化学品の名称 | ドデシルフェノール | ||
---|---|---|---|
化学品の英語名称 | Dodecylphenol | ||
製品コード | R05-A-023-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 界面活性剤原料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
---|---|---|---|
GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(生殖器(男性)) | ||
分類実施日 (環境有害性) | - | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 皮膚刺激 強い眼刺激 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による生殖器(男性)の障害のおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 | ||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | − |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
化学物質・混合物の区別 | 混合物 | ||
化学名又は一般名 | ドデシルフェノール | ||
慣用名又は別名 | 4−[アルキル(C=12)]フェノール p−ドデシルフェノール | ||
英語名 | Dodecylphenol 4-[alkyl(C=12)]phenol | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C18H30O (262) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 27193-86-8 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-511 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 本物質は、4-ドデシルフェノール(CAS登録番号:104-43-8)、3-ドデシルフェノール(CAS登録番号:29665-57-4)、2-ドデシルフェノール(CAS登録番号:5284-29-7)の異性体混合物と考えられる。 |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸が止まっている場合は、人工呼吸を行う。被害者が物質を摂取または吸入した場合は、口対口蘇生を行わない。医師に連絡すること。 以上、ERG参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。直ちに皮膚に付着した部分を多量の流水/石けんで少なくとも20分間洗浄する。医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果、ERG参照。 | ||
眼に入った場合 | 直ちに流水で少なくとも20分間洗浄する。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果、ERG参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 医師に連絡すること。 以上、ERG参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素、泡消火薬剤。 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性は大きい。地面や河川、下水への流出を避ける。少量でも流出した場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | ||
二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手する。すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わない。 容器を開けたままにしない。飛沫を避ける。接触を避ける。補給または移送には排気装置付きの漏れ防止装置を使用すること。床への浸透を避ける(鉄製パンの使用)。 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 以上、GHS分類結果、GESTIS、日化協発行ガイドライン参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入をしないこと。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所で保管すること。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
---|---|---|---|---|
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | - | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2023年版) | - | |||
ACGIH(2023年版) | - | |||
設備対策 | 作業場所には換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付ける。多量の物質を取り扱う場合は、緊急用シャワーが必要である。床に排水溝を設けないこと。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 −防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 −濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 −作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する −酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 必要に応じて保護手袋を着用する。クロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、PVCが適している。1時間未満では天然ゴムも可。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | 必要に応じて化学用安全眼鏡を着用する。蒸気やエアロゾルが発生する場合は、フルフェイスマスクを着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて適切な保護衣または化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 | ||
色 | 無色〜麦わら色 | ||
臭い | フェノール臭 | ||
融点/凝固点 | データなし | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 310〜335 ℃(Lewis(2001)) 314〜334 ℃(NFPA(2002)) 154〜168 ℃(SAX(2000)) | ||
可燃性 | 可燃性、低引火性(GESTIS(2023)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 163 ℃(開放式)(NFPA(2002)) 113 ℃(密閉式)(GESTIS(2023)) 162.78 ℃(開放式)(SAX(2000)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水:(可溶)(Lewis(2001)) 水:(微溶)(IMDG(2018)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: ca. 7.6(GESTIS(2023)) | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | 0.94 g/cm3(25℃)(GESTIS(2023)) 0.94 g/cm3(20/20℃)(Lewis(2001)) 0.93 g/cm3(20/20℃)(SAX(2000)) | ||
相対ガス密度 | 9.0 (空気=1)(NFPA(2002)) 9.04 (SAX(2000)) | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱により分解し、刺激性の煙とフュームを発生する。 | ||
