、子宮内死亡数の増加及び着床数に対する生存胎児数の割合の低下が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。 (3) 雌マウスの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、胎児に骨化遅延、低体重及び胎盤重量減少が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。 (4) 雌ウサギの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少、流産(3例)) がみられ、早期吸収胚数の増加に起因する着床後胚損失率の上昇及び生存胎児数の減少、胎盤重量減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2018))。 (5) 雌ウサギの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、早期胚吸収数の増加、着床後胚損失率の上昇並びに胎盤重量の減少、胎児数の減少がみられている (食安委 農薬評価書 (2018))。 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。(1)〜(6) より区分1 (神経系、呼吸器、腎臓) とした。新たな情報の採用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットの経口投与試験で、30 mg/kg (区分1の範囲) で無関心、下痢、異常歩行、呼吸促迫、異常姿勢及びカタレプシーがみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018))。 (2) ラットの経口投与試験で、100 mg/kg (区分1の範囲) 以上で鎮静及び被毛汚れ、400 mg/kg (区分2の範囲) 以上で呼吸困難、円背位、下痢、削痩、1,000 mg/kg (区分2の範囲) 以上で運動失調、振戦及び色素涙がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018))。 (3) ラットの吸入ばく露試験で、3.584 mg/L (エアロゾル、区分2の範囲) までで鎮静、呼吸困難、立毛、血涙、腹臥位、円背位、削痩、死亡がみられ、死亡例では肺、気管支及び鼻からの泡沫排出、肺部分的暗色化、斑状暗赤色化及び機能不全がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012))。 (4) ラットの吸入ばく露試験で、0.25 mg/L (ダスト、区分1の範囲)〜1.26 mg/L (ダスト、区分2の範囲) で呼吸緩徐の後呼吸促進、異常呼吸音、うずくまり姿勢、立毛、無関心状態、死亡がみられ、死亡例では肺浮腫、全肺葉暗赤色化がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012))。 (5) ラットの経皮ばく露試験で、2,000 mg/kg (区分2の範囲) で被毛汚染、削痩、肺暗赤色病巣がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012))。 (6) ラットの7日間混餌投与試験で、600 ppm (60 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で近位尿細管上皮水腫性変性及びそれに続く腎尿細管上皮細胞の再生、腎尿細管上皮細胞におけるミトコンドリアの傷害がみられたとの報告がある。本物質の体内動態及び所見の程度に基づき、これらの所見は単回経口投与等により生じる可能性があると判断されている (食安委 農薬評価書 (2018))。 |
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 本物質のヒトでの反復ばく露に関する報告はない。実験動物では、区分2の用量で (1)〜(3) から血液系、肝臓、腎臓への影響がみられていることから区分2 (血液系、肝臓、腎臓) とした。慢性腎症の重篤化は雌では区分1の用量からみられたが、加齢性変化が重篤化したものであり、腎臓の分類根拠としては、(2) の90日間試験でみられた所見を採用した。新たな情報の追加により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットの2年間混餌投与試験では、120 ppm (6 mg/kg/day相当、区分1の範囲) 以上の雌で慢性腎症の重篤化、雄ではさらにγ-GTP及びグルコースの増加、600 ppm (平均検体摂取量として30 mg/kg、区分2の範囲) の雌雄で赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値及び平均赤血球容積の減少、血中尿素窒素の増加、雄ではさらに慢性腎症の重篤化、上皮小体過形成がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))。 (2) ラットの90日間混餌投与試験では、1,080 ppm (雄/雌: 86.7/99.5 mg/kg/day相当、いずれも区分2の範囲) で赤血球数、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の減少及び網状赤血球数の増加が雌雄にみられ、雌ではさらに腎及び副腎絶対重量増加並びに腎臓の水腫性変化及び尿細管上皮細胞の過形成がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))。 (3) イヌの2年間混餌投与試験では、400 ppm (雄/雌: 13.8/13.6 mg/kg/day相当、いずれも区分2の範囲) 以上で肝絶対重量の増加、肝細胞肥大、1,000 ppm (雄/雌: 35.7/27.7 mg/kg/day相当、いずれも区分2の範囲) で赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値の減少、血小板数の増加、ALP、総蛋白、β-グロブリンの増加、肝比重量増加、炎症性細胞浸潤並びに褐色色素 (リポフスチン) 沈着を伴う肝細胞肥大がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018))。 |
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誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
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* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 魚類 (コイ) の96時間LC50 = 59.6 μg/L (農薬登録申請資料 (2004)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 2.84 (PHYSPROP Database (2005)))、急速分解性がない (BODによる分解度: 0% (既存化学物質安全性点検データ)) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 特別管理産業廃棄物に該当する。 特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2811 | |||
国連品名 | TOXIC SOLID, ORGANIC, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | II | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 毒物及び劇物取締法、消防法、道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 毒物及び劇物取締法、消防法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | - | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【187 2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノン】 | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条)【10の5 2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノン及びこれを含有する製剤】 | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2811 その他の毒物(固体)(有機物) (他の危険性を有しないもの)(他に品名が明示されているものを除く。)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2811 その他の毒物(有機物)(固体)(他の危険性を有しないもの)】 | |||
化学物質審査規制法 | 旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項)【旧番号795 2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノン(平成23年4月1日をもって廃止)】 旧第3種監視化学物質(旧法第2条第6項)【旧番号253 2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノン(別名ジチアノン)(平成23年4月1日をもって廃止)】 | |||
消防法 | 貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10五別表1−8・平元省令2号第1条)【16 2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノン及びこれを含有する製剤(50%以下を含有するものを除く。)】 貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10六別表2−18・平元省令2号第2条)【32 2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノン50%以下を含有する製剤】 | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノン及びこれを含有する製剤】 | |||
下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4) 【注】規制の概要参照【2 シアン化合物】 | |||
水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条) 【注】規制の概要参照【2 シアン化合物】 | |||
土壌汚染対策法 | 特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条) 【注】規制の概要参照【5 シアン化合物】 | |||
廃棄物処理法 | 特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4) 【注】規制の概要参照【5 シアン化合物を含有する特定有害産業廃棄物】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |