1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 1,3,5-トリス(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン (別名: トリグリシジルイソシアヌレート) (1,3,5-Tris(oxiran-2-ylmethyl)-1,3,5-triazinane-2,4,6-trione) (Triglycidyl isocyanurate) | ||
製品コード | H29-B-047 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 粉体塗料(ポリエステル系の硬化剤)、ソルダー(はんだ)レジストインク、光半導体封止樹脂、電気部品成形材料・強化プラスチック・接着用・耐熱レジストインキ・エポキシ樹脂改質材(耐熱性、剛性、硬度、反応性向上)・難燃プラスチックの安定剤、粉体塗料・エポキシ樹脂改質剤・難燃プラスチック安定剤・光半導体封止樹脂原料 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | - | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | ||
急性毒性 (吸入:粉塵、ミスト) | 区分3 | |||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | |||
呼吸器感作性 | 区分1 | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
生殖細胞変異原性 | 区分1B | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (造血系、呼吸器) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (造血系) 区分2 (全身毒性) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | - | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 皮膚刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 強い眼刺激 吸入すると有毒 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 造血系、呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による造血系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 1,3,5-トリス(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン | ||
別名 | トリスエポキシプロピルイソシアヌレート | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C12H15N3O6 (297.27) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 2451-62-9 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 5-1052 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 8-(3)-1215 | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。意識がある場合は吐かせる。直ちに医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 眼の発赤、痛み | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(有害粒子用フィルター付マスク等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる。 残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 粉塵の拡散を防ぐ。 この物質を環境中に放出してはならない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 裸火禁止。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2017年版) | TLV-TWA: 0.05 mg/m3 | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 局所排気又は呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 安全ゴーグル、又は眼用保護具を併用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色粉末又は顆粒 (HSDB (2017)) | ||
臭い | 情報なし | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | 95℃ (HSDB (2017)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 210℃ (Merck (15th, 2013)) | ||
引火点 | 200℃ (化学商品 (2016)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 可燃性 (ICSC (1997) (J)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 9.63×10-11 mmHg (25℃) [換算値 1.3×10-8 Pa](SRC PhysProp (2017)) | ||
蒸気密度 | 10.25 (空気= 1、計算値) (NITE初期リスク評価書 (2008)) | ||
比重(相対密度) | 情報なし | ||
溶解度 | 水:9 g/L (25℃) (GESTIS (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 1.21(est) (HSDB (2017)) | ||
自然発火温度 | 200℃(ICSC (J) (1997)) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 1 Pa・s以下 (化学商品 (2016)) |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性がある。 12時間以上、120℃以上に加熱、又は触媒の影響下で重合することがある。燃焼すると分解し、有毒なヒューム(窒素酸化物など)生じる。溶融イソシアヌル酸トリグリシジルは第一アミン第二アミン、カルボン酸及びその無水物、チオール、フェノール、アルコールと急速に反応する。 | ||
避けるべき条件 | 加熱 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分3 ラットのLD50値として、188〜715 mg/kg (CICAD 8 (1998)) 及び255〜950 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) との報告があり、いずれも区分3〜4に該当する。有害性の高い区分を採用して、区分3とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分外 ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (CICAD 8 (1998)) 及び> 3,100 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外とした。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHS定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHS定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 区分3 ラットの4時間吸入試験 (粉じん) のLC50値として、0.65 mg/L (CICAD 8 (1998)) との報告に基づき、区分3とした。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 オーストラリアの粉末塗料製造工場で本物質を取扱う労働者28人中8人に皮膚の発疹などの刺激性がみられたとの記述 (NICNAS (1994)) や、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本物質は軽度の紅斑と浮腫を伴う刺激性を示したとの報告 (CICAD 8 (1998), ACGIH (7th, 2001), NITE初期リスク評価書 (2008)) から、区分2とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分2A オーストラリアの粉末塗料製造工場で本物質を取扱う労働者28人中8人に眼の刺激性がみられたとの記述 (NICNAS (1994)) や、ウサギを用いた眼刺激性試験において中等度から強度の角膜混濁、発赤、結膜浮腫、眼脂を生じたが適用7日後までに回復したとの報告 (NICNAS(1994)) から、区分2Aとした。 なお、EU CLP分類において本物質はEye Dam. 1 に分類されている(ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 区分1 本物質を含む粉末塗料又は色素粉末を取扱った塗装作業者の2件の事例において、本物質のばく露前にはアトピー性の基礎疾患はなかったが、塗装作業によるばく露後に咳、喘鳴、呼吸困難などを発症し、本物質の誘発試験による強制呼気量の低下から本物質による職業性喘息と結論されたとの報告 (NICNAS (2001)) から、区分1とした。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 区分1 職業ばく露により接触性皮膚炎を発症した患者が、本物質に対するパッチテストで陽性を示したとの報告 (ACGIH (7th, 2001)、NICNAS (1994)) から、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Sens. 1 に分類されている(ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。また、モルモットによる皮膚感作性試験においては、本物質が皮膚感作性が陽性の報告 (CICAD 8 (1998), NICNAS (2001)) と陰性の報告 (NICNAS (2001)) がある。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分1B In vivoでは、マウスを用いた優性致死試験で陰性、マウススポットテストで陰性、マウスの精原細胞を用いた染色体異常試験で陽性、陰性の結果、マウスの精母細胞を用いた染色体異常試験で陰性、チャイニーズハムスターの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の結果である (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 8 (1998)、ACGIH (7th, 2001))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 8 (1998)、ACGIH (7th, 2001))。以上より、マウスの精原細胞を用いた染色体異常試験での陽性結果に再現性が確認されているため、ガイダンスに従い区分1Bとした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、雄ラットに本物質を最長99週間、混餌投与 (10〜100 ppm: 高用量の300 ppmでは死亡例発現のため63週間で試験終了) した試験では、投与に関連した腫瘍の増加はみられなかったとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008)、NICNAS (2001))。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 区分2 雄ラットに本物質を9週間混餌 (10〜100 ppm) 投与後に通常飼料を給餌した雌と交配・分娩させた試験では、雄の授精能、胎児及び出生児の発達には影響はみられなかった (NITE初期リスク評価書 (2008)、NICNAS (2001)、CICAD 8 (1998))。一方、雄マウスに本物質の粉じんを5日間吸入ばく露後に非ばく露雌と8週間交配させた試験では、10 mg/m3で第3週に、50 mg/m3では第3週及び6週に授精能の低下が認められた (NITE初期リスク評価書 (2008)、ACGIH (7th, 2001))。 以上、雄の授精能を調べた2つの試験のうち、経口経路では無影響であったが、吸入経路では授精能低下が確認された。よって、雄性生殖能への影響を否定できず、本項は区分2とした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (造血系、呼吸器) 本物質にはα型とβ型があり、ヒトについてはα型であるα-トリグリシジルイソシアヌレートは1980年代初期に抗腫瘍効果が期待されていた時期があり、がん患者への静脈内注射での報告があるが、注射部位に血栓性静脈炎を引き起こすために開発は中止された。α-トリグリシジルイソシアヌレートの静脈内注射では投与回数等の正確な投与形態は不明であるが、種々の投与形態で900 mg/kg まで投与されており、その毒性症状として骨髄抑制、吐き気、嘔吐があり、まれに脱毛と白血球減少が600 mg/kg 以上の高用量の場合にみられたとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。 実験動物では、本物質粉じんの4時間単回吸入ばく露試験で、ラットでは鼻粘膜の軽度の炎症と、死亡個体で肺の出血が認められたとの報告 (CICAD 8 (1998))、マウスでは自発運動低下、眼と呼吸器の刺激、鼻、眼、口周辺の痂皮形成、肺の変色が認められたとの報告 (CICAD 8 (1998)) がある。影響がみられた用量の詳細な記載はないが、これらの試験のLC50値はラットでは区分1範囲の0.65 mg/L 、マウスでは区分2範囲の2.0 mg/Lと報告されているため、気道の刺激と呼吸器への影響はLC50値付近でみられたと考えられる。 以上より本物質はヒトの情報から造血系、実験動物の情報から呼吸器を標的臓器とすると考えられる。したがって区分1 (造血系、呼吸器) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (造血系)、区分2 (全身毒性) 本物質にはα型とβ型があり、ヒトについてはα型であるα-トリグリシジルイソシアヌレートは1980年代初期に抗腫瘍効果が期待されていた時期があり、がん患者への静脈内注射での報告があるが、注射部位に血栓性静脈炎を引き起こすために開発は中止された。α-トリグリシジルイソシアヌレートの静脈内注射では種々の投与形態で900 mg/kg まで投与されているが、その毒性症状として骨髄抑制、吐き気、嘔吐があり、まれに脱毛と白血球減少が600 mg/kg 以上の高用量の場合にみられたとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。 実験動物については、雄ラットを用いた混餌による99週間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である300 ppm (13.6 mg/kg/day) で摂餌量の有意な減少、体重増加量の著しい減少 (-68%)、一般状態の悪化、生存率低下 (56%、他群は90-96%)、腸間膜リンパ節内に肥満細胞増多 (44/49 匹) ・ヘモジデリン沈着 (22/49匹) ・類洞出血 (24/49 匹)、脾臓リンパ球様細胞の枯渇、腸管の拡張 (十二指腸32/44、空腸30/45、回腸13/36) の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。 以上、ヒトの結果から区分1 (造血系) とし、実験動物の結果から区分2 (全身毒性) とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 魚類 (ゼブラフィッシュ)の96時間LC50 > 77 mg/L (NICNAS (2001))から、区分外とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 難水溶性でなく (水溶解度 = 1190 mg/L (PHYSPROP Database (2005)))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2811 | |||
国連品名 | TOXIC SOLID, ORGANIC, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | イエローカードの携行が望ましい。 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法 | 旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
労働安全衛生法 | 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |