| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン | ||
| 化学品の英語名称 | 2-Methyl-4-isothiazolin-3-one | ||
| 製品コード | R06-A-019-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 医薬部外品添加物(化粧品防腐剤)(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分3 | |
| 急性毒性 (経皮) | 区分3 | ||
| 急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分2 | ||
| 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1B | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
| 皮膚感作性 | 区分1A | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (呼吸器) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | - | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | - | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | - | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 皮膚に接触すると有毒 吸入すると生命に危険 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 呼吸器の障害 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||
| 応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン | ||
| 慣用名又は別名 | N−メチル−イソチアゾロン | ||
| 英語名 | 2-Methyl-4-isothiazolin-3-one | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C4H5NOS (115) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 2682-20-4 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 5-5235 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 自分自身を保護しながら、負傷者を危険な領域から取り除き、空気の新鮮な場所に移すこと。 呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 直ちに皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで少なくとも10〜20分間洗浄する。 アルコール、ガソリン、その他の溶剤は絶対に使用しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合は医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 直ちに医師に連絡すること。 意識がある場合は、コップ1〜2杯の水を飲ませる。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性影響: 物質固有の情報は2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンには利用できないが、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと混合すると、皮膚に顕著な刺激を引き起こし、粘膜と眼の角膜に腐食性の影響を引き起こす。 慢性的な影響: わずかな感作/アレルギーの可能性(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンによって引き起こされるものよりもはるかに低い)。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥消火剤、アルコール耐性泡消火剤、二酸化炭素。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス(一酸化窒素)、硫黄酸化物、一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 加熱すると圧力が上昇し、破裂や爆発の危険がある。 着火(発火)源を遮断する。 流出水が排水システムに入らないようにすること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 影響を受ける周囲に警告する。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 容器とパイプラインにラベルを貼ること 水への深刻な危険。水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 廃棄物を流し台やゴミ箱に入れたり置いたりしない。 収集容器にはラベルを貼ること。容器は換気の良い場所に保管すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する 粉じんを発生させないこと。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集すること。 掃除中に粉じんを起こさないこと。 清掃にブロワーを使用しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 作業場所を清潔に保つこと。 この物質は、作業に必要な量を超えて持ち込まない。 容器を開けたままにしないこと。 補充または移し替えには、排気口付きの漏れ防止機器を使用すること。 こぼれないようにすること。 ラベルの付いた容器にのみ注入すること。 粉じんを発生させないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質。 ガス。 水と接触した可燃性ガスを放出する物質。 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 衛生対策 | 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。接触した場合は患部を洗浄する。 眼に入った場合は、影響を受けた眼を洗い流す。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 使用後は手を洗うこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 容器にはラベルを貼付すること。 できるだけ元の容器に保管すること。 容器は、涼しく乾燥した換気の良い場所で密閉すること。 物質は空気に敏感なため、空気/酸素から保護する。 内容物は不活性ガスの下に保管すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2023年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | - | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 シャワー付きの洗面所と、可能であれば、私服と作業服用の独立した収納を備えた部屋を用意すること。 取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。 作業場は、可能であれば物理的に分離する必要がある。 作業場は換気をすること。 床に排水溝を設置しない。 洗眼設備を設置し、標識を付ける。 本物質を大量に取り扱う場合は、緊急用シャワーを設置すること。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、体積18%未満の酸素濃度、または不明な状況では、絶縁装置を使用すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。着用する前に締まり具合を確認すること。手袋は取り外す前に十分に洗浄し、換気の良い場所に保管すること。 布製または革製の手袋は不適切である。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 無色、白色 | ||
| 臭い | データなし | ||
| 融点/凝固点 | 50〜51℃ (HSDB in PubChem(2024)) 39〜42.8℃ (EU CLP CLH (2015)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | 93℃ (4 Pa) (GESTIS (2024)) | ||
| 可燃性 | 可燃性 (GESTIS (2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | 396 ℃ (1012 mbar) (ECHA CHEM (2024)) | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | 2.58 (5%水溶液、25℃) (ECHA CHEM(2024)) | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:1,000 g/L (20℃) 非常に溶けやすい (GESTIS (2024)) 水:> 4287.2 g/L (pH = 4.5、20℃) (EU CLP CLH (2015)) メタノール:79.1 g/100 mL (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow:-0.486 (24℃) (HSDB in PubChem(2024)) log Pow:-0.32 (20℃) (EU CLP CLH (2015)) | ||
| 蒸気圧 | 0.062 mmHg (25℃) (HSDB in PubChem(2024)) 0.0073 hPa (25℃) (ECHA CHEM (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.35 g/mL (25℃) (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 物質は可燃性である。 電気器具は、腐食のリスクが高いため、定期的に点検すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 可燃性物質。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス(一酸化窒素)、硫黄酸化物、一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より区分3とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:雄:235 mg/kg、雌:183 mg/kg (OECD TG401、GLP)(AICIS IMAP_1 (2019)、RAC (Background Doc. (2016)、MAK(DFG)(2013)) (2)ラットのLD50:雄:232〜249 mg/kg、雌:120 mg/kg(EPA 40 CFR 158.340 、GLP)(RAC (Background Doc. (2016)) (3)ラットのLD50:雄:328 mg/kg、雌:247 mg/kg(OECD TG401、GLP)(RAC (Background Doc. (2016)) 【参考データ等】 (4)EU CLP分類でAcute Tox. 3に分類されている (CLP分類 (Accessed Aug. 2024))。 | |||
| 経皮 | 【分類根拠】 (1)より区分3とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:雌雄:242 mg/kg(OECD TG402、GLP)(AICIS IMAP_1 (2019)、RAC (Background Doc. (2016)) 【参考データ等】 (2)EU CLP分類でAcute Tox. 3に分類されている (CLP分類 (Accessed Aug. 2024))。 | |||
| 吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):雌雄:0.11 mg/L(OECD TG403、GLP)(RAC (Background Doc. (2016)) 【参考データ等】 (2)EU CLP分類で Tox. 2に分類されている (CLP分類 (Accessed Aug. 2024))。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n= 6)を用いた皮膚刺激性試験(3分間、1時間、4時間ばく露)において3分間ばく露では、本物質 (97.8 %) の適用により、中程度の紅斑と浮腫を生じ、浮腫は7日までに回復したが、紅斑は7日間持続した。ウサギに1時間又は4時間ばく露後には、重度の紅斑と浮腫(スコア4)がみられ、浮腫は回復したが、紅斑は1時間及び4時間ばく露後の各々7日及び14日間後に回復性はみられず、非可逆性であった(RAC (Background Doc.) (2016)、AICIS IMAP (2019))。 (2)ヒト表皮モデル(EpiDerm)を用いたin vitro皮膚腐食性試験(OECD TG431)において、1.7 %では3及び60分後に腐食性はみられなかったが、51.5%では3分後ではなく60分間ばく露後に細胞生存率が13.6%に低下したことから腐食性と判定された(RAC (Background Doc.) (2016)、EU CLP CLH (2015))。 【参考データ等】 (2)EU CLP分類で Skin Corr. 1B に分類されている (CLP分類 (Accessed Aug. 2024))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)本物質の皮膚刺激性の分類は区分1Bである。 (2)本物質はウサギの眼に対して腐食性を有する (EPA Pesticides RED (1998))。 (3)本物質(原液) はウシの角膜を用いる混濁度及び透明性試験において刺激性が認められる (AICIS IMAP (2019))。 【参考データ】 (4)本物質は眼に深刻な損傷を与えると考えられる (AICIS IMAP (2019)、EU CLP CLH (2015))。 | |||
| 呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)マウスを用いたLLNA試験(OECD TG429、GLP:0.5〜1.8%)では、適用濃度0.15、0.45、0.76、1.35、1.57、及び1.80%でのSIは、各々2.08、2.40、2.23、6.64、4.73及び6.62%で、EC3は0.86%と算出された(RAC (Background Doc.) (2016))。 (2)モルモット(n= 10)を用いたBuehler試験(OECD TG406、GLP、局所感作:0.1〜3%、惹起:0.1〜1.5%)及びマキシマイゼーション試験(OECD TG406、GLP、皮内感作:0.1%、経皮感作:10%、惹起:1%)においても、区分1を支持する結果が得られている(RAC (Background Doc.) (2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 (3)ヒト21日間累積皮膚刺激性/感作性試験において、16人のボランティアに(0.1、0.05、0.025、0.01、0.005 % (79、39.5、19.8、7.9、3.9 μg/cm2)) を適用した結果、0.1 %の濃度で皮膚感作性が確認され、皮膚の膨潤と発赤がみられた(RAC (Background Doc.) (2016))。 【参考データ等】 (4)ヒトにおける皮膚感作性を示す研究や症例報告が複数報告されている。ヨーロッパ数カ国の皮膚炎患者のパッチテストにおいて、陽性反応が報告されている (RAC (Background Doc.) (2016)、AICIS IMAP (2019)、MAK(DFG)(2013))。 (5)EU CLP分類でSkin Sens. 1A(CLP分類 (Accessed Aug. 2024))、MAK (DFG) でShに分類されている (MAK (DFG) (2013))。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄を用いた単回強制経口投与による小核試験(OECD TG474、GLP)で陰性の報告が2件、ラットの肝細胞を用いた不定期DNA合成試験(OECD TG486、GLP)で陰性の報告が2件ある (RAC (Background Doc.) (2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 (2)In vitroでは、細菌を用いる復帰突然変異試験(OECD TG471、GLP)で陰性の報告が2件、チャイニーズハムスターの肺由来(CHL)細胞を用いた遺伝子突然変異試験(OECD TG476、GLP)で陰性の報告が2件、CHL細胞又はヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(OECD TG473、GLP)で陰性の報告がある (RAC (Background Doc.) (2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 | |||
| 発がん性 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた飲水投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG416、GLP、4-115 mg/kg/day)において、親動物及び児動物に飲水量減少、摂餌量減少、体重増加抑制がみられたが、生殖能への影響はみられなかったとの報告がある(RAC (Background Doc.) (2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024)、AICIS IMAP (2019))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP)2件において、発生毒性がみられなかったとの報告がある (RAC (Background Doc.) (2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024)、AICIS IMAP (2019))。 (3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP)において、発生毒性がみられなかったとの報告がある(RAC (Background Doc.) (2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024)、AICIS IMAP (2019))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)より区分1(呼吸器) とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回吸入ばく露試験 (OECD TG403、GLP、0.046〜2.09 mg/L) において、死亡、努力呼吸、呼吸困難、呼吸数増加、鼻周囲の赤色分泌物、肺葉の赤色化及び肺表面上の赤色点状病巣がみられた (RAC (Background Doc. (2016))。 【参考データ等】 (2)ラット又はマウスを用いた単回経口投与試験 (OECD TG401、GLP) において、本物質の腐食性の性質に起因すると考えられる所見として、死亡、症状及び剖検所見(胃粘膜の赤色化、腸の赤色化)がみられた (RAC (Background Doc. (2016))。 (3)ラットを用いた2つの単回経皮投与試験のうち1試験では本物質ばく露により皮膚傷害(漂白、浮腫、暗色化領域、痂皮形成、皮膚脱落)と消化管傷害がみられ、死亡例が多発した。他の1試験では2,000 mg/kgでばく露したにもかかわらず死亡例は生じなかった(RAC (Background Doc. (2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 (4)マウスの吸入ばく露後の気道刺激性指標、RD50(10分間ばく露、15分後測定): > 157 μg/L(RAC (Background Doc. (2016)) | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4)の経口投与試験結果からは標的臓器は特定できない (消化管への腐食性影響を避けるため全体的に用量が低く、区分2の範囲をカバーしていない)。他経路の毒性情報はなく、データ不足のため分類できない。 【参考データ】 (1)ラットを用いた28日間強制経口投与試験 (10〜71.2 mg/kg/day) において、71.2 mg/kg/day (90日換算:約22.2 mg/kg/day:区分2) で死亡 (雄1/5匹、雌4/5匹)、嗜眠 (第3及び4週)、体重増加抑制及び摂餌量低下がみられた。投与終了時の検査で血液生化学値の一部に変動がみられたが、背景データの範囲内であった。雄性生殖器官、肝臓 (雄)、腎臓 (雌 )に臓器重量の変動がみられたが、いずれも組織学的に異常を認めず偶発変化と考えられた (RAC (Background Doc.) (2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 (2)ラットを用いた3ヵ月間飲水投与試験 (75〜1,000 ppm) において、高用量群 (66 mg/kg/day:区分2) で体重、摂餌量及び飲水量減少がみられ、NOAELは250 ppm (雄:19.0 mg/kg/day、雌:24.6 mg/kg/day) と報告されている (RAC (Background Doc. )(2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 (3)ラットを用いた90日間強制経口投与試験 (7.52〜30.09 mg/kg/day) において、高用量群で脾臓重量の増加がみられた以外に投与関連した有害影響は認められなかった。その他、精巣上体における精子数及び形態異常精子比率の変動がみられたが、投与に関連しない偶発変化と判断された (RAC (Background Doc. )(2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 (4)イヌを用いた3ヵ月間混餌投与試験 (100/130〜1,500 ppm) において、高用量群で体重及び摂餌量の低下がみられた以外に投与に関連した有害影響は見られなかった (RAC (Background Doc. )(2016)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 | |||
| 誤えん有害性* | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | - | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | - | ||
| 残留性・分解性 | - | ||
| 生態蓄積性 | - | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | - | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 2811 | |||
| 品名(国連輸送名) | その他の毒性固体、有機物、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 6.1 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | U | |||
| 海洋汚染物質 | - | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 153 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | - | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||