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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
5-ジメチルアミノ-1,2,3-トリチアン
作成日 2021年03月12日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称5-ジメチルアミノ-1,2,3-トリチアン (別名: チオシクラム) (Thiocyclam)
製品コードR02-B-115
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性 (経口)区分3
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト)区分4
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)区分1 (神経系)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)区分2 (神経系)
分類実施日
(環境有害性)
平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分1
水生環境有害性 (長期間)区分1
GHSラベル要素
絵表示どくろ健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有毒
吸入すると有害
神経系の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害のおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
環境への放出を避けること。
 応急措置ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
漏出物を回収すること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名5-ジメチルアミノ-1,2,3-トリチアン
別名チオシクラム
N,N-ジメチル-1,2,3-トリチアン-5-イルアミン
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C5H11NS3 (181.33)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号31895-21-3
官報公示整理番号
(化審法)
情報なし
官報公示整理番号
(安衛法)
8-(6)-85
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤小火災: 粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災: 粉末消火剤、耐アルコール性泡消火薬剤、二酸化炭素、散水
使ってはならない消火剤情報なし
特有の危険有害性情報なし
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の保護情報なし

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
粉じんを発生させないようにする。
環境への放出を避けること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること。
安全な容器包装材料国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2020年度版)未設定
ACGIH (2020年版)未設定
設備対策粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。
手の保護具手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。
眼の保護具眼に入るおそれがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。
皮膚及び身体の保護具必要に応じて、保護衣、保護エプロン等を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色
臭い無臭
融点/凝固点125〜128℃ (分解) (危険物災害等情報支援システム (Access on Nov. 2020))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性データなし
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界該当しない
引火点該当しない
自然発火点該当しない
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率該当しない
溶解度データなし
n-オクタノール/水分配係数データなし
蒸気圧データなし
密度及び/又は相対密度データなし
相対ガス密度該当しない
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性情報なし
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件情報なし
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口※健康に対する有害性は、本物質のデータがないため、本物質のシュウ酸水素塩 (CAS番号 31895-22-4) のデータを用いて分類することとした。

【分類根拠】
(1)、(2) より、区分3とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雌: 195 mg/kg、雄: 310 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019))
(2) ラットのLD50: 雌: 370 mg/kg、雄: 399 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019))
経皮【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 雄: 1.02 mg/L、雌: 1.20 mg/L (食安委 農薬評価書 (2019))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。


【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、軽度の紅斑及び水腫が認められたが、投与72時間後には消失した (食安委 農薬評価書 (2019))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験で、結膜に一時的な発赤が認められた (食安委 農薬評価書 (2019))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で皮膚感作性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、優性致死試験、マウス骨髄細胞を用いた小核試験、マウス及びラット骨髄細胞を用いた染色体異常試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験において陰性の結果が得られている (同上)。
発がん性【分類根拠】
既存分類結果 (1) 及び動物試験結果 (2)、(3) から、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでD (Not Classifiable As To Human Carcinogenicity) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on November 2020):1994年分類) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、投与により発生頻度が増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。
(3) 雌雄のマウスに78週間混餌投与した発がん性試験では、投与により発生頻度が増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。
生殖毒性【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による3世代繁殖試験において、母動物毒性、児動物毒性、繁殖能に対する影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2019))。
(2) 雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (3/25例)、流涎、体重増加抑制傾向等) がみられる用量においても、胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2019))。
(3) 雌ウサギの妊娠6〜18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (5/17例)、落ち着きのなさ、立毛、円背位姿勢及び不規則運動/体位等) がみられる用量においても、胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2019))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)〜(4) より、区分1 (神経系) とした。

【根拠データ】
(1) ラットの単回経口投与毒性試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、死亡がみられ始めた用量: 雄: 250 mg/kg、雌: 125 mg/kg (いずれも区分1の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、振戦、情動不安、運動失調、痙攣及び強直性発作がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。
(2) ラットの単回経口投与毒性試験において、228 mg/kg (区分1の範囲) 以上の雌雄で自発運動低下及び鎮静、雌で腹臥位姿勢がみられ、296 mg/kg (区分1の範囲) 以上で振戦、立毛、被毛光沢欠如及び削痩、500 mg/kg (区分2の範囲) 以上で間代性強直性痙攣がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。
(3) ラットの4時間吸入ばく露試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、死亡がみられ始めた用量: 雄: 0.626 mg/L、雌: 0.965 mg/kg (いずれも区分1の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、体重増加抑制、摂餌量減少、呼吸異常及び体毛着色がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。
(4) マウスの一般薬理試験 (経口投与) において、100 mg/kg (区分1の範囲) で振戦、筋弛緩 (握力、四肢筋緊張及び躯体緊張低下)、反応性低下、警戒性低下及び立ち直り反射抑制がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2 (神経系) とした。

【根拠データ】
(1) ラットの90日間混餌投与試験では、400 ppm (雄/雌: 33.9/37.0 mg/kg/day、いずれも区分2の範囲) で死亡 (雌雄とも4/10例)、立毛及び被毛光沢欠如、さらに雄ではヘモグロビン減少、雌ではヘマトクリット値減少がみられ、死亡動物では脱力様症状、音及び光反応低下の報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。
(2) イヌの2年間混餌投与試験では、375 ppm (雄/雌: 11.1/10.7 mg/kg/day、いずれも区分2の範囲) で死亡 (雄1/4例、雌2/4例)、流涎、後肢痙攣及び運動失調、さらに雄ではAST及びLDH増加、皮膚過角化症、雌ではアルブミン減少、肝細胞色素沈着がみられ、死亡動物では振戦、痙攣、流涎、運動失調、小腸捻転 (雄のみ)、肺うっ血及び浮腫並びに肝臓うっ血 (雌のみ) がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。

【参考データ等】
(3) ウサギの2週間経皮ばく露試験では、2.0 mg/kg/day (90日、6時間/日換算値: 13.5 mg/kg/day、区分1の範囲) までの用量では影響がみられなかったとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)甲殻類 (オオミジンコ) の48時間EC50 = 21.8 μg/L (農薬登録申請資料 (2004)) から、区分1とした。
水生環境有害性 (長期間)急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow < 4 (既存化学物質安全性点検データ)) 、急速分解性がないと推定される (BIOWIN) ことから、区分1とした。
オゾン層への有害性-

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号2811
国連品名TOXIC SOLID, ORGANIC, N.O.S.
国連危険有害性クラス6.1
副次危険-
容器等級L
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質-
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報毒物及び劇物取締法、道路法の規定に従う。
特別な安全上の対策毒物及び劇物取締法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*154
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法-
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【217 5−ジメチルアミノ−1,2,3−トリチアン】
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)【50の6 5−ジメチルアミノ−1,2,3−トリチアン、その塩類及びこれらのいずれかを含有する製剤】
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 チオシクラム】
航空法毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2811 その他の毒物(固体)(有機物)】
船舶安全法毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2811 その他の毒物(固体)(有機物)】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用