1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | S,S’−2−(ジメチルアミノ)プロパン−1,3−ジイル=ビス(チオカルバマート) | ||
化学品の英語名称 | S,S'-2-(Dimethylamino)propane-1,3-diyl bis(thiocarbamate) | ||
製品コード | R04-B-032-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(カーバメート系殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(神経系、血液系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、血液系の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | S,S’−2−(ジメチルアミノ)プロパン−1,3−ジイル=ビス(チオカルバマート) | ||
慣用名又は別名 | カルタップ | ||
英語名 | S,S'-2-(Dimethylamino)propane-1,3-diyl bis(thiocarbamate) Cartap | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C7H15N3O2S2 (237.33) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 15263-53-3 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 2-1812 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 2-(5)-96 | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
眼に入った場合 | 医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。気分が悪いときは医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 粉末消火剤、二酸化炭素、一般的な泡消火剤。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 情報なし | ||
特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火活動の際は、適切な保護具を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。 | ||
環境に対する注意事項 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取り扱い後は手をよく洗うこと。粉じんの吸入を避ける。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 毒劇法で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | 未設定 | |||
設備対策 | 密閉化された設備または局所排気装置を設置する。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 必要に応じて保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 必要に応じて保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体(GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 183〜183.5 ℃ | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | 130〜131 ℃(Chapman(1995)) 130.5〜131 ℃(Merck(2013)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 易溶(化学物質安全性データブック(1997)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 情報なし | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 本項は、本物質塩酸塩(CAS登録番号:15263-52-2)のデータを用いて分類を行った。(1)、(2)より、区分4とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)本物質の塩酸塩を被験物質とした、ラット(雄)のLD50:345 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) (2)本物質の塩酸塩を被験物質とした、ラット(雌)のLD50:325 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 本項は、本物質塩酸塩(CAS登録番号:15263-52-2)のデータを用いて分類を行った。(1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)本物質の塩酸塩を被験物質とした、ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 本項は、本物質塩酸塩(CAS登録番号:15263-52-2)のデータを用いて分類を行った。(1)より、95%信頼区間が最も狭い雌雄統合のLC50値を用い、区分に該当しないとした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)本物質の塩酸塩を被験物質とした、ラットのLC50(4時間、ダスト):5.7 mg/L(95%信頼区間:2.1〜15.5 mg/L)(雄:3.5 mg/L(0.4〜25.9 mg/L)、雌:18.5 mg/L(3.2〜107.7 mg/L))(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、本物質の塩酸塩の知見を用いて区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)本物質の塩酸塩(CAS登録番号:15263-52-2)について、モルモット(n=15)を用いたBuehler試験(GLP、局所投与:25%検体)において、惹起終了24、48時間後の陽性率はともに0%(0/15例)であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、本物質塩酸塩の生殖細胞変異原性が陰性であると判断されることから、本物質も区分に該当しないとした。なお、新たな知見に基づき分類結果を見直した。 【根拠データ】 (1)本物質の塩酸塩(カルタップ塩酸塩、CAS No.15263-52-2)について、in vivoでは、ラット又はマウスの骨髄細胞を用いた単回又は5日間連続強制経口投与(ラット:最大100 mg/kg/day、マウス:最大150 mg/kg/day)による染色体異常試験で陰性、離乳後の幼若ラットを用いた単回強制経口(100 mg/kg)又は腹腔内投与(30 mg/kg)で陰性の報告がある。また、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(単回強制経口投与、最大80 mg/kg)及び雄マウスを用いた優性致死試験(単回又は5日間強制経口投与、100 mg/kg)で陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018)、農薬工業会: JMPR (1978))。 (2)In vitroでは、カルタップ塩酸塩は細菌を用いた復帰突然変異試験で代謝活性の有無にかかわらず陰性であった(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018)、農薬工業会: JMPR (1978))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、本物質の塩酸塩の発がん性について実験動物2種で陰性であることから、本物質も区分に該当しないとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)本物質の塩酸塩であるカルタップ塩酸塩(CAS登録番号:15263-52-2)について、ラットを用いた2年間混餌投与による慢性毒性/発がん性併合試験では、雌雄とも体重増加抑制及び摂餌量減少がみられる最高用量(40 mg/kg/day)まで発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 (2)本物質の塩酸塩であるカルタップ塩酸塩(CAS登録番号:15263-52-2)について、、マウスを用いた80週間混餌投与による発がん性試験では、雌雄とも体重増加抑制がみられる最高用量(40 mg/kg/day)まで発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 本物質の塩酸塩について、(1)から、生殖能への有害影響は示されなかったが、胎児に骨格異常がみられた。しかし、(2)〜(4)より、ラット、マウス及びウサギの3動物種で母動物毒性用量まで分類根拠とすべき発生影響はみられなかった。また(5)より、食品安全委員会は生殖毒性なしと結論している。以上より、塩酸塩の結果から、本物質の生殖毒性は区分に該当しないとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)本物質の塩酸塩(カルタップ塩酸塩:CAS登録番号 15263-52-2)について、ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(100〜1,000 ppm)において、P及びF1雌雄親動物に体重増加抑制、摂餌量減少(F1雌雄のみ)がみられた高用量(1,000 ppm)群で、F1及びF2雌雄出生児には体重増加抑制のみがみられたとの報告がある。ただし、F1雌親動物の一部を妊娠末期に帝王切開し、胎児への影響を調べた結果、高用量群では骨化遅延に加えて、骨格異常(頭頂間骨、後頭骨、胸骨分節、中手骨及び中足骨の欠損)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 (2)本物質の塩酸塩について、ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(10〜50 mg/kg/day)において、母動物に死亡1/19例がみられる高用量(50 mg/k/day)で、胎児に軽微な発生影響(低体重、骨化遅延)のみがみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018)、農薬工業会: JMPR (1978))。 (3)本物質の塩酸塩について、マウスを用いた強制経口投与による発生毒性試験(10〜50 mg/kg/day)において、母動物に体重増加抑制がみられる高用量(50 mg/kg/day)まで、胎児に発生影響はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018)、農薬工業会: JMPR (1978))。 (4)本物質の塩酸塩について、ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、4〜12 mg/kg/day)において、母動物に死亡1例、摂餌量減少がみられる高用量(12 mg/kg/day)まで、胎児に発生影響はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 (5)各種毒性試験結果から、カルタップ塩酸塩投与による影響は、主に体重(増加抑制)及び神経系(振戦等)に認められた。発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2019))。 【参考データ】 (6)本物質の塩酸塩(カルタップ塩酸塩:CAS登録番号 15263-52-2)の本項は区分に該当しないである(政府GHS分類結果(2006))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本項は、本物質塩酸塩(CAS登録番号:15263-52-2)のデータを用いて分類を行った。(1)、(2)より、神経系への影響が区分1の用量範囲でみられることから区分1(神経系)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による急性神経毒性試験において、17〜60 mg/kg(区分1の範囲)で自発運動量減少、運動協調性低下、流涎・流涙、間代性痙攣、振戦(雌)、後肢握力低下(雌)等がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 (2)ラット又はマウスを用いた単回経口投与試験において、音刺激反応亢進、振戦、間代性/強直性痙攣、立毛等がみられ、ラットでは170 mg/kg(区分1の範囲)以上、マウスでは114〜146 mg/kg(区分1の範囲)以上で死亡例がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 【参考データ等】 (3)ラットを用いた単回経皮投与試験において、1,000及び2,000 mg/kg(区分2の範囲)で雌の各1/10例に死亡がみられたが、雌雄とも症状は運動低下がみられたのみであったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 (4)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(ダスト、4時間)において、0.58 mg/L(区分1の範囲)以上で死亡例がみられ、症状として呼吸速迫、流涙、流涎過多、閉眼、活動性低下及び湿性ラ音がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 本項は、本物質塩酸塩(CAS登録番号:15263-52-2)のデータを用いて分類を行った。(1)〜(4)より、神経系及び血液系への影響が区分2の用量範囲でみられることから区分2(神経系、血液系)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、60 mg/kg/day(区分2の範囲)以上で雌に血液影響(白血球数増加、血小板数減少)、120 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で雄に血小板数減少がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 (2)マウスを用いた混餌投与による80週間発がん性試験において、40 mg/kg/day(区分2の範囲)で雄に赤血球ChE 活性低下(20%以上)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 (3)サルを用いた強制経口投与による4週間反復経口投与試験において、40 mg/kg/day(区分2の範囲)で雄に振戦、雌に流涎がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 (4)サルを用いた強制経口投与による2年間慢性毒性試験において、30 mg/kg/day(区分2の範囲)で嘔吐、軟便/液状便、流涎、散瞳、痙攣等がみられた後、雄1/4例、雌2/4例が死亡し、さらに雌1例が瀕死のため切迫と殺された。また雄に精巣及び前立腺の絶対/相対重量減少、雌に振戦、血液影響(赤血球数・ヘモグロビン及びヘマトクリットの減少)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 【参考データ等】 (5)マウスを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、135及び160 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で血液影響(白血球数減少、桿状核球比増加)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2018))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=10μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=64(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法分解度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3077 | |||
品名(国連輸送名) | 環境有害物質(固体)、n.o.s. | |||
国連分類 | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 該当しない | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条) | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 R5.3.31: 物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。 |