1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ジチオりん酸O,O-ジエチル-S-[(6-クロロ-2,3-ジヒドロ-2-オキソベンゾオキサゾリニル)メチル] (別名: ホサロン) (Phosalone) | ||
製品コード | R02-B-055 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分3 | |
急性毒性 (経皮) | 区分3 | ||
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分3 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 皮膚に接触すると有毒 皮膚刺激 強い眼刺激 吸入すると有毒 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | ジチオりん酸O,O-ジエチル-S-[(6-クロロ-2,3-ジヒドロ-2-オキソベンゾオキサゾリニル)メチル] | ||
別名 | ホサロン | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C12H15ClNO4PS2 (367.8) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 2310-17-0 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣服を脱がせる。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐ。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: めまい、吐き気、筋攣縮、発汗、縮瞳、筋痙攣、唾液分泌過剰、嘔吐、下痢、息苦しさ、痙攣、咳、かすみ眼、意識喪失。 皮膚: 発赤、他の症状については、「吸入」参照。 眼: 充血。 経口摂取: 「吸入」参照。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | ばく露の程度によっては、定期検診を勧める。 この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 可燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器付完全保護衣を使用することとの記載あり) | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を、ふた付きの 密閉式容器内に掃き入れる。 湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管処理する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 裸火禁止。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 環境への放出を避けること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 製剤に溶剤が使用されている場合は、その溶剤のICSCも参照のこと。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 食品や飼料から離しておく。 消火により生じる流出物を収容するための用意をする。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH (2020年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器を使用することとの記載あり) | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。(ICSCには、粉末の場合には呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは保護眼鏡を使用することとの記載あり) | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器付完全保護衣を使用することとの記載あり) |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色又は白色 | ||
臭い | 特徴的な臭気 | ||
融点/凝固点 | 47.5〜48℃ (ICSC (2010)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 測定不能 (175℃で分解) (農薬抄録 (2013)) | ||
可燃性 | 可燃性 (ICSC (2010)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | 175℃ (農薬抄録 (2013)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水: 3.05mg/L (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) 酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエンに易溶 (HSDB (Access on May 2020)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 4.38 (HSDB (Access on May 2020)) | ||
蒸気圧 | 4.54E-008 mmHg (25℃) (est) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.4 g/cm3 (ICSC (2010)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると、分解し、塩化水素、窒素酸化物、リン酸化物およびイオウ酸化物を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 加熱 | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 塩化水素、窒素酸化物、リン酸化物およびイオウ酸化物を含む、有毒で腐食性のフューム |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分3とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 85 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) (2) ラットのLD50: 雄: 120〜170 mg/kg (HSDB (Access on May 2020)) (3) ラットのLD50: 約150 mg/kg (JMPR (2001)) (4) ラットのLD50: 雌: 188 mg/kg、雄: 198 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2013)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分3とした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 1,000 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)) (2) ラットのLD50: 雌: 1,530 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2014)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分3とした。 なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (9.0E-007 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 雌: 0.7 mg/L、雄: 1.4 mg/L (食安委 農薬評価書 (2014)) (2) ラットのLC50 (4時間): 雌: 1.3 mg/L、雄: 2.1 mg/L (JMPR (2001)) (3) 本物質の蒸気圧: 4.5E-008 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 9.0E-007 mg/L) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は皮膚と眼に対して中等度刺激物である (HSDB (Access on May 2020))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1) より、区分2とした。細区分に十分な情報がないため、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質は皮膚と眼に対して中等度刺激物である (HSDB ( Access on May 2020))。 【参考データ等】 (2) 本物質 (0.06 g) をウサギ (6匹) に適用した眼刺激性試験 (ドレイズ法) で、中等度の刺激性が認められたと報告されているが、適用24/48/72h後の平均スコアは角膜混濁及び虹彩の平均スコアは全例 1未満、結膜発赤及び浮腫の平均スコアも全例 2未満であった (食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2013))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法及びSulser & Schwarz法) で、いずれも陰性であった (食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2013))。 