1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | S-エチル=ヘキサヒドロ-1H-アゼピン-1-カルボチオアート (別名: モリネート) (Molinate) | ||
製品コード | R02-B-091 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (除草剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分4 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
発がん性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系) 区分2 (生殖器 (男性)) 区分3 (気道刺激性) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系、筋肉、生殖器 (男性)) 区分2 (副腎、生殖器 (女性)) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 強い眼刺激 吸入すると有害 呼吸器への刺激のおそれ 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 神経系の障害 生殖器 (男性) の障害のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、筋肉、生殖器 (男性) の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による副腎、生殖器 (女性) の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | S-エチル=ヘキサヒドロ-1H-アゼピン-1-カルボチオアート | ||
別名 | モリネート | ||
S-エチル アゼパン-1-カルボチオアート | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C9H17NOS (187.3) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 2212-67-1 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥粉末消火薬剤、耐アルコール性泡消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に亜酸化窒素(一酸化窒素)、硫酸酸化物、一酸化炭素と二酸化炭素が発生する可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 水を噴霧して容器類を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 自給式呼吸器を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | こぼれた液体は吸収剤 (珪藻土、バーミキュライト、砂など) で吸収し、規制に従って廃棄する。 その後、エリアを換気し、漏洩場所を洗浄する。 水、排水、下水道、または地面への侵入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 未設定 | |||
ACGIH (2020年版) | 未設定 | |||
設備対策 | 可能であれば作業エリアを遮蔽する。 換気設備を設ける。 床排水口があってはならない。 洗浄設備を設ける。 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。(GESTISには、不浸透性の保護手袋を着用することとの記載あり) | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。(GESTISには、側面保護付きの保護眼鏡を着用することとの記載あり) | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 硫黄化合物臭 | ||
融点/凝固点 | < -50℃ (農薬抄録 (2014)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 136.5℃ (1333 Pa) (農薬抄録 (2014)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 100℃ (c.c.) (GESTIS (Access on June 2020)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | 7.12 (20℃) (農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990)) | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 800 ppm (25℃) (農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990)) アセトン、メタノール、エタノール、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ケロシン、メチルイソブチルケソンに易溶 (農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Pow = 2.88 (25℃) (農薬抄録 (2014)) | ||
蒸気圧 | 5.6E-003 mmHg (25℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.063 g/mL (20℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
相対ガス密度 | 6.47 (GESTIS (Access on June 2020)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 情報なし | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災時に亜酸化窒素(一酸化窒素)、硫酸酸化物、一酸化炭素と二酸化炭素が発生する可能性がある。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 369 mg/kg (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)、GESTIS (Access on June 2020)) (2) ラットのLD50: 雌: 560 mg/kg、雄: 614 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)) (3) ラットのLD50: 雌: 560.2 mg/kg、雄: 613.7 mg/kg (農薬抄録 (2014)) (4) ラットのLD50: 雄: 584 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014)) (5) ラットのLD50: 雌: 660 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014)) (6) ラットのLD50: 雄: 722 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。 なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014)) (2) ウサギのLD50: 3,540 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020)) (3) ウサギのLD50: > 10,000 mg/kg (HSDB (Access on June 2020)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1) より、区分4とした。 なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.06 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 雌: 1.39 mg/L、雄: 2.91 mg/L (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990)、農薬抄録 (2014)) (2) 本物質の蒸気圧: 0.0056 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.06 mg/L) | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しない (国連分類基準の区分3相当) とした。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で軽度の刺激性が認められた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990))。 (2) ウサギを用いた24時間閉塞適用による皮膚刺激性試験で軽度の刺激性が認められた (農薬抄録 (2014))。 【参考データ等】 (3) 本物質は皮膚刺激性を示さない (EHC 76 (1988))。 (4) 本物質の 1%溶液を、接触皮膚炎または非アレルギー皮膚炎の患者294 人に皮膚塗布した試験で、刺激性及びアレルギー反応はみられなかった (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分2Aとした。区分2A相当を示す新しいデータ (4) が得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質は中等度の眼刺激性を有する (EHC 76 (1988)、HSDB (Access on June 2020))。 (2) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度〜強度の刺激性が認められた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度の刺激性が認められ、72時間後には回復した (農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990))。 (4) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度〜強度の刺激性が認められ、適用11日目には全て回復した (農薬抄録 (2014))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) の記載はあるが、詳細が不明或いは分類に利用できない情報であり分類できない。得られたデータを再検討した結果、分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) 本物質の1%溶液を接触性皮膚炎または非アレルギー皮膚炎の患者294 人に皮膚塗布した試験で、刺激性及びアレルギー反応はみられなかった (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性であった (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (Open Epicutaneous Test) で陰性であった (農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990)、農薬抄録 (2014))。 (4) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。 (2) in vitroでは、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験において代謝活性化系存在下で弱い陽性の報告があるが、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験などその他のin vitro試験において陰性の報告である (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。 (3) 本物質は生体において問題となる遺伝毒性はないものと考えられるとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2014))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より区分2とした。新たな情報源を用いて検討し、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenicity, but not Sufficient to Assess Human Carcinogenic Potential) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):2000年分類)、EU CLP分類でCarc.2 (EU CLP分類 (Access on May 2020)) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した2つ (Wistarラット及びSDラット) の慢性毒性/発がん性併合試験において、Wistarラットを用いた試験では、雄で精巣間細胞腫の発生頻度の有意な増加が、SDラットを用いた試験では、雄で腎細胞腺腫及びがん合計の発生頻度の有意な増加が認められた。どちらの試験においても雌では腫瘍発生は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変の増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、本物質による生殖影響が示され、(1) より、雌雄生殖器毒性による生殖能への影響がみられていることから区分1Bとした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌による2世代繁殖試験において、雄親動物に10 ppm (0.8〜1.1 mg/kg/day) 以上で異常精子数増加、15 ppm (1.3 mg/kg/day) で精子運動能低下等、雌親動物に50 ppm (4.7〜5.6 mg/kg/day) 以上で卵巣間質細胞空胞化及び肥大、副腎束状帯のび漫性微細脂肪変性等がみられ、両世代の雄15 ppm (P: 1.3 mg/kg/day、F1: 1.6 mg/kg/day)、雌300 ppm (P: 28.8 mg/kg/day、F1: 34.5 mg/kg/day) で生存児数 (出生時及び哺育期) 減少、F1世代の雄15 ppm (F1: 1.6 mg/kg/day)、雌300 ppm (F1: 34.5 mg/kg/day) で交配成功率低下等がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。 (2) 雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、重篤な母動物毒性 ((切迫屠殺1例)、流涎、体重体重増加抑制、摂餌量減少、赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害 (20%以上)) がみられる用量 (140 mg/kg/day) で、早期及び中期吸収胚数増加、生存胎児数減少、低体重、外表、内臓及び骨格変異増加がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) 雌ウサギの妊娠7〜19日に強制経口投与した発生毒性試験において、重篤な母動物毒性 (流産 (4例)、体重増加抑制、肝絶対及び比重量増加) がみられる用量 (200 mg/kg/day) で、胎児に骨格変異 (胸骨分節不完全骨化、第15肋骨短小化) がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。 【参考データ等】 (4) 上記 (1) の繁殖試験において、ラットで精子運動性低下、交配成功率低下等が認められたことから、機序検討試験を実施した結果、雄の繁殖毒性の発生機序はコレステロール代謝障害によるステロイド合成阻害であることが示唆された (食安委 農薬評価書 (2013))。 (5) EU CLP分類はRepr. 2に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020)) |
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。(1)〜(6) より、区分1 (神経系)、区分2 (生殖器 (男性))、区分3 (気道刺激性) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 雌ラットの単回経口投与試験において、200 mg/kg (区分1の範囲) 以上で運動量低下、1,000 mg/kg (区分2の範囲) 以上で鎮静、流涎、流涙、呼吸困難、頻尿、体温低下がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。 (2) 雄ラットの単回経口投与試験において、464 mg/kg (区分2の範囲) 以上で、鎮静及び頻尿がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。 (3) 雄ラットの単回経口投与試験において、492 mg/kg (区分2の範囲) 以上で鎮静、流涎、過度の咀嚼運動がみられ、1,060 mg/kg (区分2の範囲) 以上で運動機能低下、流涙がみられた。1,060 mg/kgの死亡例で運動失調、間欠性の振戦、眼周囲の血液滲出、頻尿及び体温低下がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。 (4) ラットの単回経口投与試験において、288 mg/kg (区分1の範囲) 以上で後肢痙攣、眼脂分泌がみられ、死亡時には間代性痙攣または振戦がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。 (5) ラットの経口投与による急性神経毒性試験において、350 mg/kg (区分2の範囲) の雄で体重及び摂餌量低下、赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害、精巣萎縮がみられ、雌で体重低下、脳ChE活性阻害、脳梨状皮質及び歯状回神経細胞の壊死 (1例) がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (6) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、0.41 mg/L (区分1の範囲) 以上で流涎、2.59 mg/L (区分2の範囲) で流涙、1.09 mg/L (区分2の範囲) 以上で鼻漏がみられた。2.59 mg/L (区分2の範囲) 以上で音に対する反応性の低下、呼吸深度増加、呼吸数減.、反射反応低下、鎮静、運動量低下、呼吸速度低下及び呼吸深度増加、振戦、歩幅拡大、うずくまり、運動機能低下、異常呼吸音 (上気道に対する軽微な刺激) がみられた。雄の剖検時には、精巣の退色及び形状の縮小、腎肥大及び淡色化がみられ、病理組織学的検査では精巣に両側性の梗塞、精巣上体の精子数減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。 |
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特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分1 (神経系、筋肉、生殖器 (男性))、区分2 (副腎、生殖器 (女性)) とした。新たな情報を用いて検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた90日間混餌投与試験の結果、50 ppm (雄/雌: 4.0/4.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で神経障害標的エステラーゼ (NTE) 活性が用量相関的に増加したほか、150 ppm (雄/雌: 11.7/13.9 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌で脳及び赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害が、450 ppm (雄/雌: 35.5/41.0 mg/kg/day、区分2の範囲) の雄で脳及び赤血球ChE活性阻害がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (2) ラットを用いた90日間混餌投与試験の結果、70 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雄で精細管細胞変性、副腎皮質細胞空胞化が、140 mg/kg/day (区分2超) の雄で精子無形成を伴う精細管の退行性変化、雌で卵巣萎縮、副腎皮質細胞空胞化がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) ラットを用いた90日間混餌投与試験の結果、16 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雌で卵巣間質細胞泡沫空胞形成が、32 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌で副腎重量増加、副腎皮質細胞空胞化がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (4) ラットを用いた慢性毒性/発がん性併合試験の結果、50 ppm (雄/雌: 0.21/0.25 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で眼検査における網膜異常、骨格筋の筋線維変性、雄で精細管萎縮が、100 ppm (3.90/5.13 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌で網膜の限局性萎縮が、200 ppm (7.90/10.5 mg/kg/day、雄は区分1、雌は区分2の範囲) の雄で骨格筋の衛星細胞過形成、雌で卵巣絶対重量増加がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (5) ラットを用いた慢性毒性/発がん性併合試験の結果、7 ppm (0.3/0.4 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雄で骨格筋の萎縮及び衛星細胞過形成が、40 ppm (1.8/2.0 mg/kg/day、区分1) 以上の雌雄で坐骨神経の変性及び脱髄、雌で骨格筋の萎縮及び衛星細胞過形成が、300 ppm (13/15 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で後肢内転、後肢の運動失調、赤血球ChE活性阻害、脊髄の好酸性小体が、雄で精巣上体の精子減少、脊髄の変性、雌で卵巣の卵胞膜/間質細胞空胞化/肥大等がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (6) マウスを用いた慢性毒性/発がん性併合試験の結果、100 ppm (10.4/13.9 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雄で精巣の精細管変性が、1,000 ppm (105/133 mg/kg/day、区分2超) 以上の雌雄で赤血球数、ヘモグロビン及びヘマトクリット値減少、副腎のセロイド又はリポフスチン沈着、石灰化、脳の好酸性小体増加、坐骨神経の脱髄、シュワン細胞過形成が、雌で白血球数減少、脊髄の好酸性小体増加、卵巣の卵胞膜/間質細胞過形成が、2,000 ppm (200/249 mg/kg/day、区分2超) の雌雄で後肢筋衰弱、後肢内転及び運動失調、肺のクララ細胞過形成、脊髄の好酸性小体、雄で精巣重量減少、小葉中心性肝細胞肥大、雌で乳腺及び子宮の萎縮等がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。 |
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誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
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* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 藻類 (緑藻) の72時間ErC50 = 0.0025 mg/L (農薬登録申請資料 (2004)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 3.21 (PHYSPROP Database (2005))) 、急速分解性がないと推定される (BIOWIN) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3082 | |||
国連品名 | ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, LIQUID, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | - | |||
特別な安全上の対策 | - | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | - | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【50 S−エチル=ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−カルボチオアート】 | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3082 環境有害物質(液体)】 | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3082 環境有害物質(液体)】 | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)【【国連番号】3082 環境有害物質(液体)】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |