1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品等の名称 | トリメチルベンゼン (Trimethyl benzene) | ||
製品コード | H26-B-073(製品コードなし) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 染料、顔料、医薬品、工業薬品原料 |
2.危険有害性の要約 | ||||
---|---|---|---|---|
GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | ||
健康に対する有害性 | 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分2B | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器) | |||
吸引性呼吸器有害性 | 区分1 | |||
分類実施日 | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分2 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分2 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ 皮膚刺激 眼刺激 呼吸器への刺激のおそれ 眠気又はめまいのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系、呼吸器の障害 水生生物に毒性 長期継続的影響によって水生生物に毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 無理に吐かせないこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | トリメチルベンゼン (Trimethyl benzene) | ||
別名 | メチルキシレン (Methylxylene) トリメチルベンゼン(異性体混合物) (Trimethyl benzenes (Mixed isomers)) トリメチルベンゼン (CAS No.25551-13-7) には次の異性体が含まれる。 (1) 1,2,3-Trimethyl benzene (別名:Hemimellitene、CAS No.526-73-8)、 (2) 1,2,4-Trimethyl benzene (別名:Pseudocumene、CAS No.95-63-6)、 (3) 1,3,5-Trimethyl benzene (別名:Mesitylene、CAS No.108-67-8) | ||
濃度又は濃度範囲 | 99%以上 | ||
分子式 (分子量) | C9H12 (120.19) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 25551-13-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (3)-3427 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣類を脱ぐこと。 皮膚を速やかに多量の水と石鹸で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:錯乱、咳、めまい、し眠、頭痛、咽頭痛、嘔吐。 皮膚:発赤、皮膚の乾燥。 眼:発赤、痛み。 経口摂取:「吸入」の項参照 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 小火災:二酸化炭素、粉末消火剤、散水、耐アルコール性泡消火剤 大火災:散水、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。 火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。 加熱により蒸気が空気と爆発性混合気を生成するおそれがある。:屋内、屋外又は下水溝で爆発の危険がある。 加熱により容器が爆発するおそれがある。 燃焼により大量の黒煙を発生する。 | ||
特有の消火方法 | 引火点が極めて低い:消火の効果がないおそれがある場合は散水する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 大火災の場合、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。これが不可能な場合には、その場所から避難し、燃焼させておく。 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。 関係者以外の立入りを禁止する。 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 風上に避難する。 密閉された場所に立入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ漏れを止める。 回収、中和: 少量の場合、乾燥土、砂や不活性吸収剤で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。 少量の場合、吸収したものを集めるとき、清潔な帯電防止工具を用いる。 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。 大量の場合、散水は、蒸気濃度を低下させる。しかし、密閉された場所では燃焼を抑えることが出来ないおそれがある。 二次災害の防止策: すべての発火源や可燃性物質を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。 接触、吸入又は飲み込まないこと。 蒸気、ミストを吸入しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。−禁煙。 酸化剤から離して保管する。 容器を密閉して換気の良い涼しい所で保管すること。 容器は直射日光や火気を避けること。 施錠して保管すること。 技術的対策: 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。 保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。 保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。 保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2014年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2014年版) | TLV-TWA (25 ppm) (mixed isomers) TLV-STEL (未設定) | ||
設備対策 | 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 取扱い程でミストが発生するときは、空気汚染物質を許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。 この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型) | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 無色液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 特異臭(芳香臭) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -24℃〜45℃:ICSC(2002) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 165〜176℃: ICSC(2002) | ||
引火点 | 44〜53℃ (密閉式):ICSC(2002) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 情報なし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 非該当 | ||
蒸気圧 | 0.18〜0.25kPa (20℃):ICSC(2002) | ||
蒸気密度 | 4.1:ICSC(2002) | ||
比重(相対密度) | 0.86〜0.89:ICSC(2002) | ||
溶解度 | 水に不溶、アルコールエーテル等の有機溶媒に可溶:ICSC(2002) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Pow = 3.4〜3.8:ICSC(2002) | ||
自然発火温度 | 470〜550℃:ICSC(2002) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 通常の取り扱い条件においては安定。 | ||
危険有害反応可能性 | 酸化性物質と反応する。 | ||
避けるべき条件 | 高温、混触危険物質との接触。 | ||
混触危険物質 | 酸化性物質。 | ||
危険有害な分解生成物 | 燃焼により、一酸化炭素、ニ酸化炭素などが発生する。 |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | この物質は異性体混合物であり、CAS番号 526-73-8、95-63-6、108-67-8を含む。個別の異性体の分類についても参照のこと。 ラットのLD50値として、8,970 mg/kg との報告 (HSDB (Access on August 2014)) に基づき、区分外とした。 | ||
経皮 | データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 本物質は動物 (種は不明) に対して一次刺激性を持つとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。なお、ウサギに1,3,5-トリメチルベンゼン (CAS:108-67-8) を適用した皮膚刺激性試験 (OECD TG404準拠) において、適用1時間後にごく軽度の発赤及び軽度の浮腫がみられ、適用後144 時間後には中等度から重度の発赤がみられたが浮腫は回復したとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。以上の結果から、区分2とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 本物質は眼刺激性を持つとの記載がある (HSDB (Access on August 2014))。また、ウサギの眼に1,3,5-トリメチルベンゼン (CAS:108-67-8) を500 mgを24時間適用した結果、軽度の刺激性がみられたとの記載がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。以上の結果から、区分2Bとした。 | ||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。なお、本物質を含む混合溶剤の職業ばく露で、塗料店の従業員37人が溶剤蒸気 (組成: 1,3,5-トリメチルベンゼン 30%、1,2,4-トリメチルベンゼン 50%、その他含有の可能性ある物質1,2,3-トリメチルベンゼン、1-メチル-2-エチルベンゼン、1-メチル-4-エチルベンゼン) に 7年間ばく露された結果、最高濃度にばく露されたヒトの70%が喘息性気管支炎を発症したとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。しかしこの知見は混合ばく露であり、本物質による影響か否か判断できないため、区分に用いるには不十分なデータと判断した。 | ||
皮膚感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | データ不足のため分類できない。 | ||
発がん性 | データ不足のため分類できない。 | ||
生殖毒性 | データ不足のため分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 本物質に関する情報は少ないが、ヒトに気道刺激性の記載 (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on August 2014))、実験動物で、マウスに 5,000-9,000 ppm (24,600-44,280 mg/m3) の吸入ばく露で中枢神経系抑制の記載がある (ACGIH (7th, 2001))。なお、中枢神経系抑制は区分のガイダンス値範囲外の濃度であった。また、実験動物への中枢神経系への影響は麻酔作用に含まれる症状であった。以上より、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ヒトでは本物質の異性体として1,3,5-トリメチルベンゼン30%、1,2,4-トリメチルベンゼン50%を含む溶剤に数年間ばく露 (炭化水素濃度として10-60 ppm) された作業者27名中の多くに中枢神経系 (神経過敏、緊張、不安) 及び呼吸器 (喘息性気管支炎) への影響がみられた。血液検査では低色素性貧血及び血液凝固異常 (凝固時間の延長) の傾向が示された。原著者らはトリメチルベンゼンばく露による影響と主張したが、血液毒性は溶剤に混入していたベンゼンによる影響との他研究者による指摘も記述されている (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第11巻 (2013))。 実験動物ではラットにトリメチルベンゼン異性体混合物 (組成不明) を1,700 ppm (8,347 mg/m3) の濃度で4ヶ月間吸入ばく露した結果、体重増加抑制と共に顕著な中枢神経系抑制、血液検査異常 (リンパ球増加、好中球増加) がみられたが、血液影響は被験物質に混入したベンゼンによる影響の可能性もあると記述されている (ACGIH (7th, 2001)、NITE初期リスク評価書 (2008))。すなわち、区分2までの濃度範囲で明確な標的臓器毒性はないが、区分外の高濃度ではヒトでの本物質ばく露による中枢神経系への影響を支持する結果と考えられた。 以上、ヒト及び実験動物の知見より、血液毒性については証拠が不十分のため、標的臓器の対象とせず、分類は区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。なお、旧分類はList 3又はList外の情報源からの分類であり、今回はList 1の情報源より分類したため、結果が変わった。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | 炭化水素であり、混合物としての動粘性率は算出根拠となる数値が得られず算出できないが、1異性体である1,3,5-トリメチルベンゼンの動粘性率は8.9 mm2/s と低く、混合物の動粘性率もこれと大きく異なることはないと考えられる。よって、区分1とした。なお、List 3 のICSCに経口摂取した場合、肺への吸引により化学性肺炎を生じるおそれがあるとの記述がある (ICSC (2002))。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(グラスシュリンプ)の96時間LC50=5400μg/L(AQUIRE、2003)から、区分2とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いものの(1,3,5-トリメチルベンゼンのBCF=328(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(1,3,5-トリメチルベンゼンのBODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ)から類推)ことから、区分2とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上、処理を委託する。 燃焼法: アフターバーナ及びスクラバを備えた焼却炉の火室へ噴霧し、焼却する。 | ||
汚染容器及び包装 | 空容器を廃棄する時は、内容物を完全に除去した後に処分する。 内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務を委託すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2325 | |||
国連品名 | 1,3,5-TRIMETHYLBENZENE | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | III | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。 危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。 危険物の運搬中危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | - |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) 危険物・引火性の物 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体 | |||
船舶安全法 | 引火性液体類 | |||
航空法 | 引火性液体 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |