| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール=1,1−ジオキシド(別名プロベナゾール) | ||
| 化学品の英語名称 | 3-prop-2-enoxy-1,2-benzothiazole 1,1-dioxide | ||
| 製品コード | R06-S39-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺菌剤)(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和2年度(2020年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 生殖毒性 | 区分2 | |
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(血液系、肝臓) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 令和3年度(2021年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分2 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 警告 | ||
| 危険有害性情報 | 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、肝臓の障害のおそれ 水生生物に毒性 長期継続的影響によって水生生物に毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール=1,1−ジオキシド | ||
| 慣用名又は別名 | プロベナゾール | ||
| 英語名 | 3-prop-2-enoxy-1,2-benzothiazole 1,1-dioxide | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C10H9NO3S (223.25) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 27605-76-1 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 5-3433 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 一般的な注意として、粉末状物質の場合は、ある条件下では粉じん爆発を起こす可能性がある。 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 粉じんを発生させないようにする。 | ||
| 接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
| 衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | - | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | |||
| 手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。 | |||
| 眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | データなし | ||
| 臭い | データなし | ||
| 融点/凝固点 | 138℃ (WebKis-Plus (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
| 可燃性 | データなし | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | データなし | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | LogKow:1.35 (WebKis-Plus (2024)) | ||
| 蒸気圧 | データなし | ||
| 密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | (1)〜(3)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分5)。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:2,160 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2018)) (2)ラット(雌)のLD50:2,310 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2018)) (3)ラットのLD50:2,030 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2018)) | |||
| 経皮 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2018)) | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):> 5.03 mg/L(GLP)(食安委 農薬評価書 (2018)) | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験において、本物質10、30、50%懸濁液を背部皮膚に0.1 mL塗布したところ、刺激性はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 【参考データ等】 (2)ラット(n=20)を用いた急性経皮毒性試験(7日観察、投与量:5,000mg/kg)において、適用部位に軽度の発赤がみられたが、2日後には消失したとの報告がある(農薬抄録 (2017))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験において、本物質1、10、30及び50%懸濁液を適用したところ、眼瞼結膜、角膜、角膜反射に及ぼす影響はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 | |||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚感作性 | データ不足のため分類できない。なお、(1)のBuehler試験で陽性との報告があるが、試験動物数が少なく、かつ陰性対照群の陽性率が高いことから、分類に用いなかった。 【参考データ等】 (1)モルモット(n=10)を用いたBuehler試験(局所投与:1%懸濁液)において、惹起6、24、48、72時間後の陽性率はすべて100%であり、陰性対照群の惹起6、24、48、72時間後の陽性率は30%、60%、50%、60%であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(GLP、単回経口投与)で陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 (2)細菌の復帰突然変異試験(GLP)で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 (3)チャイニーズハムスター肺由来細胞を用いた染色体異常試験(GLP)で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 (4)ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(GLP)で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 | |||
| 発がん性 | (1)、(2)より区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットの2年間慢性毒性試験(混餌投与)において、体重増加抑制がみられる1,000 ppmまでの用量で検体投与に関連して発生頻度の増加した腫瘍性病変はみられず、発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 (2)マウスの2年間慢性毒性試験(混餌投与)において、体重増加抑制、摂餌量減少など顕著な毒性がみられる1,000 ppmまでの用量で検体投与に関連して発生頻度の増加した腫瘍性病変はみられず、発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2018) 、農薬抄録 (2017))。 | |||
| 生殖毒性 | (1)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠6〜18日)において、32 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、摂餌量減少、流産(1/17例)、児動物に胚・胎児死亡率の高値がみられた。催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 【参考データ】 (2)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(GLP)において、800 ppmで親動物に体重増加抑制及び摂餌量減少(P及びF1雌雄)、着床数減少(F1雌)、児動物に産児数減少、体重増加抑制(F1及びF2雌雄)、包皮分離遅延(F1雄)、膣開口遅延(F1雌)がみられた。なお、F1の包皮分離及び膣開口遅延、着床数減少はP親動物にみられた摂餌量減少、体重増加抑制による全身状態/栄養状態の悪化に起因する二次的影響と考えられ、繁殖能に対する影響は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 (3)マウスを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験において、繁殖能に対する影響は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (4)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠7〜17日)において、200 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、摂餌量減少、胎盤重量減少など、児動物に低体重、骨化遅延及び胸腺頸部残留がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2017))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | (1)〜(4)からは、症状の発現用量が不明(1,750 mg/kg体重以上で死亡例(雄)、1,500 mg/kg体重以上で死亡例(雌))であり、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、自発運動低下、沈うつ状態、体重減少、立毛等(発現用量不明)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (2)ラットを用いた単回経口投与試験において、投与24 時間後に全身の振戦(発現用量不明)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (3)マウスを用いた単回経口投与試験において、自発運動低下、沈うつ状態、体重減少、立毛等(発現用量不明)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (4)マウスを用いた単回経口投与試験において、運動失調、酩酊状歩行(発現用量不明)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 【参考データ等】 (5)ラットを用いた単回経皮投与試験において、5,000 mg/kg(区分該当しない範囲)で塗布部位に軽度の発赤(2 日後には消失)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (6)ラットを用いた単回吸入:粉じん、ミストばく露試験(GLP、4時間)において、5.03 mg/L(区分該当しない範囲)で自発運動低下、鼻部の発赤等がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | (1)〜(5)より、区分2用量範囲で肝臓と血液系に明瞭な影響がみられることから、区分2(血液系、肝臓)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験(GLP)において、雄で300 ppm以上(19.8 mg/kg/day(雄)、21.8 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)、雌で1,000 ppm以上(66.94 mg/kg/day(雄)、72.97 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で、血液影響(ヘマトクリット(Ht) 減少・MCHC及び白血球数(WBC) 増加、雄:赤血球数(RBC)及び好酸球比率減少・MCH及び好中球比率増加・APTT短縮、雌:フィブリノーゲン減少)、肝臓影響(比重量増加・ALP増加、雄:絶対重量増加・肝細胞空胞化)等がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (2)イヌを用いた亜急性毒性試験(GLP)において、50 mg/kg/day(区分2の範囲)で雌雄に体重増加抑制、軟便・水様便などがみられ、血液(雄:網状赤血球比率・WBC増加、リンパ球比率低下)、肝臓(絶対及び比重量増加、AST・ALT・ALP等の増加、肝脂肪化及びクッパー細胞色素沈着)、腎臓(尿細管空胞化)等への影響、さらに胸腺萎縮、脾濾胞の萎縮がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (3)イヌを用いた1年間経口投与試験(GLP)において、5 mg/kg/day(区分1の範囲)で肝臓影響(小肉芽腫、雌:肝グリコーゲン蓄積・細胞浸潤)が、25 mg/kg/day(区分2の範囲)で肝臓影響(絶対及び比重量増加・ALP増加、雄:肝グリコーゲン蓄積・クッパー細胞色素沈着・細胞浸潤・髄外造血)、尿検査異常(雄:黄褐色尿・ビリルビン尿、雌:尿潜血・尿蛋白)ほかに、雄には骨髄髄外造がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (4)ラットを用いた混餌投与による2年間経口投与試験において、雄で500 ppm(22 mg/kg/day(雄)、27 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)、雌で1,000 ppm(44 mg/kg/day(雄)、55 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で、肝臓影響(肝細胞泡沫状化、雄:肝細胞空胞化)に加え、膵腺房細胞萎縮がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 (5)マウスを用いた混餌投与による2年間経口投与試験において、500 ppm(76 mg/kg/day(雄)、84 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で雌雄に全身状態不良(前肢及び耳の蒼白、体温低下、旋回、立毛、削痩、被毛光沢消失、運動不活発等)及びALP増加、雄に腎皮質境界部石灰沈着がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2018))。 | |||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 2.71 mg a.i./L(農薬抄録, 2017、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2010)であることから、区分2とした。(a.i.: active ingredient) | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(28日間におけるBOD分解度:26%(METI既存点検結果, 2002))、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 0.737 mg a.i./L(農薬抄録, 2017)から、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階(甲殻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(METI既存点検結果, 2002)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 2.71 mg a.i./L(農薬抄録, 2017、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2010)から、区分2となる。 以上の結果を比較し、区分2とした。(a.i.: active ingredient) | ||
| 残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 生態蓄積性 | 試験報告書なし 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 3077 | |||
| 品名(国連輸送名) | 環境有害物質、固体、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 9 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | III | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | - | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【30 3−(アリルオキシ)−1,1−ジオキソ−1λ(6),2−ベンゾチアゾール(別名プロベナゾール)】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||