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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン
作成日 2020年03月13日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン (4,4'-Methylenebis(cyclohexylamine))
製品コードR01-A-025
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限エポキシ硬化剤 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性 (経口)区分4
皮膚腐食性/刺激性区分1B-C
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1
生殖毒性区分2
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)区分2 (中枢神経系)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)区分2 (中枢神経系、眼、肝臓、筋肉、消化管)
分類実施日
(環境有害性)
R1年度、分類実施中
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示感嘆符腐食性健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有害
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷
重篤な眼の損傷
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
中枢神経系の障害のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系、眼、肝臓、筋肉、消化管の障害のおそれ
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡すること。
皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水又はシャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注)”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン
別名4,4'-メチレンビス(シクロヘキサン-1-アミン)
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C13H26N2 (210.37)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号1761-71-3
官報公示整理番号
(化審法)
3-2272
4-101
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水又はシャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤小火災: 粉末消化剤、二酸化炭素、散水
大火災: 粉末消化剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消化剤、散水
使ってはならない消火剤情報なし
特有の危険有害性火災時に刺激性、腐食性、毒性のガスを発生するおそれがある。
加熱により、容器が爆発するおそれがある。
消火水や希釈水は腐食性、毒性があり、汚染を引き起こすおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ、容器を火災の場所から移動する。
容器内に水を入れてはいけない。
消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。
消火を行う者の保護自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く (現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
適切な保護衣を着けていないときは、破損した容器や漏洩物に触れてはいけない。
危険でなければ、漏れを止める。
排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。
乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。
容器内に水を入れてはいけない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること。
密封し、涼しく乾燥した換気の良い場所で保管する。
不活性ガス下で保管する。
安全な容器包装材料消防法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2019年度版)未設定
ACGIH (2019年版)未設定
設備対策取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具緊急時には呼吸用保護具を着用する。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
データなし
臭いデータなし
融点/凝固点-17.6〜-17.7℃ (SIDS (2016))
沸点、初留点及び沸騰範囲134〜134.8℃ (SIDS (2016))
可燃性可燃性 (GESTIS (Access on September 2019))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点159℃ (c.c.) (GESTIS (Access on September 2019))
自然発火点データなし
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度17.56 g/L (25℃) (EST) (SIDS (2016))
n-オクタノール/水分配係数log Kow = 2.03 (25℃) (環境省リスク評価第15巻 (2017))
蒸気圧11.1 hPa (25℃) (EST) (SIDS (2016))
密度及び/又は相対密度0.98 (20℃) (環境省リスク評価第15巻 (2017))
相対ガス密度データなし
粒子特性該当しない

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性空気、光へのばく露に敏感
危険有害反応可能性加熱により分解すると、腐食性および/または毒性のヒュームを発生するおそれがある。
避けるべき条件空気、光へのばく露、混触危険物質との接触
混触危険物質イソシアネート、ハロゲン化有機物、過酸化物、フェノール、エポキシド、無水物、酸ハロゲン化物
危険有害な分解生成物刺激性、腐食性、毒性のガス

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1)、(2) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 380 mg/kg (SIDS (2016)、REACH登録情報 (Access on October 2019))
(2) ラットのLD50: > 670〜 < 1,000 mg/kg (SIDS (2016)、REACH登録情報 (Access on October 2019))
経皮【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 2,110 mg/kg (SIDS (2016))
(2) ウサギのLD50: > 1,000 mg/kg、死亡例なし (SIDS (2016))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分1B-Cとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で3分間ばく露では1時間後の観察で壊死は認められなかったが、24時間後の観察では1/3例に壊死がみられた。2.75時間のばく露では、1時間後までに壊死を生じた (REACH登録情報 (Access on November 2019))。
(2) 本物質は皮膚や眼に対し、強度の刺激性から腐食性を有すると考えられる (GESTIS (Access on September 2019))。
(3) 本物質の類似化合物は全て腐食性物質であることから本物質も腐食性と考えられる (SIDS (2016))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)〜(4) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質 (0.01 mL) をウサギの眼に適用した眼刺激性試験で、角膜の瘢痕、炎症、水晶体の混濁等が観察され、腐食性物質と判定されている (REACH登録情報 (Access on November 2019))。
(2) 本物質は皮膚や眼に対し、強度の刺激性から腐食性を有すると考えられる (GESTIS (Access on September 2019))。
(3) 本物質は腐食性を有すると考えられる (SIDS (2016))。
(4) 本物質は皮膚腐食性 (区分1) に分類されている。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)、(2) のデータはあるが、分類に十分なデータはなく、分類できないとした。

【参考データ等】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験において弱い感作性物質と判定された (REACH登録情報 (Access on November 2019)。
(2) 本物質の類似化合物は感作性を示さないことから本物質も感作性を有しないと考えられる (SIDS (2016))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)、(2) より、証拠の重み付けに基づき、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、単回腹腔内投与によるマウス小核試験で陰性と陽性の報告がある (SIDS (2016))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び遺伝子突然変異試験で陰性の報告がある (SIDS (2016)、NTP DB (Access on September 2019)、REACH登録情報 (Access on November 2019))。
発がん性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖毒性【分類根拠】
(1) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物に一般毒性 (胃の筋肉組織の空胞化、肝臓の小葉中心性空胞化、骨格筋の筋線維の空胞変性、眼の虹彩の立方上皮の空胞化等) がみられる用量で生殖発生影響 (着床痕数の減少、妊娠率の低下、児の生存率の低下等) がみられている (SIDS (2016))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物での (1) の情報より、区分2 (中枢神経系) とした。

【根拠データ】
(1) ラットの単回経口投与試験において、雄の562 mg/kg以上、雌の398 mg/kg以上 (いずれも区分2相当) で立毛、痙攣、嗜眠、昏睡がみられたとの記述がある (SIDS (2016)、REACH登録情報 (Access on October 2019))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1) より、区分2 (中枢神経系、眼、肝臓、筋肉、消化管) とした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) の結果、50 mg/kg/day (90日換算: 雄: 20 mg/kg/day; 雌; 27 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌雄で臨床所見 (円背位姿勢、黄色便、立毛、削痩、眼瞼下垂、嗜眠、紅涙、ラ音等)、ASTの増加、クレアチニンの減少、胃の筋肉組織の空胞化、小葉中心性の肝細胞の空胞化、骨格筋の変性、虹彩の立方上皮の空胞化等、100 mg/kg/day (90日換算: 雄: 40 mg/kg/day; 雌; 53 mg/kg/day、区分2の範囲) で脳への影響 (脈絡叢の空胞化) がみられた (SIDS (2016))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)-
水生環境有害性 (長期間)-
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号2735
国連品名AMINES, LIQUID, CORROSIVE, N.O.S. or POLYAMINES, LIQUID, CORROSIVE, N.O.S.
国連危険有害性クラス8
副次危険-
容器等級II, III
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*153
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法該当しない
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法該当しない
消防法第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1)【5 第三石油類非水溶性液体】
航空法腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2735 アミン類又はポリアミン類(液体)(腐食性のもの)】
船舶安全法腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2735 アミン類(液体)(腐食性のもの)】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用