避けるべき条件 | 火気、加熱、高温、静電気、火花、爆発性混合気の形成 | ||
混触危険物質 | 酸化性物質と反応する可能性がある。 | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
---|---|---|---|---|
急性毒性 | ||||
経口 | 本物質は、4-ドデシルフェノール(CAS登録番号:104-43-8)、3-ドデシルフェノール(CAS登録番号:29665-57-4)、2-ドデシルフェノール(CAS登録番号:5284-29-7)の異性体混合物と考えられる。 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分5)。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:2,100 mg/kg(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(半閉塞、24時間適用、7日観察)において、皮膚一次刺激指数(PII)が8.0の重度の刺激性が認められたが、7日後に真皮に及ぶ変化はみられなかったとの報告がある(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分2Aとした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(7日観察)において、中程度の刺激性がみられ(Moderate)、急性眼刺激指数(AOI)は33.3(30〜80で区分2Aに相当)であったとの報告がある(SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、ラットの骨髄細胞を用いた単回強制経口投与による染色体異常試験(OECD TG475相当、GLP)において、死亡が生じた5,000 mg/kgまで染色体異常の頻度増加は認められず、陰性との報告がある(SIDS Dossier (2006)、SIAR (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験(OECD TG471相当)及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いた遺伝子変異試験(OECD TG476)で陰性の報告がある(SIDS Dossier (2006)、SIAR (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)より、母動物に一般毒性がみられる用量で、奇形影響(波状肋骨、肩甲骨及び肩甲棘の湾曲、口蓋裂)がみられた。また、(2)、(3)より、ラットの混餌投与試験で精巣・精子への有害影響がみられた。以上より、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)妊娠ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG 414、GLP、20〜500 mg/kg/day)において、最高用量(500 mg/kg/day)では母動物死亡率が高く、途中で試験中止とされた。中用量(100 mg/kg/day)以下では、母動物、胎児ともに異常はみられなかった。高用量(300 mg/kg/day)では、母体毒性(体重増加量及び摂餌量減少)とともに胚吸収増加と同腹児数の減少がみられた。同群の胎児には低体重、骨化遅延に加え、骨格奇形(波状肋骨、肩甲骨及び肩甲棘の湾曲、上腕骨の肥厚等)、外表奇形(低頻度:口蓋裂(1腹3胎児)、指の異常(少・短指症:2腹2胎児))の増加がみられたとの報告がある(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 (2)ラットを用いた混餌投与による試験(OECD TG 407、GLP、25〜250 mg/kg/day)において、高用量(250 mg/kg/day)で精巣重量減少、精細管低形成、精巣上体の精子低形成・精子数減少又は無精子、精嚢の分泌著減、前立腺の欠損がみられたとの報告がある(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 (3)ラットを用いた混餌投与による試験(500〜4,000 ppm)において、中用量(2,000 ppm)で雄の2/20例に低精子症、高用量(4,000 ppm)で6/20例に低精子症、精巣及び卵巣重量減少がみられたとの報告がある(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 【参考データ等】 (4)EUでは本物質の類縁物質である4-イソドデシルフェノール(CAS登録番号:74499-35-7)が区分1Bに分類されている。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、経口及び経皮経路では標的臓器が特定できず分類できない。また、吸入経路での毒性情報がなくデータ不足のため分類できない。なお、(1)、(2)でみられた影響は消化管や皮膚における刺激性影響とそれらに伴う二次的影響であると考えられるため、標的臓器として採用していない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、1,260〜3,980 mg/kg(区分2〜区分に該当しない範囲)で1/5〜4/5例の死亡がみられ、体重減少、衰弱、下痢、虚脱がみられ、死亡例の剖検では、出血性肺、肝臓の退色と胃に炎症部位がみられたとの報告がある。なお、生存例の剖検では影響は見られなかったとの報告がある(SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 (2)ウサギを用いた単回経皮投与試験において、体重減少、衰弱、下痢、虚脱がみられ、死亡例の剖検では、肺充血、肝臓、脾臓及び腎臓の退色、胆嚢肥大、胃腸管の炎症がみられた。またLD50は2,000 mg/kg超(区分に該当しない範囲)であったとの報告がある(SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、標的臓器は雄性生殖器と考えられ、区分2の用量範囲でみられることから、区分2(生殖器(男性))とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による28日間反復経口投与試験(OECD TG 407、GLP)において、5,000 ppm(250 mg/kg/day、90日換算値:78 mg/kg/day、区分2の範囲)で血液影響(ヘマトクリット低値)、雄性生殖器官影響(精巣重量減少、精細管低形成、精巣上体の精子低形成・精子数減少又は無精子、精嚢の分泌著減、前立腺の欠損など)がみられたとの報告がある(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 (2)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、2,000 ppm(106 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で雄の2/20例に低精子症、4,000 ppm(217 mg/kg/day(雄)、228 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で6/20例に低精子症、精巣及び卵巣重量減少ががみられたとの報告がある(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006)、AICIS Evaluation Statement (2022))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データなし。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データなし。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
品名(国連輸送名) | - | |||
国連分類 | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 利用可能な情報なし | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | - | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(X類物質)(施行令別表第1)【ドデシルフェノール】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |