1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品の名称 | チオりん酸O,O-ジメチル-O-(2,4,5-トリクロロフェニル) (別名: ロンネル) (Ronnel) | ||
製品コード | R02-B-050 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
---|---|---|---|
GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | 自己反応性化学品 | タイプG | |
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
急性毒性 (経皮) | 区分4 | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系、呼吸器) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 皮膚に接触すると有害 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 神経系、呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。気分が悪い時は医師に連絡すること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | チオりん酸O,O-ジメチル-O-(2,4,5-トリクロロフェニル) | ||
別名 | ロンネル | ||
フェンクロルホス | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C8H8Cl3O3PS (321.54) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 299-84-3 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 9-604 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 汚染された衣服を脱がせる。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 吐かせる(意識がある場合のみ!)。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: めまい、発汗、息苦しさ、意識喪失、嘔吐、縮瞳、筋痙攣、唾液分泌過剰。 皮膚: 吸収される可能性あり! 経口摂取: 胃痙攣、下痢、吐き気、嘔吐、縮瞳、筋痙攣、唾液分泌過剰。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | ばく露の程度によっては、定期検診を勧める。 |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
適切な消火剤 | 小火災: 粉末消火剤、二酸化炭素、散水 大火災: 水の散布、噴霧、一般の泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 不燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に防じんマスクを使用することとの記載あり) | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を、密閉式の容器内に集める。 湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管処理する。 下水に流してはならない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 環境への放出を避けること。 粉じんを発生させないようにする。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 強酸化剤および食品や飼料から離しておく。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
---|---|---|---|---|
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH (2020年版) | TLV-TWA: 5 mg/m3 (Inhalable fraction and vapor) (BEIC) | |||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に防じんマスクを使用することとの記載あり) | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。(ICSCには、粉末の場合には呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは保護眼鏡を使用することとの記載あり) | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 | ||
臭い | メルカプタン臭 | ||
融点/凝固点 | 41℃ (ICSC (1995)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 97℃ (0.013 mbar) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
可燃性 | 不燃性 (ICSC (1995)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水: 1 mg/L (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) 四塩化炭素、ジクロロメタンと混和、アセトン、クロロホルム、トルエン、メタノールに易溶 (HSDB (Access on May 2020)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Pow = 4.88 (ICSC (1995)) | ||
蒸気圧 | 7.5E-005 mmHg (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.48 (水 = 1) (ICSC (1995)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると、分解する。 塩化水素、リン酸化物およびイオウ酸化物などの有毒なフュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 塩化水素、リン酸化物およびイオウ酸化物などの有毒なフューム |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(5) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 625 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)) (2) ラットのLD50: 雌: 1,250 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)、JMPR (1969)) (3) ラットのLD50: 1,740 mg/kg (IPCS PIM G001 (1998)、JMPR (1969)) (4) ラットのLD50: 雌: > 2000 mg/kg (JMPR (1969)) (5) ラットのLD50: 雄: 2,630 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)、JMPR (1969)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 1,600〜2,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)) 【参考データ等】 (2) ウサギのLD50: 1,000 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しない (国連分類基準の区分3) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質を14日間にわたりガーゼパッチで10回適用した結果、皮膚のごく軽度の充血が認められた (ACGIH (7th, 2006))。 (2) 本物質を換気が不十分な場所で使用した獣医師において時折、喉及び顔面皮膚への刺激が報告されている (HSDB (Access on May 2020))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1) の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。 旧分類に用いられたデータの詳細が不明であり、分類に不十分なデータと判断し、分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) 本物質の粉末 (少量) をウサギの眼に適用した試験において、軽度の不快感及び一過性の結膜刺激がみられたが、48時間後には消失した (ACGIH (7th, 2006))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ヒト (男性30人、女性20人) に週3回、3週間にわたりパッチ適用を行い、2週間後に惹起を行った試験において、感作性は認められなかった (ACGIH (7th, 2006))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)、(2) よりACGIHの分類に基づき区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2006)) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、発がん性は認められなかった (ACGIH (7th, 2006))。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、母動物毒性がみられるもののコリンエステラーゼ (ChE) 活性の低下のみであり、胎児に重篤な影響 (小脳の低形成、心血管系の奇形の増加、F1b及びF2b世代の生存率減少) がみられているため区分1Bとした。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による3世代生殖毒性試験において、血漿及び赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性の低下がみられ、F1b及びF2b世代の生存率と授乳率低下、平均体重のわずかな低下がみられている (JMPR (1969))。 (2) 雌ウサギの妊娠6〜18日に経口投与した発生毒性試験において、母動物の血漿及び赤血球ChE活性低下 (有意差なし) がみられる用量で、小脳の低形成、心血管系の奇形の増加がみられている (ACGIH (7th, 2006))。 【参考データ等】 (3) 雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性は不明だが、胎児に過剰肋骨がみられている (ACGIH (7th, 2006))。 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分1 (神経系、呼吸器) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質または他の有機リン系殺虫剤を換気の悪い場所で使用した獣医師に吐き気、頭痛、喉や顔の皮膚の炎症がみられた (ACGIH (7th, 2006)、HSDB (Access on May 2020))。 (2) ヒトへの毒性症状として、吐き気、嘔吐、腹部痙攣、下痢、過剰な唾液分泌、頭痛、めまい、覚醒、衰弱、鼻漏、胸部の圧迫感、視力のぼやけ、涙、毛様体筋痙攣、眼痛、散瞳、筋肉の調整の欠如、音声の乱れ、筋緊張、精神的混乱、嗜癖がある (HSDB (Access on May 2020)) (3) ヒトへの毒性症状として、呼吸困難、唾液及び呼吸器粘液の過剰分泌、チアノーゼ、肺炎、ラッセル音、高血圧、ランダムなぎくしゃくした動き、失禁、痙攣、昏睡、呼吸器障害、呼吸器筋の麻痺、激しい気管支収縮がある (HSDB (Access on May 2020)) (4) 本物質 (10 mg/kg/day) を発疹を伴う21人の患者のグループに経口投与した結果、5人の患者は悪心、脱力感、かすみ目、蛇行性潰瘍を含む副作用を報告した (HSDB (Access on May 2020))。 【参考データ等】 (5) 本物質も含まれる有機リン系農薬は、吸入、摂取、皮膚吸収を含むすべての経路で吸収され、その毒物学的影響は、神経系のアセチルコリンエステラーゼ阻害によるものであり、呼吸器、心筋、神経筋の伝達障害を引き起こす (IPCS PIM G001 (1998))。 (6) 本物質も含まれる有機リン系農薬のばく露により、ヒトではムスカリン症状 (気管支分泌の増加、過度の発汗、唾液分泌、流涙、縮瞳、気管支収縮、腹部痙攣 (嘔吐と下痢)、徐脈)、ニコチン症状 (筋肉の線維束性収縮 (fasciculation of fine muscles)、頻脈)、中枢神経系の症状 (頭痛、めまい、落ち着きのなさ、不安、精神錯乱、痙攣、昏睡、呼吸中枢の抑制) が生じる。軽度の中毒には、ムスカリン性及びニコチン性の兆候のみが含まれる場合があり、重症の場合は中枢神経系の関与も示す。症状の組み合わせにより、呼吸不全になり、時には肺水腫を引き起こす (EHC 63 (1986))。 |
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(5) より、区分1 (神経系) とした。(4) のラットの試験では肝臓、腎臓の所見も報告されているが、加齢に伴う変化の可能性が考えられることから標的臓器としなかった。 【根拠データ】 (1) 本物質は有機リン系農薬である。有機リン系農薬の主な毒性作用機序はエステラーゼ酵素活性、特にコリンエステラーゼ (ChE) 阻害である (HSDB (Access on 2020))。 (2) 本物質10 mg/kg/dayを5又は10日間経口投与した皮膚幼虫移行症の患者21名中5名で、吐き気、虚弱、視界のぼやけ (clurred vision)、蛇行性潰瘍がみられた (ACGIH (7th, 2006))。 (3) ボランティア20名に本物質250 mgを3〜7日間経口投与した試験で、7名で散発性腹部痙攣、食欲不振、かすみ目、下痢、頭痛、胸やけ、倦怠感、吐き気、脱力感などの副作用が生じ、3日目の終わりに投与を中止した。症状がみられなかった3名で、赤血球ChE低下と血漿中ChE活性の顕著な低下がみられた (JMPR (1969))。 (4) ラットに本物質を2年間混餌投与した結果、1.5 mg/kg/day以上 (区分1の範囲) の雌で血漿中ChE活性阻害、15 mg/kg/day以上 (区分2の範囲) の雌雄で赤血球中、脳中ChE活性阻害、雄で血漿中ChE活性阻害、50 mg/kg/day (区分2の範囲) で肝実質細胞の軽度の顆粒変性又は混濁腫脹、腎尿細管上皮の混濁腫脹及び空胞化がみられた (ACGIH (7th, 2006)、JMPR (1969))。 (5) イヌに本物質を2年間混餌投与した結果、3 mg/kg/day (区分1の範囲) で血漿中ChE活性阻害がみられた (ACGIH (7th, 2006)、JMPR (1969))。 | |||
---|---|---|---|---|
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 魚類 (カットスロートトラウト) の96時間LC50 = 171 μg/L (AQUIRE (2003)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され (BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される (log Kow = 4.88 (PHYSPROP Database (2005))) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3077 | |||
国連品名 | ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | - | |||
特別な安全上の対策 | - | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【348 チオりん酸O,O−ジメチル−O−(2,4,5−トリクロロフェニル)】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【348 チオりん酸O,O−ジメチル−O−(2,4,5−トリクロロフェニル)】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】 | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |