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安全データシート
チオシアン酸アンモニウム
作成日 2011年1月31日
改訂日 2012年3月30日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称チオシアン酸アンモニウム、(Ammonium thiocyanate)
製品コード22A4007
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限マッチ、繊維の染色、絹の強度改良剤、分析用検出剤(Fe,Ag, Hg)、中間物、殺虫剤殺菌剤等、その他無機化学製品
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)区分1(甲状腺)
 <環境分類実施日に関する情報>
 注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
ラベル要素
絵表示又はシンボル感嘆符健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有害
 長期にわたるまたは反復ばく露による甲状腺臓器の障害
注意書き
 【安全対策】
 取扱い後は手をよく洗うこと。
 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
 粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 【応急措置】
 飲み込んだ場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
 口をすすぐこと。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 【保管】
 
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名チオシアン酸アンモニウム
別名ロダン化アンモニウム、(Ammonium rhodanide)、ロダンアンモン、硫シアン化アンモニウム (Ammonium sulfocyanide)、 (Azanium thiocyanate)
分子式 (分子量)CH4N2S(76.12)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号1762-95-4
官報公示整理番号(化審法・安衛法)(1)-142
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合水と石鹸で洗うこと。
 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。
 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合気分が悪い時は医師に連絡すること。
 口をすすぐこと。
予想される急性症状及び遅発性症状吸入 : データなし
 皮膚 : データなし
 眼 : データなし
 経口摂取 : データなし
最も重要な兆候及び症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項データなし
 

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤データなし。
特有の危険有害性不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。
 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 密閉された場所に立入る前に換気する。
 全ての着火源を取り除く。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
回収・中和漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化方法・機材水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。
二次災害の防止策プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策特別に技術的対策は必要としない。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項取扱い後は手をよく洗うこと。
 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
 粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
接触回避データなし。
保管
技術的対策特別に技術的対策は必要としない。
保管条件
容器包装材料データなし。
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会未設定
ACGIH未設定
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状結晶
無色、白色
臭い無臭
pH4.8-5.8 (20 ℃ 濃度50 g/l) : GESTIS(Access on Apr. 2010)
融点・凝固点149 ℃ : Merck (14th, 2006)
沸点、初留点及び沸騰範囲170 ℃ (分解) : HSDB (2004)、105 ℃(30 %水溶液), 110 ℃(50 %水溶液), 140 ℃(80 %水溶液) : Ullmanns(E) (6th, 2003)
引火点データなし
自然発火温度データなし
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲データなし
蒸気圧0.00000715 mmHg (25 ℃ EST) : Gangolli (2nd, 1999)
蒸気密度データなし
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)15%: 1.033, 30%: 1.068, 45 %: 1.103, 60%: 1.140 : Ullmanns(E) (6th, 2003)、1.305 : Sax (11th, 2004) (1.3 g/cm3 : Lide (88th, 2008))
溶解度181 g/100 g 水 (25 ℃) : Lide (88th, 2008)
 エタノールに易溶; アセトンに可溶; クロロホルムに不溶 : Lide (88th, 2008)
オクタノール・水分配係数-2.29 (EST) : Gangolli (2nd, 1999)
分解温度データなし
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性データなし
避けるべき条件データなし
混触危険物質データなし
危険有害な分解生成物データなし
 

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットLD50値: 500-1000 mg/kg bw(IUCLID (2000))、750 mg/kg bw(IUCLID (2000))。「健康有害性については他のチオシアン酸塩についても参照のこと」(GHS分類:区分4)
経皮データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入吸入(ガス):GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)
 吸入(蒸気):データなし。(GHS分類:分類できない)
 吸入(粉じん):データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚腐食性・刺激性使用動物種の記載がない皮膚一次刺激性試験で、刺激性なし(not irritating)(IUCLID (2000))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)
眼に対する重篤な損傷・刺激性ウサギを用いたドレイズテストで刺激性なし(not irritating)(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分外)
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
 皮膚感作性:Magnusson-Kligman-Testにおいて感作性なし(not sensitizing)(IUCLID (2000))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)
生殖細胞変異原性Ames testで陰性(IUCLID (2000))。(GHS分類:in vivoの試験データがなく分類できない。)
発がん性データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖毒性データなし。(GHS分類:分類できない)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)54歳男性がミオクローヌス発作と血管虚脱を伴う昏睡のため入院し、乏尿、代謝性アシドーシス、心停止とともに生命に危険のあるショックを起こし、人工呼吸、心肺蘇生法、血液濾過透析などによる治療施行にもかかわらず死亡した事例の原因として本物質が含まれた除草剤のばく露による可能性が示唆された(HSDB (2004))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)本物質のデータはないが、チオシアナートは甲状腺におけるヨウ素の取り込みを阻害し、甲状腺毒性を示すことが知られている(CICADs(J) 61 (2004)、ATSDR(2006))。また、チオシアナートはシアン化物の主要代謝物であり、シアン化物の職業ばく露により甲状腺機能障害および甲状腺腫が報告されている(CICADs(J) 61 (2004)、ATSDR(2006))。(GHS分類:区分1(甲状腺))
吸引性呼吸器有害性データなし。(GHS分類:分類できない)
 

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性有害性)データ不足。(GHS分類:分類できない)
水生環境有害性(長期間有害性)データなし。(GHS分類:分類できない)
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。
 国連番号特定できず
国際規制 海上規制情報特定できず
 航空規制情報特定できず
国内規制陸上規制情報特定できず
 海上規制情報特定できず
 航空規制情報特定できず
特別安全対策 移送時にイエローカードの保持が必要。
  食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
  輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
  重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号 
 

15.適用法令
水質汚濁防止法有害物質(法第2条、令第2条、排水基準を定める省令第1条)
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。