【参考データ等】 (2) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている(EU CLP分類 (Access on July 2020))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウスを用いた優性致死試験及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2013))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性及び陰性、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いた染色体異常試験及び小核試験で陰性、ラット肝細胞を用いた不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (同上)。 (3) 食安委農薬評価書において「生体において問題となる遺伝毒性はないものと考えられた」との記載がある (食安委 農薬評価書 (2014))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)〜(3) より区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on July 2020):1999年分類) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した2つの慢性毒性/発がん性併合試験では、いずれの試験においても本物質の投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2014))。 (3) 雌雄のマウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、本物質の投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2014))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1) より、母動物では赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害のほかに体重増加抑制もみられており、(2)〜(3) の母動物毒性は神経系への影響、呼吸困難等もみられていることから重篤な影響と考えられる。児動物、胎児に対する影響は (1)、(2) は重篤と考えられる。これらを総合的に考慮して、母体毒性が認められる用量で児動物に影響があることから区分2とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物では50 ppm (3.6〜4.3 mg/kg/day) 以上投与群で赤血球ChE 活性阻害(20%以上)、400 ppm投与群 (29.4〜36.7 mg/kg/day) で体重増加抑制が認められ、児動物では400 ppm 投与群で、生後4 日の調整前における累積死亡率増加及び体重低値が認められた (食安委 農薬評価書 (2014))。 (2) 雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (連続咀嚼行動、音に対する過敏症、立毛、難呼吸、体重増加抑制及び摂餌量減少) がみられる用量 (20 mg/kg/day) で、胎児に着床後胚死亡率増加及び同腹児数減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2014))。 (3) 雌ウサギの妊娠6〜18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (呼吸困難、伸張性痙攣、痙攣、虚脱状態、腹部痙攣及び体重減少) がみられる用量 (20 mg/kg/day) で、胎児に指骨の不完全骨化がみられている (食安委 農薬評価書 (2014))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1) より、実験動物においても区分1の用量で神経系への影響がみられたとの情報があったことから、区分1 (神経系) とした。なお、(2) のとおり、ヒトにおいても神経系への影響の可能性が示されている。情報の再検討により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットの経口投与試験では、60 mg/kg (区分1の範囲) で四肢及び体幹の振戦、円背位、四肢の体温低下、不安定歩行、不安定、体温低下、自発運動レベル低下、赤血球及び脳コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害 (20%以上) がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2014))。 【参考データ等】 (2) ヒトでChE阻害を引き起こす可能性がある。これにより、吐き気、めまい、精神錯乱が生じ、事故や大規模な流出等による高濃度ばく露では呼吸器麻痺及び死亡を引き起こす可能性が示されている (HSDB (Access on May 2020))。 (3) 旧分類ではHSDBの記述 「肝臓への障害は器質的なものにとどまらず、機能面にも及んだ。みられた症状は、抑制、協調運動不備、流涎、筋肉運動障害、振戦、気管支痙攣、不全麻痺、完全麻痺、昏睡等であった 」 より 肝臓を標的臓器としていたが、この報告の試験動物種はヒツジであることを確認した (HSDB (Access on May 2020))。従って、肝臓は標的臓器から除外した。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1) より、実験動物において区分1の用量で神経系への影響がみられたとの情報があったことから、区分1 (神経系) とした。なお、(2) のとおり、ヒトにおいても神経系への影響の可能性が示されている。 【根拠データ】 (1) ラットの90日間混餌投与試験では、50 ppm (雄: 3.9 mg/kg、雌: 4.4 mg/kg、いずれも区分1の範囲) で脳及び赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害、600 ppm (雄: 45.9 mg/kg、雌: 56.0 mg/kg、いずれも区分2の範囲) で握力低下や着地開脚の減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2014)、JMPR (2001))。 【参考データ等】 (2) ヒトでChE阻害を引き起こす可能性がある。これにより、吐き気、めまい、精神錯乱が生じ、事故や大規模な流出等による高濃度ばく露では呼吸器麻痺及び死亡を引き起こす可能性が示されている (HSDB (Access on May 2020))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 魚類 (ブルーギル) の96時間LC50 = 100 μg/L (HSDB (2004)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され (BIOWIN) 、生物蓄積性があると推定される (log Kow = 4.38 (PHYSPROP Database (2005))) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2783 | |||
国連品名 | ORGANOPHOSPHORUS PESTICIDE, SOLID, TOXIC | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 毒物及び劇物取締法、道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 毒物及び劇物取締法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 152 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | - | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【194 ジチオりん酸O,O−ジエチル−S−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−オキソベンゾオキサゾリニル)メチル]】 | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条)【34の2 ジエチル−S−(2−オキソ−6−クロルベンゾオキサゾロメチル)−ジチオホスフエイト及びこれを含有する製剤】 | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 ホサロン】 | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2783 殺虫殺菌剤(有機リン系)(固体)(毒性のもの)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2783 有機リン系殺虫殺菌剤類(固体)(毒性のもの)】 | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)【【国連番号】2783 有機リン系殺虫殺菌剤類(固体)(毒性のもの)】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |