1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | ジチオリン酸O,O-ジエチル-S-(2-エチルチオエチル)(別名:ジスルホトン) (O,O-diethyl S-2-(ethylthio) ethyl phosphorodithioate)、(Disulfoton) | ||
製品コード | H29-B-075 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺虫剤) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | - | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分1 | ||
急性毒性(経皮) | 区分1 | |||
急性毒性 (吸入:粉塵、ミスト) | 区分1 | |||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系、呼吸器) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると生命に危険 皮膚刺激 吸入すると生命に危険 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、呼吸器の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 漏出物を回収すること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | ジチオリン酸O,O-ジエチル-S-(2-エチルチオエチル) | ||
別名 | ジスルホトン エチルチオメトン O,O-ジエチル-S-(2-エチルチオエチル)-ジチオホスファート | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C8H19O2PS3 (274.39) | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 298-04-4 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。半座位をとる。人工呼吸が必要なことがある。医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医師の手当、診断を受ける。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。意識がある場合のみ、吐かせる。直ちに医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:縮瞳、筋痙攣、流涎、発汗、吐き気、息苦しさ、めまい、痙攣、意識喪失 皮膚:吸収されやすい。「吸入」参照。 経口摂取:胃痙攣、下痢、嘔吐、その他(「吸入」参照) | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要である。 |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 粉末消火薬剤、水噴霧、泡消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(自給式呼吸器付化学保護衣等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 換気する。 漏れた液やこぼれた液を密閉式の容器に出来る限り集める。 残留液を砂又は不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。 この物質を環境中に放出してはならない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 ミストの発生を防ぐ。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること(毒劇物)。 食品や飼料から離しておく。 密封して保管する。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2017年版) | TLV-TWA: 0.05 mg/m3 (Inhalable fraction and vapor) (Skin) | ||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄剤のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 換気、局所排気、又は呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋、保衣を着用する。 | ||
眼の保護具 | 顔面シールド、又は眼用保護具を併用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 純粋な化合物:黄色の液体 (HSDB (2017)) | ||
臭い | 硫黄臭 (HSDB (2017)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -25℃ (HSDB (2017)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 132〜133℃ (1.5 mmHg); 108 ℃ (0.01 mmHg) (HSDB (2017)) | ||
引火点 | 133℃[方式不明] (GESTIS (2017)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 可燃性液体 (HSDB (2017)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 0.02 Pa (20℃) (ICSC (J) (2001)) | ||
蒸気密度 | 情報なし | ||
比重(相対密度) | 1.144 (20℃/4℃) (HSDB (2017)) | ||
溶解度 | 水:16.3 mg/L (20℃) (HSDB (2017)) n-ヘキサン、ジクロロメタン、2-プロパノール、トルエンと混和 (HSDB (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 4.02 (HSDB (2017)) | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 燃焼すると分解し、有毒なヒューム(リン酸化物、イオウ酸化物など)を生じる。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分1 ラットのLD50値として、2.0 mg/kg (雌) (JMPR (1975))、2.3 mg/kg (雌) (ACGIH (7th, 2002))、2.6 mg/kg (雌) (JMPR (1973))、6.8 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2002))、12.5 mg/kg (雄) (JMPR (1973)) の5件の報告があり、3件が区分1、2件が区分2に該当する。件数の多い区分を採用して、区分1とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分1 ラットのLD50値として、2.5〜50 mg/kg (雄) (JMPR (1973))、15 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2002)) との報告に基づき、区分1とした。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、本物質の飽和蒸気圧濃度は0.20 ppm (0.0022 mg/L) と極めて低いため、蒸気でのばく露の可能性は低いと考えられる。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 区分1 ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、0.015 mg/L (1.34 ppm) (雌)、0.06 mg/L (5.34 ppm) (雄) (ACGIH (7th, 2002))、1時間吸入ばく露試験のLC50値として、0.063 mg/L (5.6 ppm) (4時間換算値: 0.016 mg/L) (雌)、0.29 mg/L (25.8 ppm) (4時間換算値: 0.073 mg/L) (雄) (ACGIH (7th, 2002)) との報告があり、2件が区分1、2件が区分2に該当する。有害性の高い区分を採用し、区分1とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.0022 mg/L (0.20 ppm)) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 ヒトにおいて重度の皮膚刺激性を有するとの記述 (EPA Pesticide (2006)、HSDB (Access on June 2017)) から、区分2とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は 眼刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。重度の眼刺激性を有するとの記述 (EPA Pesticide (2006)、HSDB (Access on June 2017)) があるが、原典が確認できず試験の詳細が不明なため、分類できないとした。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。重度の皮膚感作性物質との記述 (EPA Pesticide (2006)) があるが、原典が確認できず試験内容が不明のため、分類できないとした。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 分類できない ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性である (ATSDR (1995))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性、マウスリンフォーマ試験で陽性、姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の結果である (ATSDR (1995))。 | ||
発がん性 | GHS分類: 分類できない ラットに2年間、マウスに99週間、最大16 ppm を混餌投与した発がん性試験において、組織学的に発がん性の証拠は認められなかったとの記述がある (ACGIH (7th, 2002))。既存分類では、EPAが1997年にグループEに (Chemicals Evaluated for Carcinogenic Potential, Annual Cancer Report (2016))、ACGIHが2002年にA4に分類している (ACGIH (7th, 2002))。以上より、分類年度が新しいACGIHの分類結果に基づき、分類できないとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 区分2 ラットを用いた混餌投与による2件の2世代試験のうち1試験では、高用量 (9 ppm) でF0、F1親動物に体重増加抑制と受胎率低下、F1、F2児動物に生存率低下がみられ (環境省リスク評価第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2002))、他の1試験では高用量 (9 ppm) で、F0、F1親動物に死亡、体重増加抑制、振戦とともに着床数及び同腹児数の減少が認められた (ACGIH (7th, 2002))。一方、妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6〜15日) に強制経口投与した発生毒性試験では母動物には0.3 mg/kg/day 以上で血漿及び赤血球コリンエステラーゼ活性の阻害がみられたが、胎児には高用量 (1.0 mg/kg/day) でも軽微な影響 (骨化遅延) がみられただけであった (環境省リスク評価第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2002))。また、妊娠ウサギを用いた発生毒性試験でも、母動物毒性 (死亡、振戦など) がみられる用量で胎児毒性も催奇形性もみられなかった (ACGIH (7th, 2002))。 以上、2件のラット2世代試験において、親動物の一般毒性用量で生殖発生影響 (受胎率低下、同腹児数減少、児の生存率低下) がみられたことから、本項は区分2とした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (神経系) 本物質は有機りん系殺虫剤であり、コリンエステラーゼを阻害する (ACGIH (7th, 2002))。ヒトでは本物質の経口、経皮、吸入ばく露による急性中毒症状として、霧視、頭痛、めまい、瞳孔収縮、筋肉痙攣、脱力感が認められ、大量にばく露した場合には嘔吐、腹痛、下痢、振戦、昏睡が起こるとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。呼吸障害の症状として、息切れ、呼吸抑制に加えて呼吸麻痺が起こる場合もあると報告されている (ACGIH (7th, 2001))。実験動物では、ラットの単回経口、経皮又は吸入ばく露試験で、興奮、流涎、流涙、尿及び便失禁、筋肉の線維束性攣縮に続いて痙攣、腹臥位、呼吸停止が認められたとの報告がある (JMPR (1973)、ACGIH (7th, 2002))。動物試験では影響がみられた用量の詳細な記載はないが、LD50値及びLC50値が区分1範囲に相当することから、影響はLD50値及びLC50値付近の区分1範囲の用量でみられたと考えられる。以上より区分1 (神経系) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (神経系、呼吸器) ヒトに関する情報はない。 実験動物については、ラットを用いた13週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分1のガイダンス値の範囲内である1.4 mg/m3 (90日換算: 0.001 mg/L) で血漿・赤血球・脳コリンエステラーゼ活性阻害、鼻甲介の炎症がみられている (環境省リスク評価第5巻 (2006)、JMPR (1991))。 ラットを用いた13週間混餌投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である4 ppm (雄: 0.27 mg/kg/day、雌: 0.32 mg/kg/day) 以上で脳・血漿・赤血球コリンエステラーゼ活性阻害 (対照群より20%以上阻害)、16 ppm (雄: 1.1 mg/kg/day、雌: 1.3 mg/kg/day) でコリン作動性症状 (筋線維束攣縮、振戦、前肢握力低下、肛門周囲の汚染、排便) がみられている (ACGIH (7th, 2002))。ラットを用いた2年間混餌投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である1 ppm (0.04 mg/kg/day) 以上で赤血球・脳コリンエステラーゼ活性阻害、4 ppm (0.165 mg/kg/day) 以上で視神経の変性、ハーダー腺嚢胞性変化、16 ppm (0.65 mg/kg/day) で死亡率増加、コリン作動性症状、相対脳重量増加、前胃粘膜過形成・慢性炎症、角膜の血管新生がみられている (ACGIH (7th, 2002)、JMPR (1991)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、IRIS (1987))。 | ||
ウサギを用いた3週間経皮投与試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である6.5 mg/kg/day (90日換算: 1.08 mg/kg/day) でコリン作動性影響 (筋痙攣、呼吸困難、流涎) 、死亡、血漿・赤血球コリンエステラーゼ活性阻害がみられている (JMPR (1991))。 以上、視神経の変性については神経系に対する影響とし、鼻甲介の炎症を呼吸器に対する影響とした。したがって、区分1 (神経系、呼吸器) とした。 | |||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類 (オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.75 ppb (AQUIRE (2003))から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され (BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される (log Kow = 5.48 (PHYSPROP Database (2005)))ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3018 | |||
国連品名 | ORGANOPHOSPHORUS PESTICIDE, LIQUID, TOXIC | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | J | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 152 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条) | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |