1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物 (Formaldehyde, polymer with benzenamine) | ||
製品コード | H27-A-026 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート原料(NITE調査) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H28.03.18、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分4 (液体と判定された場合) | ||
健康に対する有害性 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 区分1B | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系、視覚器、心臓、肝臓、腎臓) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (肝臓、心臓、甲状腺、腎臓)、区分2 (血液系) | |||
分類実施日 (環境有害性) | H27.07.01、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 分類実施中 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 分類実施中 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 可燃性液体 (液体と判定された場合) 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 中枢神経系、視覚器、心臓、肝臓、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓、心臓、甲状腺、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害のおそれ | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | データなし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物 | ||
別名 | データなし | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | (C6H7N.CH2O)x | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 25214-70-4 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | データなし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | データなし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | データなし | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 砂、水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
特有の危険有害性 | 当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(又はガス)を放出する。 当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素のほか、窒素酸化物系のガス等の有毒ガスが含まれるので消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 | ||
特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 取扱いや保管場所の近傍での飲食の禁止。 すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 保護手袋/保護衣/保護めがね/保護面を着用すること。 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を接地すること、アースをとること。 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | ||
接触回避 | データなし | ||
衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること 保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。直射日光を避け、冷暗所に保管する。高温物を近づけない。 | ||
安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2015年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2015年版) | 未設定 | ||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄剤のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体又は固体 (20℃,1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 黄色 (ECHA(2011)) | ||
臭い | データなし | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | 89℃ (EU-RAR(2011)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 398-399℃ (1013 hPa) (EU-RAR(2011)) | ||
引火点 | 70oC (方式不明) (MOLBASE(2015)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 爆発性でない (EU-RAR(2011)) | ||
蒸気圧 | 2.87×10-8 hPa (20℃) (EU-RAR(2011)) | ||
蒸気密度 | データなし | ||
比重(相対密度) | データなし | ||
溶解度 | 水:1.25 g/L (20℃) (EU-RAR(2011)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | 1.59 (EU-RAR(2011)) | ||
自然発火温度 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | データなし | ||
化学的安定性 | データなし | ||
危険有害反応可能性 | データなし | ||
避けるべき条件 | データなし | ||
混触危険物質 | データなし | ||
危険有害な分解生成物 | データなし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 分類できない 本物質は別名がメチレンジアニリン (MDA) の工業等級品 (technical grade MDA) で、tri- and polynuclear amines (いわゆるポリマー) 可変成分の異なる含量で構成されるUVCB物質 (Substances of Unknown or Variable composition, Complex reaction products or Biological materials) である。EUでの調査によると、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を約47〜65%未満の含量で含む本物質の典型的標準産物は、室温で液体であり、他の成分としては 2,4'-MDA (1.4〜約10%)、2,2'-MDA (約 0.2〜3%)、MDAのオリゴマー (約38.4〜65%未満) などを含む (ECHA SVC Support Document (2011)、EU-RAR (2001))。 データ不足のため分類できない。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。(固体の場合) GHSの定義における液体である。(液体の場合) | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 (固体の場合) 分類できない (液体の場合) GHSの定義における固体である。(固体の場合) データ不足のため分類できない。(液体の場合) | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ウサギの皮膚に本物質の主要な構成成分である4,4'-MDA (CAS番号: 101-77-9) 500 mgを24時間適用した皮膚刺激性試験において、軽度の紅斑がみられたのみであったとの報告がある (EU-RAR (2001))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ウサギの結膜嚢に本物質の主要な構成成分である、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) 100 mgを適用した結果、軽度から中等度の刺激性がみられたが7日以内に回復したとの報告がある (EU-RAR (2001))。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、本物質の主要な構成成分である、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) をモルモットに適用したマキシマイゼーション試験において、感作性はみられなかったとの報告があるが、ヒトに対するパッチテストにおいて感作性を引き起こしたとの報告が多数あることから、EUは4,4'-MDAはヒトに対して感作性をもつ可能性があるとしている (EU-RAR (2001))。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 本物質のデータはない。本物質はポリマーであり、標準的な工業グレードの本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を約47〜65%未満、2,4'-MDA (1.4〜約10%)、2,2'-MDA (約 0.2〜3%)、MDAのオリゴマー (約38.4〜65%未満) などを含む (ECHA SVC Support Document (2011)、EU-RAR (2001))。構成成分のうち1%以上含む成分の生殖細胞変異原性について、4,4'-MDAのデータが得られたが、2,4’-MDA、2,2’-MDAの生殖細胞変異原性のデータは得られなかった。従って、本物質の主要な構成成分である4,4'-MDAの生殖細胞変異原性について下記に示す。 4,4’-MDAは、in vivoでは体細胞変異原性試験 (小核試験、染色体異常試験) で陽性 (NTP DB (Access on March 2006)、EU-RAR (2001)、SIDS (2002))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色文体交換試験でいずれも陽性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001)、SIDS (2002))。 本物質は4,4'-MDAを1.0%以上含むことから、本物質の分類を区分2とした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分1B 本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を含む混合物であり、4,4'-MDAの分類結果が適用可能である。 4,4'-MDAの国際機関による分類結果では、IARCがグループ2Bに (IARC 39 Sup.7 (1987))、ACGIH がA3に (ACGIH (7th, 2001))、NTPがRに (NTP RoC (13th, 2014))、日本産業衛生学会が2Bに (許容濃度の勧告 (2015))、EUがCarc. 1B に (ECHA CL Inventory (Access on August 2015))、それぞれ分類されている。これらのうち、分類ガイダンス上は、EUが区分1Bに、EU、NTP以外は区分2に該当する。 EU-RAR (2001) の評価では、4,4'-MDAはラット及びマウスの経口経路による発がん性試験において、甲状腺と肝臓に腫瘍発生率を有意に増加させ、ラットでは低頻度ではあるが膀胱移行上皮の乳頭腫がみられ、希少な腫瘍であるため、本物質投与との関連性が否定できないとされた。すなわち、実験動物では十分な証拠があると結論された (EU-RAR (2001))。一方、ヒトでは本物質への職業ばく露と膀胱がんの発生との関連性が示唆されたが、疫学知見からは関連性について明確な結論を導けないと結論された。これらより、4,4'-MDAは実験動物に対し発がん性物質であるが、ヒトに対しての発がん性については情報が不十分で、67/548/EEC指令の基準に照らし、カテゴリー2 (現行CLP分類でCarc. 1Bに該当) とした (EU-RAR (2001))。 | ||
以上、4,4'-MDの発がん性分類結果について、IARCの評価後に発がん分類を行ったEUの分類結果 (NTPの2014年評価とも矛盾しない) を採用し、本物質にも適用が可能であることから、本項は区分1Bとした。 なお、EUは4,4'-MDAの結果を本物質の発がん評価に適用し、区分1Bとなることから、本物質をSVHC指定した (ECHA SVHC Support Document (2011))。 | |||
生殖毒性 | GHS分類: 区分2 本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を含む混合物であり、4,4'-MDAの分類結果が適用可能である。4,4'-MDAの生殖影響については、情報が極めて限られており、唯一、妊娠ラットに4,4'-MDAの塩酸塩50 mg/kg/day を妊娠14〜20日に強制経口投与し、妊娠21日に帝王切開した結果、母動物に肝臓影響 (退色、胆管の増生、門脈域の細胞増殖及び初期線維化)、胎児に肝臓の組織変化 (肝実質の脂肪浸潤 (胆管と門脈域の区別ができないほど重度)) がみられたとの記述がある (DFGOT vol. 7 (1996))。なお、4,4'-MDAを約30%含む製剤 (EMP IV) を妊娠ラット又は妊娠ウサギに対し、器官形成期に強制経口投与した催奇形性試験では、いずれの試験でも母動物が死亡する用量まで投与しても、胎児に胎児毒性、奇形発生はみられなかったとの記述がある (環境省リスク評価第10巻 (2012))。以上より、4,4'-MDAは旧分類と同様に、DFGOTに記載のデータより、区分2が妥当と判断され、本物質についても4,4'-MDAの分類結果が適用可能であることから、本項は区分2とした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (中枢神経系、視覚器、心臓、肝臓、腎臓) 本物質のデータはない。本物質はポリマーであり、標準的な工業グレードの本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を約47〜65%未満、2,4'-MDA (1.4〜約10%)、2,2'-MDA (約 0.2〜3%)、MDAのオリゴマー (約38.4〜65%未満) などを含む (ECHA SVC Support Document (2011)、EU-RAR (2001))。構成成分のうち1%以上含む成分の単回ばく露毒性について、4,4'-MDAのデータが得られたが、2,4’-MDA、2,2’-MDAの単回ばく露毒性のデータは得られなかった。従って、本物質の主要な構成成分である4,4'-MDAの単回ばく露毒性について下記に示す。 ヒトにおいては、4,4’-MDAは経口、吸入、経皮経路による急性毒性症状として、吐き気、嘔吐、発熱、悪寒、右上腹部痛、黄疸を伴う急性肝炎、肝臓腫大、胆管炎、門脈域の炎症と胆汁うっ帯、肝細胞壊死及び変性、心筋の障害、心筋損傷をうかがわせる心電図異常、網膜障害の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012)、EU-RAR (2001)、ACGIH (7th, 2001))。実験動物 (ラット、マウスなど) では、4,4’-MDAは経口投与 (区分1相当の用量) で、出血を伴う肝細胞壊死、多巣性細胆管性肝炎、胆管壊死、肝傷害、腎傷害、網膜萎縮による失明、吸入ばく露 (区分1相当の用量) で、振戦、円背位、眼球突出の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2001)、EU-RAR (2001)、ATSDR (1998))。 以上のように、4,4'-MDAの影響は中枢神経系、視覚器、心臓、肝臓、腎臓である。本物質は4,4'-MDAを10%以上含むことから、本物質の分類を区分1 (中枢神経系、視覚器、心臓、肝臓、腎臓) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (肝臓、心臓、甲状腺、腎臓)、区分2 (血液系) 本物質に関するデータはない。しかし、本物質はポリマーであり、標準的な工業グレードの本物質は、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9) を約47〜65%未満 、 2,4'-MDA (1.4〜約10%)、2,2'-MDA (約 0.2〜3%)、MDAのオリゴマー (約38.4〜65%未満) などを含む (ECHA SVC Support Document (2011)、EU-RAR (2001))。 構成成分のうち1%以上含む成分の反復毒性について、4,4'-メチレンジアニリン (4,4'-MDA: CAS番号: 101-77-9)についてデータが得られた。2,4’-MDA (CAS番号: 1208-52-2)、2,2’-MDA (CAS番号: 6582-52-1) の反復投与毒性については、データは得られなかった。本物質の主要な構成成分である4,4'-MDA (CAS番号: 101-77-9) の反復毒性について下記に示す。 | ||
ヒトについては、4,4'-MDAの単回ばく露や2週間以内での短期ばく露において、主に急性肝炎が報告され、心電図の異常がみられた例も報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (1998)、EU-RAR (2001)) 実験動物については、反復投与毒性として、ラットを用いた103週間飲水投与毒性試験において、150 ppm (9〜10 mg/kg/day) 以上で脂肪肝、甲状腺濾胞上皮細胞ののう腫及び過形成、300 ppm (16 mg/kg/day) で腎臓の鉱質沈着 (雄)、ラットを用いた3ヶ月間飲水投与毒性試験において、80 ppm (雄: 7.5 mg/kg/day、雌: 8 mg/kg/day) 以上で腎臓石灰化、甲状腺濾胞上皮細胞変性、400 ppm (雄: 22 mg/kg/day、雌: 23 mg/kg/day) 以上で摂餌量・摂水量減少、体重増加抑制、貧血、ALP・ALT・AST・尿素窒素・胆汁色素・コレステロールの増加、甲状腺濾胞上皮細胞の巣状結節性過形成、800 ppm (雄: 31 mg/kg/day、雌: 32 mg/kg/day) で白血球増加、好中球増加、プロトロンビン時間延長、肝臓小胆管の過形成、甲状腺濾胞上皮細胞過形成がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007))。これらの影響のうち、肝臓、甲状腺、腎臓への影響が区分1の範囲、血液への影響が区分2の範囲でみられた。 以上のように、4,4'-MDAの影響はヒトで肝臓、心臓にみられ、実験動物で肝臓、甲状腺、腎臓への影響が区分1の範囲、血液への影響が区分2の範囲でみられた。 本物質は、4,4'-メチレンジアニリンを10%以上含むことから、本物質の分類を区分1 (肝臓、心臓、甲状腺、腎臓)、区分2 (血液系) とした。 | |||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 分類実施中 | ||
水生環境有害性(長期間) | 分類実施中 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、または地方公共団体が廃棄物処理を行っている場合はそこに委託して処理する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
国連品名 | - | |||
国連危険有害性クラス | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | - |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |