職場のあんぜんサイト

安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
S-エチル=2-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)チオアセタート
作成日 2008年11月05日
改訂日 2023年3月31日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称S-エチル=2-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)チオアセタート
化学品の英語名称S-ethyl (4-chloro-2-methylphenoxy)ethanethioate
製品コードR04-C-065-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限フェノキシ系除草剤、植物成長調整剤、殺虫剤 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 ※一部、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2B
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分2(神経系)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分2(血液系)
分類実施日
(環境有害性)
マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分1
水生環境有害性 長期(慢性)区分1
GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性環境
注意喚起語警告
危険有害性情報飲み込むと有害
眼刺激
神経系の障害のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害のおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
 応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
漏出物を回収すること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名S-エチル=2-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)チオアセタート
慣用名又は別名情報なし
英語名S-ethyl (4-chloro-2-methylphenoxy)ethanethioate
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C11H13ClO2S (244.74)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号25319-90-8
官報公示整理番号(化審法)情報なし
官報公示整理番号(安衛法)4-(6)-167、4-(6)-191
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。呼吸が止まっている場合は人工呼吸を行う。医師の診察/手当てを受けること。
以上、ERG参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を直ちに流水で少なくとも20分間洗浄する。医師の診察/手当てを受けること。
以上、ERG参照。
眼に入った場合直ちに流水で少なくとも20分間洗浄する。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、洗浄を続ける。医師の診察/手当てを受けること。
以上、ERG、GHS分類結果参照。
飲み込んだ場合口をすすぐ。気分が悪い時は医師に連絡する。
以上、GHS分類結果参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素
以上、ERG参照。
使ってはならない消火剤情報なし
火災時の特有の危険有害性火災の場合、刺激性のある腐食性の毒性ガスが放出される可能性がある。
以上、ERG参照。
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。
環境に対する注意事項化学品を扱う場合の一般的な注意として、周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策粉じんを吸入しない。取扱後は手をよく洗う。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GHS分類結果参照
保管
安全な保管条件施錠して保管する。
以上、GHS分類結果参照
安全な容器包装材料国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度等
日本産衛学会(2022年版)第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん*
吸入性粉じん: 2 mg/m3
総粉じん: 8 mg/m3
* 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。
ACGIH(2022年版)PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles)
PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles)
* Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified
設備対策密閉化された設備または局所排気装置を設置する。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。
作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
-防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具必要に応じて保護手袋を着用する。
眼の保護具必要に応じて保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具必要に応じて保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色
臭いPesticide Manual 14th に記載ありそう
融点/凝固点41 ℃(GESTIS(2022))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性データなし
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点データなし
自然発火点データなし
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 2.28 mg/L(20℃)(GESTIS(2022))
n-オクタノール/水分配係数log Kow: 4.45(GESTIS(2022))
蒸気圧データなし
密度及び/又は相対密度1.291 g/cm3(GESTIS(2022))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件情報なし
混触危険物質強酸化剤
危険有害な分解生成物一酸化炭素、硫黄酸化物、ハロゲン化物

11.有害性情報
急性毒性
経口ラット経口投与のLD50=790mg/kg(農薬登録申請資料(1999))に基づき、区分4とした。
経皮ラット経皮投与のLD50>5000mg/kg(農薬登録申請資料(1999))に基づき、区分外とした。
吸入: ガスGHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入: 蒸気データなし。
吸入: 粉じん及びミストラット吸入ばく露のLC50>0.044mg/L(実施可能な上限濃度)とのデータがあるが(農薬登録申請資料(1999))、区分を特定できないため、分類できないとした。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性ウサギでの皮膚刺激性試験において、適用直後に極軽度の刺激性反応が見られたが、48時間後に回復している(農薬登録申請資料(1999))ことから、区分外とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性ウサギでの眼刺激性試験において、わずかな刺激性があるが4日以内に回復したとのデータがあることから(農薬登録申請資料(2003))、区分2Bとした。
呼吸器感作性データなし。
皮膚感作性モルモットでの皮膚感作性試験において、感作性なしとのデータがあることから(農薬登録申請資料(2003))、区分外とした。
生殖細胞変異原性in vitro復帰変異試験(農薬登録申請資料(1999))および染色体異常試験(農薬登録申請資料(1999))、マウス骨髄細胞でのin vivo小核試験(農薬登録申請資料(2003))において、全て陰性との報告があることから、区分外とした。
発がん性ラット24ヶ月およびマウス18ヶ月の発がん性試験において、試験物質の投与に関連した腫瘍の発生がなかったとのデータがあることから(農薬登録申請資料(1999))、区分外とした。
生殖毒性ラット3世代繁殖性試験、ラットおよびウサギでの催奇形性試験において、繁殖性や仔動物への影響がなかったとのデータがあることから(農薬登録申請資料(1999))、区分外とした。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)ラットでの試験において、眼瞼下垂、四肢の硬直及び脱力麻痺、歩行失調、反射の減弱、腹臥、昏睡との報告があることから(農薬登録申請資料(1999))、神経系が標的と考えられた。これらの影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分2(神経系)とした。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(2)〜(4)より、区分2の範囲で血液系への影響がみられたことから、区分2(血液系)とした。なお、(2)、(3)でみられた肝臓、腎臓への影響は血液毒性の二次的影響と考えられるため、標的臓器として採用していない。また、(2)でみられた神経系への影響は、(4)の類縁物質を用いた亜急性神経毒性試験で影響がみられていないことから、標的臓器として採用していない。(1)より、本物質のデータに加えて、類縁物質である4-クロロ-o-トリロキシ酢酸(MCPA、CAS登録番号:94-74-6)のイヌ以外のデータを用いて分類を行った。新たな知見に基づき、分類結果を変更した。旧分類とEUで特定標的臓器毒性(反復ばく露)のGHS区分に差異があったため、本項目を見直した(2022年度)。

【根拠データ】
(1)本物質(MCPA-チオエチル)は摂取後速やかに吸収され、MCPAに変換される。MCPAは更なる代謝を受けることはなく、ラット、イヌ及びヒトではMCPAとして大部分が尿中に排泄される。ただし、イヌと他の動物種間でMCPA及び他の関連有機酸の体内動態における種差が存在することから、ヒト健康リスクを決定する上でイヌの毒性データの利用は適切ではないことが示唆されている(ECHA RAC Opinion (2018))。
(2)本物質におけるラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、8.2 mg/kg/day(区分1の範囲)で精子形成の減少(雄:5/10)、脊髄・脳幹の神経細胞萎縮(雌:1/10)がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。
(3)本物質におけるラットを用いた混餌投与による52週間反復経口投与試験(OECD TG453、GLP)において、78.7 mg/kg/day(区分2の範囲)で体重増加抑制・摂餌量減少、溶血性貧血、AST(GOT)・ALP増加、甲状腺重量増加、脾臓のうっ血・類洞の拡張、腎尿細管細胞の褐色色素沈着の増加、尿タンパクの増加、尿量の増加(雌)がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。
(4)MCPAにおけるラットを用いた90日間混餌投与による亜急性神経毒性試験において、50 ppm(34 mg/kg/day(雄)、42mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)以上で腎臓(重量増加、尿素・クレアチニン増加)、精巣(雄)及び副腎(雌)相対重量の低値、副腎の脂質増加がみられた。神経系について、機能観察総合評価(FOB)及び運動活性評価、組織病理学的検査を実施したが、区分2の上限までの範囲で影響はみられなかったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。


【参考データ等】
(5)本物質におけるイヌを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、約5 mg/kg/day(区分1の範囲)で肝臓・腎臓の形態変化(肝臓の髄外造血、腎臓の曲尿細管の色素沈着)が、約25 mg/kg/day(区分2の範囲)で肝臓の髄外造血、腎臓の曲尿細管の色素沈着、ヘモグロビンの減少(3及び12ヵ月)(雄)、赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットの減少(3〜12ヵ月)(雌)がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。
(6)MCPAにおけるイヌを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、48 mg/kg/day(区分2の範囲)肝臓の病理組織学的変化(巣状やびまん性の肝細胞解離、巣状壊死、単細胞壊死)がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018))。
(7)本物質は(6)より、EU CLHにおいて区分2(肝臓)として分類されている。
誤えん有害性*データなし。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=0.169mg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分1とした。
水生環境有害性 長期(慢性)急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=4.05(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。
残留性・分解性情報なし
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号3077
品名(国連輸送名)環境有害性物質(固体)、n.o.s.
国連分類9
副次危険-
容器等級V
海洋汚染物質該当
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策該当しない
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*171
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付の義務化候補物質リスト(令和5年)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法該当しない
船舶安全法有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
R5.3.31: 特定標的臓器毒性(反復ばく露)項目を見直した。