1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ブチルヒドロキシアニソール | ||
化学品の英語名称 | Butylated hydroxyanisole | ||
製品コード | R04-B-025-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | プラスチック添加用酸化防止剤,食品添加物 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 皮膚感作性 | 区分1 | |
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分2(神経系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分2 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 警告 | ||
危険有害性情報 | アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 神経系の障害のおそれ 水生生物に毒性 長期継続的影響により水生生物に毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | ブチルヒドロキシアニソール | ||
慣用名又は別名 | tert−ブチル−4−メトキシフェノール | ||
英語名 | Butylated hydroxyanisole tert-Butyl-4-methoxyphenol | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C11H16O2 (180.25) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 25013-16-5 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-608、9-1199 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を流水と石鹸で十分に洗浄する。その後、ポリエチレングリコール400と交互に水で数分間すすぐ。最後に石鹸と水で洗う。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | 流水で10分間洗浄する。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 自然嘔吐の場合、誤嚥を防ぐために、患者を仰向けまたは横向きの姿勢にし、頭は足より低くしておく。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:呼吸器の炎症(喉の灼熱感、咳)は、おそらく高濃度でのみ誘発される。 皮膚:刺激性なし/軽微、まれにアレルギー反応(蕁麻疹、皮膚炎、湿疹)あり。 眼:灼熱感、痛み、発赤。 経口摂取:まれに即時型アレルギー反応を伴う場合がある 、その他の場合はおそらく消化器系の苦情(吐き気、嘔吐、胃痙攣など)のみ。 吸収:神経系及び筋緊張の障害(筋力低下、息切れ、麻痺)、肝機能障害の可能性。 以上、GESTIS参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、耐アルコール泡消火薬剤、二酸化炭素 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。着火源となるものを遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性がある。水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。多量の場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 粉じんが発生しないように回収する。その後、換気し漏出個所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 容器を開けたままにしない。粉じんを発生させない。使用前に取扱説明書を入手する。すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わない。使用時は十分な換気をすること。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。粉じんの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。汚染された作業衣は作業場から出さないこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所に保管すること。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH(2022年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
設備対策 | 作業場所には適切な局所排気装置等を設置する。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。床に排水溝を設けないこと。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。 作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 以上、GESTIS参照。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて適切な保護衣または化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体(GHS判定) | ||
色 | 白〜黄味がかった色 | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 58〜60 ℃(GESTIS(2022)) 48〜63 ℃(Lewis(2001)) 104〜105 ℃(SAX(2000)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | >240 ℃(GESTIS(2022)) 264〜270 ℃(Merck(2013)) 507〜518 °F(263.88-270℃、733 mmHg)(HSDB in PubChem(2022)) | ||
可燃性 | 難燃性(GESTIS(2023)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 116.6 ℃(Closed cup)(GESTIS(2022)) 313 °F(156.11℃)(HSDB in PubChem(2022)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 610 mg/L(29℃)(GESTIS(2022)) 水: <1〜mg/mL 65.3°F((18.5℃))(HSDB in PubChem(2022)) エタノール: (溶けやすい。)(HSDB in PubChem) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 情報なし | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 一酸化炭素、二酸化炭素 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、(1)は区分4上限値であることから、総合的に判断し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:2,000 mg/kg(CERI 有害性評価書 (2009)) (2)ラット(雌)のLD50:2,200 mg/kg(CERI 有害性評価書 (2009)) (3)ラットのLD50:2,200〜5,000 mg/kgの間(食安委 飼料添加物評価書 (2018)、EFSA (2011)、Canada cm3P (2010)) (4)ラットのLD50:2,900〜3,000 mg/kgの間(食安委 飼料添加物評価書 (2018)、EFSA (2011)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2022年度)。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、閉塞適用)において、皮膚刺激性影響はみられなかったとの報告がある(GESTIS (Accessed Sep. 2022))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、(1)の知見は試験条件等の詳細が不明のため、分類に用いなかった。 【参考データ等】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験において、軽度の眼刺激性がみられたとの報告がある(GESTIS (Accessed Sep. 2022))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)慢性蕁麻疹患者における蕁麻疹の再発や悪化と皮膚を介したBHAばく露との関連性が指摘されるとともに、皮膚接触により接触性皮膚炎を生じたとの産業界における多数の症例報告があり、本物質は潜在的な皮膚感作性物質と考えられる(EFSA (2018))。 (2)548名に対するパッチテスト(2%溶液)の結果、11名で皮膚感作性影響がみられたとの報告がある(J. Am. Coll. Toxicol., 3 (5) (1984))。 (3)本物質のばく露により、ヒトの皮膚に感作反応を引き起こす可能性がある(CERI 有害性評価書 (2009))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、本物質は生体にとって特段問題となる生殖細胞変異原性を示さないと考えられていることから、区分に該当しない。なお、新たな情報源が追加されたことから分類結果を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、ラットの生殖細胞を用いた優性致死試験及び骨髄を用いた染色体異常試験で陰性であった。また、DNA損傷試験(コメットアッセイ)は胃など一部の臓器で陽性の報告がある(食安委 飼料添加物評価書 (2018))。 (2)In vitroではネズミチフス菌(TA98、TA100、TA1535など)を用いたの復帰突然変異試験8試験及びほ乳類の培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験2試験の結果は全て陰性であった。また、チャイニーズハムスター肺由来細胞または卵巣細胞を用いた染色体異常試験(代謝活性化条件)で陽性の報告がある(食安委 飼料添加物評価書 (2018))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)のIARCでがグループ2Bとした理由は前胃腫瘍の誘発であること、(2)で実験動物(げっ歯類)における腫瘍発生部位が前胃に限られていること、(3)より、経口経路ではヒトにおける発がん性は区分に該当しないと判断ができることから区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)国内外の評価機関による既存分類として、IARCではグループ2Bに(IARC Suppl. 7 (1987))、NTPでRに(NTP RoC 15th. (2021):1991年分類)、DFGでカテゴリー3に((List of MAK and BAT values 2020):2011年分類)、それぞれ分類されている。 (2)マウス及びラットを用いた2年間混餌投与による多くの発がん性試験において、概ね1%以上で前胃の乳頭腫、2%で前胃の乳頭腫と扁平上皮がんの発生増加がみられた。また、ハムスターでも1及び2%投与群で前胃乳頭腫の発生増加がみられたが、扁平上皮がんは1%投与群の1/13例にみられただけであった(食安委 飼料添加物評価書 (2018)、EFSA (2011)、CERI 有害性評価書 (2009))。 (3)実験動物での腫瘍発生部位は前胃に限られている。本物質を投与したげっ歯類の前胃に認められた発がん性はげっ歯類に特異的なものであり、ヒトとの関連性はないと判断された(食安委 飼料添加物評価書 (2018))。 【参考データ等】 (4)ドイツの評価では、ラットの発がん性試験のうちの1試験において、中間用量の0.5%及び1%群で肝臓に非腫瘍性結節の発生頻度増加(非有意)、0.5%群では加えて肝がんが3例に認められたことから、BHTは前胃の腫瘍(ヒトに外挿できない)の可能性が示唆されることから、カテゴリー3に分類された(DFG MAK (2012)、GESTIS (Accessed Sep. 2022))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による一世代生殖毒性試験において、試験最高用量(0.5%)まで雌雄親動物への有害影響はみられなかった。児動物には中用量(0.25%)以上で離乳時(生後30日まで)死亡率の増加、驚愕反射の遅延(行動検査)、最高用量(0.5%)群では加えて離乳時体重の有意な低下(生後42日まで持続)がみられた(食安委 飼料添加物評価書 (2018)、EFSA (2011)、CERI 有害性評価書 (2009))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠7〜18日)において、試験最高用量の400 mg/kg/dayまで母動物、胎児ともに異常は認められなかった(食安委 飼料添加物評価書 (2018)、EFSA (2011)、CERI 有害性評価書 (2009))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、(1)でみられる歩行失調状態を神経系の毒性所見と判断し、区分2の用量範囲で影響がみられることから、区分2(神経系)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)マウス及びラットを用いた単回経口投与試験において、マウス、ラットとも投与約10分後から歩行失調状態となり、腹臥、呼吸促迫、運動不能となり、投与後約2時間以降から死亡がみられた。解剖では胃腸の出血と潰瘍形成、肝臓のうっ血がみられた。LD50はマウスで1,100 mg/kg(雄)(区分2の範囲)及び1,320 mg/kg(雌)(区分2の範囲)、ラットで2,000 mg/kg(雄)(区分2の範囲)及び2,200 mg/kg(雌)(区分に該当しない範囲)であったとの報告がある(CERI 有害性評価書 (2009))。 (2)動物実験によるデータは不十分であるが、神経系及び筋緊張の障害(筋力低下、息切れ、麻痺)、肝機能障害の症状が最も起こりやすいとされている。(GESTIS (Accessed Sep. 2022)) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、経口経路では区分に該当しない。ただし、他経路での毒性情報がなくデータ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)イヌを用いた混餌投与による6ヵ月間慢性毒性試験において、0.25%((54 mg/kg/day(雄)、62 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)以上で肝臓重量増加がみられ、1.0%((219 mg/kg/day(雄)、231 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で肝機能への影響指標の変化(アルブミンの僅かな減少、アルカリホスファターゼ及びロイシンアミノペプチダーゼ活性の増加)がみられたとの報告がある(食安委 飼料添加物評価書 (2018)、EFSA (2018)、CERI 有害性評価書 (2009))。 (2)イヌを用いた混餌投与による6ヵ月間慢性毒性試験において、1.0%(約250 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)以上で肝臓影響(重量増加、エオジン好性細胞質、脂肪化、滑面小胞体の増殖、渦巻状構造)、薬物代謝酵素(混合機能オキシダーゼ、UDP-グルクロニルトランスフェラーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、エポキシドヒドラターゼ)活性の上昇)がみられたとの報告がある(EFSA (2018)、CERI 有害性評価書 (2009))。 (3)イヌを用いた混餌投与による15ヵ月間慢性毒性試験において、250 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で肝臓影響(肝細胞の変性/散在性の顆粒球浸潤、洞様血管の狭窄を伴う肝細胞変性、ヘモジデリンを多く含むクッパー細胞、門脈周囲に胆汁色素蓄積)がみられたとの報告がある(食安委 飼料添加物評価書 (2018))。 (4)ラットを用いた混餌投与による104週間慢性毒性/がん原性併合試験において、0.125%(54.8 mg/kg/day、区分2の範囲)で1/50例に前胃の過形成がみられたとの報告がある(食安委 飼料添加物評価書 (2018)、EFSA (2011))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 2.3mg/L(環境省生態影響試験, 2004)から区分2とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性区分2であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2004))ことから区分2とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法分解度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3077 | |||
品名(国連輸送名) | 環境有害性物質(固体)、n.o.s. | |||
国連分類 | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付の義務化候補物質リスト(令和4年) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(令和5年度以降の対象) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
水質汚濁防止法 | 指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3) | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 R5.3.31: 物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。 |