職場のあんぜんサイト

安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
メチル=(S)-7-クロロ-2,3,4アール,5-テトラヒドロ-2-[メトキシカルボニル(4-トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インデノ[1,2-e][1,3,4]オキサジアジン-4a-カルボキシラート(S体:R体=75:25)
作成日 2024年3月29日
化学品の名称メチル=(S)-7-クロロ-2,3,4アール,5-テトラヒドロ-2-[メトキシカルボニル(4-トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インデノ[1,2-e][1,3,4]オキサジアジン-4a-カルボキシラート(S体:R体=75:25)
化学品の英語名称Methyl (S)-7-chloro-2-{(methoxycarbonyl)[4-(trifluoromethoxy)phenyl]carbamoyl}-2,3,4a,5-tetrahydroindeno[1,2-e][1,3,4]oxadiazine-4a-carboxylate
製品コードR05-D-013-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限農薬(殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H27.3.31、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2A
皮膚感作性区分1
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1 (血液系)、区分2 (神経系、心臓)
分類実施日
(環境有害性)
H27.3.31、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分1
水生環境有害性 長期(慢性)区分1
GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有害
強い眼刺激
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
中枢神経系の障害
眠気又はめまいのおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、心臓の障害のおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
環境への放出を避けること。
 応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
漏出物を回収すること。
 保管施錠して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名メチル=(S)−7−クロロ−2−{(メトキシカルボニル)[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]カルバモイル}−2,3,4a,5−テトラヒドロインデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−4a−カルボキシラート
慣用名又は別名インドキサカルブ
インドキサカルブM
メチル=(S)−7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボルニル(4−(トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−4a−カルボキシラート
(4aS)−7−クロロ2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイルインデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−4a−カルボン酸メチル
英語名Methyl (S)-7-chloro-2-{(methoxycarbonyl)[4-(trifluoromethoxy)phenyl]carbamoyl}-2,3,4a,5-tetrahydroindeno[1,2-e][1,3,4]oxadiazine-4a-carboxylate
Indoxacarb
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C22H17ClF3N3O7 (-)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号173584-44-6
官報公示整理番号(化審法)情報なし
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
以上、GHS分類結果参照
皮膚に付着した場合多量の水/石けんで洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
以上、GHS分類結果参照
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
以上、GHS分類結果参照
飲み込んだ場合口をすすぐ。気分が悪いときは医師に連絡すること。
以上、GHS分類結果参照
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤情報なし
使ってはならない消火剤情報なし
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス、塩化水素、フッ化水素、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置情報なし

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置情報なし
環境に対する注意事項環境への放出を避けること。
以上、GHS分類結果参照
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる。
残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。
粉塵の拡散を防ぐ。
この物質を環境中に放出してはならない。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
以上、GHS分類結果参照
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
粉じん/煙/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
以上、GHS分類結果参照
保管
安全な保管条件施錠して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
以上、GHS分類結果参照
安全な容器包装材料国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度
濃度基準値
八時間濃度基準値
短時間濃度基準値
許容濃度等
日本産衛学会(2023年版)
ACGIH(2023年版)
設備対策情報なし
保護具
呼吸用保護具緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。
作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
−酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
−防じんマスクは、国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具適切な不浸透性の保護手袋を着用する。
保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具耐薬品性の保護衣、靴を着用する。
以上、PubChem参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体
白色
臭いデータなし
融点/凝固点88.1 ℃(GESTIS(2023))
沸点、初留点及び沸騰範囲235 ℃(分解温度)(GESTIS(2023))
可燃性データなし
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点データなし
自然発火点データなし
分解温度235 ℃(GESTIS(2023))
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 0.2 mg/L(20℃)(GESTIS(2023))
メタノール: 103 g/L(25℃)(HSDB(2003))
n-オクタノール/水分配係数log Kow: 4.65(HSDB(2003))
蒸気圧0.00000000019 mmHg(25℃)(HSDB(2003))
密度及び/又は相対密度1.44 g/cm3(20℃)(HSDB(2003))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件高温
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値として、雌雄ともに> 1,500 mg/kgとの報告 (農薬抄録 (2007)、食品安全委員会農薬評価書 (2008)) がある。また、1,730 mg/kg (雄)、268 mg/kg (雌) との2件の報告 (EPA Pesticide Fact Sheet (2000)) があるが、詳細は不明である。したがって、雌雄ともに > 1,500 mg/kgとのデータをもとに区分4とした。
経皮ラットのLD50値として> 5,000 mg/kg (雄、雌) との報告 (EPA Pesticide Fact Sheet (2000)) に基づき、区分に該当しない。
吸入: ガスGHSの定義における固体である。
吸入: 蒸気GHSの定義における固体である。
吸入: 粉じん及びミストラットのLC50値 (4時間ばく露) として、5.5 mg/kgとの報告 (農薬抄録 (2007)) に基づき、区分に該当しない。被験物質が固体であるために、粉じんの基準値を適用した。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、刺激性なし (S体:R体=75:25及び79:21) との報告がある (EPA Pesticide Fact Sheet (2000)、農薬抄録 (2007))。以上より、区分に該当しない。なお、その他の情報として、ウサギを用いた皮膚刺激性試験報告において軽微〜軽度の刺激性あり (S体:R体=50:50) との報告がある (EPA Pesticide Fact Sheet (2000)、農薬抄録 (2007)) が、本分類はS体:R体=75:25の情報を用いて分類した。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性ウサギを用いた眼刺激性試験において、中等度の刺激性あり (S体:R体=75:25) (EPA Pesticide Fact Sheet (2000)) 及び軽度の刺激性あり (S体:R体=79:21) との報告 (農薬抄録 (2007)) がある。以上、中等度の刺激性ありとの報告から区分2Aとした。なお、その他の情報として、ウサギを用いた眼刺激性試験において軽度の刺激性あり (S体:R体=50:50) (農薬抄録 (2007)) 又は刺激性なし (S体:R体=50.6:17.2) との報告 (EPA Pesticide Fact Sheet (2000)) があるが、本分類はS体:R体=75:25の情報を用いて分類した。
呼吸器感作性データ不足のため分類できない。
皮膚感作性本物質を含む異性体混合物 (S体:R体=75:25、79:21) については、モルモットを用いた感作性試験の報告が複数あり、いずれも陽性と判断されている (EPA Pesticide Fact Sheet (2000)、農薬抄録 (2007))。以上より区分1とした。本物質はEU CLP分類において「Skin sens. 1B H317」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。
生殖細胞変異原性S体:R体=75:25では、in vivoにおいて、染色体異常試験 (動物種等不明) で陰性 (EPA Pesticide Fact Sheet (2000))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である (EPA Pesticide Fact Sheet (2000))。したがって、ガイダンスに従い、分類できない。なお、S体:R体=79:21の物質では、in vivoでマウスの骨髄小核試験で陰性、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ヒト末梢血リンパ球の染色体異常試験で陰性である (農薬抄録 (2007)、食品安全委員会農薬評価書 (2008)、HSDB (Access on October 2015))。
発がん性本物質自体の試験データはない。しかし、EPAはラセミ体混合物 (R体:S体 = 50:50) について実施された発がん性データに基づき、本物質に対する発がん性分類として、NL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) に区分した (EPA Pesticide Fact Sheet (2000)、HSDB (Access on October 2015))。その根拠データはラセミ体混合物をラットに2年間、又はマウスに1.5年間混餌投与した発がん性試験において、ラットでは雄で125 ppm 以上、雌で60 ppm以上で、マウスでは雌雄とも100 ppm以上の用量で体重増加抑制がみられたが、ラット、マウスの雌雄いずれの群にも腫瘍発生はみられなかった (農薬抄録 (2007)、食品安全委員会農薬評価書 (2008)、HSDB (Access on October 2015)) との結果に基づく。
以上、ラセミ体混合物の発がん性試験結果を用いたEPAの発がん性分類結果より、ガイダンスに従い本項は区分に該当しない。
生殖毒性本物質自体に関しては催奇形性試験結果が1件ある。すなわち、妊娠ラットにポリエチレングリコール (PEG) に溶解した本物質 (S体:R体=79:21) を妊娠6〜15日まで強制経口投与した催奇形性試験では、最高4.0 mg/kg/dayの用量で母動物に体重増加抑制、摂餌量低下が、胎児に平均胎児体重の低値と骨格変異 (波状肋骨、2/22腹) がみられ (農薬抄録 (2007)、食品安全委員会農薬評価書 (2008)、HSDB (Access on October 2015))、EPAもこの結果より本物質 (S体:R体=75:25) の母動物毒性/発生毒性のNOAELはともに2 mg/kg/day と報告している (EPA Pesticide Fact Sheet (2000))。
以上、胎児にみられた影響はいずれも軽微で分類の対象としない所見であったが、本物質投与による生殖能・性機能への影響を評価した試験結果がなく、本項はデータ不足のため分類できない。
なお、ラセミ体混合物 (S体:R体 = 50:50) については、ラットを用いた2世代生殖毒性試験、妊娠ラット又は妊娠ウサギを用いた催奇形性試験のデータがあり、親動物に体重増加抑制、摂餌量減少などがみられる毒性発現用量においても、児動物、胎児には体重の低値、骨化遅延など軽微な影響がみられたのみであった (農薬抄録 (2007)、食品安全委員会農薬評価書 (2008)、HSDB (Access on October 2015)、EPA Pesticide Fact Sheet (2000))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)本物質のデータではないが、S体/R体=71.3/22.0などの混合物 (配合比は試験データにより若干異なる複数のものが存在する) を用いた実験動物のデータは存在する。すなわち、ラットの経口投与による急性神経毒性試験では、区分1相当の100 mg/kgで自発運動量の一過性の減少、区分1相当の200 mg/kgで前肢握力の減少、後肢開脚幅の減少が認められ、神経毒性の無毒性量は50 mg/kgとされている。ラットの経皮毒性試験 (LD50> 5,000 mg/kg) では異常所見はみられていない (農薬抄録 (2007)、食品安全委員会農薬評価書 (2008))。
以上より、本物質は中枢神経系への影響及び麻酔作用があると考えられ、区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)ヒトに関する情報はない。
実験動物では、本物質 (S体:R体=75:25) の情報として、本物質 (S体:R体=79:21) をラットに90日間混餌投与した毒性試験において、区分1の範囲である雌50 ppm (3.78 mg/kg/day) 以上、雄100 ppm (6.01 mg/kg/day) 以上の群で赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値の減少等がみられた (食品安全委員会農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
また、ラセミ体 (S体:R体=50:50) の情報として、同様に区分1の範囲でラット及びイヌで血液系への影響がみられたほか、マウスを用いた混餌投与による18ヶ月間発がん性試験において雄の125〜200 ppm (22.1 mg/kg/day) 群、雌の100 ppm (20.3 mg/kg/day) 以上の群で神経系への影響 (斜頸、歩行及び行動異常、脳の神経細胞変性及び壊死等)、雄の125〜200 ppm (22.1 mg/kg/day) 群で心臓への影響 (胸水、心筋壊死・出血又は炎症) がみられている (食品安全委員会農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
ラセミ体 (S体:R体=50/50) でみられた神経系及び心臓に対する影響がS体が原因と仮定した場合約14 mg/kg/day、R体が原因と仮定した場合約45 mg/kg/day、S体とR体が同等と仮定した場合約20 mg/kg/day、すなわち、区分2の範囲 (14〜45 mg/kg/day) で本物質 (S体:R体=75:25) においてもみられると推定される。
したがって、区分1 (血液系)、区分2 (神経系、心臓) とした。
誤えん有害性*データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)甲殻類(ミシッドシュリンプ)96時間EC50 = 0.0542 ppm(AQUIRE, 2016)であることから、区分1とした。
水生環境有害性 長期(慢性)慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、魚類(シープスヘッドミノー)の32日間NOEC = 0.0169 ppm(AQUIRE, 2016)であることから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対しては急性毒性データも得られていない。
以上から、区分1とした。
残留性・分解性情報なし
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号3077
品名(国連輸送名)環境有害性物質(固体)、n.o.s.
国連分類9
副次危険-
容器等級V
海洋汚染物質該当
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(令和7年4月1日以降)
作業場内表示義務(法第101条の4)(令和7年4月1日以降)
皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)-
毒物及び劇物取締法-
土壌汚染防止法第2種特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)
船舶安全法有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」