1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 3-メチル-1,5-ジ(2,4-キシリル)-1,3,5-トリアザペンタ-1,4-ジエン (別名: アミトラズ) (Amitraz) | ||
製品コード | R02-B-103 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
皮膚感作性 | 区分1 | ||
発がん性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分2 追加区分: 授乳に対する又は授乳を介した影響 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系) 区分3 (麻酔作用) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (中枢神経系、肝臓) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 眠気又はめまいのおそれ 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 授乳中の子に害を及ぼすおそれ 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系、肝臓の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 3-メチル-1,5-ジ(2,4-キシリル)-1,3,5-トリアザペンタ-1,4-ジエン | ||
別名 | アミトラズ | ||
3-メチル-1,5-ビス(2,4-キシリル)-1,3,5-トリアザ-1,4-ペンタジエン | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C19H23N3 (293.41) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 33089-61-1 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣服を脱がせる。 | ||
眼に入った場合 | 多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 医療機関に連絡する。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 皮膚: ?過性の皮膚紅潮。 経口摂取: 心拍数減少、低血圧、鎮静、低体温。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 製剤に炭化水素系溶剤が含まれている場合、吐かせないほうがよい。 市販の製剤に用いられている溶剤が、この物質の物性および毒性を変化させることがある。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 可燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 製剤が引火性/爆発性溶剤を含む場合火災および爆発の危険性がある。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に防じんマスクを使用することとの記載あり) | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる。 湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管処理する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 裸火禁止。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 製剤に溶剤が使用されている場合は、その溶剤のICSCも参照のこと。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 消火により生じる流出物を収容するための用意 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH (2020年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に防じんマスクを使用することとの記載あり) | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。(ICSCには、安全眼鏡または顔面シールドを着用することとの記載あり) | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | かすかなアミン臭 | ||
融点/凝固点 | 86℃ (ICSC (2009)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | 可燃性 (ICSC (2009)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水: 1 mg/L (25℃) (HSDB (Access on June 2020)) アセトン、キシレンに可溶 (HSDB (Access on June 2020)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 5.50 (ICSC (2009)) | ||
蒸気圧 | 2.0E-006 mmHg (25℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.128 g/cm3 (20℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 燃焼すると、分解する。 窒素酸化物などの有毒なフュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 燃焼 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 、酸 | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物などの有毒なフューム |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(5) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 400〜938 mg/kg (Canada Pesticides (2017)、EU EMEA (1997)) (2) ラットのLD50: 400 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020)、HSDB (Access on June 2020)) (3) ラットのLD50: 雌: 515 mg/kg、雄: 531 mg/kg (EPA Pesticides RED (1995)) (4) ラットのLD50: 600 mg/kg (JMPR (1999)、食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、HSDB (Access on June 2020)) (5) ラットのLD50: 雄: 800 mg/kg (HSDB (Access on June 2020)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2) からは区分を特定できず、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 200 mg/kg (JMPR (1999)、EPA Pesticides RED (1995)、食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、GESTIS (Access on June 2020)、HSDB (Access on June 2020)) (2) ラットのLD50: > 1,600 mg/kg (Canada Pesticides (2017)、食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、HSDB (Access on June 2020)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (3.2E-005 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (6時間): 65 mg/L (4時間換算値: 98 mg/L) (JMPR (1999)、EU EMEA (1997)、食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)) (2) 本物質の蒸気圧: 2.0E-006 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 3.2E-005 mg/L) 【参考データ等】 (3) ラットのLC50 (ばく露時間不明): 2.4 mg/L (Canada Pesticides (2017)、EPA Pesticides RED (1995)) | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 本物質はウサギに対して皮膚及び眼に対して刺激性を示さない (JMPR (1999)、Canada Pesticides (2017))。 (2) 本物質はウサギに対して皮膚及び眼に対してごく軽度の刺激性を示す (Canada Pesticides (2017))。 (3) EPA OPP 81-5に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (EPA Pesticides RED (1995))。 (4) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性は認められなかった (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、HSDB (Access on June 2020))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 本物質はウサギに対して皮膚及び眼に対して刺激性を示さない (JMPR (1999)、Canada Pesticides (2017))。 (2) 本物質はウサギに対して皮膚及び眼に対してごく軽度の刺激性を示す (Canada Pesticides (2017))。 (3) EPA OPP 81-4に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で刺激性を示さない (EPA Pesticides RED (1995))。 (4) ウサギを用いた眼刺激性試験で軽微ないし軽度の刺激性を示した (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分1とした。なお、モルモット試験において陽性/陰性の結果が混在するが、試験法の感度の差を考慮し、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質はモルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法) で感作性を示さない (JMPR (1999)、Canada Pesticides (2017))。 (2) 本物質はモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で感作性を示す (Canada Pesticides (2018))。 (3) EPA OPP 81-6に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性と報告されている (EPA Pesticides RED (1995))。 (4) モルモットを用いた皮膚感作性試験でマキシマイゼーション法では顕著な陽性反応がみられたが、ビューラー法では陰性であった (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 【参考データ等】 (5) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on August 2020))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、経口投与によるマウスの優性致死試験、ラットの肝臓を用いる不定期DNA合成試験において陰性の報告がある (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、JMPR (1998))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験において陰性の報告がある (同上)。 (3) 本物質は生体において問題となる遺伝毒性はないものと考えられるとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2007))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 (1) の既存分類結果及び (2)、(3) で認められた腫瘍発生に基づき区分2とした。大量ばく露によるものとして発がん性を否定する評価もされているが、ハザードに基づいて判断した。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenic Potential) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):2006年分類) に分類されている。 (2) ラットに本物質を2年間混餌投与した試験では発がん性は認められなかった。また、雌雄のマウスに本物質を2年間混餌投与した試験では、最高用量で雌に肝細胞腺腫及びがん、雄で肺腺腫の発生率が増加した。なお、18ヵ月の投与後に認められた体重増加抑制に基づき最高用量は最大耐量を超えたと結論され、最高用量でみられた腫瘍は毒性学的に有意ではないとみなされ、本物質は発がん性なしと結論された (Canada Pesticides (2017))。 (3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間又は2年間混餌投与した発がん性試験において、雌でリンパ/細網細胞系腫瘍 (lymphoreticular tumors)、肝細胞がん及び肝細胞腺腫の発生頻度増加が認められたが、明らかな毒性を示した高用量のみで認められ、遺伝毒性も認められていない (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 【参考データ等】 (4) EPAは、本物質の残留基準値設定に関する最近の評価において、マウスの発がん性試験で認められた肝臓及び肺における腫瘍は一般的にマウスでみられる腫瘍であり、他の悪影響がみられる過剰な用量でのみ認められたとしている (Federal Register Vol.78, No.54 (2013))。 (5) 雌雄のラット及びマウスに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 |
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、親動物毒性用量で、生殖影響、児動物、胎児への影響がみられたことから区分2とし、また、(1)、(2) より、授乳影響が考えられたため、「授乳に対する又は授乳を介した影響」を追加した。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌による3世代繁殖試験において、200 ppm投与群P世代において、発育及び摂餌量に僅かな一時的抑制が認められ、同群F1世代の哺育期間中に顕著な死亡率増加が生じた。このため、200 ppm投与群の試験はF1世代で終了とされている。50 ppm投与群では、腹数及び平均同腹児数に検体投与の影響は認められなかったが、全世代の児動物で死亡率の僅かな増加が認められ、有意差はないものの哺育21日目の同腹児数は対照群より少なかった (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 (2) ラットを用いた混餌投与による拡張1世代繁殖毒性試験において、P親動物に毒性がみられない用量 (1.5 mg/kg/day) において、児動物毒性 (生後21日での甲状腺/上皮小体重量増加 (雌))、F1世代の離乳後の影響 (生後90日でのT4減少 (雌)) がみられた。P親動物に毒性 (活動性低下、アルカリ性ホスファターゼ活性増加、接触時の発声、取り扱い時の反応亢進、体重減少等) がみられる用量 (7.5 mg/kg/day) で児動物毒性 (生後1〜5日での死亡の増加 (哺育1日で痙攣を起こした母動物の6匹の児の喪失を含む)、生存率減少、生後21日の体重減少、生後7〜21日の体重増加量減少、生後21日での海馬回と脳梁の厚さの減少 (雄)) がみられ、F1世代の離乳後の影響 (体重減少、取り扱いの反応亢進、立ち上がり減少、活動性低下、アルカリ性ホスファターゼ活性増加、AST、ALT及びGGT増加、ビリルビン増加、肝細胞空胞化、扁桃体の神経変性 (1例) 等)、生殖毒性 (F1出生児数のわずかな減少、子宮絶対重量減少、F1雌動物で発情間期の持続、発情前期増加、原始卵胞の増加等) がみられている (Canada Pesticides (2017))。 (3) 妊娠ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (15 mg/kg/day以上で体重増加抑制、摂餌量低下) がみられる用量で胎児に尿管拡張及び両側性の腎盂拡張が認められている (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 (4) 妊娠ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (12 mg/kg/dayで体重増加抑制) がみられる用量において、胎児に低体重が認められている (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 【参考データ等】 (5) 妊娠ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少、流産、感染症の悪化) がみられる用量において、胎児に影響はみられていない (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 |
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特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分1 (神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質 (原液50 cc) を摂取した17歳の男性農場労働者で、昏睡、呼吸低下、動脈性低血圧、徐脈がみられた (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007))。 (2) ボランティア2人へ本物質 (0.25 mg/kg) を単回経口投与した結果、眠気、見当識障害、発話不明瞭、脈拍数、血圧低下がみられた (EPA Pesticides RED (1995)、JMPR (1999)、HSDB (Access on June 2020))。 (3) ラットの急性経口神経毒性試験において、最低用量 (50 mg/kg、区分1の範囲) 以上で、体重減少、運動活動低下がみられた。200 mg/kg (区分1の範囲) 以上で、腹部汚染 (soiled perioculus)、呼吸緩除、前肢握力低下、800 mg/kg (区分2の範囲) 以上で、過敏症、後肢握力異常、痙攣、歩行不能等がみられた (Canada Pesticides (2017))。 | |||
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特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 本物質のヒトでの反復ばく露に関する報告はない。実験動物では、(1)〜(4) より区分1の用量から中枢神経系、肝臓への影響がみられていることから、区分1 (中枢神経系、肝臓) とした。情報の再検討により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) イヌの90日間カプセル経口投与試験では、1.0 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で中枢神経系の抑制、運動失調、回帰性の直腸温及び心拍数低下、肝細胞肥大がみられたとの報告がある (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、JMPR (1988)、EPA Pesticides RED (1995))。 (2) ラットの2年間混餌投与試験では、50 ppm (ガイダンス換算値: 2.5 mg/kg/day、区分1の範囲) で神経過敏、興奮性及び攻撃性がみられたとの報告がある (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、EPA Pesticides RED (1995))。 (3) マウスの2年間混餌投与試験では、25 ppm (ガイダンス換算値: 1.25 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌で肝臓の過形成性結節、好塩基性肝細胞変性及び斑状血管拡張、100 ppm (ガイダンス換算値: 5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雄で攻撃行動、400 ppm (ガイダンス換算値: 20 mg/kg/day、区分2の範囲) の雄で自発運動の亢進、立毛及び円背位の増加、肝腫瘤がみられたとの報告がある (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、EPA Pesticides RED (1995))。 (4) ラットの21日間吸入ばく露試験では、0.1 mg/L (粉じん、区分2の範囲) 以上で呼吸困難、音に対する感受性低下、指診に対する過敏性、攻撃性がみられたとの報告がある (食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2007)、EPA Pesticides RED (1995))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 魚類 (コイ) の96時間LC50 = 0.552 mg/L (農薬登録申請資料 (2003)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され (BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される (log Kow = 5.5 (PHYSPROP Database (2005))) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3077 | |||
国連品名 | ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | III | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | - | |||
特別な安全上の対策 | - | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | - | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【432 3−メチル−1,5−ジ(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアザペンタ−1,4−ジエン】 | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】 | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |